コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 帰宅部オーバーワーク!【まさかの番外編!!】
- 日時: 2016/07/29 21:54
- 名前: ガッキー (ID: 4IM7Z4vJ)
初投稿です。初心者ですが、よろしくお願いします。夜のテンションでバーッと書いているので、誤字があるかも分かりません。一応、チェックは入れてはいますが、見付けた際はご指摘いただけると嬉しいです。
ルールも、『参照』の意味も分からないですが、感想もしくはKAKIKOのルールを教えて下さる心優しい方がいらっしゃるのなら、どうか教えていただけると私が喜びます。部屋で小躍りします。
最後までお付き合い下さいな♪
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- Re: 帰宅部オーバーワーク!【怒涛の新編突入!!】 ( No.68 )
- 日時: 2016/07/20 18:18
- 名前: ガッキー (ID: .YMuudtY)
「もうオレ達も卒業だぜ?時が経つのは早えよなァ」
「そうだな。あっと言う間だ。啀(いが)み合っていたのが昨日の事のように思えるよ」
「卒業したくないなぁー・・・」
卒業組の三人で、しみじみと思い出に浸る。
なんだかんだ早かった。『帰宅部』も『下校部』も、まだ出来てから一年経っていないのだ。部活内容が濃い分(或いは、ダラダラと部室内で時間を浪費していた事もあったので)尚更早く感じるのだろう。
「土手は、これからどうすンだ?大学か?」
「・・・いや、オレは家業を継ぐんだ」
「家業っつったら・・・アレか」
「アレだ」
土手の実家が何の職業なのかを知っている古泉は、苦笑いを浮かべながら理解した。
「え、先輩の家って何かやってるんですか?」
会話を聞いていたらしい暎宮が、土手に問う。しかし、雑誌を見ながら問うたので、問われた時の土手の複雑な顔を見る事はなかった。
答えないのは悪いと思ったのか、土手は、溜め息を吐いてから答えた。
「ケーキ屋だ」
「・・・・・・・・・・・・え?」
暎宮のみならず、土手と古泉以外の全員がそんな反応をした。一緒に雑誌をめくっていた前野も土手の方を向き、本を読んでいた青山もその手を止め、寝ていた富士宮も堪らず身体を小刻みに震わせている。
「こういう反応になるって分かってるから嫌なんだよなぁーーというか、富士宮!お前笑ってるだろう!?」
「も、申し訳ありません!ぐふっwww」
「チクショォォォ!」
「話を戻すけどよ」
富士宮が笑い、土手がそれを真っ赤な顔をして止めるという光景を暫(しばら)く楽しんでから、古泉が口を開いた。
「土手は実家を継いで、俺とベネディクトはキャンパスライフ。ッてなると、こうして皆で集まるのは今日で最後になる訳だ」
「確かに、卒業してからもう一度全員で集まるとなると、予定を合わせるのは難しいよな・・・。まさか、何かやるつもりなのか?」
土手からの問い(と言うよりかは、土手の問いには殆ど確信的なソレが含まれていたので、正確には確認)に対して、古泉はニヤリと口角を吊り上げて言った。
「勿論。ーーおい、お前等!」
この部室に居た、卒業組以外の全員に呼び掛ける。
「何ですか?」
前野が応える。
「オレ等の卒業パーティーを開け」
「ソレを自ずから言っちゃうんですか!?」
前野は呆れた様子でツッコんだ。
というのも、もう前野達二年生は卒業生に対するサプライズを以前から用意してあり、言われなくともやるつもりだったのだ。それぞれの制服のポケットには、クラッカーが出番を今か今かと待ち構えているのだ。
「まぁまぁ。どちらにしろやるつもりだったのですし、良いではないですか」
青山が、前野を嗜める。
「青山君・・・うん、確かにそうだよね。じゃあ皆?せーの、」
「「「「卒業おめでとうございます!」」」」
パンパンパンパンッ!とクラッカーの炸裂音。古泉と前野のやり取りがよく聞き取れなかった土手は、ビクッと肩を震わせて驚いたが、古泉は腕を組んで気持ち良さそうにそれを歓迎した。一方ベネディクトは、猫のように空中に飛び散った紙テープを楽しそうに集めていた。今回は火薬が入っていないタイプのモノだったので、いつの日かのように火災装置が作動する事も無かった。
「いやー、嬉しいね!土手クン!」
「そうだな。皆、ありがとう」
土手が、ほんのり赤く染まった頬を掻きながら言った。その肩に、古泉が後ろから手を置く。
「お返しと言っちゃあアレだが、こっちもサプライズがある」
「え、卒業する側もサプライズするんですか」
「人生、毎日がサプライズだ」
