イナイレ*最強姉弟参上?!*

作者/ 伊莉寿



第61話



~蜜柑side

無得点のまま、前半は過ぎて行く。

う~ん、さっき月宮って子とティアラちゃんが出て行ったけど、何なのかなぁ…もしかして、動くのかも??!

ガ「おい。」

愛「はい?」

声低い声低い…怖いってガルシルドォォォ…

すると、小さい声で警察に捕まるかもしれない、脱走の準備をしておけ的な事を言って来た。

そうなると?私は完全に法に背いちゃうよね…。

思い出されるガルシルドの言葉。

―兄にすぐ会わせてやる

会いたいとでも思ってる?

ガルシルドを守る事、それはお兄ちゃんを守る事。

多分、私は会いたいんだ、あの優しかったお兄ちゃんに…。

ベンチを立って、会場を出て行く。

もう、何も考えたくない。

この試合、ザ・キングダムは勝てない…ロニージョ達は、どうなっちゃうの?



~瑠璃花side

前半終了時点でお互い無得点。

鬼道さんとヒロト君、キャプテンと土方さんが相手チームの選手と話していました。

キャプテン達の顔が険しい。その視線の先に居たのはロニージョさん。

人質として家族を取られ、好きなサッカーを楽しめないのは酷い事。それに前半の無差別に攻撃する個人プレイも、彼らしくありませんでした。

メ「?!鬼瓦刑事??」

豪「月宮とティアラも…。」

2人の声を聞いて振り向くと、其処には複数の警官と鬼瓦刑事、見た事のないおじさん、月宮さんとティアラがいた。

鬼瓦刑事が手をひらひらさせると、ガルシルドが警官に囲まれた。これはもしかして…

月宮さんとティアラが、呼んだの?

しかも逮捕??!

何でも見た事のないおじさんが、本当の監督さんらしく監禁されていたらしいです。

ロニージョさんはRHプログラムつまり「強化人間プログラム」を受けていて、それは戦争をする為に作られたもの。

武器を大量販売し金を儲け戦争を起こし、さらにRHプログラムで儲けようとしていた…。

ティアラが審判のリストバンドの下から出ていたホイッスルを打ち切った。すごい怒り様…。

テ「このホイッスルの音が、ロニージョのRHプログラムを発動させてたんだよね。」

瑠「…ホイッスルが…。」

ロニージョさんが頷いた。鬼瓦刑事がホイッスルを受け取り、ポケットにしまった。

鬼瓦「これで自由だ。」

こうしてガルシルドは退場して行った。キャプテンが鬼瓦刑事に駆け寄る。

私達が手に入れた情報の中に、RHプログラムの事は無かった。どうして刑事はそこまで知っていたのか…。

キャプテンがその事を聞くと、驚きの答えが返ってきました。

鬼瓦「月宮と影山からさ。」

月「正確にはお父さんからですがね。私のお母さんは虹天いろは。ガルシルドに殺されました。」

鬼「!有名な女優だな。確かバイオエタノールの普及を目指す石油関係者と結婚したと…。」

月宮さんが頷き、話を進めた。まとめると…。

ガルシルドが自分の母の死に関係していると知ったのはつい最近…彼がFFIを開催していると知り何かが起こると踏んで調べ始めた。

すると父親が社内にガルシルド側の工作員を発見、情報を聞き出した。

そこで次に試合をするイナズマジャパンに情報を提供しに来たが、揉み潰されてしまった為クラリス家の名前を持つティアラに協力を頼み、無理矢理鬼瓦刑事を引っ張り出して来た。

って御苦労様です鬼瓦さん…

鬼瓦「影山も、死ぬ前に情報を提供してな。」

鬼「総帥…。」

総帥?影山の事…ですか?

そう言えば、私本当に見た事は無いな~。…あれ、この前ニュースで死亡したって…

円「ロニージョ!全力でサッカーしようぜ!」

嬉しそうな皆から離れて、私は蜜柑ちゃんを探そうと辺りを見渡す。

そして異変に気付く。居ないんです。

何時いなくなったの?ガルシルドが逮捕される前??


嫌な予感がしたのは、言うまでもなく…。


テ「瑠璃花?どうしたの??」

瑠「…ちょっと、ね。」


ホイッスルが鳴り響く。

今までのよりも、明るい音色で……


ザ・バースでイナズマジャパンが後半に得点。

1-0で勝利。