二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 【イナイレ】〜俺のサッカー〜『第七章・明かされる記憶』
- 日時: 2012/10/22 18:05
- 名前: まい (ID: CMvpO4dN)
は〜い初めましてまいです!!
私は小説を書くのは2回目ですが、1回目はケントと一緒にリレー小説だったので一人で書くのは初めてで正直不安でいっぱいです。はいこんな私ですが暁をよろしくお願いします!!
3月14日:一章開始!(ちょっと修正が全話入ります)
〜プロローグ〜
俺は昔、両親に捨てられたんだ。それはあの日。
『おとうさん!・・・・おかあさん!!・・・・どこにいるの!?』
8年前、辺りが真っ暗な森のなかずっと俺は泣きながら叫んだ。何度も、何度も叫んだが、自分の声が反響するだけだった。しだいに喉がかれて声が出辛くなる。視界が揺らいでただその場に座り込んでしまった。
『へんじくらいしてよ・・・・・』
『坊やどうした!? ひどい怪我をしているじゃないか!!』
その時、目の前に光が見えた。発見してくれたおじさんが近寄りながら声を震わせていた。
『え? けが?』
一瞬、何を言われたのか分からなかったが、自分の体を障ったら、背中にぬるぬるとした感覚がある。
恐る恐る自分の手を見ると真っ赤に染まっていた。その怪我に気づいた当時の俺はすごく混乱した。
『なにであかい・・・・・もしかして、血なの? う、うわああぁあぁぁあ!!!』
その場にいたおじさんが手当してくれて一命は取り留めたが、背中の傷は一生のこると医師に言われ、その頃から、暗いところが大嫌いになり。サッカーも大嫌いになった。人も嫌になった。俺は生きている価値もわからなくなった。その答えがわかんなかった。
雷門としてサッカーをするまでは・・・・・
*目次*
オリキャラ、暁 直也(一条 氷空)>>1 東條 颯音>>108 ティム>>109 暁家>>116
オリキャラバトン>>277 ←ちょっと変えました アンケート>>325
第一章『氷のテクニシャン』(全20話)
>>2 >>3 >>4 >>7 >>8 >>9 >>16 >>21 >>24 >>25 >>26 >>30 >>31 >>32 >>39 >>44
>>45 >>46 >>47 >>54
第二章『暁と影山』(全16話)
>>56 >>57 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62 >>63-64 >>65 >>66 >>69 >>70 >>71 >>72
>>73 >>74 >>75
第三章『大波乱の遊園地!』(全20話)
>>77 >>79 >>80 >>81 >>82 >>84 >>85 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>92 >>93 >>94
>>96 >>99 >>100 >>104 >>105
第四章『暁の弟をスカウト!?』(全22話)
>>107 >>111 >>112 >>115 >>117 >>123 >>127 >>128 >>129 >>130 >>133 >>136 >>137
>>140 >>141 >>145 >>147 >>148 >>149 >>150 >>151 >>152
第五章『運命は動き始めた』(全21話)
>>155 >>166 >>167 >>168 >>169 >>174 >>177 >>179 >>180 >>184 >>187 >>190 >>191
>>192 >>195 >>198 >>201 >>204 >>209 >>212 >>214 >>216
第六章・『奇跡の新タッグ!』(全22話)
>>218 >>220 >>221 >>222 >>226 >>229 >>233 >>235 >>237 >>240 >>243 >>244 >>245
>>249 >>251 >>253 >>254 >>255 >>256 >>259 >>261 >>267
第七章・『明かされる記憶』
>>270 >>274 >>282 >>285 >>290 >>291 >>293 >>296 >>298 >>302 >>304 >>306 >>309
>>314 >>315 >>317 >>318 >>320 >>321 >>322 >>327 >>333 >>334 >>335 >>337 >>339
