イナイレ*最強姉弟参上?!*
作者/ 伊莉寿

第38話
ティアラが息を切らしてベンチに来た時、前半4分になっていた。
瑠璃花は彼女の姿を見つけると、驚いたように目を見開いた。
瑠「ティアラ??!どうして此処にっ…」
テ「ルリカ!メテオ、何であんなに調子が悪いの?」
瑠璃花は答えに詰まった。メテオの調子が悪いのは素人でも分かるほどになっていた。
トラップミス。ドリブルが続かない。でもゴールは許さない。
無駄に体力を消費していて、俊敏に動かなくなっても来ている。
レ「サザンクロスカット!!」
炎が上がり、風丸が倒れる。メテオもやられたようで立ちあがれていない。
レ「ガゼルッ!」
雷全「!!」
パス。ガゼルはフリーだ。円堂は今までのシュートでダメージは受けている。
ガ「まずは1点…ノーザンインパクト!!!!」
愛「これは、終末への第一歩…」
円「正義の鉄拳!」
メ(やばいっ…!)
メ「!」
円堂はおされている。メテオは立ちあがりブロックに行こうとするが…
フュ「くすっ…落ちたね。ルリカちゃんも、随分と…」
メ「―!!」
フュイの一言は、メテオに動けない程の衝撃を与えた。
円「ぐあーっ!!」
角「ゴ、ゴール!ファイナル・ザ・カオス先制です!!」
一瞬の静けさのあと、広がる動揺。メテオは、動けずにいた―。
フュイが背中を向けて去ると、蜜柑は彼らに指示を出す。
愛「スタート、だよ。」
バーン達は頷いて雷門ベンチを見る。
ベンチでは、瑠璃花達が響監督達を不安そうに見つめていた…
テ「監督、私を出して下さい。」
ベ全「…え?」
瞳子監督をじっと見据えて、ティアラは真面目な顔で言った。
瑠璃花は俯いて微笑み、マネージャーの顔は驚いたまま凍っていた。
瞳「…理由は?」
テ「流れを変えなくてはこの勝負、勝ち目はありません。一時的にでも流れを変えて行けば望みはあるはずです。」
瑠「私は賛成です。」
ティアラは瑠璃花の視線を受け止め、重ねて頼む。
テ「お願いします、3分だけ時間をください。」
前半7分。瞳子監督は、頷いた。
瞳「選手交代、木暮君に変わりティアラ・クラリス。」
全「!」
メ「ティアラ…?」
蜜柑は驚きの表情を隠せない。
愛「…彼女も例外ではないわ、構わない。」
ごめんね、蜜柑の小さな呟きは、フェイの耳に届いていた。
角「雷門ボールで試合再開!先制された雷門イレブン、行方不明とされていたティアラ・クラリスを投入し、流れを変えられるか??!」
吹雪は鬼道にバックパス。鬼道からティアラへ。
テ「メテオ君、ついて来て!」
メ「え!?」
ティアラはバーンをかわし、グランにはメテオにパス、ワンツーで切りぬける。
グ「ティアラ、変わらないな…」
ティアラはパスをフル活用、ワンツーの連続で相手を翻弄する。
メ(何で…シュートを打たないんだ?)
メテオの疑問は、角馬の解説で消えた。
角「おおっと、ティアラ・クラリスゴール前!再開してから、相手にボールは渡していない!!!」
瑠・メ「!!!」
瑠「そっか…ティアラは、待ってるんだ…」
メ「俺達が、シュートを打って、自分達で流れを変える事を…!」
愛「ふざけないで…そんな、このままじゃ…ティアラちゃんに持たせてたら…!」
勝てないじゃない―!!!!!
愛「クララ、フュイ、フェイ!!絶対に止めて!!」
メ「ティアラ!パスだ!俺が、絶対に決めるっ!!」
ティアラは、微笑んで言う。
テ「気付くの、ちょっと遅いかな。」
ラ「…頭痛がまたきたわ。もう帰りましょう。」
フ「!でも、もう少し…」
ラティアはフィディオを軽く睨んだ。
ラ「あの子が来たら、勝負は見えてるもの。」
フィディオは少し未練を残しながらも、ラティアの車椅子を押して雷門中を去った^^;

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