■ strawberry ■ 作者/碧琶 ◆xfa1dsRBJk

◆strawberry5...願い
だけど、そんなの簡単じゃない。
「一緒になりたいねーっ」
――だから、陽気に言う奴らが羨ましい。
一緒になれる確率なんて、32分の4に過ぎない。
だが、俺はその確立にかける。
もし一緒になれたなら――・・・
それって運命じゃないのか?
〝偶然〟と言う奴がいるかもしれない。
だが、苺と一緒になるんだったら、俺は運命だととらえたい。
好きで好きでたまらないんだ――・・・
あの日のように、もう一度無邪気に笑ってほしい。
そして、あの時の言葉をもう一度言ってほしい。
「慧君と永遠に繋がっていたいな」
花火の下で、消えそうな声で呟いた苺。
〝永遠に〟なんて、ないだろって言ってはぐらかしたけど、本当は嬉しくて堪らなかった。
顔が火照って、苺にばれないようにずっと上見てたっけ。
で、少し下を見ると苺が俺を覗き込んでて――・・・
あの時、凄く焦った。
口をきゅっと結んで、優しい目で俺を見ているから、益々顔が火照るんだ。
あの頃は、歯痒いくらいの幸せを噛み締めていた。
まさか、あの後別れるなんて、誰が想像しただろう。
俺が全てを壊してしまった。
あの頃の自分は小さいなーっって・・・改めて思う。
苺を守りきれなかった俺の、後悔で一杯な――・・・
苺と俺が別れた理由。

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