ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- ネックウォーマン
- 日時: 2012/02/17 19:51
- 名前: 茶渋、 ◆TdTxabAvIk (ID: S1XpBh/Z)
茶渋、です。最新遅いです。
※この物語では作者の不十分な実力により訳の分からない描写・言い訳などが出てくるかもしれませんがそこはこのクズが、と思って見逃してあげて下さい。
登場人物
田中(仮)主人公。自分の名前は伏せて話している。ある日、ネックウォーマーを無くしてしまう。
ネックウォーマン 田中(仮)のネックウォーマーを奪い去った張本人。ある予言の動画を送りつける。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
- Re: ネックウォーマン ( No.2 )
- 日時: 2012/01/31 19:31
- 名前: 茶渋、 ◆TdTxabAvIk (ID: S1XpBh/Z)
僕は家で晩ご飯を作っていた。くりーむしちゅーです。一人暮らしだから自分の事は自分でしないといけない。
不意にピロロロッ、ピロロロッ、と大きな音が鳴った。僕のケータイからだ。タイトルは「ヨゲンノドウガ」。登録していないメールアドレスだ。僕は友達の悪戯だろうと思い、それを開く。
【私の名前はネックウォーマン! 世界をまたにかけるネックウォーマーさ!】
「え」
【君は僕の事をみてどう思ったかい? 大抵の人は変態、キモイ、などと暴言を軽々しく言う。そうさ僕は変態さ!】
「……」
【さぁ、本題に入ろう】
「最初から入れよ」
【明日、鈴村が死ぬ。死因は溺死】
そこで動画は切れた。自称ネックウォーマンは黒とオレンジを重ねて使う僕のネックウォーマーで顔全体を覆って、黒いフードを来ていた。後ろでバサバサと烏が鳴いていた。学校の体育館裏からだろう。鈴村……鈴村 友矢(すずむら ともや)は卓球部のエースだ。高いブロック力を持っている(らしい)。そんな彼が死ぬとネックウォーマンが言っていた。とりあえずこんな事をしそうな友達は……面西 有紀(づらにし ゆうき)だろう。よくダンボールを被って家に来る変人だ。
「……何か嫌な予感が……」
しないでも無かったが、食欲には勝てない。とりあえずくりーむしちゅーを皿に入れた。
- Re: ネックウォーマン ( No.3 )
- 日時: 2012/02/01 17:17
- 名前: 茶渋、 ◆TdTxabAvIk (ID: S1XpBh/Z)
翌日、鈴村が溺死体で発見された。かなり野次馬がいた。殆どの馬鹿は吐いていた。頭部が異様に膨れあがっていて気持ち悪いのは否定出来ない。しかし、水死体のくせに顔は屈託のない爽やかな笑顔をしていた。気味が悪かった。プールの近くにおいてあった遺書と、ケータイの「もうつかれた」と言う未送信メールから、警察は自殺と断定したらしい。先生も生徒にショックを与えないように、その件についてはあまり話さなかった。三時間目は自習となっていたが、全員早退する事になった。僕はラッキー、と思いながら、鈴村の水死体を思い出してトイレで吐いてしまった。そこまで僕の精神は強いわけではない。ボサボサの寝癖を見てため息をつくと、僕はカバンを背負って学校を出た。ネックウォーマーがないのがとても寂しい。……そうだ。
「体育館裏だったっけ」
※
「……何もないな。ネックウォーマンが話していたのはこの大きな桜の木の間だったはずだが……いや、これは」
前から雨が降っていたせいで、地面がぬかるんでいる。そして、足形がある……裸足!? 裸足の足形だ。ネックウォーマンは靴を履いていないのか? ネックウォーマンの正体……誰だ……面西? 変人面西なら少し関係ありそうだ。とりあえず聞いてみるか。僕はこっそり持ってきたケータイで「アホ面」と登録した面西の番号を押す。
「あ、面西? お前昨日は何してた?」
「ん? ○○か。いや俺はピアノのレッスンに行ってた」
「あぁ、あの塾か……何時?」
「四時から七時まで……あのさ、おま」
「りょーかーい」
それだけ言うと、僕は一方的に電話を切った。最後に「あまり……」とかなんとか言ってた気がしたが、多分僕の気のせいだろう。とりあえず面西が通っている「鳥名塾」に行って聞いてみるか……。
※
「あ、面西君か。確かに昨日来てたよ」
「……そうですか」
昨日ネックウォーマンから送られてきた「ヨゲンノドウガ」では、背景は曇っていたが夕方だった。四時からでは無理がある。まぁ一昨日とかの動画なら問題ないが、四日前から雨が続きっぱなしだった。夕日が見えるのは昨日のみ。面西は違うか……。茶色いマンションが見える。そろそろ僕の家だ。僕はスピードを上げた。
