ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- ジャージさん。
- 日時: 2011/01/05 16:59
- 名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
.
一時のテンションで書いています。
……うーむ。
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- Re: ジャージさん。 ( No.140 )
- 日時: 2011/02/27 13:48
- 名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
7章
『狂おしいほど』
家に残してきた二人の事は気にかかるけれど、成瀬がどうしても会いたいと言うので、連れてきた。
連れてきたのは、いいんだけど。
「キミ、何であの子連れてきてん」 「…………」
成瀬が、真夜さんに抱き付いたまま離れない。 少し困ってる。
いや、別に成瀬が真夜さんに抱き付いているから妬いている、という事じゃない (若干妬いてるけども)。
「はよ連れて帰りぃや」
俺の隣で、トーマさんが笑ってる。 笑ってはいるんだけど、目が据わってる。
「いやあ……、まあ」
「あの子、あのジャージッ子やろ? えらく可愛いカッコやけど、わざわざ彼女さん自慢しに来たん?」
「……………」
言っちゃあなんだけど。
お取り込み中失礼しました! 上半身も何かきてください!
「───成瀬、起きたのか?」
「真夜、髪伸びてる。 なるせの方が、長いけど」
ぶちり。
トーマさんがかなりキレてるのが分かる。 きっと邪魔されて怒ってるんだろうな。 早く帰りたい。
「成瀬、早く帰ろう。 南里さんが心配だから」
直後。
ブルルッと成瀬の身体が痙攣した………みたいになった。 気のせいか?
「ていうか、ジャージさんって 『なるせ』っていう名前やったんやな。 初めて知ったわ」
「ちがうよ」
トーマさんの言葉を遮り、成瀬が返事をする。
………………成瀬、か?
イロネ
「アタシは、依楼音っていうんだよ。 一穂、アタシはお腹すいたかも」
……混乱してる皆さま、ここでハッキリさせておきましょうか。
成瀬は、多重人格です。
- Re: ジャージさん。 ( No.141 )
- 日時: 2011/02/27 18:50
- 名前: 氷兎 (ID: 8hgpVngW)
こらあああああ離れなさああああい!
真夜は俺のモンなんだよおおおおおお!!!!
依楼音ちゃんでも許さ……?? え、イロネ??
でも許すかああああああ!((
- Re: ジャージさん。 ( No.142 )
- 日時: 2011/02/28 15:32
- 名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
依楼音=成瀬です。
「ジャージさん」の名前は、「依楼音」です。 …わかりにく!
- Re: ジャージさん。 ( No.143 )
- 日時: 2011/02/28 16:12
- 名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
成瀬と初めて会った時、俺は若干戸惑った。
白い肌にやけに目立つ内出血の後。 右腕の包帯。 虚ろなその目はどこか遠くを見ていた。
やけに、危うく、脆く、壊れやすそうな少女。
俺は、簡単に成瀬に恋をした。
「一穂、聞いてる? アタシ、お腹すいたっぽい。 早く帰ってゴハン食べようよ。 ──ってあれ? いつの間にアタシ、ここに来たの?」
──成瀬の時の記憶はないってか……。 まあ、それは向こうにも当てはまるんだけど。
ジャージさんはべったりだった真夜さんから離れ、俺について来る。
「…………その子さあ」 「ジャージさん、早く帰ろうか」
ジャージさんの異常に気づいたトーマさんの声を遮って、彼女と手を繋ぐ。
「お邪魔しました」
「一穂」
真夜さんに呼ばれ、振り返る。
「南里によろしく」
「……………はーい」
南里、ねえ。
いろいろ俺の親戚はぶっとんでるな。 どういうわけか、まともな人が全然いない気がする。 遺伝子か? DNAなのか?
「一穂」
「……なに?」
「どうしてアタシ、ジャージ着てないの?」
ジャージを着ていないジャージさんが不思議そうに訪ねてきた。
「いつの間に着替えたの?」
「……どうだろうね」
曖昧に返事をして、そのまま放置する。
あーもう。 なんでだよ。
ムシャクシャするなぁ。
「あの人、どうしてアタシのこと 『なるせ』って読んだの?」
「なんのこと?」
とぼけた。
ジャージさんはキョトンとして、 「ならいい」 と視線を落とす。
繋いだ右手をギュッと強く握られる。
「なんだよ」
「なんか、一穂怒ってるかも。 アタシ、寂しいっぽい」
「………怒ってねえよ」
そう、怒ってはいない。
これは俺のギャクギレだ。 気にしないで欲しい。
「ただ、残念なだけ」 「なにが?」
キミが、キミになって、彼女が消えた事が。
こんなにも、むなしい。
- Re: ジャージさん。 ( No.144 )
- 日時: 2011/02/28 16:21
- 名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
ジャージエトセトラ
目の前に知らない男の子が居て、アタシを不安げに見てる。
……誰だろー。
「×××、大丈夫?」
今、なんて?
アタシを呼んでるっぽいけど、アタシの名前じゃないみたい。
耳が慣れてくるに数秒たって、
「アタシ、依楼音っていうんだけど」
ようやく自分の名前が言えた。 男の子はアタシを見て、凄く驚いてるっぽい。
「─るせじゃないの?」
「なんて?」
よく聞こえない。
「なるせじゃないの?」
「……誰それ。 アタシは依楼音っていうよ。 アタシはなるせじゃないしいでだだああああああああっ!!」
痛い。 これ、痛いっていうのかな。 わかんないけど、涙出てきた。
だいじょうぶって、男の子が心配してくれる。 なに、この子。 チョーいい人じゃん。
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