ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 色無〜禁じられた遊戯〜
- 日時: 2010/05/27 21:02
- 名前: しのぶ (ID: VMvMkRLZ)
タイトルは「しきむ〜きんじられたゲーム〜」って読みます。物語に対するコメント待ってます。
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- Re: 色無〜禁じられた遊戯〜 ( No.52 )
- 日時: 2010/12/31 17:59
- 名前: しのぶ (ID: aWtSrojt)
「んーっと、じゃあ、ショッピング付き合って!!」
「嫌だ。」
「なんで!?」
「お前のショッピングに付き合わされると、いつも荷物持ちじゃねぇか!!俺の扱い!!」
「……ちっ。」
「今舌打ちしたな?」
「今日は音楽ショップ行くから!!」
珍しく、あっさりと行き先を変更する瑠夏。
「ならついて行くよ。」
「よっしゃ!!」
「じゃ、俺、服着替えてくるから。」
「あっ!!待って!!」
「ん?」
せっかく人が着替えてやろうとしているのに、、スウェットの袖を掴む瑠夏に俺は視線を向ける。
「あたしが槙人の服選ぶから!!いつも通り、ね?」
「なんだよ……、んな血相かえて。」
「槙人の洋服のセンスの悪さ、半端じゃないのよ……。」
「なんか言ったか?」
「!!なっ、なんでもない!!さ、早くあたしの部屋行こう?」
瑠夏が何を言ったか、結構気になりはしたが、あまりに瑠夏がグイグイと背中を押すので、俺は仕方なく瑠夏に押されるまま部屋へと向かったのであった。
今日の服、自信あったのにな……。
***********
「これは?……いや、こっちか……?」
どこの音楽スタジオだとつっこみたくなるような大きい鏡の前で、俺は瑠夏専用の着せ替えマネキンと化していた。
さっきから、これまたとてつもない大きさのハンガーラックから、あぁでもない、こうでもないと服を出し入れしている瑠夏を横目に次々と服を着ては脱ぎ、着ては脱ぎを繰り返している。
- Re: 色無〜禁じられた遊戯〜 ( No.53 )
- 日時: 2011/01/01 11:00
- 名前: しのぶ (ID: QpE/G9Cv)
つい先ほど、ようやっと下がダメージ加工が施されたジーンズに決まったのだが、上を決めるのに夢中な瑠夏は俺が上半身裸なのに気付きもしない。
いや、気付いているんだろうが、気にも留めない。……ひどいと思う。
「これで……っどうだ!!うしっ!完璧!」
ようやっと納得のいく仕上がりになったのか、一人、満足げな顔をしてこちらを眺める瑠夏。
「髪型はまだだけど、今日のモデル風ブラックプリンスコーデ、完成!!」
「なぁ瑠夏、これのどこが完璧?」
俺には瑠夏のセンスがわからない。
だって、下は先に述べたとおりのジーンズだが、上は白色の大きなドクロが印刷されたタートルネックに上からフードつきの長いコートを羽織らされているのだから。しかもコートの色がまさかの黒。
ちなみに、タートルネックにはところどころに紫の蓮の花が散っている。
「槙人って顔の造りがいいからなんでも似合うんだけどー。どうしよう……、やっぱ王子様系にしたほうがよかった?」
「いやいやいやいや、いいですこのままで!!」
また着せ替え人形にされたらたまらない。
「じゃ、髪型のセットするからこっちきてー。」
「うーい。」
- Re: 色無〜禁じられた遊戯〜 ( No.54 )
- 日時: 2011/01/09 19:38
- 名前: しのぶ (ID: hVBIzJAn)
ブォーっと、耳の近くでなるドライヤーの音に辟易しながらも、洗面台に取り付けられた鏡越しに、瑠夏と自分自身をみる。
「こうだ!……。うん、あとはここと……。」
ドライヤー片手に、実に生き生きとした表情の瑠夏。
おしゃれが楽しくて仕方がないのだろう。本人の無意識で鼻歌まで漏れ出てる。
「瑠夏ー。いいかー。」
「うーん、ちょっと待ってー。……よしっ!できた!!」
「……。」
ワックスを少しだけ使い、自然な感じに毛先を遊ばせた、偽天パのような髪型。
ワックスの使い方がうまいのだろう。傍目からはワックスの油っぽさが全く分からず、まるで本物の天パみたいだ。
「で?どうする?どこの音楽ショップ?」
「んーと……、いつものとこ。」
そう答えると思ってはいたが。あえて訊く自分。
- Re: 色無〜禁じられた遊戯〜 ( No.55 )
- 日時: 2011/01/16 13:23
- 名前: しのぶ (ID: Zqou3CL2)
「では、行きま……。」
ピルルルッ♪ピルルルッ♪
元気よく玄関の扉を開けようとした瞬間、瑠夏の高らかな声をさえぎり、無機質な形態の音が響いた。
「チッ!」
今隣で舌打ちした瑠夏さんの顔は見ない。絶対に見ない。だって見たら呪われるから。石化するから。
もの凄く不機嫌なオーラを醸し出しながら、ラミットムーンから支給されている専用のケータイをとる瑠夏。
「はい、もしもしー?」
《もしもし?瑠夏さん?》
「そうですけどー。なんですか?」
瑠夏がこんな口のきき方をするのだから、電話の相手は並河司令じゃないだろう。おそらくもうすこし下の方のオペレーターじゃないだろうか。
《ただいま、並河司令からラミットムーン全体に緊急の招集がかかりました。》
「はぁ!?」
《至急、本部へとお急ぎください。司令がなるべく早くするよ……。》
ブチッ!
まだ電話口から聞こえてくる、オペレーターの声を通話終了ボタンでぶち切り、瑠夏はこちらを向く。
- Re: 色無〜禁じられた遊戯〜 ( No.56 )
- 日時: 2011/01/20 20:04
- 名前: しのぶ (ID: 7jEq.0Qb)
「……音楽ショップ、延期。」
ブスッとした顔で、延期、延期とつぶやく瑠夏に、俺はげんなりしながら家の鍵を閉めた。
「中止じゃないから。絶対行くからね!」
「はいはい。で?緊急招集って?」
「並河司令がなんか言ったみたい。」
「面倒くさ……。」
「アタシだって本当は買い物行きたかったわよ。」
「はぁ……。」
こうして俺と瑠夏は、テンションの最底辺をさまよいながら、集合場所に行ったのだった。
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