イナイレ*最強姉弟参上?!*
作者/ 伊莉寿

第39話 瑠璃花の過去―2
~瑠璃花side
その後…何をしたっけ?
雪の上にいたら杏が走って来て、お父さんが帰って来たからと私達を連行…いや大部屋へ連れて行った。
それからは大騒ぎ、というよりパーティーみたいに賑やか。
お母さんは見当たらなくて、どうしたんだろう、とパーティーそっちのけで考えていたかも。
でもふうすけ君達が1人で考え込む私を心配しちゃったみたいで、だから気にしない事にした。
すると蜜柑ちゃんが現れた。久しぶりですごく嬉しくて、私はその後ハイテンションに^^;
いつも通りになれたと思う。その時に食べたシトラスゼリーが、とっても美味しかったのを覚えてる。
夜…とても澄んだ星空。オリオン座が綺麗に見えた、星空。
散りばめられた星は宝石のように小さく、でもしっかりと光を放っていた。
愛『瑠璃花ちゃん。風介達と、いっぱい遊んで帰ってね。』
蜜柑ちゃんが突然、そんな事を言い出した。吃驚したけど、頷いた。
悲しげな微笑。そんな表情を見せてから、また彼女は星空に視線を戻す。
何で、そんな事言うの?
何で、そんなに悲しそうなの?
分からなかった。でも、本気で言った、それだけは分かった。
時計は9時半。蜜柑ちゃんと一緒に布団に入った。
疲れてたから、私は直ぐ眠ってしまった。
目が覚めた。
まず、目蓋が重たかった。何日も眠っていたように。
体が温かい。誰かに抱きしめられた後の様に…。
視界がぼやける。瞬きを繰り返し、ようやくクリアになった視界の中に映っていたのは、蜜柑ちゃん。
る『…かん…ちゃん?』
み、が発音できなかった。かんちゃんって…(笑)
見たことが無い人も居た。白衣を着ていたから、多分お医者さん。襖が開いてお母さんも来た。
全員、じっと私を見ていた。まるで私の次の言葉を待っているかのように。
る『……?あの…おはようございます…?』
お母さんとお医者さんと蜜柑ちゃんが目を見合わせた。そして、お母さんが私を抱きしめて、おはよう、と繰り返した。
若干涙声。何が何だか分からなくて混乱した。
何でそんなに久しぶりに会ったみたいに言うの?昨日、会ったよね…?
桜『おはよう、おはよう瑠璃花…』
愛『桜花さん瑠璃花が混乱してます^^;』
お母さんが離れる。
桜『帰るから着替えて…朝食の準備は出来てるわよ…。』
る(カエル?
かえる?
帰…ええええ??!!)
る『えっ昨日来たばっかりだよ?!早くない?!!』
まだ少ししかサッカーもしてないのに、ふうすけ君達とも少ししか遊んでないのに…
私はとことん不満を漏らした。
でもお母さんは帰る、という考えを変えなかった。
おかしいな…って思った。
4日間の予定で、お日さま園に来てたのに…。
愛『瑠璃花ちゃん、また会おっ☆』
る『うん、またね!』
私は帰った。
どうしてだろう、起きてから帰るまで、ふうすけ君達に会えなかった。
瑠「私が覚えてるのはここまでです。」
話し終わると、4人は驚いた顔で私を見ていた。な、何で?
南「へー、本当だったんだな…」
愛「でもあの事は覚えてるんだね(笑)」
涼「……。」
ヒ(記憶の中に俺が居ない…^^;)
蜜柑ちゃんが私を見て言う。
愛「今だから言うけど…瑠璃花ちゃんはちゃんと4日間お日さま園に居たの。」
へ・・・?
だって…え?え???
愛「2日目の事は何も覚えてないのかぁ…。」
瑠「待って!教えて、何があったの?もしかして、それが風介君の嫌な過去…なの?」
蜜柑ちゃんが風介君を見た。俯いていた彼は蜜柑ちゃんを戸惑ったように見つめる。
愛「…話すね。瑠璃花ちゃんの空白の3日間の事…」

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