イナイレ*最強姉弟参上?!*
作者/ 伊莉寿

第70話 ラストゲーム・1~得点~
ラ「あのキーパーウマシカだったのね。」
テ「馬鹿って言ってるんだよね?」
円堂がゴッドキャッチを完成させた様子を見たラティアの感想である。
染岡のけがという代価を払って完成したゴッドキャッチ。ダブル・ジョーをしっかりキャッチした。
フェ「フュイ、攻めろ。」
フュ「言われなくても。」
フュイはロココの元へ走る。が、イナズマジャパンがパスを繋いでいた。追いつかれそうだ。
瑠「吹雪さんのドリブル、速くって正確です!!」
魁「立ち直ったな瑠璃姉。」
にこ、と微笑む瑠璃花は、すっかり明るくなった。
フュ「全く、魅せてくれるねジャパンは…!」
走るのをやめ、彼女はドリブルで進む吹雪の前に立つ。そして笑みを浮かべ、ボールをはらった。
吹「!!」
フュ「風になりきれてないよ、君。」
ボールはラインの外へ。
久遠監督が考え込むような素振を見せた。そして選手交代、と審判に言う。
魁「久遠監督、俺を出すならキーパーにして下さい。」
久「…分かった。」
テ(ふうん、何考えてるのかさっぱり分かんない☆)
ラ(私もよ。あの目立ちたがり屋がFWじゃないなんて…)
メ(でもGKのユニって暑いな…。)
瑠「…テレパシー出来ないよ…」
少し寂しくなった瑠璃花だった。
久「選手交代、壁山にかわり流星魁渡。」
メ「キャプテン、今、進化させたあの技の出番じゃないか?」
メテオがMFについた円堂に駆け寄り、声をかける。
円「!そうだな。」
メテオがロココを見る、視線がぶつかった。
メ「俺達は勝って見せるぜ?」
ロ「…ふっ。」
微笑して構える体勢を崩さないロココ。メテオはゴールまで行き、仁王立ちをしていた。
円堂がいきなりボールを奪った。
ドリブルをして豪炎寺にパス、自分は前線まで上がる。
円堂のリベロはデータが少ない。相手のリズムを乱すのには打って付けである。
円「行くぞ!心を一つにするんだ!!!」
イナジャパ全「おう!!!」
ロ「?!」
ゴール前まで来て、円堂と豪炎寺、ヒロトが3つの点を取る様なフォーメーションになった。
吹「…成程。」
円堂大介「!ほぉ…」
皆の心を一つに…。
そう、円堂大介の究極奥義。
瑠「ジ・アースG5!」
円「うおおおお!!」
フェイがシュートブロックをしようとして足を止めた。橙色の髪が視界に入って来たから。
メテオがボールをあげて、かかと落とし。様々な惑星と共にボールが落下する。
メ「メテオファイナルっ!!!」
走り込んでいたメテオのシュートチェインだ。フェイがぼそりと呟く。
フェ「逃げ足の速さを生かしたな。」
メ「ざけんなっ!!」
ロ「ゴッドハンドⅩ改!」
進化したゴッドハンドⅩがボールを止めている。が、じりじりと押されて砕けた。
イナズマジャパン、同点。
ヒ「よしっ!!」
円堂と豪炎寺がハイタッチ。メテオが満面の笑みで円堂の前髪をつつく。
ラ「意味不明ね、ウマシカが戸惑ってるわよ。」
テ「名前で呼んであげてよ、せめて!!」
瑠「やったぁ!!」
フィディオと瑠璃花がハイタッチ。秋とも手を取り合って喜ぶ。
このままで終わる訳は無いけれど。
ボールを拾い上げてロココが円堂大介と視線を合わせた。
フュ「1点、取り返そう。」
ロ「ああ。」
彼が振り返って尋ねた。今、どんな気持ち?と。
シェリー兄妹は顔を見合せてから答える。
フェ「悔しいけど、これがライバルなんだ。」
フュ「本気で行かないと勝てそうにない…ロココにとっては初めてでしょ?私は本当に強くなったんだ!だからメテオにリベンジしたい!」
真っ直ぐな視線は、ロココの心の中で不思議な力になって笑顔を作った。
そうだ、本気で行かないと。
試合は、再び動く。
その先でイナズマジャパンを待っているのは、失点か、はたまた得点か。

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