イナイレ*最強姉弟参上?!*

作者/ 伊莉寿



第34話 VS韓国!攻略『完全なる戦略』



前半、1点を奪った日本だったが『完全なる戦略』、パーフェクトゾーンプレスの前に負傷者続出。

テ「メテオだったらどう攻略する?」

魁「上。」

ティアラが苦笑する。意味は分かったが一文字で返って来るとは思わなかったらしい。

魁「それか必殺技。」

瑠「メテオブロック?」

監督が3人を見る。少し考え込むような素振を見せたが、再びフィールドに目を戻した。

瑠「でも、泥の練習を生かしてほしいな…。」

魁「そんなの必…」

テ「魁渡君黙ろう。」

今のジャパンに不利と思われる発言だった為、ティアラに押さえこまれました。

鬼「必殺技は意味無い…」

ティアラが安堵する。どうやら鬼道が気付いたらしい。

そしてルート・オブ・スカイという新たなフォーメーションをつくりパーフェクトゾーンプレスを攻略。

しかしアトミックフレアとゴッドブレイクにより2点を奪われ2-1で前半を終えた。




~瑠璃花side

テ「背番号2の人、あのパス取れないの?」

2の人―風丸さんの事。不動さんのパスを受け取り損ねた所です。

魁「取れないはずは無い。いつもならダッシュで取りに行くし…」

後半、10人で戦う事になったイナズマジャパン。キャプテンは相変わらず入らず、鬼道さんも膝を痛めてベンチです。

その後も壁山さん、基山さんにパスを出す不動さんですが、受け取り損ねます。

円「さっきのパス、いつもの壁ヒロト達なら取れてた…」

瑠「不動さんはちゃんと試合や練習を見てました。」

ベンチ全「!」

瑠「あのパスも、いつもの皆さんのドリブルのスピード等を把握した上で距離を考えてパスしてるんです。」

鬼「……それで。」

瑠「あのパスを取れないのは、皆さんが不動さんを信じてないから。不動さんが皆さんを信じてないから。だから自分にパスが出されると、嫌な奴から、身勝手な奴からだ、と思って思わずスピードを緩めてしまうんです。」

テ「だから、パスを通るようにするには不動君をチームに溶け込ませなきゃいけない、って事?」

私は頷いた。つまりキャプテンはそこに目を瞑っていた。

キャプテンとして、チームの事を見る事が出来なかった。あの手紙が来てから。

豪炎寺さんがサッカーをやめる事になって、不動さんは孤立していて、飛鷹さんは過去の事でボールに触れない。

チームがチームとして不完全な状態で、アジア最強であるファイアードラゴンに敵う訳が無い…

監督さんが言いたかった事は、そう言う事?


そしてキャプテンが試合に入ります。鬼道さんも。

魁「…試合…出たい。」

瑠「我儘?^^;」

魁「出たい出たい出たい出たい!!!」

久「……。!」

監督が私達をじっと見て、それからハッとした様に後ろを見る。

?「…ふっ…」

…誰?フード付きの水色パーカを着た少女が立っていた。

久「…選手交代。栗松にかわり……」


         「流星魁渡。」


ベンチ全「!!?」

驚く私達に構わずもう1人選手を交代する監督。もちろん、嫌だったけど…

久「木暮にかわり流星瑠璃花。」

瑠「!!」

分かってたよ、魁渡が出た=私も出る…

魁「やるしかないぜ、瑠璃姉!」

テ「瑠璃花、魁渡、がんばれ!!」

応援してくれるティアラに手を振って返し、フィールドに出た。

瑠「メテオ!約束して!!」

メ「は?」

一つだけ、絶対に守って…

~ノーマル

1人の少女が、また微笑んだ。

視線はフィールドのある一点に集中している。

その視線の先では戸惑う少年―涼野風介。

今、イナズマジャパンの選手交代があった。魁渡と瑠璃花がフィールドに出た所だ。

?「う~ん、瑠璃花ちゃんは気付くかな…」

1人呟く少女。

自分が無くした過去。
忘れ去ったはずのサッカー。
自分が泣いた事、慰められた事…
そして少年の胸にそれは残っていて。

?「小さな願いも、勝ちたいと思う事も…その裏に必ずあるのは代価。」

―ねえ、貴女も知ってるでしょう?



試合は動く。新たに入ったメンバーたちによって。

パスを受け取り攻め込むジャパン。不動も同じ思いを持っている事を知ったから。

メテオに渡ったパス。

メ「メテオスマッシュ!!!」

GKは止められず、ボールは吸い込まれるようにネットに突き刺さった。同点に追いついた。

喜ぶジャパンとメテオ。

?「まぁこのままで終わったりは…!」

ドン、と少女が誰かとぶつかる。金髪の少年、見るからにアメリカ人だ。

ティアラを探しに来たマークだった。

?「気をつけるんだよッ!」

マ「あ、すまない…」

マ(何処かで見た事ある様な…とりあえずティアラ探さないと。)

マークが観客席を見て、再び外に出て行ったのを見て少女は顔をしかめる。

?「…何処かで…?」

円「勝って世界だ!!」

円堂が叫ぶ。試合が、再び始まろうとしていた。