戦いは終わらない-D.Gray-man― 作者/黒露 ◆KandaS7iF.

■1章■―煌く双子― ―ノア―



[I go ahead through the way of the devil.]
    私ハ悪魔ノ道ヲ進ム。

◆1◆[もう一つの物語]



      「・・・・・・」

   何時間寝ていたのだろう

  意識はあるのに動けない。

   体が痛い。

  左目が痛む。

   この左目は私の双子の妹[ソロウ]の物だ。

  誰かに二人ともの目を抉られ、そして

   ―別々に―・・入れられた。


  「起きたぁ?]

  私が寝ている傍でゆっくりと少女が抱きつく。

  少女の肌は浅黒く、額には聖痕が在った。

  「おはよぉ♪   ″家族〟ぅ♪]

    家・・・・    族?

  私の家族はソロウだけ

  他の奴なんて要らない

  そう、私にはソロウだけ

   他の人なんて嫌

  「・・・君は今日から僕等の家族だよぉ?

   僕の名前はロード・キャメロット。

  君の名前はローゼ・クラウン。」

     痛む額と体からは少しずつの言葉しか出ず

   大きな声で反論は出来なかった。

    「家族なんか・・

      要らない。

      ア ンタな んか

      かぞ くじゃ

        な   い 」


            クスッ・・・


ロードと名乗った少女は、笑って蒼い鏡を出した。

   鏡を見ると、いつもの左目は無く、赤く光る左目が居た。

  左目を覗くと、白い部屋で寝ているソロウが居る。

「ソ・・・・・ロ・・『そんなものを見ろなんて、僕は言ってないよぉ?』

そう冷たく言ったロードは怖かった。
 
「彼女はもう僕等の敵なんだよぉ?」

額の包帯を外すと、彼女と同じ聖痕が在った。

   私はこの人の家族なんだ

    「No!No!」
     [違う!違う!]

   「・・・君の左目はぁ、アイツの所為でこんな目になってしまったァ・・こんな聖痕が出来たのもぉ・・・アイツが君を見放したからだよぉ・・?」

         見放したの?

    「ねぇ、復讐しなぁい?」

    復讐。

   憎しみが募った。

    「いいわ・・・

      私は

         ノアになる。」

[ I promise to this left eye.]
     この左目に誓う。