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トウカ
日時: 2010/01/30 13:05
名前: 朝倉疾風 (ID: ikrpTGuK)

□登場人物□

柏木トウカ───カシワギ_
17歳 幼い頃から嫉妬深く、過去の事件から特に大人を嫌う。 暴力的で疎まれがち。 かなりの美人。

桐谷リク───キリタニ_
17歳 目がいつもタヒんでいる。 何を考えているのかよく分からない。 トウカの家で居候している。

葦羅木ユマ───アシラギ_
17歳 超ド天然で何がしたいのか理解不能な言動をする転校生。 前にいた学校で問題があった。

柏木恵美───カシワギメグミ
30歳 トウカの叔母でリクの遠い親戚。 実家が会社を持っている為、暮らしには不自由していない。

峰岡ウタ───ミネオカ_
17歳 リクとは幼い頃友達だったが、ある事件で行方をくらます。 

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Re: トウカ ( No.64 )
日時: 2010/01/30 13:05
名前: 朝倉疾風 (ID: ikrpTGuK)

いきましたー
おめでとうございます。

Re: トウカ ( No.65 )
日時: 2010/01/30 13:14
名前: 朝倉疾風 (ID: ikrpTGuK)

峰岡ウタを観察してみる。

長い腰まである黒髪は所々茶色の残骸がある。 
目は丸く、細身で年の割には幼い背丈。
昔は笑顔が特別可愛かったけど・・・・、今はどうなんだ?
無表情すぎて怖い。

「お前、そいつが好きなの?」
「うん。 愛してる」
「・・・・・・・・・・・へぇ」
どうでもいいってか。 まったくだ。

Re: トウカ ( No.66 )
日時: 2010/01/30 13:17
名前: ラビ ◆H0b/5O683E (ID: ftDNog01)

おにーさん小さい子何を……!
トウカちゃんよりおにーさんが怖いですー

Re: トウカ ( No.67 )
日時: 2010/01/30 15:09
名前: 朝倉疾風 (ID: ikrpTGuK)

おにーさん=怖い人

Re: トウカ ( No.68 )
日時: 2010/01/31 09:27
名前: 朝倉疾風 (ID: ikrpTGuK)

「今まで、どうしてたんだ?」
「・・・・・・・・親に捨てられて、今は爺さんの家。 爺さんの家が、ここだったから」
捨てられた・・・・・・・・ね。 あの事件が発端かな。
「僕を・・・・・・恨んでる?」

素朴な疑問を軽く投げかけてみた。
ずっと、心残りだったから。
聞いた瞬間、少しだけの後悔がこみ上げてきたけど、受け止めて、ウタを見据えた。

「恨んでなんか、ない。 だけど、絶対に忘れて欲しくない」

「わかった。 僕は、峰岡ウタを忘れない」
それがウタの願いなら、容易い事。
まだ、残ってるんだ。 良心が。 悪い事したっていう気持ちが。

「その子、ちゃんと見てあげなよ」

少しだけ、心が痛んだ。
ごめん、ウタ。 僕はトウカでさえ、壊してしまったんだ。
「わか、た・・・・・・・・」
「じゃあね」
峰岡ウタが、去っていく。

そうだよ、僕はもう二度と、





僕とトウカが12歳の時、
遊ぶ約束をした日、
トウカは自分の父親を殺.した。

トウカにとって、「家」 は地獄のような所だった。
父親は昔から母親に暴力をふるい、精神が病んだ母親がトウカに対して見せた異常な、歪んだ愛情。
トウカは次第に病んでいき、僕に依存した。

限界が来ていたんだろう。 色々と。

トウカは父親が母親に撲.殺しているのを目撃してしまった。
ビロビロになった母親を見て、トウカはまず、「そこにいたら自分もタヒぬ」 と認識し、包丁で父親を滅多刺し。

その後、全ての記憶を忘れ、両親がタヒんでいるのにそれすら 「知らない人」 となった。
僕と遊ぶ時間が迫っている為、そのまま公園に直行。
でも、僕は迷子の小さな女の子といた。

お母さんと離れた、と公園でウロウロしていて、こんなのが居たらムード打ち壊しで、トウカが何をするか分からなかったから。
色々話をしていたら、

「どうして? どうしてその子と一緒にいるの?」

真っ直ぐに僕を見据えて、何の感情もなく問いかけてきた。
僕は何も言わず、答えず、トウカを見て硬直していた。

「やっぱり、何も助けてくれないじゃん」

トウカが、何故か持っていたナイフで手首を切る。
倒れて、
「・・・・・・・・ああああああああああああああああ?」
僕は長い質問をしたつもりなんだけど、全く言葉になってなかった。

あの日から、認識できなくなった、「血の色」。

赤い色がモノクロに見えてしまう。
でも、モノクロ=赤だから、分かるけど。

「こらっ! 本気で何やってんのっ!」
「あて」
額をぺチリと叩かれた。 目を開けると、恵美さんが逆さまに映る。
顔を上げて、振り返ると仁王立ちの恵美さんがいた。

「こんな遅い時間までここにいるとはいい度胸だねぇ。 朝帰りなんて、まだまだ早い」
「・・・・・・あ、捜してくれてたんだ」
意外。
「一応預かってるんだから。 トウカも風邪引く・・・・・・」

恵美さんが驚いた顔で硬直する。
まじまじと見つめられて、少し困る。
「なんすか?」
「・・・・・・・・なんで、泣いてるの?」

泣いてる? 僕が?
嘘だと思って、右手で頬を触ってみる。
泣いていた。 
「・・・・・・・泣いて、ますね」
「キミでも泣けるんだ。 なになに? どした?」
「いえ、別に何でも・・・・、欠伸ですよ、きっと」

恵美さんが笑いながら、それ以上は追求してこなかった。
「トウカ背負って車乗せて」
「はい」


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