戦いは終わらない-D.Gray-man― 作者/黒露 ◆KandaS7iF.

赤い月は笑った
◆5◆[赤い月の照る夜に]
「貴方の今回の任務は村潰しでスv」
千年伯爵がニッコリと笑う.
綺麗な白い歯が月明かりで光る.
千年伯爵―――・・・
この世の終わりを望む者.
AKUMAの製造者.
「村潰しィ?何でそんな小さな事しなきゃなんないのよぉ?」
ローゼがつまらなそうに頬を膨らませる.
千年公は手元にある紅茶を飲む.
一口飲み終えると一言言う.
「このダージリンティー、少し美味しくないですネvアッサムティーに変えてくださイv」
メイドのアクマ―・・・いや、ローゼの召使、リズはは頷き黙って紅茶を淹れなおす.
千年公はその様子を安心した様に見る.
千年公はローゼに首を傾げ言う.
「それにしてモ、あんな子で良かったんですカ?あのアクマよりもとっておきの我輩のアクマちゃん達なら一匹ぐらいあげますヨ?」
その言葉にローゼは目を瞑り、そしてゆっくりと言った.
「―――良いのよ.別に.」
その言葉に千年公は頷いた.
「そうですカvまぁ別に良いんですがネv」
―――――カタリ
ゆっくりとリズが紅茶を置く.
ローゼがソファーから立ち上がった.
リズもゆっくりと立ち上がる.
「・・・じゃぁ、行って来るわ.千年公♪」
ローゼは微笑むと部屋を出て行く.
その後をリズが千年公にペコリと頭を下げローゼの後を付いて行った.
「・・・・・・・ローゼ――・・・」
千年公は途中まで言って紅茶を一口飲んだ.
ローゼが後ろを向く.
千年公は笑う.
「美味しい紅茶ですネv」
+
「どうするんですかローゼ様?」
リズはローゼの部屋のカーテンを開ける.
真っ黒な暗闇には赤々としている満月がリズとローゼの顔を照らしている.
リズの服装は真っ白い半袖のブラウスの上に深緑の裾の短いドレス.
頭には深緑色のヘッドドレス.
ふわふわとレースが揺れる.
「――・・・そうねぇ・・」
ローゼの赤い唇が光る.
ローゼの服装はキャミソールの黒く、裾がかなり短いドレスに真っ黒いブーツ.
ローゼは氷が入っているグラスに月を映す.
そしてニッコリと微笑むと立ち上がる.
リズがハッとしてローゼの足元に座る.
「貴方に任せても良い??」
ローゼは子供の様な笑顔で笑う.
リズは溜息をつくと言った.
「ローゼ様の仰る通りに――」

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