ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
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僕らの彗星 【完結!ご声援ありがとうございました!】
日時: 2011/06/15 20:55
名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: n/BgqmGu)
参照: http://ameblo.jp/pokemon19/


ブ、ブ、ブログ、ブログのブー♪

クリックありがとうございます!
ハジメマシテの方は、ハジメマシテー。
既にご存知の方はいらっしゃいませ!

普通に生きる人、月夜の救世主です!
今回は長編でございます。前回の小説とは違い、結構長いと思います。

この小説を読む前に・・・
・これは月夜の救世主が書く小説です。個人的に自分が嫌いという方は戻るをクリックしてください。
・こちらでは荒らし禁止でございます。ご了承下さい。
・グロイところがあります。体調や心臓が悪い方はお控え下さい。

こんな方は大歓迎について
・コメント及びアドバイス
・読んでくださる方

月夜の救世主が手がける、ギャグ有りのアクション有り!ダークな物語が今、始まります!(´皿`)ノ

オリキャラ募集>>28←締め切りです。ありがとうございましたw

オリキャラ一覧
スプリング・グリーン(ヴィオラ様作)>>30
ミュゼット・ファウン・エミルワイス(更紗蓮華様作)>>31
アリス・ノーウェル(かりん様作)>>47
エルメス・ド・テイラー(Neon様作)>>51
ダイヤ・アダムス(ネズミ様作)>>57
エルキ・オズパーダ(世移様作)>>63
ルイス=ベツヘレム(武藤 徹也様作)>>66
MUREA・PHOENIX・FEREALA(Aerith 様作)>>67

◆ご協力感謝いたします!

■状況■
3月26日/参照300越え。ありがとうございます!
3月27日/オリキャラ募集終了
3月31日/返信100達成。やったーぁぁぁ!!
4月2日/参照400越え。どぅわぁぁぁ!!
4月18日/参照500越え。いやっふぅぅぅぅぅ!!
5月1日/参照600越え。もう、なんて言葉にすれば。
5月6日/返信200頂きました!涙腺崩壊だね。
5月11日/参照700越え!知らない間に……!
6月1日/参照800超!ありがとうございますを1000回は言いたいですね。

「僕らの彗星@ウィキ」
登場人物>>23
地区・国・街・施設>>24
用語・道具>>35
魔物・生物>>39
神・宝石>>46

Prologue「始まりの歌」>>1

Episode1「神と宝石/魔女の襲撃」
#1>>2 #2>>3 #3>>4 #4>>7 #5>>8 #6>>9 #7>>9 #8>>10 #9>>11 #10>>12 #11>>15 #12>>16 #13>>17 #14>>18 #15>>19 #16>>20 #17>>21 #18>>22

Episode2「神と魔女/長い旅路」
#1>>26 #2>>27 #3>>33 #4>>34 #5>>40
#6>>41 #7>>42 #8>>43 #9>>44

Episode3「漆黒の使者/逃げ出した姫」
#1>>48 #2>>53 #3>>54 #4>>55 #5>>56 #6>>59 #7>>60 #8>>61

Episode4「姫の力/動き出す白き城」
#1>>62 #2>>65 #3>>64 #4>>65 #5>>69 #6>>70 #7>>71 #8>>72 

Episode5「白城神の進撃/震える輝きの大陸」
#1>>75 #2>>79 #3>>82 #4>>93 #5>>94 #6>>95 #7>>101 #8>>102 #9>>103 #10>>105

Episode6「金の粉/殺人ウィルス」
#1>>107 #2>>108 #3>>109 #4>>111 #5>>112 #6>>113 #7>>116 #8>>118 #9>>119 #10>>120

Episode7「軍人の記憶/眠る神獣」
#1>>123 #2>>124 #3>>125 #4>>126 #5>>127 #6>>128 #7>>131

Episode8「三体目の魔女/三つの道具」
#1>>133 #2>>134 #3>>135 #4>>136 #5>>140 #6>>141 #7>>142 #8>>143 #9>>148 #10>>149 #11>>150 #12>>151 #13>>152 #14>>153 #15>>154 #16>>157 #17>>158 #18>>159 #19>>160 #20>>163 #21>>164 #22>>167 #23>>168 #24>>169 #25>>170 #26>>171 #27>>172 #28>>174 #29>>175 #30>>176 #31>>179 #32>>180 #33>>183 

Episode9「忍者と暗殺師/幼き記憶」
#1>>184 #2>>192 #3>>196 #4>>197 #5>>198 #6>>199 #7>>200 #8>>202

