ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- ロンリー・ジャッジーロ 4−2
- 日時: 2011/07/31 16:02
- 名前: こたつとみかん (ID: DNzgYQrN)
- 参照: ココに来て一年経った、かな?
起きている間はずっと寝ていたい。だけど書き続ける。それがなによりも好きだから。
こんにちは。新年明けましておめでとうございます。
最近ポケモンの白を購入しました。ミジュマル超可愛い^^
ではでは、この小説が貴方の享楽となりますように。
こたつとみかんでした。
序章 前>>3 後>>4
第一章 ①>>8 ②>>10 ③>>12 ④>>16 >>17
第二章 ①>>21 >>22 ②>>25 ③>>26 ④>>33 >>34 ⑤>>40 >>41 ⑥>>44 >>45 ⑦>>46 >>47 ⑧>>51 >>52 ⑨>>62 >>63 >>64
第三章 ①>>73 >>74 ②>>77 >>78 ③>>82 >>83 ④>>84 >>85 ⑤>>86 >>87 ⑥>>90 >>91 ⑦>>94 >>95 ⑧>>96 >>97 ⑨>>100 >>101 >>102 ⑩>>103 >>104 ⑪>>105 ⑫>>106 ⑬>>107
第四章 ①>>112 ②>>113
キャラ名鑑 その一>>18 その二>>68 その三>>72
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- Re: ロンリー・ジャッジーロ 第二章-5 ( No.44 )
- 日時: 2010/05/08 15:18
- 名前: こたつとみかん (ID: VmxYa/ch)
- 参照: 間を置いてしまったので、二話掲載です!
第二章『大仕事』⑥
アイリスは上で乱射をしているフォンたちに作戦内容を手短かに伝える。それを聞いたフォンたちは一度乱射をやめ、そして再装填した。
弾幕がなくなり、自由に動けるようになったムカソリは、もう一度アイリスと黒峰の位置を確認し、先程と同じ速度で移動してきた。そして、向かってきたムカソリの頭の部分が結構広い所に出たとき、
「——今だ、黒峰!」
「承知……!」
アイリスの合図と共に、アイリスと黒峰はそれぞれ左右に、ムカソリの突進をすれ違うように避けつつ両サイドを取った。ムカソリはそれに即座に反応できず、頭だけを狭い通路に出してしまった。広い所には無防備な状態の青色の間接部が丸見えになってる。——仕掛けるなら、今しかない。
「吼えろ、サタン……!」
「斬刻(斬り刻め)、将門(マサカド)……!」
回路に魔力が流れる。アイリスはいつも通り赤黒い魔力で、黒峰は左手の甲に透き通った翠色の魔力が三日月のような形の回路に流れた。回路に流れる魔力の色が透き通っているほど、その術者の持つ魔力が純粋であることを示している。翠色の魔力は風(ヴァーユ)の属性だ。ちなみに、黒峰は東州神国出身だが、幼い頃にヴィ・シュヌールに来て育ったので、母国で神鬼導を教わっておらず、使用するのは普通の魔導だ。
黒峰の契約精霊、マサカドは古代の東州神国の名称のひとつ、日本の古代書物の『俵藤太物語』において、その存在は次のように記されている。「その有様は世の常ならず。身長七尺(二一二センチ)に余りて、五体は鉄の如し。左の御眼に瞳二つあり。将門にも相も変らぬ人体同じく六人あり」と。つまり、矢傷ひとつ受けぬ鉄の身体を持ち、左目にはふたつの黒目があり、見紛うばかりの影武者が六人いたという。鉄の身体を持つマサカドの唯一の弱点は、こめかみであった。その後、獄門にさらされたマサカドの生首を見たある数奇者が、こめかみを斬られたことを歌に詠むと、マサカドの首は「しぃ」と笑ったという。そして、その生首はいつまでも腐ることなく、眼を閉じることもなく、その上、「躯をつけていま一戦させん」と叫んだという。さらに、胴体を求めて首は飛んだ。日本にあった浅草の鳥越神社は、首が飛び越えた地であり、新宿の津久戸明神は射落とされた首が力尽きて落ちた地だという。古代の最後に首を祀るは、千代田区大手町の首塚。鎮魂の供養と怨念の祟りとは、表裏をなして、古代に続いたという。
