[イナズマ]多分…私は、貴方を愛しています

作者/伊莉寿(元・西木桜)

*短編  *人間嫌いな子供のはなし。




「ごめんなさい」




僕が『僕』になってから、一度も言ったことの無い言葉。
必要無いと思うのと同時に、僕が謝らなければいけない状況になった事も無いから。だってケンカになる様な人は居ないし、何かを壊したりする様な事もしない。怒った事も多分ないし。



花が散ると、
『綺麗』だと思う人と『寂しい』と思う人がいる。

自分が傷つくと、
『怒る』人と『悲しい』と感じる人がいる。



人間って、面倒。
たくさんの感情を持って、たくさんの思惑があって、いちいちそれを読み取って行動したり。
ただ、僕は漠然とそう思うだけ。けれど本当にそれが悪いのかは分からない。
もしも、人間がいなくてロボットとかだけなら?

もう夜…。
何も考えない時間に入ろう。僕の頭の中が虚空になる時間。



僕は、人間なんて嫌い。