二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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パラジクロロベンゼン。****
日時: 2010/10/02 13:43
名前: 真瑠 (ID: HmBv7EUE)

VOCALOID・鏡音レンの曲である、
「パラジクロロベンゼン(破壊系洗脳ソング)」を小説にしようと思います。

暗い感じになると思いますが、どうかあたたかい目で見守ってくださいね↓↓


■キャラ紹介■

○鏡音レン  自分が『歌う機械』である事から、
       機械=全てプログラム⇒本当の自分が分からない⇒歌わない という思考を持つ。

○鏡音リン  レンの双子の姉。
       思い悩むレンを心配している。

○初音ミク  ボカロ界人気NO1を誇るVOCALOID。
       滅多にできないレンとのデュエットを楽しみにしている。
              

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Re: パラジクロロベンゼン。**** ( No.25 )
日時: 2010/08/14 11:06
名前: 真瑠 (ID: HmBv7EUE)

—10—

走って、走って、ただ走り続けた。
何も考えず、熱く苦しい心に急かされながら走った。

いつのまにか肌をかすめる風は冷たくなって、空には星が瞬いた。
聞こえるのは、涼しげな虫の声と、自分の荒い息。

それからしばらく走り続けると、音の種類はどんどん増していった。
踏み切りの音、車の騒々しい音、色とりどりの店内から溢れ出る様々な音。
集団の笑い声、夜中に走り回る迷惑なバイク。


いろんな音が混ざり合い、絡み合って生まれた「音」は、まるで彼をあざ笑うような不協和音を奏でた。

「・・・・ッ・・・・・最悪だ・・・・」

『音』は聴きたくないのに・・・・・!!!

自分がどの道を走ってきたのか。
自分がどの道を走っていくのかも分からない。

気付くと、町の裏の路地にいた。
ひんやりとした壁にもたれかかっていると、疲れも少しずつ消えた。

ガシャンッ
「!?」
不意に物音がして振り返ると、錆びたゴミ箱の上に少し太った汚い猫が座っていた。

Re: パラジクロロベンゼン。**** ( No.26 )
日時: 2010/08/21 08:34
名前: 真瑠 (ID: HmBv7EUE)

—11—

「な・・・・ね、猫・・・?」

猫は返事をするかのように低い声でニャア、と鳴いた。

「な、なんでこんなトコに猫が・・・」
レンは猫をまじまじと見つめ、ようやく首輪がないことに気付いた。

「野良猫・・・か」

また、猫はニャアと鳴いた。
猫はひどく汚れていて、傷もたくさんあった。
瞳も、何故か逞しく見える。
「お前にも、色々辛いことがあったんだろうな」

「僕はね、今、辛い・・・なんで辛いのかも分からないけど・・・・」
無意識のうちに、レンは野良猫に話かけていた。

「別に、後悔がある訳じゃなくて・・・・・・。」

そう言った後、ふいに、ミクの泣いている姿が頭をよぎった。
 『レン君・・・・っ』

レンは、あの時ミクに握られた手を、もう一方の手で強く握った。

「・・・・・。 まぁ・・・後悔が全くないって言えば・・・嘘になるけど、ね」

猫は小さい声で、もう一度鳴いた。

Re: パラジクロロベンゼン。**** ( No.27 )
日時: 2010/08/21 09:53
名前: 夜坂 (ID: AWGr/BY9)

すごい世界観がよく分かりますね
とても面白いです
ネコに話しかける…私もよくありましたw
更新楽しみにしています

Re: パラジクロロベンゼン。**** ( No.28 )
日時: 2010/08/21 14:11
名前: 真瑠 (ID: HmBv7EUE)

世界観・・・!いい響きですね・・・
私の場合はネコじゃなくてペットの犬ですがw

それと、更新遅れてすいませんでした↓↓

Re: パラジクロロベンゼン。**** ( No.29 )
日時: 2010/08/22 15:06
名前: 真瑠 (ID: HmBv7EUE)

—12—

「レン、帰ってこないね・・・・」

2階の窓から顔を出して周囲を窺いながらリンは言った。
「もう門限はとっくに過ぎてるし・・・マスターに言いにいこ?ミク姉」
「・・・やっぱり私探してくるっ!」
すっくと立ち上がり、ミクはコートを取った。
そんなミクの服の裾を掴んで、リンは激しく言った。
「駄目!レンなら大丈夫だから!!ミク姉までいなくなったらもっと大変な事になるでしょ!」
「で、でも・・・!」
「ただでさえ、ミク姉は忙しいんだから・・・。ミク姉は、歌う事に集中しなきゃ駄目」
「・・・・・」

リンはミクからコートを取り上げ、タンスの奥深くにしまった。
「マスターへの報告は私がしておくから、ミク姉はここで休んでて。・・・外に出ちゃ駄目だからね」

そう言ってリンは駆け足で階段を降りて行った。

一人残されたミクは、窓から外を見ていた。
今日何回も確認したのだが、やはりレンが帰ってくる様子はなかった。


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