>>342 >>344 >>345 >>346 >>347
番外編
10日はXデー >>157 >>160 >>164 >>165 本当の願いは? >>203 出会う前は (颯音編)>>110 弟の誕生日 >>311
質問コーナー >>122 >>125 >>162 >>206
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- Re: 【イナイレ】〜俺のサッカー〜『第七章・明かされる記憶』 ( No.318 )
- 日時: 2011/12/16 17:02
- 名前: まい (ID: dD19om2o)
〜第17話〜「約束と不安と」
声が聞こえ全員、声がした方を見上げた。そこには、微笑みを浮かべてこちらを見ているグランがいた。グランはスタジアムの屋根から飛び降りて、黒いボールが浮いているところに華麗に着地する。
円「何しに来たんだ?」
グ「今日はキミ達に用はないんだ」
後ろを振り向き、グランは腕を組んでバーンとガゼルを睨みつける。その姿はまるで、殺気が立っているようだった。雷門側は思わず黙って会話を聞くしか出来なかった。異様な緊張感が漂う。
グ「何勝手なことをしているんだ?」
バ「俺は認めない!お前達、ガイヤがジェネシスに選ばれたことなど!」
ガ「我々は証明してみせる。雷門を倒して、誰がジェネシスにふさわしいか!」
グ「・・・・往生際が悪いな」
次の瞬間、黒いボールは白く眩い光が発生する。円堂が止めようとすると、あまりにも強い光で目を閉じるしかなかった。しばらくすると、光は消えて、カオスとグランはいなかった。緊張の糸が切れて、一安心する。
しかし、ホッとしたのもつかの間。今度はアフロディが限界に来たのか突然倒れてしまった。いち早く気が付いた颯音や円堂が慌てて駆け寄る。瞳子監督は急いで救急車を呼んで病院へ運んだ。
その様子を見た?は携帯を取り出して、電話をかけた。
?「もしもし・・・・・アフロディが怪我を負い、雷門を離脱する確率が高いです。それに、彼は試合に現れませんでした・・・・・・・・・・はい、分かりました。すぐにグラン達と合流して、引き続き監視します」
・
・
・
夕日が辺りを射してオレンジ色に輝いていた。颯音とアフロディは二人で稲妻総合病院の屋上にいた。普通、意識を取り戻したら、安静にするのが良いと思うが、アフロディは看護師に無茶を言って、屋上へ向かった。足の怪我が酷かったため、肩をかしてやっと歩けた。ベンチに座らせたら、颯音は隣に座った。
颯「俺がもっと強かったら、お前をこんな目にあわなせなかったのに」
ア「キミのせいじゃないよ。あれくらいのディフェンスを抜けないなんて・・・・・僕もまだまだだね」
颯「俺に気遣うな。それより、自分の体を治すのに専念しろよ」
そう言ったものの、本当は悔しかった。バーンとガゼルが一緒にシュートを打っただけで、カオスのリズムが変わって、それに追いつかなかった自分がいて。弱さを痛感した。それに、仲間に無茶をさせて、ひどい怪我をさせてしまった。自分さえ強ければ、きっとこんなことにはならなかったはず。そう思い込んでしまう。
ア「そんなに落ち込まないでよ。東條君、キミはジェネシスと対決する時に強くなるよ」
颯「ジェネシスと?」
ア「うん。今よりも、もっと強くなれるよ」
颯「今よりも・・・・・・もっと」
アフロディは強く拳を握りしめ、悲しげに微笑んだ。負傷して一緒に戦えなくなるのは辛いだろう。すると、颯音は手を前に突き出した。
颯「お前のためにも、エイリア学園を絶対に倒すからな!約束だ!」
最高の笑顔をつくって、小指を少し曲げてアフロディに近づける。アフロディは驚いたが、すぐに笑い返して自分の小指を颯音のと引っ掛ける。夕日に輝く屋上で二人だけしか知らない約束を交わした。
屋上を後にした颯音は、暁がいる個室に立ち寄った。今日のカオス戦を報告したいと思っていた。あんなに強い敵と試合したのだから、聞かせたかったからだ。
ノックせずに部屋に入ると、暁がベットの上で上半身を起こして、本を真剣に読んでいた。目を覚ましていた暁を見て、思わず身を引いて、言葉を失ってしまう。一方、暁はすごい集中力のせいで颯音が部屋に入ってきたことに気が付いていないようだ。しばらくすると我に返った颯音が近づいて軽く肩を揺らした。さすがにそれには気が付いた暁は顔を上げた。
颯「よかった!気が付いていたのか」