「名言染みた事言ってますけど、古泉先輩が私と青山君にしてきた『サプライズ』は、言い換えれば『タチの悪い悪戯』ですからね!?」
サプライズで、「あっそうだ。窓の外から部室にいる奴等を驚かしてやろう」とは普通思わない。
「どうどう、落ち着けよ。な?」
「・・・どうしてだろう。私、普通に正論を言っただけなのに宥められてる」
前野のボヤきは誰にも拾われず、卒業パーティーは進行する。土手が部室内に(何故か)ある冷蔵庫からある物を取り出した所で、古泉のーー卒業組からのサプライズの内容が明らかになった。
「わぁ、ケーキだ!」
この中で一番背の高いベネディクトが、上から覗き込んで歓喜した。
「おう。俺の家の特製だ」
土手の両手には、家族で食べるケーキよりも、二回り三回り程大きい特製ショートケーキがあった。中央には美味しそうな赤い苺。土手の家でこの日の為に作ったらしい。
「・・・って、ベネディクト君はサプライズの内容知らなかったの?」
「全然知らなーい」
「何で?」
「コイツが、お前等にうっかりバラさないか心配だったンでな」
前野の疑問に、古泉が首に手を当てながら答えた。その答えに、前野も成る程と頷く。
「バラしちゃいそうですね、確かに」
「お腹減った〜」とか言って勝手に冷蔵庫からケーキを取り出す姿が容易(たやす)く浮かぶ。
そんな会話をベネディクトは気にもせず(聞きもせず)、土手に「ボクに切り分けるケーキ、苺のせて!」と意識はケーキに夢中だ。
「おーい、古泉も前野も早く選んでくれ〜」
ケーキを切り分けた土手が、そう呼び掛ける。それを聞いて、二人は話を切り上げて土手の所へ向かった。
滞り無く、とは行かなかったが、卒業パーティーは進行していった。
ケーキを食べて、その後何故か富士宮が忍術を披露し始め、
青山直伝のIQを上げる方法を皆で教わり、
その流れで、ベネディクト直伝の今からでも背を伸ばす方法を皆で教わり、
その後に、卒業組の私物を各自持って帰らせる為、部室内の整理をしていると、町全体の地図(通り易い裏道などにはマークがしてある、所謂『帰宅』する為の地図)が出てきたり、
古泉が必要無くて放った学生証の写真の余りが棚の隙間から出てきて、それをみんなでからかったり。
『馬鹿騒ぎ』とも言える程色々やった。それはまるで、めいいっぱい楽しむ事によって少しでも別れによる悲しみを軽減させようとしているようだった。
時計の針は寸分の狂いも無く正確に進み、じわじわと日は沈み始める。
そしてーー
- Re: 帰宅部オーバーワーク!【完結まであと少し!!】 ( No.69 )
- 日時: 2016/07/20 20:58
- 名前: ガッキー (ID: .YMuudtY)
「・・・終わった、な」
「終わりましたね」
全てが終わり、後は部室を出るだけとなった時間帯。古泉は青山と二人で窓の外を見ながら座って話す。古泉の目には、一年間過ごしてきた思い出溢れる部室から、いつも見ていた変わらない景色が映されており、思わず何かが込み上げそうになった。この景色を見るのも最後。そう思うと、時間の流れは残酷だと頭の中で吐き捨てた。
頭を小さく振ってその考えを消す。そうだ。何にでも別れはある。そう割り切って、会話を続ける事にした。一方、前野とベネディクトの二人は最後の帰宅ルートを話し合っていた。
「『帰宅部』に最初に入ってくれたのは考地だったよな」
「えぇ、はい。正確には、あの頃はまだ『帰宅部』ではありませんでしたけど」
「まさか創るのに二年もかかるとは思わなかったぜ。あの生徒会長め」
「・・・風の噂では、その生徒会長は古泉先輩と同じ大学に行くと聞いたのですが」
その噂を以前聞いた時の青山は「いい加減、もう早く告白すれば良いのに」と思わざるをえなかった。同時に、「古泉先輩も早く想いに気付かないものか」と思いもした。
端から見ててウズウズする面白い関係は、この高校だけでなく、大学でも続くらしい。
「何故か、な。アイツならもっと上の大学に行けると思うンだがな」
(古泉先輩が行くから、その大学に行くのですよ)
「しっかしまぁ、早かったなァ」
頭の後ろで手を組みながら、しみじみと思い返すように古泉が言った。青山も「えぇ、本当に」と同調する。
『下校部』の三人は、もう先に帰った。最後なので、水入らずで帰ろうという事になったのだ。
部室内には四人。
部室から一歩出れば、古泉とベネディクトはもう『帰宅部』じゃなくなる。入口のドアの溝が、何かの境界線のように見えた。
「古泉クン、もうこっちは終わったよ〜」
その言葉を聞いた古泉は、膝を叩いて立ち上がった。
そして、言った。
「・・・・・・よし、そろそろ帰るか」
ベネディクトが返事をし、青山と前野も帰る準備を始める。
窓を閉じ、鞄を持ってドアの前へ。