「ただーいまー」
誰もいない家に挨拶をして、僕は鍵を閉める。ネックウォーマンが尾行していたらと思うとさすがに背筋がぞくっとした。念のためチェーンをかけておく。時刻は……十二時半。まだまだ時間は沢山ある。なんだか事件のようだ。とにかく、僕はノートを取った。ネックウォーマンと書いて○で囲い、鈴村に×を付ける。メモを取っておこう。次に「ヨゲンノドウガ」が来た時は警察に届けた方がよさげだ。
そんな時、例の「アレ」が来た。ピロロロッ、ピロロロッ。僕はメールを開く。タイトルはやっぱり「ヨゲンノドウガ」。
「また来たか……」
アドレスはまた変わっている。ケータイどれだけ持ってるんだ。
【やぁ。私の名前はネックウォーマン! 変態さ! さて、今日鈴村が死んだが……「二つ目」。次は眉原 圭典が死ぬ。死因は……】
【後でのお楽しみ。この事を警察に言うとこれは焼き捨てる】
後でのお楽しみ、と言うセリフだけやけに無機質なまま動画はそれで終了した。眉原 圭典(まゆばら けいすけ)は運動神経抜群の帰宅部のエースだ。え? 帰宅部のエースって何って? 早く家に帰る人の事。とにかく、さっさと伝えた方が良さそうだ。
「おい、眉原!」
「あぁ○○。どうした?」
「今どこ!?」
「家に帰ってる途中だけど」
「気をつけろ!」
「何がだよ…! 新しい嫌がらせか?」
面白くないぞっと冗談半分で笑い飛ばす眉原。異変はすぐに訪れた。
「あれ……ザザ……なんか電波悪くね……ザッザザザ……○○? ……ザ…なんか…え……ザザ……なにこれ……ザザザザザザ……ブツッ」
「……眉原?」
そこで電話は切れた。ツー、ツーという無機質な音が耳に響く。しかし、僕は確かにそれを聞いたのだ。
嵐のような雑音の中、苦しげな眉原のうめき声が聞こえたのを。
- Re: ネックウォーマン ( No.4 )
- 日時: 2012/02/02 12:19
- 名前: nanasi (ID: 39RfU1Y2)
キャラクターが新感覚で面白いです
続き期待してます!
- Re: ネックウォーマン ( No.5 )
- 日時: 2012/02/04 10:01
- 名前: 茶渋、 ◆TdTxabAvIk (ID: S1XpBh/Z)
>>4コメント来たあぁぁぁあぁ!!!
……おっと失礼。
ありがとうございます!
- Re: ネックウォーマン ( No.6 )
- 日時: 2012/02/04 10:27
- 名前: 茶渋、 ◆TdTxabAvIk (ID: S1XpBh/Z)
次の日、クラスで先生……大谷 恵(おおたに めぐみ)が朝、眉原が死んだと言った。どうやらエレベーターが落下して叩き付けられた時に運悪く頭を打ってしまったらしい。ネックウォーマンの「ヨゲンノドウガ」の通り彼は死んでしまった。僕は眉原の死を哀れに思いつつ、クラス全体を見回す。ネックウォーマーを取れる、いや盗めるのはクラスの誰か、だ。みんな鈴村の次に眉原が死に、かなりショックを受けている。女子などは泣いている。……大して仲良くなかったくせに。
「ふん……——!」
そうか、アイツがいた。クラスの一番後ろの一番左の席にぽつんと座っている、人よんで「空っぽの手袋」……後影 空虚(のちかげ くうきょ)。特にショックを受けているわけでもなく、ボーっとしている。目線はうつろで、何処を見ているのか分からない。半分ひねくれている僕でも、奴だけは未だに理解出来ない。大分前に後ろを付けてみた事もあったが、溶けるようにスッと暗い闇へと消えていった。あいつだけは何を考えているのか分からない。体育の時間でバスケをやっていたが、あいつはボールを取ってはシュートを外し、相手のシュートをブロックするという訳の分からないプレーをし、結果はつかずに相手の奴はダウンしてしまった。まるで「ずっと長続きさせる」ように。
「アイツは注意しておいた方が良いな……」
※
結局、今日も二時間目で帰宅となった。眉原の死は悲しいが……マジで助かります。学校潰れてしまえば良いのにね。僕は昼ご飯のチャーハンを口に運ぶ。カレー風味にしただけあってスパイシーだ。おいしい。僕はノートを取った。後影に?マークをつける。アイツはかなり怪しい。しかし、ネックウォーマンとは何者なんだ? エレベーターを落下させるのとか確実に監視カメラに移るし、溺死とかは絶対他殺じゃないと不可能だ。まぁ鈴村の服の中には大量の煉瓦が仕込まれていたから自殺かもしれないが……うっ!
「おえええぇぇえぇっぇ!!」
すいません。やっぱり吐いちゃいました。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
この掲示板は過去ログ化されています。