ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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ネックウォーマン
日時: 2012/02/17 19:51
名前: 茶渋、 ◆TdTxabAvIk (ID: S1XpBh/Z)

茶渋、です。最新遅いです。
※この物語では作者の不十分な実力により訳の分からない描写・言い訳などが出てくるかもしれませんがそこはこのクズが、と思って見逃してあげて下さい。

登場人物

田中(仮)主人公。自分の名前は伏せて話している。ある日、ネックウォーマーを無くしてしまう。

ネックウォーマン 田中(仮)のネックウォーマーを奪い去った張本人。ある予言の動画を送りつける。

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Re: ネックウォーマン ( No.52 )
日時: 2012/04/05 10:25
名前: 茶渋、 ◆xr/5N93ZIY (ID: S1XpBh/Z)

「……」
あれは…誰だろう、知らない女子だ。僕は倒れている彼女を起こす。脈は…残念、ある。どうやら生きているようだ。額から出血している。どうやら打ってしまったようだ。僕は周りの人間を追い払うと、仕方なく空虚と保健室まで連れて行く。全く。良い迷惑だ。



「あ〜疲れた」
対して疲れてはいないが、とりあえず声に出す。生徒はもう半分は体育館に行っている。その辺の女子が泣いているのが見えた。この学校そろそろ崩壊するんではないか。僕は結構真剣に心配した。零が駆け寄って来る。……ん? ケータイを持っている。持ってたのか、と驚きながらその内容を見る。
題名は……フッカツノドウガ。
「これは!」
「多分、そう。私たちはもう『厄災者』じゃないんだけどね」
僕たちは近くのトイレに隠れる。
【僕(やっこ)の名前はネックウォーマン。君たちが今まで戦ってきたネックウォーマンとは一味違うよ】
動画の送り主は、真っ赤なネックウォーマーだった。この季節に被るなんて暑そうだ。それに茶色のフードをかっぽりと被っている。
「やはり、新しいネックウォーマンか」
【さて、僕は死者を指名するなんて事はしなイ】
死者を指名しない…? つまり、何も言わずに殺すのか?
【今日やったあの紋章で、三年二組は呪われた】
呪われた? そんな簡単に呪いってできるものなのか?
【これかラは、二組の人間は全員死に近づく】
「死に近づく?」
【勿論、僕も範囲に入っテいる。さて、今年が楽しみだ……】
そこで動画は終了した。
「零、死に近づくってどういう意味だろう?」
「もしかしたら……死にやすくなるって意味かも」
「なるほど。つまり新しいネックウォーマンは二組って事か」
範囲に入っていると言っていた。つまり、ネックウォーマンも二組。複数犯の可能性もある。全く……また面倒なことになりそうだ。

Re: ネックウォーマン ( No.53 )
日時: 2012/04/05 16:01
名前: 茶渋、 ◆xr/5N93ZIY (ID: S1XpBh/Z)

「さて、これまでに「ネックウォーマン」と言ういじめがあったわけだが、それで死んだ者も沢山いる。なぜ君たちは助けあわない!?」
名前は忘れたが、生徒指導の先生が怒鳴り散らしている。体育館は窮屈だ。僕はさっさと言い終われよおっさんと思いながら、あくびをする。名前は……田中、いや、鈴木先生(仮)で良いか。しかし、全校生徒が僕たちを殺しに走ってきたとき、結局先生達はどこにいたんだろう。「会議室で大事な会議があった」と言っていたが。
「土枕! あくびをするほどお前はどうでも……」
と言いかけて鈴木先生(仮)は口を閉じる。目ざといな。『厄災者』として学校に来ていた僕を怒鳴るほど偉い人間なのか、と僕は冷たい目線を送る。そういえば、「安らぎの歌」で零が「先生も一緒に厄災者として扱う」とか言っていた気がする。本当にこの学校は崩壊してしまえば良いのに。
「……まぁ良い。クラスは先生方が掃除してくださる。今日は全員速やかに寄り道せず帰れ!」
その言葉を聞いた瞬間、生徒はひそひそと話しながら外へ出る。みんなが僕たちをちらりと見る。……ん? なぜ僕たちだけなんだ?
「空虚、前の『厄災者』って誰なの?」
「……そういえば誰だろうね?」
いつもの三人で外へ出る。風はかなり強く吹いていた。
「調べに行く?」
「どこへ?」
「安らぎの歌」
「……え?」
僕と空虚はため息をついた。



道を歩いていると、桜の花びらが鼻にあたった。上を見ると、華やかな白色やピンク色の桜が咲き乱れている。僕はもう春だな、と思いながら道路を歩いた。躓いて転んだ。
「痛」
「ださっ」
空虚が手を貸してくれた。転んでしまうのはしょうがない。立ち上がると、ふとコーヒーの香りがした。またあのミルクティーを飲もう。
あ、断固僕はピーチティー派だが。