暁「・・・・・・誰?」
颯「え?」
言われた瞬間、颯音は頭が一気に真っ白になった。暁はしばらく颯音の顔を眺めて、ハッと思い出す。
暁「あ、颯音か。いきなり来たから、エイリア学園の奴らと思った」
颯「冗談でも、やめてくれよ!」
大げさに笑ってみたが、暁がこんなタチの悪い冗談を言う性格じゃないのは理解していた。病院で5日間も気絶していたら、そうなるケースはある。そう考えたいものだ。もし、脳に何らかの異常があったらすぐに入院は確実だろう。念のため、颯音は暁を連れてすぐに担当医の所へ行った。
担当医は大体30代の痩せている男で少し冷めたような雰囲気がした。二人は、近くにある椅子に腰かけた。
医師「どうやら、記憶が一時的に曖昧になっているようですね」
暁 「はい、すぐに颯音の事を思い出せましたが、声をかけられるまで、誰だか・・・・やはり脳に異常が?」
医師「軽い検査しましたが、脳に異常はありませんでした。ただ・・・・・暁くんにとって大切な人を忘れかけているようです」
突きつけられる衝撃の言葉に、二人は身震いを覚える。
医師によると幸い、運動しても問題ないようで、サッカーは出来る。だが、もしもまたダイヤモンドダスト戦のようなことが起こったら、暁は自分のことを完全に忘れてしまうのだろうか、そんな不安が颯音の頭によぎった。
颯 「俺・・・・どうすれば?」
医師「出来るだけ暁くんの近くで様子を見てください。何か起きた場合はすぐに来てください。もしかしたら、精神に関わる病気かもしれませんから」
・
・
・
医師の退院許可が下りたので、電話で雷門イレブン全員にメールで暁が目覚めたことを伝えた後。暁と颯音は雷門中に向かった。しかし、先ほどの医師から告げられた事実を聞いて不安が残ってしまった。横目で颯音の様子を見た暁は深いため息をつく。
暁「大丈夫、俺はお前のことを忘れないから」
颯「でも・・・・・」
暁「俺が平気って言ったら平気。大切な人をすぐに忘れるヤワじゃないことぐらい知っているだろ。俺を信じろ」
暁の茶色の瞳が夕日に反射しているせいか、オレンジ色が変わっているような気がした。まるで、何か覚悟を決めたかのような瞳で真っ直ぐ見つめてくる。その意見に反論できなかった。本当に、自分は情けないと思う。何かを一人で背負い込む覚悟を見ると、反論できなくなる自分が嫌になってきた。
しばらく歩いていくと、雷門中の校門が見え始めた。校門にいたのは、なにやら深刻な顔をした秋と春奈が立っていた。
春「せ、先輩!!」
暁「・・・・・なにかあったか?」
なにやら二人が焦っている様子を見て、何かが起きたことを察する。すると、秋からとんでもない言葉を聞いた。
秋「グランが来たの!」
暁「アイツが・・・・一体、何しに来た?」
秋「分からない。でも・・・・・・」
「瞳子監督のことを・・・・姉さんって呼んでいたの!」
- Re: 【イナイレ】〜俺のサッカー〜『第七章・明かされる記憶』 ( No.319 )
- 日時: 2011/12/15 19:31
- 名前: まい (ID: cBiB9/nf)
- 参照: やっと、コメ返しが出来た・・・・・
まい「しずくごめん!!コメ返しがここまで遅れるとは思わなかった!!!」
暁 「まぁ、色々あったから、来れなかった。すまなかった・・・・・ってなんで俺が言うんだよ?」
まい「なんとなく?」
暁 「疑問形を最後につけるな。失礼だろうが」
暁 「あーアレは、沖縄で音村と鬼道が会話したのを偶然聞いてリズムで相手の動きを見抜くようにした。やり方は自己流であみ出して、昔はもっと違うやり方だったが、言うのはやめとく」
颯音「あのやり方を覚えるのも一苦労したけど・・・・体がついて行けたって言うか・・・・なんていうか」
まい「それを言うなら、頭が働いたでは?」
暁 「まぁ、気にすんな。バカだから日本語になっていないだけだ」
颯音「最後の一言、余計だ!!」
颯音「白鳥先輩!毎度、応援ありがとうございまーす!嬉しい♪」
まい「・・・・・このテンションはどうすれば?」
暁 「まぁ、その内慣れるからいい。」
- Re: 【イナイレ】〜俺のサッカー〜『第七章・明かされる記憶』 ( No.320 )
- 日時: 2012/01/06 19:15
- 名前: まい (ID: EHM01iHp)
〜第18話〜「それぞれの答え」
