イナイレ*最強姉弟参上?!*

作者/ 伊莉寿



第62話 脱走。



鬼瓦「イナズマジャパンが勝ったな。」

パトカーの中で勝敗の結果を知った鬼瓦が、ガルシルドの表情を伺う。特に変化は無かった。

すると、道が交通止めになっていた。工事らしい。

警官達が外に出て様子を見る。道を変えよう、と結論が出た所で砂埃が落ちてきた。

上を見れば、鉄骨が自分達に迫っていた。

落下する鉄骨、その奥で少女が無表情なまま目を開けた。

愛「お迎えにあがりました…。これで良いですか、ガルシルド様。」


少女とは、鉄骨を落とした張本人―愛姫蜜柑。




~瑠璃花side

オルフェウスとリトルギガントの準決勝。なのに、昨日の試合で疲れて爆睡している皆さんはなかなか起きず、完全に寝坊です。

試合が終わるまでに辿りつけるか、という状況。

魁「さっさと起きろよ、メテオスマッシュ食らわそうかと思ったぜ。」

虎「寝てる人にメテオスマッシュは病院送りです^^;」

魁渡は早起きしたけど…。

…オルフェウスか…フィディオさんのチーム。でもロココさんのチームは強い。

どちらが勝つのか聞かれたら、きっと私はリトルギガントって答える。キャプテンはオルフェウスって信じてるけど。

試合会場に着いた。

私達は大急ぎで中へ入る。

スコアは……驚愕だった。


8-0。


フィディオさんのオーディンソードを、必殺技を使わず止めるロココさん。

息を飲む試合展開。これは……。

リトルギガントは、世界の頂上に1番近いチーム。きっと、全員がそう思ったでしょう。



試合後、オルフェウスの元を訪れると何故かラティアがいた。

円「あ、ホテルで料理長にアドバイスしてた…。」

ラ「見てたのね。」

何時の事?と聞くと、ファイナル・ザ・カオス戦の前の夜の事らしい。流石ラティア!

魁(空気が…重たい(・・;))

世界大会の準決勝であの点差。普通はあり得ない事…これだけ沈むのも、無理は無い。

ラ「あのチームは個人のレベルが高いわ。イナズマジャパンも、勝てるかしら。」

魁「ラティア、俺達がいるのに勝てないと思ったか?」

アレ、クウキガピリピリシテルヨ?

ラ「分からないわよ、メテオスマッシュも片手で止められたりし…」

魁「んな訳あるか!」

フィ(……空気読んでほしい…)

ラ「大体チームの中で2人くらい強くてもバランスが悪いだけよ。」

魁「!!っ…」

あ、負けた。言い返せないね魁渡君。

瑠「えと、失礼しました…。」

キャプテンを見ると、何も言えない様だった。

長居は無用、私達は勝者、彼等は敗者。

気の利いた言葉なんて、同情なんてきっと傷に塩を塗るだけ…去るしかなかった。



ロ「ルリカ!カイト!!」

見つけてほしかったんですか??!

廊下を歩いていると、ロココさんが私達に手を振っていた。…隣に夏未さんいるのに…。

円「夏未??!」

夏「円堂君。」

吃驚するだろうな、夏未さんはリトルギガントのマネージャー。敵チームのマネなんですから。

こうして2人の間にはピリピリした空気が流れ(魁渡とラティアの時の10分の1以下の)ロココさんは何も言えなくなった。

夏未さんが私達に向けた背中。大きな決意が伺えた。



雨が降り出した。

これは所謂(いわゆる)ゲリラ豪雨ですね!!どしゃ降りの中、宿舎を目指して走る私と魁渡とキャプテン。

所が駐車場まで来た所で、他の車が水たまりを跳ね、私と魁渡に命中した。…気分が悪いです。

ラティアに会えたのは嬉しかったけど…悲しい…。



直ぐに雨は上がった。

通り雨だったらしいのですが。帰ったら秋さんに吃驚されました。せっかくのジャージが泥だらけです…。

瑠「くしゅっ!」

音「直ぐに着替えて瑠璃花ちゃん!」

瑠「はい…。」

秋「そういえば、響木監督が一般病棟に移されたそうよ。」

じゃあお見舞いに行こう!って明るい皆さんの声。

う~ん、少しは明るくなれますねっ!!


じゃあお見舞いに行こう!って事で^^;現在バスに揺られています…。

「RAIOKOTTO HOSPITAL」の文字。大きい総合病院です。

バスの中が寒くて、外に出た瞬間、暖かい風に落ち着きました。

正面玄関に来ると、扉が開き夏未さんとバッタリ。自分がリトルギガントのマネージャーだと告白し、気まずい雰囲気に。

すると、リトルギガントの選手が1人、全速力で走って来た。何でも自分達のエリアが何者かに襲われているという。

中に入りテレビをつけると、丁度そのニュースを放送していた。酷い惨事になっている。

円「皆!行くぞ!!」

全「おう!!」

部屋を出ようとした瞬間、立ち眩みがした。慌てて近くの壁に手を当てて支える。

瑠「?」

視界が霞む。

魁「瑠璃姉、早く行こうぜ?」

瑠「うん……。」

目をこすると治った。何だろ?

私は魁渡達を追いかけて、病院を出た。