イナイレ*最強姉弟参上?!*
作者/ 伊莉寿

第63話 根気で…??!
瑠「きゃっ??!」
ずるっ、ドテン!
前を走っていたイナズマジャパンの選手全員が振り返る。
病院の階段で滑って落ちたらしい瑠璃花が、恥ずかしそうに立ち上がった。
鬼「…気をつけろ。」
鬼道が差し伸べた右手を、瑠璃花が握る。鬼道が瑠璃花の顔を見て、左手を瑠璃花の額に当てる。
鬼「!熱がある?!」
魁「えっ??」
瑠「!」
秋「もしかして、あの雨に当たったから…」
上せた様な顔の瑠璃花を見て、夏未が病院で診察を受けなさい、とあの命令口調で言った。
夏「決勝を控えているのよ、自分の体を大事にしなさい。」
音無が付いて病院の中へ引き返す事になった。魁渡も付いていこうとして夏未に呼び止められる。
夏「魁渡君、貴方はコトアールエリアに向かうのよ。」
魁「!?俺は…」
続けて出ようとした言葉が、出て来なかった。
瑠璃姉についてる、と言おうとして、夏未の真剣な視線でもう一度考え直す。
音無が一緒に居れば、恐らく問題は無い。瑠璃花だって歩けるから物凄く大変な病気ではないはずだ。
でも、瑠璃花はイナズマジャパンに伝えていない事がある。
魁「俺は瑠璃姉についていく、それに日本代表だけでもあれ位大丈夫だろ?」
すんなりと出せた言葉。
円堂の呼びとめようとする言葉は、魁渡の耳に届かなかった。
~瑠璃花side
どしゃ降りの雨。
今まで味わった程が無い程、大きな雨粒とその間を通り抜ける冷たい風。
でもまさか風邪を引くなんて想像していなかった。
瑠「…こほっ!!」
音「37.8…立派な風邪ですね、とりあえずベッドで寝てて。」
私は頷いた。もうベッドの上で横になってるけど。
寒気、頭痛、咳等…お医者さんに一言で片付けられました。「風邪です」って。
魁「でも誰だろうな、コトアールエリアを襲ってる奴等って…。」
さあ、と音無さんが首をかしげる。さっぱり分からない、と顔に書いてあります。
音「私、外に出て秋さんに電話してきます!」
魁「分かった。」
音無さんが部屋を出て行くと、魁渡の視線は私の足に向いた。
魁「さっき、捻ったのか?」
瑠「多分…、でも大丈夫だと思う。」
伝説について聞き込みをしていた時、私は…。
右足を、車にひかれてケガをした。
大した怪我じゃないと思ってたら案外重傷で、聞き込み自体大変だったけど更に日にちがかかっちゃって…
あの手紙を解読できたのは、ベッドの上でじっくり考えられたからでもあるけど。
根気で早く治して(笑)、何とか聞き込みを再開出来て…。
瑠「こほっ…」
今回も、根気で早く治して練習に参加したいな…とか思ってたり。
と、廊下を急いで走って来る足音。音無さんだと直ぐに分かった。
音「大変ですっ、またガルシルドが…!!!!」
魁・瑠「!!!」
襲ってたのは、ガルシルドだった…?
~秋side
チームガルシルドと戦う事になったイナズマジャパン。
相手はとても強くて、こんな時に不安を和らげてくれていた瑠璃花さん達が居ないとすごく不安になって来る。
強化人間…成程、影山の上に居た人物らしいサッカーね。
と、ピリリリと携帯の着信音が響く。これは私の携帯…画面には「春奈ちゃん」の文字。
秋「もしもし。」
音『コトアールエリア、着けましたか?!』
秋「ええ、犯人はガルシルドだったわ。今、チームガルシルドとイナズマジャパンが戦っているの。」
音『ええ??!ガルシルドォォ???!』
驚き過ぎよ…^^;
秋「瑠璃花ちゃんは?」
音『ええと、風邪と診断されて、今ベッドで横になってます。魁渡君が付いていてくれてます。』
ほっ、とした。良かった、ただの風邪だったのね。
秋「春奈ちゃん、試合が終わったら迎えに行くから、瑠璃花ちゃんの近くに居て。」
音『分かりました!試合、勝つって信じてますから!!!』
プツ、と電話が切れたけど…病院内では静かに、って言っておいた方が良かったかしら。
夏「瑠璃花さん、風邪?」
秋「はい、今ベッドで休んでるって春奈ちゃんが。」
そう、安心した表情を見せて再びフィールドを見る夏未さん。
完全にイナズマジャパンが押されていても、私にはどうする事も出来ない。でも、夏未さんや大介さんはどうにか出来る…。
…ガンシャンドワン…全く分からないけど…。
円堂君、よく必殺技を微妙だけど発動させられるわね…
前半が終わった時、コトアールエリアに車が停まった。降りてきた少女と少年…
全「!!!」
アメリカ代表ティアラさんと、マークさん…!!
テ「よ~し!マーク、がんばろー!!」
す、すごい事になりそうな…予感。

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