イナイレ*最強姉弟参上?!*
作者/ 伊莉寿

*プロローグ*2
青い空に座る、白い雲が風に流されていく。
綺麗に晴れた祝日。とある施設には、たくさんの子供が居た。
サッカーボールを蹴る子供達を見守る中学生の少女は、縁側に座り瞳を輝かせていた。
橙色の髪の少年。少女に残された、立った1人の家族を見守りながら―。
ギシ、と音がして大人が来た事に気づく。
振り返ると、施設の職員と体格のいい大人が・・・
「貴方を引き取って下さる方よ」
「え?」
運命は、新たな局面を迎える―
【第2章】第1話 新たな仲間
ばたばたと音を立てて階段を上る青髪の少女。赤いメガネが特徴の少女の名は音無春奈。
廊下ですれ違う生徒達は、またかという顔で苦笑する。
本来廊下や階段を走る事はいけない事だが、元・新聞部の春奈は、情報を手に入れると急いでクラスメイト達へ伝えに行く。
だから、彼女が校舎内を走り回る事は日常茶飯事なのだ。
1年B組の教室の前で呼吸を整えてからドアを開ける。
まだ先生も来ていないからか教室内は騒がしい。彼女は嬉しそうな声で叫ぶ。
音「皆さん!!なんとっ、このクラスに転校生が来ますよ!!!」
全「!!?」
机でスポーツ情報誌を読んでいた宮坂も、栗松と話していた壁山も後ろの方でふざけていた男子も行動を止めて春奈を凝視する。
音「どうやら、女子のようです!」
壁「つまりそれ以上は知らないって事ッスね」
音「う…」
宮(女子・・・)
エイリア騒ぎから2カ月半たった。宮坂は隣の席を見る。昨日までは無かった机だ。
転校生が来るのは想像していたが、女子…。
脳裏には、ファイナル・ザ・カオス戦の前に風丸と勝負するはずだった少女。
風丸は少し悔しそうにしていた。あれから、彼女は姿を見せない。
クラスの中では転校生を楽しみにする声が聞かれる。
宮(…このシューズ、良いなー…)
彼女のスタートの時の姿勢を真似したらタイムが上がった宮坂は、もっと上げようとシューズ選びに夢中だった。
先「そんなに緊張しなくても大丈夫よ?」
?「で、ですが…」
少女は深呼吸した。今、1-Bの担任の先生について、教室がある2階へ着いた所である。
カツンカツンと歩くたびに響く、先生の靴の音を心地よく感じながら少女は教室の前に立つ。
橙色の、二つ縛りにされた髪、耳の前の横髪が窓から入って来たそよ風に揺れる。
先「じゃあ、行くわよ?」
「ガラッ」
教室の扉を開けた途端、教室内が静まり返る。
春奈目線
先生は、案外怖い…新規採用だけど怒る時はしっかり怒る。
だから先生が入ってきたら鎮まるのは当然と言えば当然だったりする。
先生の後ろから橙色の髪が…転校生?
音(―橙…色の髪…?)
『音無さん、マネージャーってどうすれば良いんですか?』
カツ、と少女が黒板に名前を書いていく。
?「皆さん、初めまして。私…」
私の目が、名前をとらえた。
「流星瑠璃花です」
しばらく、私は凍っていた。
音「え…ええ?!瑠璃花ちゃん?!」
彼女が私を見つけて微笑んだ。
心の中から、喜びが込み上げてきた。
壁山君達も喜んでいる。すごく、楽しい1日になりそう!!
宮(タイミング悪いな~、今日テストなのに…^^;)

小説大会受賞作品
スポンサード リンク