Episode10「姫と家来/天空の戦い」
#1>>203 #2>>204 #3>>205 #4>>206 #5>>207 

Episode11「運命の魔女/二人の神勇士」
#1>>208 #2>>210 #3>>212 #4>>213 #5>>214 #6>>216 #7>>217 #8>>218


Episode12「真の黒幕/宇宙の隕石」
#1>>219 #2>>220 #3>>221 #4>>222 #5>>223 #6>>224 #7>>225 #8>>226 #9>>227 #10>>228 #11>>229 #12>>230

Episode13「神の世コスモス/神が集う聖地」
#1>>231 #2>>232 #3>>233 

Episode14「悪魔が見せる悪夢/総ての崩壊の一途」
#1>>234 #2>>235 #3>>237 #4>>238 #5>>239

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Re: 僕らの彗星 【参照600突破!感謝感激雨嵐】 ( No.196 )
日時: 2011/05/05 21:50
名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
参照: 明日学校やし。部活あるし。最悪やし。休みボケ抜けへんし。

「殺すのか……俺を。」

赤紫の髪の毛を揺らしながら、一歩ずつ後へと退く。出会ったのは自分と同じぐらいの子供で、白髪だった。細い目でクスリと笑う。

「殺すて。俺、お父ちゃんに逮捕されるわー。あんた、朝里に人?」

コクリと頷く黒怨。白髪の男の子は「そっかぁー」と言って、切り株に座った。

「俺夜里の忍者の卵!そら、戸惑うやろうな。敵やし。」

隙をついて逃げ出そうと試みたが、なんとなくここにいてもいいような感じが彼を止めた。この忍者は人を殺すような人間ではないと勝手に認識してしまった。

「あんたなんていうん?俺は、ノーテ・ステッレ!」
「黒怨だ。」

下を俯きながら、ボソリと名乗った。何とか聞き取ってもらったようで、「へぇー」とコクコク頷いた。すると、強風が彼らを襲う!軽い子供は飛ばされそうだが、何とか木につかまる。

「なんや!?」
「……魔物に決まってる!こんな夜更けだし、俺たち子供だぞ!相手にとっちゃ大好物じゃないのか!!」

案の定、鳥の魔物ズーが姿を現す。ガチガチと鋭い嘴を鳴らしながら、足でノーテを捕まえた。青い目玉をギョロギョロと光らせ、連れ去っていこうとする。その時!風がやんだ!

「待て、化け物……!殺術『縛痺(ばくひ)』!!」

飛び立とうとするズーが動きを止めた!というより、動けないでいる。体中痺れて、掴まれるノーテが離された!急いで黒怨の元へ駆けて、「あーとな!」と御礼をした。

「あんた、なかなか腕あるやん?でも、俺かて負けてられへんで!一発で撃退したるわー!」

手を合わせて、低い体制になる。すると手に電気が走る。だんだん電気が激しくなる。

「行くで!!忍術『電光(でんこう)』!!」

ズーに電気が直撃する。「ぐぎゃぁぁ!」と悲鳴を上げて、ギロリとノーテを睨みつけた。「あ、怒った?」嫌な予感がしたように苦笑いしながら後ずさりする。

そして、ズーが追いかけてきたのだ!

「うわぁぁぁぁぁぁ!!」

標的はどうやらノーテなようで、ノーテだけを追い掛け回している。ポツンと一人になった黒怨。するとある思いがよぎった。

自分は暗殺師(アサシン)。人を殺す職業。人を殺す人間。そんな人間が人を助ける?そんなの掟的に許されないだろう。ならばここで、敵である忍者を見殺しにするか。そうすれば、こっちの勝ちになるかもしれないし、今から人を殺せばこれからもいろんな人を殺せるかもしれない。

だが、今まで掟に縛られ続けた。掟があったから今、こうして生きている。ふと黒怨は朝里を見る。どこもかしこも焼けてて、生きているやつなんていないだろう。家族も死んだだろう。掟と一緒に。

掟から解放されたんだ。じゃあ、もうこんなこと気にしなくていいじゃないか。今こそ、初めての善を尽くそう。

「殺術『物真似・電光(ものまね・でんこう)!』

ノーテと同じ電気がズーへ走った。ズーはとうとう力尽き、倒れる。ノーテはぜぇぜぇと吐息をしながら、黒怨にニヤッと笑った。

「んもう。これ以上、借り作らんといてくれや〜。」
「いや。作るぞ。たくさん返してもらうからな。」

Re: 僕らの彗星 【参照600突破!感謝感激雨嵐】 ( No.197 )
日時: 2011/05/06 20:28
名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
参照: 良いものほど盗りたくなるもんなんですよ。