「謳え汝ら愚者の如く。木っ端芥の華の生命を。悪魔よ廻せ。秒針をサカサマに、魂をサカシマに、世界をヨコシマに……!」
「返答、叫声我。持烈風汝、拓先道。魅今、龍牙、片鱗……!(答えろ、我の叫びに。汝の烈風をもって先の道を拓こう。今こそ魅せてやる。龍牙の片鱗を……!)」
アイリスの高周波斧には炎刃・闇焔が発生し、大剣を作り上げる。東州神国の言語で詠唱した黒峰の周りの気流が変わる。これは風(ヴァーユ)の属性の魔導の威力を上昇させる『旋風領域』だ。間を置かずに二人は詠唱を行う。
「永遠に狂え。悪魔の輪廻よ……!」
「乱狂。野咲、毒花弁……!(狂い乱れよ。野に咲く、毒の花弁よ……!)」
——追加詠唱。一度詠唱し発現させた魔導に、更に魔力を込めてその威力を上昇させるか、そこから別の魔導に派生させることだ。今の二人の場合、この意味は後者である。
アイリスは力を溜め込むように黒炎をまとった高周波斧を後ろに構え、黒峰は神刀の刀身を鞘に収めたままの状態で柄に手を掛けて構えている。いわゆる『居合い』の状態だった。
そして、一瞬の静寂の後、
「……くたばれ、デカブツ」
——誰かが言った。
ぶんかーつ!
- Re: ロンリー・ジャッジーロ 第二章-5 ( No.45 )
- 日時: 2010/05/08 15:23
- 名前: こたつとみかん (ID: VmxYa/ch)
- 参照: 間を置いてしまったので、二話掲載です!
それを合図として、アイリスと黒峰はそれぞれ自分の武器を思い切り振りぬいた。ムカソリの青色の間接部目掛け、アイリスは黒色の炎の刃『闇牙』を、黒峰は疾風の刃『空牙』を放つ。それは単発性ではないため、振りぬく度に発生する。
スカーの三人も、フォンの掛け声と共に再装填した狙撃銃やら機銃やらを乱射する。間接部が青色のため、それを踏まえてフォンは声を出しているようだが、何だか奇妙だ。
「青! 青! 青! 青! 蒼! 蒼! 蒼! 碧! ブルー! コバルト! ……『さかなへん』に『ブルー』と書いてェェェ……、」
弾幕で煙が舞い、よくはムカソリの間接部を確認出来ないが、あれだけの巨体だ。少し見えなくても外れはしないだろう。一頻り攻撃した後、仕上げとして全員が渾身の一撃を放つ。
「『鯖』(サバ)アァァ……!」
闇牙が、空牙が、弾丸が間接部を直撃する。
煙で完全にムカソリの間接部が見えなくなったころ。出せるだけの魔力を出し切り、息切れを起こしていた黒峰がフォンに言った。
「フォン殿。……ゼェ……『さかなへん』に『青』のサバは……ハァ……俗字で御座る。正しくは……ゼェ……『さかなへん』に……ハァ……『靑』で御座るよ」
「細けェこたァ気にすンな。禿げンぞ」
フォンがにやりと笑う。
煙が段々薄れていき、そこに在るのはムカソリの残骸だろうと誰もが思ったとき、——その煙に紛れて、二本の光沢のある灰色の鋏がアイリスを襲った。
アイリスは鋏を避けようとしたが、鋏の機動性がアイリスの想像のそれを遥かに超えていたため、避けきれず高周波斧で思わず防ごうとしてしまった。勿論、体格差の時点でそれは叶わない行動だとは頭では理解していたが、危機的状況での反射行動は抑えられなかった。
高周波斧は一本の鋏を押さえるだけで精一杯どころか、押さえること出来なかった。高周波斧はたった一本の鋏に弾き飛ばされ、アイリスの遥か後ろに落ちた。ばきり。——壊れたか。アイリスは悔しそうに歯軋りをする。だが、それだけでは終わらない。鋏はもう一本あるのだから。
