イナイレ*最強姉弟参上?!*

作者/ 伊莉寿



第19話



試合再開。まずはジェネシスのスローイン。

ボールを持ったクィールが、小さい体を精いっぱいのばし、ボールを投げる。

雷門イレブンが反応し動くも、相手はリミッター解除をしたばかりである。

ボールはウルビダへ渡った。

ウ「そんな細いキーパーに何ができる!!」

メ「そう、瑠璃姉はやせてるんだ!お母さんに似て!!」

音「…シュート止められないだろって意味だと思うんですけど…^^;」

ベンチ全「同感。」

そうこう言ってる間に、ウルビダはゴール前、しかもスーパーノヴァの体勢。

グ「キーパーが君じゃないのが本当に残念だよ、円堂君。」

塔「やばいっ!」

塔子は、キーパーが瑠璃花だという事が不安だった。本人の希望でGKだが、本当にGKが務まるのかと。

塔(私がザ・タワーをすれば、威力が弱まるからきっととれる!)

そんな想いで塔子がシュートコースに向かって走る。

角「おおっと!DF塔子、走るー!シュートブロックか!」

その言葉を聞いた瞬間、瑠璃花がうろたえだした。

瑠「え??!シュートブロックって?!何、それ!知らないっ!」

雷全「えええーっ??!」

グ・ウ・ウィ「スーパーノヴァ!!!」

塔「ザ・タワー!ぎゃっ!」

瑠「―え。」

塔子と、ザ・タワーが崩れた。そして、瑠璃花ごとゴールネットに突き刺さる。―ボールも。

角「ゴ、ゴール!ジェネシス、勝ち越したー!!」

一方、ゴール付近では。

円「塔子、瑠璃花、大丈夫か??!」

塔「平気だよ、それより瑠璃花のほうが…」

瑠「…塔子さん…ごめんなさい、それで…」

塔子が起き上がり、瑠璃花の次の言葉を待つ。

瑠「…。私、あれ位なら止められるので、ボールをFWが持ったら潰して下さい。シュートされたら絶対止めます。」

強い目。決意のこもった声。塔子は顔を見て、感じた。嘘じゃない。本当に、どんなシュートでも止められるんじゃないかと。

塔「瑠璃花…。分かった!ゴールは任せたッ!」

差し出された手のひら。瑠璃花は微笑み、自分の右手を重ねた。

メ「俺のシュートで点差埋めてやるからさ!こっちも任せてくれな!」

円「ああ!期待してるぜ!」

円堂がゴール前に集まったメンバーを見渡す。瑠璃花達も立ちあがる。

円「よっし!絶対、勝つぞーッ!!!」

メ全「おーっ!」

拳を突き上げ、瑠璃花と魁渡は感じた。熱い思い。これが、チームでプレイする事だと。


角「さあ、逆転された雷門!同点に追いつけるか!」

試合再開。豪炎寺から、すぐ近くにいた魁渡へ。

メ「ふっ、これ位…。」

グランがボールを奪おうとする。やはり早い。宇宙人と言われても納得だ。

メテオはニッと笑った。その程度?と口が動く。

右足を軽く引き、蹴る。

グ「??!」

この時グランが感じたのは、風。だが、耳の脇をボールが通り過ぎたのは分かった。

ズパッ、と気持ちのいい音。GKのネロが慌てて下を見る。

キュルキュルとボールが回っている。ラインの向こう側で。

角「ゴッ、ゴール!!!FW魁渡、なんとセンターラインからのロングシュートを決めたー!!」

吹「見えなかった…。」

鬼「あのスピード…なんて力だ…」

ネロを始め、誰もが呆然とする中。流星姉弟は。

瑠「メテオ!ナイッシュー!」

メ「同点だぜ!…おい、豪炎寺。早くフォーメーション整えようぜ。」

豪「…!あ、ああ。」

豪炎寺は、視線を感じた。

瞳「か…こほんっ、メテオ君、いいかしら。」

メ「?」


一方、上から見ていようの会。

研「旦那様、どうやら侵入者と思しき影が…。」

吉「放っておきなさい。どうせロボットの残骸でしょう。」

研「……はい。」

吉良がフィールドに視線を移す。瞳子が丁度、流星の長男を呼んだ所だ。

吉「しかし、大翔は一体どんな教育をしていたのでしょう…。」

研「あのキック力は凄まじいですね…。」

しかし、と吉良が言う。

吉「まだあの技があります…ウルビダも、本気を出すでしょう。そうすればあんなGK、問題ありません。」

視線の先には、悔しそうに唇を噛むウルビダの姿があった。