古泉が最後に部屋全体を見回す。忘れ物が無い事を確認してから、足を部室の外へ
「「待って下さい!」」
踏み出そうとした瞬間、前野と青山が二人を呼び止めた。古泉は勿論の事、いつもはマイペースなベネディクトも止まって振り返った。
「ンだよ」
「僕達は、まだ先輩方に感謝を伝えていません」
「はぁ?別に良いっての」
手を横に振り、また会いに来るからよ。と付け加えた。
「それでは駄目なんです!」
前野が返した。
「次来る時には、先輩達は『帰宅部』じゃなくなってるじゃないですか」
そこまで言ってから、前野は掛けていた眼鏡を取り、目元を拭い始めた。
前野の瞳からは、涙が流れていた。
「・・・まぁ、そりゃな」
涙に気を取られた古泉は反論せず、いつの間にか素直に肯定していた。
「『帰宅部』の先輩方に、感謝を伝えたいのです」
青山が眼鏡のブリッジを指でクイッと押し上げてから、前野の言葉を引き継ぐように言う。
今迄一緒に居た、『帰宅の極意』を一から教えてきた後輩達にそこまで言われては仕方無い。
古泉は照れ臭そうにそっぽを向きながら、「・・・手短にな」とだけ言った。
「ベネディクト先輩もよろしいですか?」
「うん、ボクも聞きたいな」
いつもの元気なベネディクトは鳴りを潜め、今のベネディクトは柔らかい微笑みを浮かべていた。
「始めに、先輩方。これ迄僕達に色々な事を教えて下さってありがとうございました」
「ありがとうございました」
青山と前野が頭を下げる。その下の床には、雫。
「先輩方が教えて下さった事は、僕と前野さんが次の部員に必ずお伝えします」
「・・・おう」
古泉が鼻の下を擦る。顔がずっと上を向いているのは、何かを堪えているからなのか。
「ボク達が居なくなっても、頑張ってね」
「「はい・・・!」」
最終下校時刻のチャイムが鳴る。
そろそろ、帰宅の時間だ。
「・・・・・・まぁ、その・・・なんだ」
上を向いたまま、古泉が口を開く。
「オレが育てたンだ。これから先も絶対大丈夫だ。以上」
「えぇー、終わり?」
「うっせェベネディクト。良いだろうが」
抗議の声を上げるベネディクトを、ヘッドロックして黙らせる。
「あんまり話すと泣いちゃうもんね、うんうん。仕方無い仕方無い」
「ち、違ぇよ!泣かねェっての!」
土手が更に力を込めるが、ベネディクトは何のリアクションもせずに(恐らく全く効いていないのだろう)話し始めた。
「青山クン、前野チャン。ボクも二人と同じような時期に入部したから、古泉クンみたいに偉そうな事は言えないけどさ」
「おい、今偉そうってーー」
「隣でずっと見てきたから分かるよ。こんなに良い子なんだから、きっとこの後に入ってくる子も良い子だよ。そしたらその次も良い子で、その次の次も良い子。・・・そんな感じで、いつかは、生徒会や他の部活と対立する事が無いような、学校全体から認められる部活になれば良いなって思うんだ」
笑顔で話すベネディクトの瞳には、これから先の帰宅部の未来が見えているのだろう。とても嬉しそうだ。ベネディクトの頭上ーーつまり古泉の方から、先程から鼻を啜(すす)る音が聞こえてくるのは内緒だ。ベネディクトが普通に良い事を言ったから感極まってしまったというのは、
内緒だ。
「・・・ズズッ、・・・・・・よぉうし。ンじゃあ最後にアレをやるか」
「アレ?」
いつもの恒例的なヤツをやるのかと思ったが、前野はそんなのをやっていた記憶は無い。自分が知らないだけかと青山の方を見るが、青山さえも首を傾げていた。
「・・・申し訳ありません。『アレ』とは何ですか?」
青山が心底から申し訳なさそうに問う。自分が忘れたのだと思ったらしい。
「アレっつったらアレだよ。部長継承儀式だ」
「全く知らない事だった!」
「まぁまぁ、前野さん。落ち着きましょう」
「うぅ・・・」
青山に宥められ、仕方無く黙る前野。状況が状況だし、時間もあまり無い。ツッコんでもいられないのだ。
古泉が、ベネディクトへのヘッドロックを解いてから咳払いをした。
「・・・えー、ではこれより、部長継承儀式を開式する」
古泉が腕に巻いた時計を確認してから、心無しか厳かに言った。
「「は、はい」」
返事が若干どもったのは、古泉の顔が真剣なモノになったのと、次期部長が唐突に決まる事への緊張だった。
しかしまぁ、考えてみれば当たり前の事。これまで古泉は次期部長に関して何も言ってこなかった。今日言わなければ、機会は永遠に無くなる。
青山は緊張していた。何せ、自分と前野、どちらが部長になっても可笑しくないからである。
古泉の考えは大体分かっているつもりだが、こればっかりはどうしようもなかった。行動パターン等関係無く、古泉が完全に頭の中で決めたからだ。流石の青山でも、古泉の脳内を覗く事は出来ない。
対する前野はーー
(えーっと、多分青山君だよね)
