イナイレ*最強姉弟参上?!*

作者/ 伊莉寿



第29話



風丸達はすっかり明るくなり、校庭には胴上げから降ろされた円堂が笑っている。

その様子を見ていたイナズマイレブンのOBが、

O「よしっ!俺の友達に、ホテルに無料で泊めさせてもらえるよう頼んでやる!」

と、随分と大きなことを言った。

秋「本当ですか!!?」

風「だ、大丈夫なんですか?そんな事して…^^;」

O「夕飯は、自分で作れよ!」

はーい、とそろった返事がおかしくて、皆で笑ってしまった。

円堂は、瞳を輝かせて叫んだ。

円「よおし!練習だー!!」

全「おーっ!!」


…とは言ったものの、全員監督命令で、水分補給のためにベンチに戻った。

試合の後、瑠璃花は今までの緊張と汗と涙のせいか、体中が乾燥している様に感じていたから助かった。

豪「魁渡、顔に砂が付いてるぞ。」

魁「え!?砂煙かな…」

円「瑠璃花もな!」

瑠「??!汗で付いちゃったんですかね…」

2人は顔を見合わせて、同時に立ちあがった。

瑠「顔、洗って来ますっ!!」

瑠璃花と魁渡は、校舎の中の水道めがけて走って行った。


?「行こうか。準備出来てるでしょ?フォッガー君。」

フォ「とうぜ…ん?あの車…」


響「?あれは…」

校門前に停まった車から、降りてきたのは…

円「!!」

雷全「瞳子監督!!?」

瞳「…。」

鬼瓦「そんなに不安か。」

全員が驚く中、瞳子監督は無表情でベンチに向かって歩いてくる。

響木監督にお辞儀をして、皆を見渡した。

瞳「…彼らは来ましたか。」

響「いや、来ておらんよ。」

円「彼らって?」

そこで、瞳子監督は明かした。

グラン達がさらわれた事を。

瞳「…私は…」


?「いってらっしゃい。」

フォ2「ああ。宣戦布告だ…」



〈バーンッ!!〉

全「!!!?」

円「なっ…」

一「エイリア学園…?!」

土「何言ってんだ、ダークエンペラーズで最後のはずだろ!!?」

全員がグラウンドを見つめる。人影はあまり多くない。

砂煙の中から、紅と黒、青色のローブをまとった人達が現れた。

フォ「雷門中よ…」

フォ2「我等はエイリア学園の最終形態…」

雷全「!!」

円「その声っ…」

豪「もしかして!」

キャラバンに参加していたメンバーが反応する。

その声は、かつてサッカーをした事のある少年の声。

瞳子監督は緊張で強張った顔で見つめる。

フォ・フォ2「その名も…」


キュッ、と水道の蛇口を瑠璃花が締めた。

瑠「今、バーンって爆発音が…」

魁「行ってみよう!!」

瑠璃花と魁渡は昇降口から慌てて出た。

瑠・魁「!!?」

グラウンドの中央には、2人にとって見覚えのあるローブの人々。

急いでグラウンドの中央に走っていくと、声も聞こえた。

フォ2「我等はエイリア学園の最終形態…」

フォ・フォ2「その名も…」

全員がローブを勢いよく取った。

雷全「!!!!?」

フォ・フォ2「ファイナル・ザ・カオス!!!」

瑠「―!」

円「…!!バーン、ガゼル…!!?」

そこに居た少年たちは、雷門イレブンにとって見覚えがある者ばかりだった。


瑠「…やっぱり、あの子たちだったんだ…」

まだ中央から遠いところで、瑠璃花はそう呟いた。