イナイレ*最強姉弟参上?!*

作者/ 伊莉寿



第26話 全力で…



~瑠璃花side

後半スタート。疲労は半端無いようで、相手のペースに乗せられていました。リュウジ君がピンチ…

魁「お前等ウォームアップをしておくんだな。」

栗・立・虎「は?/はい?」

飛「…」

監督は魁渡をチラリ、と見てまたフィールドに目を戻しました。風丸さんがボールを外に出しスローイン。

リュウジ君が倒れ…栗松君が入ります。魁渡の発言のおかげか、体は動きやすくなっていたようです。

しかし、疲れている皆さんは動きについていけず、更に相手が本性を現してきます。

1点を返され基山さんと綱海さんがリタイア。すると魁渡が立ちあがる。

魁「監督!俺達を入れて下さい。流れを変えないとケガ人が出ます!」

瑠「!魁渡…」

監「言ったはずだ。予選でお前達は出さないと。」

魁渡は反論しようとする…でも、ベンチで騒いでたらもっと険悪な雰囲気になっちゃうんじゃ…

瑠「魁渡。ここは、見守ってよう?」

魁「!?瑠璃姉??!」

魁渡の責める様な視線が向けられる。何か言いたげだったが、最後には俯いて言った。

魁「……分かった。」

監「立向井、飛鷹。出番だ。」

元MFの立向井さんがMF、飛鷹さんがDFに。


しかし…

世界の壁は、とてもアツい。


3人目のリタイア。


吹雪さんが倒れ、虎丸さんが入ります。彼の一歩踏み込めないプレーが魁渡は嫌いだった。

何故過去形かと言いますと、今では納得してるから。

魁「響木監督に聞いたんだ。あいつのセンスは認める。でもあのプレーは許せないんだ、って。そしたら監督の答えが、可哀想な話でさ。」

チームでプレーしていた虎丸さんは、エースストライカーでいつも大量得点差で勝っていた。

それを快く思わなかったチームメイトが虎丸さんを避けるようになり、嫌われたくなかった彼はアシストにまわるようになった…

瑠「でも、此処ではそんなチームメイトはいません…力を出し惜しみしていたら勝てませんから!」

魁「この試合で殻を破ってもらいたいね。」

―2-1でロスタイム。相手に追いつかれてしまった。にしてもヘディングって…

瑠「延長戦に持ち込まれたら勝ちは見えません。」

魁「俺等がいれば別だけどな。」

秋さん達が苦笑。恥ずかしいな!もう!!

…とか思っていたら。

虎丸さんが本気モードになってて。…左肩のユニフォームが汚れているのは何故?!

風丸さんが元・陸上部の力を発揮し、パスに追いつきワンツー。虎丸さんのタイガードライブがストームライダーを破り追加点。

ギリギリの勝利。

魁「ハーッ・・・」

瑠「FFに出場したら、雷門中の力強い味方になりそうですね。」

秋さんに言うと、彼女は「はっ」として逆に聞いて来ました。

秋「虎丸君は何でFFに出場してなかったのかしら。」

魁「あいつが小学生だからだろ?な、虎丸。」

虎「はい!俺小6ですから。」

一瞬の沈黙。

イナ全「小6ぅぅぅ??!!」※一部除く

瑠「あれだけの力を持ってるのは凄いと思うな。まだ全力じゃないみたいですし。」

和やかな雰囲気。

もう一枚、世界への壁を砕きました!!