あまり緊張していなかった。
前野からしてみれば、次の部長が青山になるのは殆ど確定している事なのだ。古泉の事を分かっているからこそ、意志を継ぐなら青山以外あり得ない。
それ云々を抜きにしても、青山が一番部長らしい。前野はそう思ったのだ。
だから、あまり緊張していなかった。
「じゃあ、発表する」
ゴクリ。青山の喉が鳴る音が聞こえた。ベネディクトは視線こそ古泉に向けられているが、手元は、卒業証書が入った筒を開け閉めしてポンポンと音を鳴らす事に夢中だった。
「次の部長はーー」
古泉はニヤリと笑いながら、言った。
前野の方を見ながら。
「お前だ、前野」
- Re: 帰宅部オーバーワーク!【完結まであと少し!!】 ( No.70 )
- 日時: 2016/07/20 21:13
- 名前: ガッキー (ID: .YMuudtY)
・・・、
・・・・・・、
・・・・・・・・・。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」
前野の頭が真っ白になる。青山が笑顔で拍手をし、ベネディクトも拍手代わりに卒業証書の筒をポンポンやっているが、そんなのは耳に入ってこなかった。
(え、ちょっ、は、何、えぇ!?私!?)
てっきり、部長は青山になるのだと高を括っていた事が仇(あだ)となり、前野の脳内は混乱を極めていた。
「どうした前野。前に来い」
「前野ちゃん?」
「前野さん?」
青山が、前野の目の前で手を振る。ここで肩を揺らす等身体に触れたりはしない辺り、青山はやはりジェントルメンだった。
「ーーあ、うん。大丈夫大丈夫」
「視線が定まっていませんが」
「ハァ・・・、落ち着けッての」
古泉が溜め息を吐き、グルグルと目を回す前野の頭を叩いた。
「痛っ!」
衝撃により正気を取り戻した前野が、頭を抑えながら古泉を睨んだ。
「何で驚いてンだよ」
「何でって、それはーー」
「別に驚く事ではありませんよ。古泉先輩の判断は間違っていません」
「だって、部長になるなら青山君の方が良いんじゃないの?」
「お前なぁ・・・」
前野の愚問に、古泉が馬鹿を見る目で前野を見た。
「え、何ですか」
「さっきも言っただろうがよ。お前は、このオレが一年間育てた部員なんだぜ?何を卑屈になってやがる」
そこで前野は察する。自分が今言った質問がどれだけ古泉に失礼かを。
古泉の決断に疑問を持つという事は、古泉の決断ーー即ち意思を否定し、前野を信じて『帰宅部』を託そうとして選んだ古泉自身をも否定しているのと同じなのだ。
「あ・・・。わ、私」
「気にすんな。オレだってまだ自分の決断に疑問を持ってるンだからよ」
「ちょっとぉ!?」
「冗談だ。オレはお前を信頼して、この『帰宅部』を託そうと思う。ッつってもな、お前の頭上には疑問符が浮かんでいるだろうから、オレがお前を選んだ理由を特別に教えてやる」
偉そうな態度で、古泉が言い放つ。続きを言おうとした所でベネディクトが話を引き継いだので、古泉は気まずそうに頬を掻いた。
「これはね、ボクと古泉クンでちゃんと相談して決めたんだよ?」
「そうだったんですか?てっきり、古泉先輩がこの場のノリで決めたのだとばっかり」
「な訳あるかよ。・・・まぁ、前野の『部長にするなら青山の方が良い』っていう発言も、分からなくはねぇ。優秀過ぎる後輩を持った為、オレ達もどっちを部長にしようか大いに悩んだ」
「そ、そんな///」
話の流れで自然に古泉に褒められ、青山が照れ臭そうにする。
古泉は青山の頭を撫でてから話を続けた。
「確かに、考地は部長としては相応(ふさわ)しい。これ以上無い位に。だがな、『帰宅部』の部長となれば、話は変わるぜ」
「? 何が違うんですか?」
小首を傾げる前野。古泉は前野の額にデコピンしてから話を続けた。
「私は撫でてくれないんですか!?」
「撫でてほしいのかよ」
「いや、そういう訳じゃないですけど・・・」
「はぁ?ーーまぁ良い。よく考えてみろよ。お前等が次、何年生になるのかを」
「三年生です」
手を挙げて青山が答えた。
「そうだ。お前等二人共来年度は三年生」
「えぇっと、だから何ですか?」
「後がねぇって事だ」
「・・・・・・あー」
「もしかしたら、次に入ってくる一年生が『帰宅部』に興味を持つかも知れない。『帰宅部』のドアを恐る恐るノックする一年生。出迎えたのは、眼鏡を掛けた冷たい雰囲気の先輩。そんな奴が部長だったら、一年生が逃げ出すだろうが。もし一年生が入らなかったら、その後の『帰宅部』の存続が危ぶまれるぞ」
「分からない事もないですけど、取り敢えず青山君に謝って下さいよ!」
「悪ぃな、考地」
「い、いえ。自覚してますので・・・」