もう一本の鋏は、少し下に傾きながら真っ直ぐアイリスへ向かっていく。それが地面に突き刺さる寸前でアイリスは後ろに跳んで回避したが、鋏が勢いよく地面に刺さったことで発生した鉄のつぶてがアイリスの腹に直撃した。
「か……っは……」
最早呼吸すら出来なかった。バランスを崩して地面に倒れたアイリスは腹を押さえてうずくまる。その身に受けた。そのつぶての威力は、そこらの大男のちょっとしたボディブローのそれに匹敵する。普通の人間なら軽く昏倒する代物だ。それでアイリスの意識が飛ばなかったのは幸いだった。
ようやく立ち上がると、鋏は二本ともアイリスの視界にはなかった。——どこだ。見渡すが、立ち上る硝煙のせいで位置が確認できない。動いている音は聞こえるが、絶えず動いているのか、聞くたびに聞こえる方向は違っていた。大方、隙を狙っているのだろう。暫くしてその音も止む。視覚にも聴覚にも頼れなくなり、焦燥感と共に一筋の汗がアイリスの頬を伝ったとき——、
「アイリィ! 後ろ……!」
すごく聞き覚えのある声が、アイリスの耳に伝わった。しかし、それを再確認する暇などなかった。だが、アイリスはその声に従うことにした。前に伏せるように倒れこむと、衣服の背中を掠って何か通っていった。見なくても判った。間一髪だった。
——今の、声は……? いや、まさか。彼女がここに来れるわけがない。だが、あの声を聞き間違えるはずがない。もっとも近くで、もっとも多く聞いてきたのだから。硝煙が完全に空気中に消え去り、視界が戻ると、アイリスは声のした方向を見る。——よもや、まさか、こんなことが……! 薄い緑色の髪の毛。淡い青色の瞳。気弱そうな表情。間違いなかった。声の持ち主はニーベルだ。熱がまだあるのか、顔はほんのり赤い。息遣いも荒く、かなり無理をしているようだった。
「アイリ……。大丈……夫……?」
ふらふらと近づいて来たニーベルは、虚ろな表情でアイリスを見つめていた。
- Re: ロンリー・ジャッジーロ 第二章-5 ( No.46 )
- 日時: 2010/05/08 14:59
- 名前: こたつとみかん (ID: VmxYa/ch)
- 参照: よく見たら、参照二百越え!?
第二章『大仕事』⑦
ニーベルはおぼつかない覚束ない足取りでアイリスの元まで歩いていき、近くまで来たところで一瞬ニーベルは意識を飛ばし、アイリスの胸に倒れこむ。アイリスはそれを支えるように抱えた。身体を触って判る。高熱だ。
「どうして……?」
ニーベルはその問いかけに答えようと顔を上げる。ゆらゆらと淡い青色の瞳が焦点が合ってないように揺れているが、その瞳にはしっかりとアイリスが映っていた。
「だって……、アイ、リが書き置き、してたじゃ、ない・……。だから、第三工場にいた武器製、造師の人たちに、会って、ここに行ったって、言って、たから……」
「ベル……」
自分の書き置きのせいで、ニーベルをここへ来させてしまった。その罪悪感が、アイリスの胸を痛ませる。しかし、その感傷に浸っているわけにはいかない。今は、戦闘中なのだから。
ムカソリが一旦攻撃を止めて、壊れかけた胴の間接部分を事故修復していたので助かった。今のやり取りを狙って仕掛けてこられたら終わりだった。とはいえ、戦況は特に好転したわけではなく、むしろ悪転に近かった。アイリスの高周波斧は壊されたし、魔力もほとんど尽きている。黒峰もほぼ同じ状況だ。スカーの三人の残弾も残っているのかどうか、恐らく残ってはいないだろう。頼れるとしたら、この高熱でふらふらと支えなしでは立つこともままならない、ニーベルしかいなかった。——けれど……。
そんなアイリスの思考を読み取ったのか、ニーベルは辛そうに微笑んで見せた。
「大丈、夫……。心配、しないで……」
