イナイレ*最強姉弟参上?!*
作者/ 伊莉寿

第59話 ガルシルドの手の中で…
円「お前は?」
魁「!月宮、何で此処に??!」
ヒ・土「月宮?」
月宮と呼ばれた少女は毛糸のニット帽をかぶった、小学生の様に見える。
鬼「久しぶりだな。」
月「はい、鬼道さん、魁渡さん、瑠璃花さんお久しぶりです。他のお二方は初めまして。私、月宮夕歌といいます。」
彼女はPCの近くに寄り、画面をのぞいた。
月「ザ・キングダムについて調べていたのですか。差し詰め八百長試合でも申し込まれたのでしょうが…。」
全「!」
月宮は瑠璃花を見て微笑む。
月「ロニージョさんが何故、八百長試合を申し込んだのか知りたくありませんか?」
~瑠璃花side
そんなこんなで今、ブラジルエリアに居ます。
私と魁渡が月宮さんに会ったのは、お父さんとお母さんの仕事について行った時だった。
彼女のお父さんが石油関係の職業に就いていて、吉良財閥が取引をしたいと言いだし、お母さん達が吉良財閥代表で行ったのです。
その時、自宅に帰って来ていた月宮さんと会いました。
無口な彼女はなかなか打ち解けられなかったけれど、少しは会話が出来るようになった。
瑠「もしかして、ガルシルドの事を調べているの?」
月「ええ、あの人は悪事を働こうとしているんです。」
ヒ「サッカー協会の会長のガルシルドが?」
ブラジル代表の宿舎に着くと、選手の方が何やらもめていました。話の内容からして選手の方を追い出そうとしている様ですが…。
土「何なんだ、あいつ等…。」
愛「もう少し、静かに出来ないの?」
全(?????!)
玄関から出てきたのは、紛れもなく蜜柑ちゃんだった…。
驚いている私達を見つけたのか、蜜柑ちゃんは微笑み、その場に居た人全員(選手も)に中に入るよう言った。
愛「何してるのっ?」
月「ザ・キングダムがどんなチームか知りたいって言っていたので。」
円「何で蜜柑が…!!」
蜜柑ちゃんが微笑して説明をした。手短に。
愛「ガルシルド様にお仕えしている。ですが、何か?」
月「!」
魁「なっ…」
そっか…。
今までのはまた演技。
月「脅されてでもいるの?」
愛「何の事??私もお仕事あるから、早く帰ってくれると嬉しいな☆今なら貴女も見逃すし♪」
貴女?蜜柑ちゃんの視線の先は月宮さんだった。
月「…分かりました。」
混乱しているキャプテンを掴んで引き返す。
ブラジル代表宿舎から離れると、月宮さんが代表の話をしてくれた。
ザ・キングダムの選手の皆さんは、成果を出さなければ家族の職を奪われてしまうチーム。
月宮さんは悪事の証拠を持っていた。そして、蜜柑ちゃんは脅されているのだろうと説明してくれた。
鬼「蜜柑は案外そう言った事も知っているから、確かにただで従うとは思えない。」
ヒ「悪事の証拠って言うの持って、ついて来てくれるかい?」
月「最初からその積りです。」
…月宮さん、何となくラティアに似てるな。
魁渡は嫌って無いみたいだけど。
こうしてジャパンエリアに戻って来た私達。
豪「!?月宮!」
月「お久しぶりです。今日はガルシルドの悪事の証拠を、皆さんに見てもらおうと思います。」
豪炎寺さんの知り合い?
それはともかく、月宮さんが持ってきた証拠は途轍もない物でした…。FFIの参加国同士がいがみ合ってる所に武器を売り込み金を儲けると言う…
とにかく凄かった。
月「これを持って行った所で、警察に手を回す事が出来るガルシルドです。捕まってはくれないでしょうが…。」
響「だが、我々も黙ってはいられない。私が持って行こう。」
月宮さんは、少し躊躇ってから証拠を渡した。
これは、間違いだったのだろうか…。
愛「やっぱりダメだったかぁ…。」
蜜柑が溜め息をつく。
響木が証拠を持って警察へ行こうとしている。スーツの男が指示を仰ぐ。
愛「深追いは禁物だよ?」
はっ、とスーツの男が響木を追い始める。
ガ「蜜柑、しっかり働いているではないか。」
愛「!ガルシルド様…」
蜜柑が戸惑いの表情で見上げる。突然部屋に入って来たガルシルドは蜜柑を見てニタリと笑った。
ガ「FFIをしている間に何も問題が無ければ、お前は解放してやろう。」
悔しそうに唇をかむ蜜柑。
ガルシルドが部屋を出て行くのを見送ると、彼女の頭はフル回転。
私はあいつを倒すんだ。
警察に入れて、もう二度と悪事なんか出来ない様に!
そうすれば…
そうすれば、私だって……。
そのためには、どうしたら良い?

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