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- 色無〜禁じられた遊戯〜
- 日時: 2010/05/27 21:02
- 名前: しのぶ (ID: VMvMkRLZ)
タイトルは「しきむ〜きんじられたゲーム〜」って読みます。物語に対するコメント待ってます。
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- Re: 色無〜禁じられた遊戯〜 ( No.57 )
- 日時: 2011/02/04 19:09
- 名前: しのぶ (ID: XK5.a9Bm)
「あっ!来た来た!!二人ー!……ってあれ?なんか、ちょっと不機げ……ん?」
「見てわかれ。バーカ。」
「そう言うなって。にしても瑠夏ちゃんの不機嫌さはやばいね?」
「俺もそう思う。」
ラミットムーンの本部に到着した俺たちは、入って早々、もっとも面倒な奴に捕まってしまった。
俺の前でヘラヘラッと笑う、荻原 龍弥(おぎわら りゅうや)に向かって黙って瑠夏がガンを飛ばす。
「うるさい。まじで死ね。このバカ弥。」
「おぉ!怖いなー。」
お願いだから、瑠夏を刺激しないでくれよ……。龍弥……。
彼もこのラミットムーンに所属する、れっきとした能力者である。
- Re: 色無〜禁じられた遊戯〜 ( No.58 )
- 日時: 2011/02/10 19:25
- 名前: しのぶ (ID: 7jEq.0Qb)
こんなバカっぽい言動で力量を見誤り、俺はラミットムーンに入りたてのころ、龍弥に向かって喧嘩を売った事がある。
当時の俺は世界の全部が自分の敵だと思い込み、この世にいる者全てを恨んでいるような感じだったから、どんなに自分と関係のない人間でも常に殺すつもりで突っかかっていっていた。
そんな俺の全力を龍弥は
片手だけを使ってねじ伏せたのだ。
へらへらとしたまま、俺は龍弥によって司令の前に連行され、そこで瑠夏と出会う訳だが。
龍弥が本気を出せばたぶん俺一人じゃ五秒と持たないだろう。
俺たちレミュウは、
二人だからこそ最強で、
二人だからこそ一番なのだ。
「あ、龍弥。お前最近どうだ?お前の能力じゃ今のご時世、いろいろと面倒だろ?」
「今はそれなりに安定してるかな?でも最近地震やら火山噴火やらで地面が騒がしいよ……。」
「大変だな。」
「地面の気まぐれは女の子のソレと同じぐらい読めないねー。」
「ラスト一言は要らない。」
また瑠夏がこちらを睨んできたので、とりあえず俺は龍弥にラリアットを入れておく。
龍弥の顎からグギリ、と不吉な音がしたが、気にしない。
ここで龍弥の能力について説明しておこう。
龍弥の能力は、さっきの会話からも分かるとおり、土、もとい地面を操る能力である。
この地球上の地面は全て龍弥の支配下にあるといってもいいぐらいの力を龍弥は持っている。
その気になれば、世界各地で地割れなどを起こして地球を滅亡させる事も可能な程の脅威的な能力を持った龍弥には当然、政府からの枷がかけられていた。
龍弥の首元にシャラリとかけられている、ひとつの細い鎖は、龍弥の能力をギリギリまで小さくするいわば首輪。
これにより龍弥は絶対に全力を出せない。
鎖が龍弥自身によって引き千切られたときには、政府が龍弥の体内に埋め込んだチップを爆発させるように連絡がいくのだ。
初めてそんな事をきかされたときには、俺は怒りに怒り、総理大臣の元へと殴りこみに行こうとした。
すると龍弥はこう言ったのだ。
「政府は俺たちの事、ただの駒としか見ていない。抗議しても消されるのがオチだ。」と。
そう告げた龍弥の顔はただひたすらに無表情で。
ただひたすらに感情を殺そうとしていて。
俺はこの世の理不尽さ、無情さに絶望したのだった。
そして悟った。
俺たち異端を受け付ける者は同じ異端のみだと。
どんなに道徳の授業で理想を教え込んでも、その十倍の速さでこの世の現実は子ども達を蝕んでいく。
差別はなくなる事を知らない。
戦争は止まらない。
これがこの世界のどうしようもない、現実なのだ。
- Re: 色無〜禁じられた遊戯〜 ( No.59 )
- 日時: 2011/02/20 11:13
- 名前: しのぶ (ID: L46wKPpg)
「ねぇ、なんであんな不機嫌なの?」
「お願いだから、そんな呑気に話し掛けないでくれ……。色々となんか抜ける……。」
「緊張とか?」
「恐怖心とかな。」
「ならいいじゃん。」
不機嫌度MAXの瑠夏の前で緊張感やらを解くと殺されてしまうの知っていますかー?
隣でヒューヒューと無駄に上手い口笛を吹いている龍弥にもう一度さっきのラリアットをかましてやろうかとも思ったが、そのための体力が無駄なのでやめた。
だってだるくね?
いまからなんか重要そうな任務っぽいのにさ?
コイツに体力、使いたくねぇよ。
「今、槙人くん、失礼な事考えてなかった?」
「え?んな事ねぇよ?」
シラを切り通すに限るぜ、こういうときは。
「嘘だろ。」
「嘘じゃない。」
「嘘だ。」
「違う。」
「嘘だっ!!」
「違うっ!!」
- Re: 色無〜禁じられた遊戯〜 ( No.60 )
- 日時: 2011/03/12 10:25
- 名前: しのぶ (ID: QxOw9.Zd)
「ハイそこ、どこぞのひぐらし的な事しなーい。」
さっきまでぎゃーぎゃー騒いでいた俺たちを芯の通った声が一喝する。
「「司令っ!!」」
若干ひきつった俺と龍弥の声がシンクロする。
「なにその声は。まるで私が来ちゃいけないみたいじゃない。」
「いえいえ決してそのような事は、はい。」
「なんで敬語になるのよ、こういうときばっかり。普段ため口のくせして。」
- Re: 色無〜禁じられた遊戯〜 ( No.61 )
- 日時: 2011/03/15 19:14
- 名前: しのぶ (ID: Zqou3CL2)
珍しく機嫌がいい司令の軽口を若干の怯えと共に受け取り、俺たちレミュウと龍弥は姿勢を正した。
普段、よほどの事がない限り、司令がみんなを招集なんてしない。
その招集のときを狙い、誰が襲ってくるのか分からないからだ。
「さて、みんなも分かってる思うけど、今日集まってもらったのは、他でもない重大な任務が私たちラミットムーンに課されたからよ。」
ほら、やっぱり。
他のメンバーも皆、似たような表情を浮かべており、その重大な任務の内容を一言たりとも聞き逃さぬように、全身の神経を張り詰めた。
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