イナイレ*最強姉弟参上?!*
作者/ 伊莉寿

第24話
東京
ピンク色が眩しいとある店。周辺には、似たような可愛らしいお店が並んでいる。
その店で、ふりふりの黒を基調としたドレスを着て、店内の服を見て回る女子がいた。
?「可愛いな~ッ、どれが良いかな?」
その少女の服装は、いわゆるゴシックロリータ。大きなリボンで、ゆるくカールした髪をまとめている。
店員と仲良く話している事から、常連である事が分かる。
『~♪~~♪』
?「あッ、ごめんなさい、ちょっと…」
これまた大きなリボン付きのバックから、携帯を取り出す。
着信だ。
店から出て、携帯の画面を見た女子は微笑んだ。
?「もっしもーし」
すると聞こえてきたのは・・・
フォ「てめー、今どこに居る?!!」
?「…鼓膜破れる。」
思わず携帯を耳から離す。空気が震えたのが分かるほどの声の大きさだ。
?「あの子にフォッガーってあだ名付けられちゃったんだね~」
くすくす笑いながらそう言った。相手は聞こえない様子。
フォ2「あの勝負、始まるぞ。」
?「あの勝負?」
フォ「ダークエンペラーズと雷門だ!!」
呆れたような声が聞こえた。女子が思い出した様な声を発した。
?「そっか。ジェネシス負けちゃったんだっけ。」
フォ2「…日本全国でTV放送されてたはずだが…」
?「そうなの?!全然気付かなかった!!」
フォ「何処?」
?「え~、いつもの店」
買い物かよ、とかなり呆れた声が。女子は気付かないふりをして続ける。
?「だってチームできてから一回も来れなかったんだもん。ねっ、聞いて!超フリフリの…」
フォ「試合が始まる!迎えに行くぞ!」
?「…君達が行けばいいじゃん。」
話を聞いてもらえなかった事が不満なのか、女子はふてくされて呟く。
フォッガー達は携帯の向こう側でため息をつき、返事をした。
フォ「はいはい、了解しましたよ・・・
監督。」
その返事を聞くと、少女はもう一度、微笑んだ。そして
?「じゃっ、あと10分時間ちょうだい!会計済ませてくるっ!」
フォッガーに反論される前に電源ボタンを押し、電話を終了させた。
店内に駆け込み、フリルが付いたワンピースを持ち上げると…
?「…?高いかなぁ…」
と、悩み始めたのだった。
雷門中グラウンド
魁「あー…はいはい」
こちらでも、呆れたような声が…
魁「なんとなく分かってましたよ、前半はベンチって…」
監「それじゃ、準備しといてくれよ。」
ダークエンペラーズ戦。瑠璃花達にも、理由はよく分かった。
風丸達について、調べておいたのが予習になったようだ。
かつての仲間。敵同士として戦わなくてはいけない事実。
瑠(…私達と、同じ…)
それは、悔しいし、悲しい。
表情を見れば、それは皆、同じ想いだという事が分かる。
魁「でもさ、逃れられない事だから。」
自分を鼓舞する様に魁渡は言う。
魁「思いっきり、ぶつかるのみだ!!」
全員の顔に、また笑顔が映る日まで、歩みを止めるな。

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