雷門グランドで瞳子監督は雷門イレブン全員にあることを疑われた。それはつい先ほど、マネージャー達がグランドに来た際、グランと瞳子監督が直接話しているところを目撃したのだ。そして・・・・・グランが監督と別れた時に「姉さん」と呼んだことも。
つまり、瞳子監督はグランと親しい仲と言うこと。それとも、実の姉かもしれない。どちらにしても、エイリア学園と面識がありそうだ。監督は雷門を監視していたスパイの宇宙人と言う結論にたどり着く。しかし、これは雷門イレブンから導き出した答えであり、瞳子自身に聞いたわけではないため、確かなことでない。全員がグランドに集まり、問い詰めた。
円「本当に、あいつの姉さんですか?」
瞳「・・・・・確かに、私は貴方達に隠していることがある。でも、もう少し待ってほしいの・・・・・・・エイリア学園はただの宇宙人じゃないわ。みんなには、私と一緒に富士山麓(ふじさんろく)に行ってほしいの。そこで、すべて話すわ。出発は明日の朝8時。それまでに準備を整えておいて」
それだけ伝えると、瞳子はその場を立ち去った。全員が瞳子をますます疑う。今日のカオス戦だって、アフロディがボロボロになっても使い続けた。それどころか、選手に秘密があるのだ。次の対戦はきっとジェネシスと最終決戦と予想が出来る。なのに、隠し続けるのは何か理由があるとしか思い浮かばない。
特に疑っているのは一之瀬と土門だった。二人はエイリア学園との戦いは疑問をたくさん思った。だが、それでも監督についてきたのはエイリア学園に学校を壊された皆の想いに応えたかったから。しかし、もう監督に振り回されるのは限界だった。一之瀬と土門は富士山に行かないと主張をし始めた。
土「お前はどうなんだ?・・・・暁」
近くにいた暁に土門は問う。一斉に視線が集まった。一つ深いため息を出した後、眉間にしわを寄せて、皆に自分の考えを出来るだけ分かりやすく伝えた。まるで、訴えかけるように。
暁「行けばエイリア学園の正体や監督の秘密がすべて分かる。ただそれだけだ。監督と一緒に行くかは、個人で決めろ。別に『行け』と強制していない。今夜一晩も時間があるんだ、ゆっくり【答え】を考えてみるのもいい・・・・・俺も考えるから」
暁の言葉で全員解散した。それぞれの【答え】を導くため。自分にとっても、皆のためにもあとで、後悔しない選択をするために解散した。
・
・
・
夕焼けが眩しく、オレンジの光が辺りを照らしている時間。
暁と颯音は公園にいた。そこには、二人のほかに3人の子供がサッカーボールを追いかけている。ドリブルも安定しないで真っ直ぐ進められていない。おそらくサッカーを初めて間もないだろう。暁はその様子をブランコに座って、ぼんやりと見ている。軽く足を揺り動かすと、古く錆びた(さびた)音がした。一方の颯音は、対照的にブランコに立ち乗りして、とても楽しそうに遊んでいた。その姿はまるで、園児のようだ。
振り子の原理で高い位置についたら、そのまま勢いを出してジャンプ。バク転を2回して静かに着地した。元々、身体能力がある颯音だから出来る技だ。体操選手にもなれるんじゃないのか?と暁は密かに思った。
なんとも落ち着かない様子の颯音。暁は視線を子供たちに向けながら話しかけてみる。
暁「富士山に行くのか?」
颯「正直、行くのか迷っているんだ・・・・監督はスパイかもしれないし、富士山に行ってジェネシスと戦ってすべてが終わるか分からないし。先輩達も、来るのか・・・・・・もう、なにがなんだか」
すっかり頭を抱え込んでしまう。なぜか「俺、すごく不安なんですよ」と訴えるマイナスオーラが見えた。確かに、今日はいろんなことが起き過ぎた。プロミネンスとダイヤモンドダストが組んだカオス。その試合の途中で現れたグラン。記憶が曖昧になってしまった兄。そして、監督のスパイ疑惑。戸惑うのも無理はない。
立ち上がってブランコについていた泥を軽く手で叩く。颯音の正面に立って腕を組んだ。そして、そっぽを向きながら目を細める。
暁「確かに・・・・・・お前みたいな馬鹿で、カナヅチで、泣き虫な奴が考えることなんて出来ないよな〜」
颯「ん?」
慰めるかと思えば、悪口の嵐が浴びせられた。不意にきたので石化したかのように思考がストップしてしまう。『馬鹿』『カナヅチ』『泣き虫』の部分を強調するので、ますます状況がつかめない。反応して来ないので暁は話を続ける。
暁「そういえば、昔はお化けが怖くて俺の布団で一緒に寝たこともあるよな。それに、自分で木に登ったのはいいが、降りれなくなったことも。あとは、間違えて女の・・・・・」
颯「//////////わあぁぁぁあ —————— !!!!!///////////」