古泉に言われ、前野もそれにやんわりと同調した事で、見るからに落ち込んでいる青山をベネディクトが頭を撫でて慰め、古泉はそちらを少し気にしながら時間を確認。眉を顰(ひそ)めている事から、時間は残されていない事が分かる。
「そんな訳で、前野。お前に『帰宅部』の部長を任せたい。良いか?」
「はい!青山君と協力して、より良い帰宅が出来るように日々精進したいと思います」
前野が、凛々しい顔をして元気に返事をした。
これなら大丈夫。古泉は安心して頷き、前野の頭をワシャワシャと不器用に撫でた。前野が口をパクパクさせて驚いているのは無視して、青山の方を向いた。
「考地」
「はい」
「頼んだぞ」
「はい!」
言葉こそ少ないが、言葉にしなくとも分かり合える程の信頼関係が、言葉以外での意思疎通を可能にした。
青山は古泉の脳内を覗く事は出来ない。
しかし、今この状況で、何を考えて、何を言おうとしているのかは分かった。
「じゃあ、話は以上だ。最後の帰宅としようぜ」
「行こう!」
「そうですね」
「はい!」
三者三様の返事をし、ベネディクトと青山と前野の三人は部室を出る。部室と廊下の境界線を、躊躇いも無く越える。
一人、まだ部室に居る古泉。境界線の向こうには、これまで苦楽を共にしてきた仲間が笑顔で待っていた。それに、不敵な笑みで返す。
最終下校時刻は過ぎた。
そろそろ、帰るとしよう。
「そうそう、前野。一つ聞きたい事があるんだが」
「何ですか?」
「日没山の頂上で、『下校部』を廃部にするかしないかで、オレとお前で言い争った事があッたよな」
「あー、そんな事もありましたねぇ」
「その時、『こんな終わり方は誰も笑えないです!こんなの、私が望むハッピーエンドじゃありません!!』みたいな事言ったろ?」
「まぁ、言いましたけど」
「どうだ?今は。お前が望んだハッピーエンドになってンのか?」
「そんなのーー
ーー当たり前じゃないですかっ」
完。
ーーそして、数ヶ月後。
「えぇっと、帰宅部・・・帰宅部・・・・・・まったく、どこにあるんだよこの部室」
ボヤきながら、『帰宅部』の部室を探す。もう放課後になってから三十分は掛かっている。誰かに部室を聞く勇気は無かったので、パンフレットに書かれた校内見取り図を頼りに一人で探しているのだ。まだ慣れない校内の構造に、俺はおろおろしながら、パンフレットと睨めっこしながら探しているのだ。
入学前、受験シーズンの頃に読んだパンフレットの部活紹介の欄の端っこの方に小さく書かれていた『帰宅部』という部活。俺はその部活がどんなモノなのか気になって、この高校に入る事にした。中学の時はバスケットボール部に入っていたが、技術も勝率も伸びず、伸びたのは身長だけ。
そんな部活を、高校に入ってまで続ける程の熱意は無い。
だから心機一転、全く知らない部活に入ってみようと思ったのだ。
目線をパンフレットばかりに集中させていたら、誰かと肩がぶつかった。自分の手にはパンフレット。咄嗟の出来事にパンフレットを離す事が出来ずーーそして、パンフレットが邪魔をした為、床に上手く手を付く事も出来ずーー背中から倒れ込んでしまった。
「いってぇ・・・」
腰をさすりながら、顔を上げる。
目の前には、今時珍しい三つ編みで眼鏡の女の人が立っていた。見た目に反して、雰囲気は大人っぽい。それは、目の前の女の人がとても凛々しく、そして優しい顔をしているからだろう。そこらの女子からは感じられない魅力的なオーラを感じた。
「えっと、すみませんでした。怪我はありませんか?」
問う。そう言えば、(俺が倒れ込む程)結構強くぶつかった筈なのに、女の人は倒れていないんだなぁ。という細やかな疑問は、端に追いやった。
「私よりも、君は大丈夫?痛い所は無い?」
「はい、俺は大丈夫です」
「良かった」
女の人は、ふぅ・・・と安堵の溜息を吐いた。俺はその仕草と、他人を心の底から気遣う優しさに、ドキッと胸が高鳴りを感じた。
「それじゃあね。あまりパンフレットに夢中になっちゃ駄目だよ?」
反転。女の人が俺に背を向けて歩き出した。
俺は思わず声を掛けていた。
「あ、あの!」
女の人は立ち止まり、こちらを向いた。
「どうしたの?」
「お名前は、何ですか?」
「私?ーー『帰宅部』部長、前野。また縁があったら、よろしくね」
- Re: 帰宅部オーバーワーク!【完結しました!!】 ( No.71 )
- 日時: 2016/07/25 21:27
- 名前: ガッキー (ID: 5VHpYoUr)
以上で、帰宅部オーバーワーク!のアナザーエンディングは終わりとなります。
一ヶ月ほど、事情により全然更新が出来ない事もありましたが、どうにかして終える事が出来ました。
チラッとKAKIKOを開いて、参照の数字が増えているのを見ると、凄いニヤニヤしてました!
