イナイレ*最強姉弟参上?!*

作者/ 伊莉寿



第27話 響木監督×流星姉弟



~円堂side

夜だった。決勝が近くチームも随分馴染んでいた。だから、1人の飛鷹が気になって仕方が無い。

ベッドに入ってボールで気を紛らわす。もっとあいつが心を開いてくれるようにするには、どうしたらいいんだ…?

魁「なぁ、飛鷹の事、そんなに気になるのか?」

円「ああ、そ…ってええええええ??!」

ベッドの下には橙色の髪―魁渡。

魁「じゃ、明日俺についてこい!」

ニカ、と笑って魁渡は言った…ってどうやって入ったんだよ!!!


次の日の夕方…

魁渡についていくと、雷雷軒に着いた。珍しく店が開いていない。

魁「飛鷹は響木監督が選んだ。なら、飛鷹に関する悩みをぶつけてみると良い。キャプテンの調子が悪くちゃ俺達も気になるし。」

円「魁渡…」

良い奴だな…それにしても監督って不思議だ。良く分からなくても結局チームのプラスになる。

響「何だお前等。」

響木監督が裏の路地から出てきた。魁渡が俺達から離れて頑張れ、と口の動きで言う。

俺は監督に、飛鷹と仲良くなるにはどうすればいいか、聞いてみた。

響「これから知って行けばいい。」

遠まわしに、決勝の先がある、って事…なのか?

少し意図が分かって嬉しくなった俺は、ラーメンの誘いを断って駆け出した。

…何か忘れてるか?


~響木side

響「全く、お前を忘れて行くとはな。魁渡。」

忘れ物=魁渡。魁渡は苦笑して円堂の背中を見つめる。

響「お前、飛鷹と随分仲が良いらしいじゃないか。」

魁「何となく…それにあいつ強いし。」

響(…こいつ、変わったな。)

瑠璃花が変わったからか?あいつは強くなった。だから魁渡も?

魁「じゃ、俺も帰り…監督??!」

響「ぐっ…」

また発作。寄りかかり胸を抑える。

瑠「!監督、魁渡??!」

帰らない魁渡を心配したのか瑠璃花もやって来る。

瑠「とにかくっ…」

瑠璃花達が救急車の準備をしてくれている。瑠璃花が救急車を呼び魁渡が脈を測ったり…

…全く、こんな子供に育てるとは…流石だな大翔…


~魁渡side

翌日の夕方。監督が病院から戻れる事になった。瑠璃姉と俺、監督で河川敷を通り監督を送る事にした。

また発作があったら大変だろ?

瑠「!あれ…」

魁「?円堂と飛鷹?」

飛鷹が円堂に向かってシュートを打っている。外れてばかりだったが、やがてしっかり円堂に届くシュートが打てた。

結構威力がある…

響「……。」

瑠「声、かけなくて良いんですか?」

静かに頷き歩き出す監督。瑠璃姉は微笑んで2人を見てから後を追う。

瑠「…私、やっぱりこのチーム好きだなぁ…。」

俺が後を追っていると、そんな呟きが聞こえた。


~瑠璃花side

キャプテンって、やっぱり凄い。仲良くなってその人の持つ力を引き出す。なかなか出来る事じゃないと思う。

飛鷹さんもあんなに他の人と話すのを好んでいなかったのに、シュートを打ってた夕方の姿は、サッカーを楽しんでいたしキャプテンを信頼していたと思う。

窓を開けて夜風に当たる。すると、影になっているグラウンドに人の姿が見えた。

もう、皆寝ているはずなのに…その人は必死に練習していた。

瑠「…リュウジ君…?」

その人は、お日様園で優しかった少年の1人―


―必死に、練習して…一体、どうしたのでしょう…?



翌朝、朝食の時に鬼道さんが新しい必殺技の完成が必要だと発言しました。

確かに今ある技だと相手に知られているし対策だって立てられかねません。

そこで風丸さんには選考試合で見せた風に磨きをかける事、吹雪さんと土方さんに連携必殺技を作るよう指示。

早速、と皆さん気合が入ってます!!

魁「瑠璃姉、昨日寝れたか?」

瑠「へ?!」

急に魁渡に言われて、何で分かったんだろって自分の顔を触ってみる。勿論、分かんなかったけど…

魁「何か寝不足って感じ。」

図星☆

リュウジ君が一生懸命練習してて、理由を考えてたんだけど全然分からなくて…眠れたの、多分日付が今日になってから。

リュウジ君の方を振り向いてみる。

周りが気合を入れているのに対して、あまり気分がよくないらしく、朝食をじっと見ている。

魁「……。」

瑠「…時間があったら聞いてみようかな…」

魁渡はしばらくその場に居たけど、皆さんが殆ど外に出てしまったのに気付いて行くぞ、と声をかける。

魁「緑川!早く行かないとグリーンリバーって呼ぶぞ!」

緑「え??!」

瑠・緑(何だこの人・・・)

とりあえず、練習には間に合いました☆