イナイレ*最強姉弟参上?!*
作者/ 伊莉寿

第35話 決着、ファイアードラゴン!
カオスブレイクが決まった。
速攻だった。ティアラ達ベンチが息を飲む。
逆転…された。
メ「瑠璃姉!攻めてくぞ!!」
テ(何で…?止められたはずなのに…出し惜しみしてるの?)
瑠「うん!」
瑠璃花が頷く。試合は相変わらずジャパンのピンチ。
飛鷹が真空魔を披露、と同時に追加点のチャンスを防いだ。ボールは瑠璃花に渡りドリブルで攻め込む。
南「ブロックだ!」
涼「ああ!」
南雲と涼野がブロックに入る。南雲を抜き去ったが、続いて涼野。
涼(くっ…)
―私は…
涼「!!!」
瑠「?」
一瞬、動きが止まった。瑠璃花はおかしいと思いつつも突破する。
瑠「豪炎寺さん!」
パスが渡りタイガーストームに挑む豪炎寺。しかし失敗。
瑠「…風介君?」
涼「……。」
大丈夫、と言いかけたが涼野が立ち去ってしまった。南雲が少し心配そうに話し掛けているのが見えた。
瑠「…」
鬼「瑠璃花、今の動き良かったぞ。」
ヒ「流石はエイ…何でもない、次も頑張ってね。」
瑠「?はい…」
瑠(何だろ…)
豪炎寺がタイガーストームを完成させた。
円堂の熱い想いがいつも周りを動かす。瑠璃花達もその仲間になれて、心の中で喜びを感じていた。
風「あと一点!」
メ「あと一点で世界…」
メテオが重々しく呟く。分かっているから。
相手も、あと一点で世界なんだと。
~瑠璃花side
フィールドでは相変わらず一進一退の試合が続いています。でも私の心の中にある不安の種。
風介君の態度。ヒロト君が言いかけた言葉。
鬼「戻れー!!」
考え込んでしまった私を呼び覚ましたのは鬼道さんの指示。
ゴッドブレイク。いや、カオスブレイク―。
あれは神?
まさか。神様の輝きはあんな物では無い…。
瑠「…!」
体が震えた。何かが込み上げて来る…大きな力。大きすぎる力。
暴れたがっている…!!
瑠「ッ!!!」
ダメ、今はピンチなの、カオスブレイクが…!!!
止めに行かないと、走って私の足!!
抑え込む。私は私だから!
~ノーマル
観客席では水色パーカの少女が微笑んでいた。
?「拾えた?パズルのピース。」
涼野の動きは確実に遅くなっている。そんな中、タイミングを合わせてカオスブレイクを放てるのは流石だ、と褒めるべきだろう。
しかし瑠璃花が走りこんでいる。シュートブロックの様だ。
?「…どうしたんだろ…瑠璃花ちゃん動きが…」
何時しか、試合から目を離せなく…
マ「いた!!」
テ「?!マーク?!!!何でここが…!」
?(あ、探してた人見つかったんだ^^;)
離せました。
~涼野side
カオスブレイク、放とうとした所で瑠璃花が駆けこんできた。
脳裏にあの日が蘇って来る。体中の動きが一瞬止ま…
瑠?「神様、笑わせないで。」
ア・南・涼「!!?」
何だ、態度がいつもの瑠璃花じゃ…
瑠?「天使にも届かない…そんな羽じゃ、ね…」
瑠璃花が翔ぶ。背中から見えた黒い闇色の羽。
涼「―…あの日の…」
アノヒト、オナジ?
瑠?「天使の翼、見せてあげようか?」
翼が輝く。闇に染まったはずの翼が光りを纏い衝撃波を放つ。
瑠?「ヘルエンジェル―」
足がボールを捕え蹴った。
何が起きたのか分からない。シュートしたのか?耳元で風が通り過ぎたのは覚えている。
ホイッスルが鳴り響く。振り向くと、ゴールネットが破れ壁に埋まるボール。
ドサ、と前で音がした。
怖い。怖い…
何がどうなったのか、私は知っている。
あの日と、同じなら…
メ「瑠璃姉?!」
瑠璃花が、倒れているはず。
~ノーマル
瑠「心配掛けてごめんなさい……」
ベンチに戻った瑠璃花はアハハ、と苦笑いしていた。
テ「…無理、しないで。メテオも!」
瑠「えっと…あれ位、無理じゃないって!!それに5割までって約束してたし!」
2人の約束とは、半分以上の力を出さない、だった。
此処で思いきり力を出すと、データを取られてしまう。そうすると今までの我慢が全て水の泡である。
魁(…覚えてないくせに…)
遠くで見ていた魁渡が心の中で呟く。
倒れた瑠璃花に一番最初に近寄ったのは魁渡。意識が無かった瑠璃花を揺さぶり目を覚まさせ、瑠璃花が言ったのは
「何があったの」
だった。
状況を説明すると驚いた顔をして、周りには内緒にしておいて、と言った。心配を掛けたくない、という思いからだった。
円堂達も安心したようで、勝利の喜びに浸っていた。
瑠「豪炎寺さん。」
父親と話が終わった豪炎寺に近付く。表情が何処か明るい。
瑠「…イナズマジャパンに、いられるんですか?!」
豪「……ああ。」
瑠「!…嬉しいです!これからもよろしくお願いします!!」
傷ついた顔の、精いっぱいの笑顔だった。
その時、冷たい声が響いた。
涼「瑠璃花。」
瑠「!…風介…君?」
涼野が1人、立っていた。

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