イナイレ*最強姉弟参上?!*

作者/ 伊莉寿



第39話



~蜜柑目線~

お兄ちゃんは、私を助けてくれた。

パパは家庭内暴力がひどかった。ママは私を守ってくれたけど、怖くて涙が止まらなかったんだ。

ママの弟だって言うお兄ちゃんがそれを知って、パパとママを別居させた。でもママは私を育てられなかった。

お金が無い。気力もない。病院に通うようになっちゃったから、私はお兄ちゃんに引き取られた。

お兄ちゃんは吉良財閥で働いていた。私もそこの子達と一緒に遊んだ。

でも、時々ママに会いたくなって泣いて、皆を困らせた。お兄ちゃんは悲しくないようにって可愛い服を買ってくれた。

私のトレードマーク、それがフリフリの服になった瞬間。

悲しみの淵に居る私を助けてくれた。

沢山の友達を作ってくれた。だから、私がお兄ちゃんを助けるんだ。

愛「待ってて…絶対に勝つから。」

…時々不気味って言われるけど。

愛「研崎が、私の名字だけどね…愛姫の方が可愛いもん。」

研崎蜜柑。それが、私の本名だって知ってる人、少ないよ。お姉ちゃんは知ってたっけ?


愛「世界の頂点…そこに立てば、お兄ちゃんは戻って来れるんだ…」


フィールドに目を向ける。あれ、ティアラちゃんがバックパスの体勢だよ?


ティアラがバックパスをすると、メテオがすぐに反応して受け取った。

青い髪のDF、クララがすぐにスライディング。

メ「そんなんじゃ…?!」

ク「フローズンスティール!!」

氷をまとったスライディング。メテオは何とかかわすも、冷や汗をかいた。

メ(やっぱりこいつら半端無い!!ましてやフェイ達もいるわけだし…)

余計なこと考えるな、と言い聞かせてドリブルで上がる。

目の前には誰もいない。正確には、GK以外。

雷門イレブンの声援を受け、メテオがシュートの体勢に入る。

ボールを高く蹴りあげ、回転を加えながら右足で強く蹴る。

メ「メテオスマッシュ!!!」

円「!新しいシュート??!」

瑠「久しぶりだなあ、あのシュート…」

メテオの2番目に強い技、メテオスマッシュ。

隕石の破壊力を借りて、スピードと威力をあげる。

瑠(フュイ達がブロックする事を見越して、か…)

2人の予想は、間違っていない。

ネ「時空のか…??!」

ネロの時空の壁がブロックの役に立たず飛ばされた所で、フュイとフェイがブロックに入る。

まるで、ウルビダとグランの様に。

が…

全「!!!」

ゴールに突き刺さったボール。

雷門イレブン、同点に追いつく。