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トウカ
日時: 2010/01/30 13:05
名前: 朝倉疾風 (ID: ikrpTGuK)

□登場人物□

柏木トウカ───カシワギ_
17歳 幼い頃から嫉妬深く、過去の事件から特に大人を嫌う。 暴力的で疎まれがち。 かなりの美人。

桐谷リク───キリタニ_
17歳 目がいつもタヒんでいる。 何を考えているのかよく分からない。 トウカの家で居候している。

葦羅木ユマ───アシラギ_
17歳 超ド天然で何がしたいのか理解不能な言動をする転校生。 前にいた学校で問題があった。

柏木恵美───カシワギメグミ
30歳 トウカの叔母でリクの遠い親戚。 実家が会社を持っている為、暮らしには不自由していない。

峰岡ウタ───ミネオカ_
17歳 リクとは幼い頃友達だったが、ある事件で行方をくらます。 

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Re: トウカ ( No.59 )
日時: 2010/01/30 12:04
名前: 空雲 海 ◆EcQhESR1RM (ID: HK6OImIM)

「まぁこの人にとっては電気代なんて虫ケラみたいなもんだもんな」
ここの文、結構衝撃っ! 恵さんってもしかして、売れっ子漫画家っ!? すげぇー!


リクはなんかトウカに洗脳されてますねぇー。
大丈夫かな? リク。

Re: トウカ ( No.60 )
日時: 2010/01/30 12:32
名前: 朝倉疾風 (ID: ikrpTGuK)

恵美さんは普通に漫画かいてます。
実家が会社経営してるんです。 だからぼんやり漫画かいてて、子供二人も養うぐらい余裕があるんです。
リクは・・・・・・・・ありゃもうダメです。

Re: トウカ ( No.61 )
日時: 2010/01/30 12:35
名前: 邪狼 ◆XRTr.Bg.qw (ID: nXlmokR.)

リクごっこ……
ある意味怖い遊びですね……

リクは本当にトウカに占領されてますね……

Re: トウカ ( No.62 )
日時: 2010/01/30 13:00
名前: 空雲 海 ◆EcQhESR1RM (ID: HK6OImIM)

テトッ!
こっち、100いったよぉー!
あとそれと、更新したよー!

Re: トウカ ( No.63 )
日時: 2010/01/30 13:01
名前: 朝倉疾風 (ID: ikrpTGuK)

はぁ。 どうしてこうなるんだろう。
僕の人生はいつも落とし穴だらけだ。 スタートからゴールまで、どこまでも続く岐路の地点。
「恵美さんに迎えに来いって言ったら、怒られるかな」
公園のベンチ。 トウカをベンチに寝かせて、夜の空を見る。

ポツポツ明かりがついている家が豆粒みたいだ。
てか、何で寝ちゃうかなーこの子。 意味が分からない。
起こしたら蹴り入れられそうだし。
恵美さんは帰ってこなくても心配して捜す、なんてガラじゃない。
もしかしたら、まだ漫画を描いてるのかも。

トウカが何か寝言を言っているのを聞き逃して、
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
この公園に、僕ら以外の人間がいる事に気づいた。


少し昔話をすれば、僕にはこの田舎に引っ越してくる前、密かに憧れていた子がいた。
笑顔が可愛くて、名前の通りに歌が上手かったのを覚えてる。


「ウタ」
「リク」


彼女の名前を呼ぶと、向こうも僕を覚えていたのか、少し驚いた顔で立ち止まる。
「ここに引っ越してきたんだな」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
あー、この子を見ると心臓に穴が開いてそこから虫が出てきそう。

公園の街灯で、その顔が照らされる。
峰岡ウタの視線が、僕からトウカに移る。
相変わらず、睨んでいるのか普通に見ているのか曖昧な視線だな、おい。

「大きくなったな」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
無視された。
まぁ、昔の事もあるから僕を嫌うのは当たり前か。
でも正直、内心嘔吐感がこみ上げてくる。

「いつからここに引っ越したんだ?」
「お前には関係ない」
「刺々しいね、ウタ」
「・・・・・・・・・お前は、いつから? いつからここにいたんだ?」

へぇ。 ちょっとは気にしてくれてたんだ。
「両親が事故死したから。 二学期からここに引っ越したんだ。 正直、前の家から学校はかなり遠かったから、便利だよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

無言で、さっきからトウカの方に食いついてばかりいる。
「この子は、今僕と同居してる子。 あーでも、第三者が介入しているけど」
「誰もそんな事聞いてないし。 ふしだら」
あ、反応した。 ムキになってるな。

「学校には行ってないみたいだな。 今17歳か」
「・・・・・・・・・・・・・」
「こんな所で再会するなんて、思わなかった」
「・・・・・・・・・・・・・」
「こんな夜に、女の子一人で何をしていたのか些か興味があるけど」

たとえばほら、最近の連続殺人だとか。

先ほどから顔色一つ変えないウタさんは、こちらを凝視している。
あーやっぱダメだ。 
「・・・・・・昔は、悪かったよ」
「過去形にしないで」
「・・・・・・ごめん」

この子の人生を狂わせたのは、半分は僕なんだから。
「・・・・・・アイツは?」
「え?」
「・・・・・あの気色悪い奴」
「・・・・・大丈夫。 警察の所だから」

「タヒんじゃえばよかったのに」

歯軋り。 ギチギチギチ。
「あのまま、殺.しておけばよかった」
露になる、憎しみの面。

昔、僕が懐いていたおにーさんは、幼い女の子の悲鳴が大好きな性悪にもほどがあるほどの気色悪い性癖を持っていた。
それを見事に隠して、僕に接していたんだから余計に気味悪い。

そんな奴に、僕は峰岡ウタの存在を教え、会わせた。
悪意なんてものは全然無い。
ただ、友達を紹介しただけだった。
だけど、だけど、だけど、

それはとても間違いな行為で、

今僕の前にいるウタは、当の昔に損壊してしまった。


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