それからニーベルはアイリスの胸から離れ、ムカソリの前に立ちはだかった。胴の間接部分の事故修復も程々に、ムカソリはニーベルを「敵」と認識して攻撃態勢をとった。そして威嚇のつもりか、ムカソリは思い切り、吼えた。
「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA……!」
その大気をも揺らす咆哮に屈することなく、ニーベルは静かに杖を握る手にもう片方の手を添え、それを顔に近づけた。そして、祈るように眼を瞑り、一言——。
「おいで、ユノ……!」
ニーベルの首筋にある鳥の羽のような魔力回路が、銀色の混ざった薄い緑色に光る。ニーベルの持つ魔力は、水(ヴァルナ)と風(ヴァーユ)である。
ユノは古代神話のひとつ、ローマ神話の主神ユピテルの妻にして、家庭や結婚を司る女神だ。ギリシア神話のヘラと同一視されることもある。その名は古代より六月を意味する「JUNE」の語源と言われ、六月の結婚をジューンブライトとして祝福する瞬間する習慣も、この女神の加護があるという言い伝えからきたものだ。また、古代では二月十四日はバレンタイン・デーとして有名だが、この日は元来ユノの祭日であった。これらの情報から得られるイメージは、家庭的な女性、献身的な妻といったところだろうが、神話上のユノはそれほど甘くはない。奔放にニンフや人間との情事を楽しむユピテルに恐ろしい罰を与え、相手の女性にまでも呪いをかけたと伝えられる。そのため、実力は主神のユピテル以上とされるが、女神ユノだ。女性の持つ自愛と厳格さ、その二面性を如実に表した神格である。
分☆割!
- Re: ロンリー・ジャッジーロ 第二章-5 ( No.47 )
- 日時: 2010/05/08 15:05
- 名前: こたつとみかん (ID: VmxYa/ch)
- 参照: よく見たら、参照二百越え!?
「遥か、高みの山に、咲き誇る、野の華よ。必然たる、美しさを、万物の頂点より、魅せるがいい。罪深き、高嶺の華よ。うららの風に、その身を揺らせ……!」
高熱で意識が朦朧としていて、詠唱も途切れ途切れだったが、なんとか精神集中は出来たようだ。魔導の発現は成功したようで、ニーベルの周りの空気の流れが変わる。この状態は先程の黒峰の旋風領域に似ているが、別物だ。ニーベルを中心に、少し暖かい微風が段々と範囲を広げてくる。これは微風の範囲内にいる者の気配を必然的に思考に展開させ、その先数秒の予測される行動をイメージさせる『微風の噂』という上級魔導だ。これはアイリスも始めて見る魔導だった。
ニーベルがゆっくりと眼を開く。微風に当てられて少し気が楽になったのか、さらに強い意志を持った瞳でムカソリを見据えた。
ムカソリが躊躇なく右鋏をニーベルに振り下ろす。ニーベルはその気配を、微風を通して肌で感じ、思考に展開させる。
「遅い、です……!」
ニーベルは振り下ろされた右鋏を完全に見切って避け、ムカソリの懐に潜り込もうとした。しかし、ムカソリもそれを簡単に許すはずもなく、残っている左鋏をニーベルの右から差し込むように繰り出した。
「流れよ光、滅びよ魂、蘇れ骸と魔女は。獅子は。巫女は吼えた。今こそ、乱れなさい。ただ祈り願う、儚きさだめたちよ……!」
先程より途切れも少なく詠唱を終え、ムカソリの左鋏を迎撃するべく杖を右側——ではなく、何を血迷ったのかムカソリの右側の足に向かって杖を向けた。銀色の光と共に、氷嵐波が放たれる。地面から氷の棘の集合体が生えながら、波のようにムカソリに向かって走っていった。そのニーベルの隙だらけの右側から、容赦なくムカソリの左鋏が襲ってくる。
