イナイレ*最強姉弟参上?!*

作者/ 伊莉寿



第23話



キャラバンの中は、20分前とは打って変わりどんよりしていた。

せっかくエイリア学園を倒したとおもったのに、瑠璃花達の友達がエイリアと手を組み敵として現れる。

鬼「…ところで、そいつらは強いのか?」

頬杖をつき窓の外を眺めていた瑠璃花は、はっとして鬼道を見た。

強い視線と共に返ってきた答えは。

瑠「当然です。私と魁渡の友達ですから。」

キャラバンの中の雰囲気が少し変わった。瑠璃花が強いと言い切った相手。

円堂の顔が少し明るくなった。

エイリア学園に所属している事が悲しい。

円「何でエイリア学園に…」

瑠「…分かりません。」

木「せっかく終わったと思ったのに!」

壁「そんな人達と、この後サッカーやるんすか?」

魁「そうとは限らねーぞ。」

雷全「?!」

瑠「フュイはちょっと人を脅かすのが好きだったから…^^;」

~回想~

フュ『カーイトー!』

か『んだよ』

フュ『はいっ、ハッピーバースデー!』

小さい箱をかいとに押し付けた!

か『は?ってわああ!!!』

フュ『ひゃはは!』

箱から飛び出したのは蛇だった・・・

フェ『フュイ!何やってんだ!!』

~回想終了~

魁「あいつ…!!!」

拳をわなわなと震わせている魁渡を呆れ顔で見ていた瑠璃花が、口を開く。

瑠「だから、次が彼女たちだとは、決まったわけじゃないと思うんです。」

魁「星の使徒研究所から消えた奴もいるわけだし。」

鬼「?居なくなった奴?」

豪「!あの研崎って奴か!!」

瑠璃花が頷く。

瑠「ですが、何をしてくるのかが分かりません。」

全「……。」

壁「こ、怖いッス…」

怯える壁山に、魁渡は笑って言う。

魁「安心しろ!研崎なら問題ねえ!!」

瑠璃花は外の景色を見て、悲しそうな表情と声で言った。

瑠「…雨、降りそう…」

暗雲が空を覆う。こういう雰囲気は嫌いだ。


古「着いたぞい!」

雷門中に到着。皆は真剣な面持ちで、一歩一歩慎重に降りていく。

瑠「!」

もやが出ていた。胸を撫で下ろす。あの霧かと思ったのだ。

円堂達が辺りを見渡す。人影は無い。いや、無かった。

円「!?」

人影だ。目を凝らすと、背の高い痩せた・・・

豪「ビンゴだな。」

魁「ああ」

研「ふふ・・・」

ローブを身にまとい、もやの中から現れたのは、星の使徒研究所から消えた、研崎だった。

しかも。

円「みんな…??!」

瑠・魁「!」

雷全「!!!」

フードを取った者達は、雷門中のかつてのライバル、そして仲間達。

瑠「そういうことですか…」

円「何で・・・」


―どうして、私達はすれ違うのだろう。

一緒に居る事が当たり前になって、一緒に居る時間の大切さが、だんだん分からなくなってしまう。

気付くのは、いつも後になってから。

後の祭り。後悔先に立たず。

たくさん言葉はあるけれど、実際、当てはまらないようにするのは、難しい。

すれ違って、大切さに気付いて。そうしたら、

『心友』『ソウルメイト』

そう呼べるのかな。って、私は想う。

でもさ、すれ違うって、悲しすぎるんだね。

―私達、もう・・・

あの頃みたいに、戻れないのかな。



魁渡、瑠璃花・・・