ズーとの闘争も終わって、朝里へと足を踏み入れた。前の賑やかさは静けさへと変わり、逃げた者もいるであろう。だが、それも数少なくあっけなく追われて死んでしまったのだろう。

焼ける家の前には黒こげの人が倒れているし、血を流して失血死してしまったものもいた。だが、彼はどうとも思わなかった。これが当然の結果だと思ったからだ。

いくら家族であろうとも------------------

向こうには母。そのまた向こうには父。そしてその横に二人の兄。自分の家族があっけなしにやられてしまったことは見なくても分かるだろう。じっとその亡骸を見つめる黒怨をノーテは気遣った。

「あんた……一人なったんか。」
「-----------当然の結果だよ。別にあんたらのせいだとか思ってない。運命が決めたんだよ。」

「待てッ!!」

茂みから夜里の兵士忍者が姿を現す。生き残りであろう黒怨を殺そうとやってきたのだ。

「えぇい、忌々しい暗殺師(アサシン)どもめ。これで終わりだ!」
「待ぃ!!」

ノーテが黒怨の前に立って、刀を降り下げようとする兵士の手を噛んだ。「ぐぎぇー!」となんとも言えない痛みを堪える兵士。その隙に黒怨の腕を掴んで暗闇へと隠れた。

「はぁ。何とかなったな。しっかし、しぶといやっちゃのー。」
「お前らの仲間だろう……?」
「あっ……ホンマや。夜里の忍者皆を敵に回してしもうたな。よっしゃ!遠いとこ逃げよ!!」
「はっ?」
「遠いとこや!ええやん、ええやん!一生に一度の大冒険ってやつや!世界は広いんやし、冒険してナンボ!冒険せな、損損っ。」

とにかく冒険したいことは分かった。黒怨はコクリと頷き、逃げることにした。確かに、世界は広い。どこへ逃げたって果てなんてないだろう。



---------------------------------


自分たちが18になる頃。当時7歳であった彼らもかなり大きくなった。その時、ノーテは口々にこう言っていた。

「いつか、別れなあかん時もあんねや。そん時は泣くなよ。笑っとけ。そしたらまたいつか会えるから。」

別れない日なんてあるわけないだろう。実際そうやって自分も家族と別れたんだ。いつでも分かれる準備は出来ていた。

そんなある日、ゴーストタウンのような廃墟と化した街「アルフェン」。随分前に、紛争で消えてしまった。なんとなくまだ火薬臭く、戦争の激しさを物語っている。一応近くにあったので寄って見ただけであり、きた理由はそんなになかった。

「おいっ、黒怨!凄いわー!ほれ、宝石ー!」
「売ったらどうなるとかそんなこと考えてるんだろ?」
「--------------さすがやなー。」

黒怨は宝石を手にとって、じっと眺める。かつては自分もこんなに輝いていたんだろうな。なんてことを思っていた。

その時!
炎が、建物を取り囲んだ!

だんだん熱くなっていく室内。
ノーテが壁を突き破って、外を出てみる。
するとそこには----------------


忍者警察が自分たちを待っていたかのように、刀と銃を構えていた。

Re: 僕らの彗星 【参照600突破!感謝感激雨嵐】 ( No.198 )
日時: 2011/05/06 21:16
名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
参照: 良いものほど盗りたくなるもんなんですよ。

「ひ……久しぶりやな、お前ら。なんや……俺を殺しにきたんか。ええよ!どっからでも来ぃ。」

ニッコリ笑って、死なんて怖くないなんてところを見せ付けている。すると一人の巡査が首を横に振った。「違います、ノーテさん。その後の男です!」と大声で叫んだ。ノーテは恐る恐る後ろを向く。

赤紫の男が見えない瞳に映った--------------

「お前ら……こいつ殺すん?」
「えぇ!生きていては困る存在!」
「あかん、あかん!俺が許さんわ。なっ、黒怨〜?」

また笑顔で言った。
黒怨は十分怖かった。死が刻一刻と自分の肩を掴もうとする。のにもかかわらず……何故ずっと笑っていられるのだと。

「ノーテ……お前はどうして--------------
「撃て!!」

弾丸が黒怨の体を貫通した。血が絶え間なく出てくる。脚がもつれて、クラクラし、意識が朦朧とする。飛び散った血は、ノーテの肌についた。緑色の瞳にノーテを映して、冷たい地面へ倒れた。