そのままなら左鋏がニーベルの身体を右側から貫いたはずだが、そうはならなかった。ニーベルの右半身の数十センチの所で、急にムカソリの左鋏が動きを止めた。一見ムカソリが動きを止めたように見えるが、違う。目を凝らして見ると、うっすらと翠色の障壁が鋏を防いでいた。——『風障壁』。基本中の基本の魔導で、ビギナーが最も早く習得できる魔導であるが、ニーベルはそれのための詠唱を行う素振りを見せていなかった。しかし実際に発現されていて、障壁はその役割を果たしている。考えられるとすれば、『無詠唱魔導』しかなかった。
無詠唱魔導は詠唱を行わずに精神集中を行い、魔導を発現させることだが、それが可能な者はごく限られていた。恵まれた環境、恵まれた才能を持ち合わせた上で、長年魔導について研究することで初めて可能になると、アイリスは聞いていた。だが、高熱で意識が朦朧としているニーベルが可能にしてしまった。これで確信するしかなかった。ニーベルの魔導の才能は、人並みのそれを超越している。
「湧け。恵みをもたらす、生命の雫よ……!」
ニーベルはムカソリの左鋏に目もくれず、放ったばかりの氷嵐波に追加詠唱を掛ける。ムカソリの右前足数本に当たった氷嵐波の先から、水で出来たの手のような魔導『水手』が現れ、ムカソリを腹の下から押し上げる。そして、ムカソリはそれにより体勢が崩れ、鋏で防ぐことも出来ず、ニーベルが右の腹下に潜り込むことを許してしまった。
「穿て。風の皇の神器武装よ。不屈の闘志を持ってそれを手に取ろう。さすれば勝利の道は拓かれん。絶対貫通、絶対破壊の武装を、今こそ我が手に……!」
ニーベルは杖を突き刺すようにムカソリの腹へ出す。
「いくら装甲が硬くても、内側からなら……!」
杖の先から翠色に輝く槍が発生し、それが次第に巨大になっていく。それがムカソリの腹から突き刺さり、貫通して頭の辺りからその槍の先端が現れる。かつて神槍と謳われた槍のひとつ、ゲイボルグの名前を取って名づけられた、『風精の巨槍』という微風の噂以上の上級魔導だ。風精の巨槍を受けて、その衝撃でムカソリの身体は空中に浮き上がり、その状態のままショートを起こし、ムカソリは爆発した。装甲やら部品やらがそこらに四散する。
集中が切れたのか、ニーベルはその場で倒れ伏す。爆発したムカソリの真下にいるため、残骸が燃えながらニーベルに降り注ぐ。アイリスは助けに入ろうと走り出そうとしたが、ダメージの残っている腹が痛み出し、動けなかった。
「ベル……!」
尖った残骸がニーベルの身体を貫く寸前、空気を切り裂く音が聞こえ、続いて硬い物がぶつかり合う金属音が響く。それは残骸に当たり、弾き飛ばされて壁に突き刺さった。細く、曇りひとつない刀身。神刀だ。
「間一髪、で御座ったな」
黒峰が安堵してため息をつく。
アイリスは急いでニーベルに駆け寄り、肩を持って支え起こす。触れた肩はさっきより熱くなく、汗をかいていたので熱は下がったようだ。ニーベルは起こされ気がついたようで、アイリスの顔を見ると優しく微笑んだ。今度はあまり辛そうには見えなかった。
「ほら、ね。大丈夫だったよ……」
そのまま、ニーベルはアイリスの胸へ飛び込んだ。
○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ●
〜お知らせ〜
おーいえ!
このスレを見てくれている心優しい人へ。
以前開始したオリキャラ募集ですが、今日から一週間、五月十五日の正午付けで終了とします。まあ、投下する人ももういないでしょうけど^^
とりあえず、そういうことで。
こたつとみかんでしたっ!
- Re: ロンリー・ジャッジーロ 第二章-6・7 ( No.48 )
- 日時: 2010/05/08 16:55
- 名前: ユエ (ID: cRxReSbI)
お久し振りですー!!
やっぱり戦闘シーン、分かりやすいですね。
呪文がカッコイイ〜!!!
参照二百こえ、おめでとうございますっ。
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