「ただいま」
空虚がドアを開けて、階段を上がる。
「何かいるかい?」
「…え、良いんですか、ミルクティーで!」
「……ブラックコーヒー下さい」
空洞さんは分かった、と言うとすぐに作り始めた。ブラックコーヒーなんてよく飲めるよ。僕は…ん、これを思うのは二度目か。零は座って鞄から何かを取り出した。なんで持っているんだろう。去年のクラスの名簿だった。マジか。
「なんで持っているんですか……」
「別に。…これが前の『厄災者』。家に引きこもっている」
——面西!? 何故!? ……いや、これは三年…面西・兄だ。そしてもう一つの斜線で黒く塗りつぶされた名前は——
「…ひだ…め? 何て読むの?」
穿芽 梨檎、と書いてある。何て読むんだ、マジで。
「穿芽 梨檎(うがめ なしご)」
うがめ なしご。随分変わった名前だ。あ、太刀魚守もか。
「…どうぞ」
ことり、と僕の目の前にミルクティーとコーヒーが出される。
「いただき……ええぇえ!?」
僕が取ろうとした時、すでに零がミルクティーを飲んでいた。
「コーヒー飲んで良いよ」
「良いよ…っていうか」
無理だろぉおぉ!! と叫びたくなったが、せっかく空洞さんが出してくれたので、ほんの一口だけ飲んでみた。
「うぶっぅうっ」
その時、零が底を押す。つまりそっと飲もうとしたら一気に来たわけで。
「がっふぁあぁ!」
ゴクリ、と一気に飲んでしまった。苦すぎて謎の悲鳴が出てしまった。
「お待たせ、っていうか…何やってんの?」
「いや、別に……」
僕は苦味で麻痺してしまった口で答えた。

Re: ネックウォーマン ( No.54 )
日時: 2012/04/05 16:19
名前: 怖いの大好き@ ◆9Ce54OonTI (ID: QOcWa.9/)

一気読みしましたが、
ハラハラドキドキです!!((いろんなところが

続き、楽しみにしています(>∀ー)〜★

Re: ネックウォーマン ( No.55 )
日時: 2012/04/05 18:50
名前: 茶渋、 ◆xr/5N93ZIY (ID: S1XpBh/Z)

>>54コメントありがとうございます!
これからもがんばります!

Re: ネックウォーマン ( No.56 )
日時: 2012/04/07 21:00
名前: 茶渋、 ◆xr/5N93ZIY (ID: S1XpBh/Z)

「で、これからの事だけど」
空虚が突然話を切り出す。僕は口がまだ苦すぎるのでとりあえず頷く。そして零も頷く。空虚はさぞかし話しづらいだろう。
「まずは前の『厄災者』、穿芽さんに話を聞く」
「らんのはらひ?」
口がまだビリビリする。何の話と言いたかったが、よっぱらった人のような言い方になってしまったが…まぁ、大丈夫だろう。空虚はしばらく何言ってんだこいつ、という顔をしていたが、ようやく理解した。
「あぁ、まず以前のネックウォーマンの事、それとこれからどうすればいいか、とか」
「ろーはーい」
「老廃?」
了解、と言いたかったが…まぁ仕方ないよね。老廃って何だよ。
「家とか分かる?」
「もう調べてる」
零は鞄から地図を取り出した。僕は一体何が入っているんだ、と半分呆れつつ、礼を言って「安らぎの歌」を後にした。
ドアを閉めると、チリリンと音がした。



「はい、あぁ……どうぞ。でも開けてくれるか……」
母親らしい人が開けてくれた。穿芽と書かれた鞄が見えた。僕たちは階段で二階へと上がる。二階の奥の部屋に行き、こんこんとノックをする。噂によれば梨檎と言う人は……かなり変人だそうだ。僕は面西を思い出した。そういえば、一応クラスが一緒だったな。…。嬉しくない。
しかし…返事がない。僕は「臆病者の敷地」を拡げる。……何も聞こえない?
「……誰」
「あ、えっと、石坂中学の土枕です。『厄災者』でした」
突然みしっと小さな音がした。多分立ち上がった時の音。何で? まるで突然現れたような……気配を全く感じなかった。——そして、ガチャリと鍵が開く。これは…入っていいのだろうか?
「入って。ドアは閉めるように」
「あ、はい。お邪魔します……」
ゆっくり僕はドアを開ける。部屋は結構広く、大きな白いベッドに机、ソファ、テレビ。おまけにベランダまである。羨ましい。そして、穿芽さんはベッドに座っていた。身長は高い。髪は黒髪で長く、……腰まである。初めてこんな人見た。目は大きく凛としている。服は黒と白。それに赤色のスカートをはいている。えっと。
「まぁ座れ」
「失礼しまーす」
空虚がポンっとソファに座る。いきなりで緊張とかしないのか。
「——さて、何の用だ?」
僕たちは背筋を伸ばす。
「今年、僕たちは二年から三年になるんですが、その、穿芽さんはどうだったんですか、えと、その」
「そういう事か。私の場合は…ネックウォーマンが誰かは分からなかった。同期の太刀魚守は必死で探していたようだが……」
太刀魚守?
「そうですか、兄が」
「——ん? あいつの妹なのか?」
「はい」
「へー、あいつにね。……そうだ、この資料を見ろ」
そう言って穿芽さんは、五枚ほどの資料を出した。


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