「死んだか?」
「生きていればそのまま撃ち殺せ!!」
「待て!!!」

警察たちの後ろを掻き分けて、前へと出る一人の刑事。ノーテはその刑事を見て青い瞳を見せる。

「お父ちゃん……!これ、提案したの……。」
「違うっちゃー違うんやけど、そうっちゃーそうやねん。あ、それよりお前ら!殺すな言うた筈や!捕まえて持って行け言うたやろ!!」
「しかし、ルオウさん!!こいつは、我らの敵、暗殺師(アサシン)ですよ!!」
「えぇから!!」

そんな口論の隙をついて、ノーテは黒怨の元へと駆け寄った。ニッコリではないが笑みを浮かべて、

「よかったな、生きてたで。生きてるだけ、まだ……ええやん。」

黒怨はその言葉を聞いて安心したのか、気絶してしまったらしい。
そして次に、目を覚ました時には冷たい冷たい牢獄だった。一瞬何故こんなところに?と思ったが、直ぐに意味を飲み込めた。

「そうだ……俺は、凶悪犯みたいなもんだ。こんなところに閉じ込められるのも------------当然だな。」

何故か眠くなったので薄いシーツの上で、瞳を閉じた。3分も経たず、眠りに着いた。

真っ暗闇の中、自分を呼ぶ声がした。ノーテでもないし、警察でもない。とっても闇に染まった男。姿は現さず、声だけで黒怨に話しかけた。

『どうだ、憎いだろう。友に見捨てられたのだぞ。』
「見捨てられた?それは何かの間違いだろ……。」
『いや。見捨てられたのだ。いいか、今までの冒険とやらはただの作戦にすぎん。全て長年の苦労の末にお前をここに閉じ込めるための罠だ。敵である忍者ならそういうことを考えなくもないだろう。もう愛など考えるな。考えれば考えるほど深くなっていき、裏切られた後の傷はなかなか癒えん。いっそ、愛を破壊しつくせ。哀しみの暗殺師よ。』

声は『哀れな人間』と言いたいんだろう。そうだろうさ。人を信じたからこうなったのだと。最初から信用せず、見殺しにすればよかったと思った。だが、何故かノーテのことを恨めなかった。ノーテを恨まず、愛という名を消すべく、黒怨は声に向かって言い放った。

「愛を消すならば、お前を信じればいいんだな……?」
『さよう。』

翌日、牢屋には黒怨の姿はなかったという。

Re: 僕らの彗星 【参照600突破!感謝感激雨嵐】 ( No.199 )
日時: 2011/05/06 21:47
名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
参照: 良いものほど盗りたくなるもんなんですよ。

そんな昔話を思い出す、黒怨。
今更思い出したって、関係ないかもしれないが。

ケーサはもう直ぐ近くだ。教会が地獄の針山のようにとんがって出ている。ストラノによれば、その教会の中で一番大きいものだそうだ。今頃ストラノは色々と大変なことになっているだろう。黒怨に罪悪感が纏わりつく。

ウーラノスを石に戻し、ケーサの道を歩く。神聖なるこの場に、自分が踏み出してもよいのだろうか。サクサクと雪が踏む音と、自分の息しか聞こえない。

そしてとうとう、自分の目の前に白い大きな教会が立つ。夜の雨がとても冷たいが、そんなことは関係ない。震える手で、木の扉をコツコツとノックする。おくから「うーい!」と返事する声。

扉を開けたのは、ルイスだった。「誰だ、こいつ」みたいな顔を一瞬したが、「ま、いっか」と言いながら、黒怨を教会に入れた。七色の窓、十字架に貼り付けられるどこぞの教祖。メラメラと燃える松明。

奥の部屋から、シルクハットを着る奇術師エルメスとノーテとそっくりな男マティーナが出て来る。

「黒怨……だな。」

マティーナの問いに、嘘偽りなくコクリと頷いた。「こっちだ」と呼ばれてきたのはノーテが眠る部屋だった。目を瞑って、いつものように笑っていないノーテを見るのは初めてだった。いつも寝ているときだって楽しい夢を見ているわけでもないのに笑っていたのに……。

「生きてる。生きてるけど、ほぼ死んでるようなものだ。五感が無くなった。」
「--------------治しにはるばる、やってきたんですよ。」
「ホ、ホントか!?」

ルイスが黒怨を椅子に座らせて、お茶を注いだ。「ま、一回休めよ。遠いとこから来たみたいだしな」と気遣う。ありがたくお茶を啜って眠るノーテを見つめる。するとルイスが口を開いた。

