イナイレ*最強姉弟参上?!*

作者/ 伊莉寿



第71話 ラストゲーム・2~メテオパンチ~



前半が終了した時点でスコアは1-1の同点。ベンチでは選手達が明るく話している。

テ「風丸が下がって不動が入るのか…」

ラ(嫌な奴が入るわね。)

テ(ね~。)

瑠璃花はこんな時にテレパシーが便利だと思った。選手には通じないから。

テ「そう言えば瑠璃花、さっきから調子いいね。咳とか全然出なくなってる。」

瑠「あ、確かに・・。」

ラティアに体温計を渡された。測ってみると、35.5度。平熱だった。

こんなスピードで下がるなんて、普通では有り得ない事。3人はしばらく固まっていた。

テ「うそ~???!」

瑠「…取りあえず、いっか…。」


選手達は円陣を組み、気合を入れる。円堂はリベロ継続でメテオがキーパー。

と、ロココがFWになったと実況が伝えた。

鬼「油断は出来ないぞ。」

メ「当然!」

が、驚きはその次。

実況「おおっと、前半FWだったフェイがGKだぁ!!」

瑠・メ「ええ??!」



瑠璃花がメテオを見た。胸の奥で不安が渦巻いている。


―後半が始まろうとしていた。




スノーエンジェルでボールを奪ったイナズマジャパン、基山の天空落としで追加点を狙う。

フェ「そうはさせない…ゴッドライト!!!」

ゴッドキャッチに似た色の光が、フェイの前に現れ壁を作った。ボールはそこに当たると一気に失速し、ポトリと落ちた。

ヒ「なっ??!」

フェ「次はこちらのターンだ。」

フェイが前線までボールを飛ばした。フュイが受け取ったものの、DFが固くシュートまでは持ちこめそうにない。

フュ(ドリブル突破が無難か…でも私のシュートだけじゃメテオには勝てない…ロココの力が必要になる!)

ロココのマークはキツイ。仕方が無いとドリブルで突破していく。8割程のスピードで。

鬼「なっ、コイツ速くなってるぞ!!」

瑠「!フュイ、凄い…!」

彼女は気付けばゴール前で。ロココと視線を合わせて頷く。

フュ「ウイングシュート!!!!」

ロ「ⅩブラストV2!!!」

風「さっきと逆?!」

威力は、ロココのシュートが進化している事でケタ違いだ。メテオは睨んで右手に力を込める。

メ「真!メテオパンチッ!!!」

右手のパンチでシュートに立ち向かう。じりじりとメテオが押されていた。

メ「ちっ、ダメか。」

ドンッ、という音と共に、メテオはネットに押し付けられた。

瑠「―!!?」

円「メテオの技が、通じない???!」


ホイッスルが鳴り響いた。

1-2で、リトルギガントがリード。



メ「はっ!強くなったなフュイ!!」

立ち上がるとフュイの目を見てメテオが言った。フュイとロココはきょとんとしてから顔を見合わせた。

フュ「あは、うん私は本当に強くなったんだ!!」

メ「でも俺だって強くなったかんな。次は絶対止めてやる!」


久遠監督がベンチを振り向いた。

瑠「監督。」

そこには、振り向くのを待っていたかのように瑠璃花が立っていた。彼女は強い目と、明るい笑顔を作る。

久「熱は下がったのか。」

瑠「はい、問題ありません。ぶり返そうとも、この試合は今しか出来ないんです。後悔は絶対にしません。」

久「勝てるか?」

ラ「監督、瑠璃花にそれは愚問ですよ。」

久遠監督はラティアを見て、またフィールドに視線を戻した。そして声を発する。

久「選手交代。基山ヒロトにかわり流星瑠璃花!」