帰宅部オーバーワーク!を読んで下さった全ての皆様。
本当に、ありがとうございました!
ここからは、帰宅部オーバーワーク!に出てきたキャラクター達の設定を少しだけ書きたいと思います。特に知らなくても平気な裏話的なアレなので、飛ばしていただいても全然大丈夫だと思います。
まず、キャラクター達の名前について。
青山。
ベネディクト。
古泉。
土手。
暎宮。
富士宮。
このキャラクター達の名前を考えるにあたって、私は最初困惑しました。私は、キャラクターの名前を考えるのがとても苦手なのです。
だから、私はしょうもない事に考えが辿り着きました。
「キャラクターの名前を、アルファベット順にすれば良いんじゃね?」と。
嗚呼、過去の私よ。何と浅ましい。そんな手法、誰でも思い付くし、もう誰かがやっているに決まっているだろう。大体、Zまでキャラクターが増えたらどうする気なんだ。雑炊とかにでもする気か。
しかし、突然の閃きにテンションが上がっている私にそんな事が分かる筈も無く。
こうして、彼等の名前が決定したのです。今考えると、変なテンションで付けたなぁ。
大体、Cにあたる古泉に至っては「パソコン入力で【C.O】って打てば【こ】になるからセーフだよね」って強引に古泉にしましたし。
前野は、この物語の女主人公ですし、別にアルファベットに囚われなくても良いかなと思って、前野にしました。ベネディクトのお姉さんも、あまり出番も無いしアルファベット順にしなくても別に良いかなと思い、頭文字を『マ』にしました。←ゲス野郎。
なので、次に物語に深く関わる程の新キャラが出るような事があれば、十中八九、頭文字がGでしょう。
あと、帰宅部の部員について。
名前を考えたあとに私は、個々のオリジナリティについて、どのようにしようかな、と思いました。なので、
青山のオリジナリティは、
・一人だけ、フルネームが明かされている。
ベネディクトのオリジナリティは、
・一人だけ、ハーフ。
古泉のオリジナリティは、
・一人だけ、不良っぽい。
前野のオリジナリティは、
・一人だけ、性別が女。
という感じで考えていきました。いや、挙げられるオリジナリティとしては、まだまだあるんですよ?しかし、最初に、おおまかな設定として大事にしたのは、この設定でした。
前野を主人公にした時点で、ツッコミ役の座は決まっていましたが。
因(ちな)みに、青山以外フルネームを明かさない事には、理由はありません。先程も言いました通り、名前を考えるのが苦手なだけです。ごめんね、青山以外のみんな。
さて、書きたかった事も書けましたし、後書きと呼べるレベルには到底達していないこの文章も、そろそろ終わりにしたいと思います。
最後にもう一度。帰宅部オーバーワーク!を読んで下さった全ての皆様、本当に本当に、ありがとうございました!!
・・・はい?言葉の使い方が変?いやいや、それはいつもの事でしょうに。
見過ごせないレベル?何ですか何ですか。それが本当だったら、訂正しなきゃいけないじゃないですか。教えて下さいよ。
『次に、物語に深く関わる程の新キャラが出るような事があれば、十中八九頭文字がGでしょう』・・・・・・・・・これが、どうかしましたか?
え?もう物語は完結したのに、新キャラを仄(ほの)めかすのは可笑しい?
・・・分かりました。白状します。それでは、今まで帰宅部オーバーワーク!を読んで下さった全ての皆様。
更なる続編ーー番外編で、またお会いしましょう!!