「おーい、マティーナ!まだ、さっきの話とか聞いてないぞ!」
「あぁ、暴食盗(ゴローシタ)ってなんなんだよ。」

黒怨にとってその言葉は嫌ほど聞いている言葉だった。口が勝手に「知ってるぞ」と答えていた。マティーナは「え、そうなのか。じゃあ代わりに答えて」と黒怨にまわしてきた。

「それは、人間や魔物のありとあらゆるものを吸収して自分のものにする能力だ。俺の仲間にそんな能力を持った奴がいる。そいつが、ノーテの五感を盗ったみたいだ。」
「それが……暴食盗(ゴローシタ)か。初めて聞いた能力だよな。」

ルイスがメモっている。黒怨はふと、机に置いてある写真と大きなリングにつく宝石が目に付く。

「あぁ、それね。こいつのポケットから出てきたんだよ。その左のガキはお前か?」
「間違いない。この宝石だって……あの時、ノーテの部屋に置いた……宝石だからな。」

ボソリと思い出話の裏を話す。ルイスは「んあ?なんだって?」と耳に手を当てて聞こうとする。「何にも無い。」と黒怨は誤魔化した。
そして、黒怨は椅子から立ち上がってノーテの元へと寄る。

「さあ……ノーテに起きてもらおうか……。」

Re: 僕らの彗星 【参照600突破!感謝感激雨嵐】 ( No.200 )
日時: 2011/05/06 22:22
名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
参照: 良いものほど盗りたくなるもんなんですよ。

無理して起きなくてもいいんだ。
お前が俺を嫌ってるなら、俺がいない場所で起きてくれ。
せめて、兄だけには迷惑かけんな。
今、俺はお前に謝りたいんだ。

黒怨は今、伝えたいことを話した。口ではなく、精神で。口では語れないが精神でならどんなことでも話せる。ノーテの顔をジッと見つめて、その笑顔をいつかいつかと待っている。

「……起きないな。どうやって起こせるか分かってるのか?」
「えぇ。五感を奪った奴からちゃんと方法は聞いたんでね。」

緑色の瞳を光らせながら、ノーテを見つめる。

「お前は……俺のこと、どう思ってた?」



-----------------------------

声が聞こえる……。俺には何にも聞こえないはずの声が聞こえる。その声だけ。でも、誰かは忘れた。でも、暖かくて……ええ気分になる声やねん。

声はだんだんハッキリと聞き取れるようになる。五感と記憶を失った彼はその遠い日の記憶を取り戻そうと手を伸ばす。この声の主は誰だと。自分は思い出すまで、この暗くて寒い空間を抜け出すわけにはいかない。

「思い出したるわ!!せやないと……俺、その人に悪い気ィするし。」







始まりは敵だのなんだのって意味わからんかった。別にええやんか。この世に敵なんか存在するか?人間=仲間 ちゃうんか?

じゃあ、何のために「仲間」って言葉あるんよ。

くだらん闘争に……呆れて、笑うことすら出来なかった俺の前に……あるちっさい子供(俺もちっさかったけど)がおったんや。ものすご悪そうやったけど、何処かしら暖かいねん。気づいたら、話しかけとった。

その子やと思うねん。だんだん分かってきたわ。その時の感じっちゅーか……。そんときと一緒やねん……。

ずっと一緒にいたかったんやけど……とんだ拍子に、お前は俺のお父ちゃんに連れて行かれたんや。

わぁお。
俺、結構思い出してるやん♪

気分上々ッ

そいつ……名前なんやったっけー。
暗殺師(アサシン)で-----------------------









「俺だよ……。名前言わなくちゃ……駄目か?」

眠るノーテの手を握る。

「こ----------------
「言わんくてええで。黒怨ちゃうんけ?」






一瞬、周囲は沈黙に包まれた。本当なのか、これは夢?今更そんなことを思っている人も何人かいるだろう。そして、感覚が遅れて「っしゃああああ!!」とルイスが大喜びする。

「なんでお前なんだよ!俺だろ、喜ぶのは!!」

マティーナが冷たい目で見つめる。「あ、そっか」と頭をポリポリ掻いて苦笑いするルイス。そんなドタバタなことが起こっている影で、黒怨とノーテは手を繋ぎあう。しばらく経って、恥ずかしくなった。

「うおいっ!気持ち悪いわ!!」
「助けてやったのだ!感謝しろ!」
「……助けてくれる前から感謝してるで。」

「じゃ……俺の役目はお終い……だな……。」
「はっ---------------?」


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