戦いは終わらない-D.Gray-man― 作者/黒露 ◆KandaS7iF.

仲間は辛い

◆6◆[私の未来に向けてすべき事]



    ソロウはぽけ―っとして揺ら揺らと揺れている。
 
   その様子をラビ・神田・アレンはまじまじと見ている。
    
    「寝惚けてたんさ??」

    ラビが静かに言う。

    「その様子・・ですね??」

    アレンは隣のラビに言う。

    ソロウの右目には痛々しい包帯が巻きつけられてある。

   ラビはにやにやと笑いながらその包帯に手を掛ける。

    「ラビ!!いけませんよ!!」

   アレンが小さく叫ぶ。

     「平気さ―w」

          コンコン・・・

    いきなり扉をノックされた。

   アレン・ラビは驚く。

   神田は黙って布団に入る。

           ギィ・・・・


     「失礼します・・・」

    ゆっくりと入って来たのはリナリー。

   手には小さなマグカップと御盆。


        「あ。」

    ラビとアレンが小さく声をあげる。


    ソロウの包帯を取ろうとしたラビは、丁度ソロウの上に覆いかぶさる体制になっていた。
           ピキッ――

    笑顔のリナリーに青筋がたった。

   笑顔が引きつっている。

    しかも怒りのオーラがしゅわしゅわと出ている。

     「怪我人に何してるのかしらラビ?」

    ラビはソロウから手を離す。

    「こっ―――・・コレは――・・・」

    リナリーが足を高々と上げる。

    「こんッの――――・・・・」

   黒い靴が緑色に光る。

        イノセンス・・・発動。

      「へんッたい兎――――!!」

      ―――ドッゴーン!!

   ラビが部屋の外の廊下に砂埃と共に減り込む。

   「ナ・・・・ナイスショット。」

   パチパチとアレンが拍手する。

        バーン!!!

     今度は半壊した扉が勢いよく開き、アレンがその下敷きになる。

    「新米のエクソシストは何処よ―――!?」

   長い緑色の髪と水色の瞳。

   にっこりと微笑んでいる彼女の名は六久。

  教団内のエクソシストである。

   キョロキョロと六久は探している。

  
 その後ろではメソメソと言う泣き声と共に

  「放してくださいよぉ~・・・お願いですからぁ~・・・・本当にお願いしますよぉ~・・私まだ任務から帰ってきて和菓子食べてないんですからぁ~・・」

   ズルズルと六久に引きずられてきた彼女は詠娑。

  彼女も教団のエクソシストである。

    「何この爆風と爆音―。シュラ分かる―??」

   「・・・・・・・」

   シュラと呼ばれた彼女もエクソシストである。

  非常に大人しく冷静だ。

  のんびりとしている彼の名はシャーリー/ミオタス。

   彼もエクソシストだ。


   「リナリー?これ、どうしたの?新米のエクソシストちゃんは何処?」

   「それより六久?アレン君が大惨事よ?」

   六久が扉の後ろをひょいっと見ると、アレンが血まみれになって扉に減り込んでいる。

    「ギャァァァァァ!!何コレ!?」

    「100%六久さんの所為ですよぉ―・・」
    
   詠娑が泣きながら言う。

    「つ―かアレン大丈夫?」

   シャーリーが言う。

   その割りには顔が爽やかだろが、と布団から起きた神田は思った。

    「・・・・・・・」

   そんな神田を横目で睨んでいるのはシュラ。

   神田と目が合うとそっぽを向く。

   チッ・・と神田が舌打ちをした。

   きっと今さっきの爆音で起きたのだろう、ソロウが起きていた。

   寝惚けてはいなかった。

    六久はぱぁぁっとした顔でソロウに抱きついた。
    
   「ムゴモゴ・・・・・・!?」

   ソロウはいきなりの所為か手足をばたつかせている。

   「新米のエクソシストちゃん可愛いじゃないvvリナリー、名前は??」

   リナリーは引きつった笑顔で答えた。

  「そ・・ソロウ・クラウンよ・・・?それより・・」

   「そうッ!!ソロウちゃん??可愛い―v」


    ・・・・・ムゴ!!モグッ!!ホゴッ!!

   ソロウの声と六久の声が部屋の中に響く。

   ラビとアレンはへにょへにょのまま座り込んでいる。


   「・・・・あのさ。」

  シャーリーが呟く。

   「ん?な―に?シャーリーv」

   シャーリーがソロウを指差す。

   ソロウは動いていない。

  「・・・・それってさ、窒息中じゃないの??」

        ガバッ・・

    六久の腕の力が緩んだ今、ソロウは六久から離れた。

    はぁはぁ・・と肩で息をしている。

   「ごっめんね―☆」

    六久は謝っている。

    (謝る気ないだろ。)

    その場に居た全員はそう思った。

    リナリーはにっこりと爆音で起きたソロウに向かう。

    「じゃぁ、行きましょうか。貴方の未来の為にすべき事を―――。」