イナイレ*最強姉弟参上?!*

作者/ 伊莉寿



第6話 瑠璃花、登校です!



鬼道目線

『まだ……が…』

途切れ途切れに聞こえる声。青い空色の景色に囲まれながら、俺は目を凝らした。

長い金髪が、井戸の様なものから出る風に、流れていた。そして、長い白い羽。その前に立っている少女の背中にも。

嘘だ。

まさか、まさか天使―

『その……伝え……永遠……別れを。』

永遠の…別れ?

「鬼道さん!!!!?」

鬼「!?」

突然開けた視界。目に映る橙色の髪。誰…だったかな。

鬼「瑠璃花??!…あ、そうか。」

父さんが引き取ったんだった…忘れるとは、我ながら恥だ。

瑠「朝練が無いからですか?目覚ましかけ忘れてますよ^^;」

鬼「…いつもより、30分も遅くなってしまったか。」

瑠璃花に起こしに来させるとは、ふざけてるのか、父さんは。

彼女は既に着替えも終えている。時間は7時だ。

昨日の晩、英作に時間をかけすぎたからうっかりしてしまったのか…。

鬼「着替えが終わり次第下に行く。」

瑠「分かりました、先に行ってますね。」

ドアが閉まると、魁渡が階段から落ちた悲鳴がした。

……かなり騒がしくなりそうな予感がする。


家を出ると、日差しが随分きつくなっていた。

魁渡がぶつぶつ文句を言っている。傷は大したことないようだ。というより3人で登校…。兄弟が増えた気分。朝から疲れる。

魁「教科書重たい…給食にデザートが無い…」

瑠「スケール小さいね…^^;」

愚痴だ。

鬼「此処で曲がるんじゃないのか。」

魁「あ!サンキューな鬼道!瑠璃姉またな!!」

瑠「ケガ、しないようにね!」

魁渡が駆けて行く姿を見守る瑠璃花は、本当に姉の顔だった。

瑠「…で、私達は直進で合ってますよね?」

鬼「…左折だぞ。」

方向音痴すぎる…だからこそ樹海で会えたのだろうが…。将来が心配である。


校門で春奈にあった。俺と瑠璃花が一緒なのは偶然だと思っているようだった。

瑠璃花は話そうとしていたが、春奈の会話のペースに飲まれて話せなかった。

春「お兄ちゃん、放課後ね!!」

鬼「ああ。」

円「鬼道ぉー!!」

朝から情熱に溢れた声の円堂が登校。簡単に返事をしてから気付いた。

円堂、靴ひもがほどけて…

直後。円堂が派手にこけた音が響き、その場に居た全員の笑いを誘った。


春奈目線

今朝、瑠璃花ちゃんとお兄ちゃんが同時に校門に来た。

どうしてかな~?偶然かと思ってたんだけど…一緒に住んでる?

まあ、直接聞こう!って思った時って聞けないよね。タイミングが悪いんです…

現在、朝の会です。先生がお話し中。

でもまあ!この後、瑠璃花ちゃんも授業を受けますし、何時か話せるよね!!

忘れてたら、読者のみなさん教えて下さい^^;
(無理だと思うよ^^;BY伊莉寿)