- Re: 帰宅部オーバーワーク!【まさかの番外編!!】 ( No.72 )
- 日時: 2016/07/29 21:55
- 名前: ガッキー (ID: 4IM7Z4vJ)
前野の暇潰し
「こんにちはー」
放課後。一日の授業の疲れを滲ませた覇気の無い挨拶をしながら、前野が『帰宅部』のドアを開いた。
「・・・・・・」
部室内には誰も居ない。どうやら一番乗りのようだ。
「誰も居ないんだ・・・」
珍しさと寂しさを覚えつつも、取り敢えず鞄を机の上に置いてから適当に開いている椅子に座る。一瞬、古泉がいつも座っているソファに座ろうとも考えたが、何となくそこは古泉の場所のような気がして、普通の教室にある椅子と同じ椅子を選んだ。この椅子、何故か『帰宅部』の部員の数よりも四、五倍ほど多いのだ。だから、一人で椅子を三つ使ってベッドに見立てて寝転んでも大丈夫なのだ。今はやらないが。
部室内を見渡す。いつも見慣れたこの風景も、自分以外誰も居ないだけで不思議な感じがする。
静かな部室内で何をする訳でもなくボーッとしていると、外から、金属バッドにボールが当たった心地良い音が聞こえる。野球部だ。
「暇だなー」
そのつぶやきに対する返答は当然、無い。
(そういえば、この前テレビでロボットダンスがやってたな)
ふと、いつの日かの夜のテレビで見たロボットダンスを思い出した。
誰も居ないのを良い事に、少しやってみる。試しに、両腕の肘から先だけを交互に動かしてみた。
(何か違うな・・・。あっ、確か足も動かしてたような)
足も、ロボットのようなぎこちなさを意識して交互に動かす。
(うーん、しっくりこない。えーっと、首を傾けたりもしてた。うん)
首をカクカク左右に傾けてみる。
(鏡を見なきゃ、よく分からないよね)
この部室内に姿見は無い。なので、携帯で録画してみる事にした。
携帯をセットし、携帯の前でカクカク。
満足のいくまでやってから、慣れない動作の運動をした事による軽い息切れをしながら確認。
「・・・・・・これは酷い」
画面に映るのは、自分がテレビで見たダンサーのようなカッコ良いロボットではなく、三つ編みを振り回して狂った動きを繰り返す自分の姿だった。YOUT○BEとかで、【三回見たら不幸になる動画】というタイトルでUPされてそうだ。
「止めよう。誰かに見られたら恥ずかしくて死んじゃう」
幸いにも、物語で有りがちな『恥ずかしい場面を陰から誰かに見られている』という展開は無く、新たに生まれた黒歴史を、携帯に残された自分の動画を消す事によって完全に記憶から抹消した。
「誰も来ないなぁ」
時刻は午後四時を回った。帰りのHRが終わったのが午後の三時半だから、教室から部室までの移動時間を抜きにしたらもう三十分も待った計算になる。
帰宅部には、基本的に定休日は無い。部活動に対する意識が高い訳では無い。単純に、休みにしても結局は帰宅する訳だから、どうせなら皆で帰って、帰宅魂を高めようーーという理由だ。
暇だし、探しに行こうか。
鞄はそのままに、校内を探索してみる事にした。
(どうせ部室にいてもする事は無いしね)
歩く度に三つ編みをひょこひょこと揺らしながら校内を散策。青山が居そうな図書室に入ったり、ベネディクトが帰りのHRの後にそのまま寝ていそうな三年生の教室に行ってみたり、古泉が居そうな屋上(屋上から町を見てニヤニヤ笑ってそう、という前野の一方的な理由)を探してみたが、
目当ての三人は見つからなかった。
(えぇー?誰も居ないじゃん)
一人位見つかると思っていたが、まさかの収穫ゼロ。肩を落としながら、部室へ戻る為に廊下を歩いていると、生徒会室を見付けた。この一つ下の階に『帰宅部』の部室があるので、いつものルートで教室から部室に向かったら絶対に通らない部屋。三人を探す為に校内をウロチョロしていたからこそ、通った道。
「・・・・・・」
いつも、『帰宅部』が生徒会から逃げるのは、後ろめたい事があるから(理由はほぼ古泉が作る)。今のように、何もしていなければ問題は無い。
ドアをノックしてから、ゆっくりと開く。
「失礼しまーす」
顔だけ覗かせると、ペンを紙面に走らせている副会長が居た。生徒会長の姿は無く、彼が放つペンの音だけが室内に響いていた。その音はとても綺麗で、何かの楽器のようだった。
ふと、副会長が動かすペンの音色が止まった。前野の存在に気付いたらしい。
「これは驚いた・・・。よう、久し振りだな。『帰宅部の良心』」
「懐かしいようなそうでもないような呼び名ですね・・・。名前で呼んで下さいよ」
悪い悪い、と優しく笑う副会長に、前野も笑って返す。
帰宅部全員が、生徒会に拘束されそうになったあの事件以来、仲良くなった副会長と前野。
その友情は、今も続いているらしい。
「何の用だかは知らんが、まぁゆっくりしていけ」
拒む理由は無いので、応接用のソファに座った。それを見て、執務を行っていた筈なのに執務そっちのけで立ち上がる副会長。よく見ると、作業していた机の上には、もう何も無かった。もう終わらせたのか、それとも前野と話す為に一時的に投げ出したのか・・・。
「お菓子は何が食べたい」
室内に設置されている棚と向き合いながら、副会長が前野に問うた。ガサゴソと棚の奥に手を突っ込んでいる。
「副会長さんなら、分かりますよね?」
「ハ○ピーターンで良いか?」
「正解!」
「飲み物は?」
「コーヒー以外で」
「お茶か」
「はい」
お菓子とコーヒーも結構合うのだが、前野はコーヒーの苦さが得意ではないのだ。
副会長が持つポットから流れるお茶の動きを見ながら、ふと思い出した。
(そういえば、ここにも皆は居なかったな・・・)
もしかしたら、生徒会に拘束されているのではないかと危惧していたが、予想は外れたようで、安心。同時に、三人の行方(ゆくえ)の謎は深まる。
本当に、どこに行ったんだろう。前野は記憶を手繰り寄せる。何度思い出そうとしても、今日は『帰宅部』が休みという連絡は聞いた覚えが無いし、学校側の予定(三者面談や、職員会議など)が入っている訳でもない。
うーん、うーんと唸っていると、ソファの前にあるテーブルにコースター、それに続いてコップが置かれた。その際、氷がグラスに当たって涼しい音が鳴った。
「ありがとうございます」
「おう」
副会長は返事をしてから、テーブルの真ん中に白い皿を置き、その上にハ○ピーターンをザァッと一気に出した。
「・・・○ッピーターンのシャワー」
「中々の表現をするじゃないか。俺は好きだぜ」
「あ、ありがとうございます」
ハッピーター○を見ていたら、不意に口から出た表現。特に意図した訳じゃないのに副会長に褒められて、何だかむず痒くなった。
会話もそこそこに、二人はハッ○ーターンに手を伸ばす。一つ一つに包装がされているのも、ハッピーターンの良い所だ。手を汚さなくて済むし、万が一、いや、億が一にも食べ切れなかったとしても、個々に包装がされているので、保存が利く。
もしくは、誰も想像の付かないような崇高な理由があるのかも知れない。包装一つについてでも、前野と副会長は小一時間語れる自信があった。
包装を解き、口へ運ぶ。味わう。美味しさに顔が綻ぶ。
その動作を数回繰り返してから、副会長が口を開いた。
「今日はどうしたんだ?『帰宅部』なら、この部屋には近寄らないだろう」
「はい、そうなんですよ。階も違いますしね」
「なら、どういう風の吹き回しだ?また古泉が悪巧みでもしているのか?」
「今回は違います」
「ふむ・・・・・・居ないのか」
顎に手を当てて数秒考えてから、前野の言いたい事を当ててみせる副会長。前野は特に驚いた様子は無く、話を続ける。
「放課後、いつものように部室に行ったんですけど、誰も居ませんでした」
「待ったのか?」
「三十分ほど待ってみたんですけど、誰も来ないんですよね・・・」
「でも、部室の鍵は開いてたんだろ?」
「・・・・・・確かに」
言われてみれば、部室に行った時には鍵は開いていた。という事は、前野の前に部室の鍵を開けた人物がいる。
三人の中の誰かが、前野よりも前に部室の鍵を解いて、どこかへ行ったのだ。そして、それ以外の二人も同様に、どこかへ行ったのだ。
「うーん、謎は深まりますね・・・」
「一日くらい、こんな日があっても良いんじゃないか?」
尚(なお)も考える前野に、副会長はそう返した。その言葉を受けて、この謎の真相が分からない事による前野の胸の靄(もや)が少しだけ晴れた。
「それもそうですね」
「俺も、今日は会長を見ていないんだ。だが、恐らくどこかで執務を全うしておられるのだろう。お前も、そう考えてみれば良いんじゃないか?」
何か理由がある訳ではなく、偶々(たまたま)こういう日なだけ。半年間も会えない訳じゃない。明日また理由を聞けば良いのだ。
「ありがとうございます。副会長さんのお陰で、気持ちが楽になりました」
「おいおい、俺は何もしてないぞ」
コップを片手に、謙遜する副会長。
会長の完璧さが目立つこの生徒会だが、他のメンバーも負けない程素晴らしいのだと再認識した。
と、同時に。
生徒からも教師からも信頼される生徒会。そして、そんな生徒会から目の敵にされている『帰宅部』。
この関係を思い出し、どうしてこうなったのかと辟易するのだった。
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