更には早口で昔の話もするので、我に返った。次第に恥ずかしくなり泣きたくなってきた。慌てて手で暁の口を覆わせる。
しかし怯まないのが暁、冷静に覆っている手を簡単にどける。ニヤリと悪魔の笑みを浮かべ始めた。
暁「少しは気持ちが切り替わっただろ」
颯「おかげさまで・・・・・不安よりも恥ずかしさでいっぱいだけど」
暁「おーい、赤面だぞ。大丈夫か?」
颯「兄貴のせいで真っ赤なんだよ!!」
もはや、ヤケクソで叫ぶ颯音。肩を細かく震わせながら暁は笑いを堪えていた。お互い深呼吸を何回かして、気持ちを切り替える。軽く髪を撫でながら口角を上げた。
暁「何も迷うことはない、自分の意志で、未来の道を選べばいい。選択ひとつで、未来は簡単に変えられるから。俺が口出しして解決できる問題じゃないだろ。意志を絶対に枉げ(まげ)ないのがお前の取り柄だろうが」
言われた瞬間に、さっきよりも気持ちがラクになる。まるで、心のトゲがなくなったかのように心が軽くなった。颯音はいつも見せる無邪気な笑顔になる。どうやら、決断ができたらしい。答えは聞くまでもないようだ。暁は「世話が焼ける奴」と呟いたとか。
・
・
・
翌朝、監督との約束通りに朝8時、雷門グランドに来た。暁と颯音が来た頃には一之瀬、土門、リカ以外集まっていた。やはり、二人は昨日のことで行かないと決めてしまったのだろうか・・・・・すると、キャラバンの陰からリカが一之瀬の腕を引っ張って現れた。それに続いて土門も現れる。
土「まぁ・・・・なんつーか、考えたんだ。眼を逸らしちゃいけないってな!」
円「一之瀬、土門!」
これで、全員集まった。誰一人、行かないと選択した者はいない。『エイリア学園との戦いの意味を知りたい』気持ちは皆、同じのようだ。監督も到着し、全員キャラバンに乗り込んで富士山へ向かう。
・
・
2時間くらい経つと、富士山が見えた。日本一高い山を目の前に来て全員、窓の方へ視線を向ける。山の斜面を登って麓(ふもと)へ行くと、白に近い銀色で円盤の形をしたデカい建物があった。時々赤や、青い光が点滅していていかにも怪しい雰囲気が漂う。まるで、UFOのようだ。
暁「あれが・・・・・エイリア学園か」
- Re: 【イナイレ】〜俺のサッカー〜『第七章・明かされる記憶』 ( No.321 )
- 日時: 2012/02/19 19:14
- 名前: まい (ID: a2VLYb41)
〜第19話〜「迫ってくる決戦」
富士山のふもと付近に建てられていた怪しい建物の近くにキャラバンを止めて、降り。建物を見上げた。建物の構図はよく分からないが、特別なもので造られたようだ。
その時、岩陰からコツコツと足音が聞こえた。警戒しながら振り向くと、そこには、白いひげに特徴的な紫色の上下にサングラスにバンダナをしている人物だった。テレビで見たことある顔・・・・・FFで雷門の監督をやっていた響木 正剛だ。
見覚えのある人物で円堂が響木の近くに行き、質問をぶつける。
円「響木監督!? 今まで、どうしていたんですか? それに、どうしてここに?」
響「俺はこれまで、エイリア学園の謎を探っていた。そして、やっと答えにたどり着いた・・・・エイリア学園の黒幕はお前だ!」
響木が指した先には紛れもなく、瞳子監督だった・・・・。
瞳子監督自身も肩が少し跳ねた。どうやら、本当に何かエイリア学園と関係があるみたいだ。
響「円堂達をジェネシスと戦わせるのなら、すべてを語る責任がある」
瞳「すべては・・・・・・あの中にあるわ。今からあそこに突入します」
颯「マジかよ。あんな物騒な建物の中に」
豪「俺達はもう、エイリア学園と関係している。いずれは対決になるのは知っていただろ」
豪炎寺の言った通りだ。こうなることは分かっていたはずだ。ここでビビっていたらせっかく、決めた覚悟も無駄になる。ここから、響木と一緒に行動することになった。
裏口に回り込み、大きくて丸い頑丈な扉が現れる。右隣にある小さな承認コードを入力する装置が設置されていた。
瞳子監督はキャラバンを降りず、携帯を操作して重々しいドアが開いた。どうやら遠隔操作ができる最新式のセキュリティのようだ。
だが、これでまた謎が深まる。瞳子監督はどうして、暗証番号を知っていたのか?それにどうして、この雷門イレブンの監督を務めていたのか? スパイだったら、とっくに裏切るはず。
考えられる可能性は—————
暁「まさか・・・・・な」
考えすぎだ。そう自分を説得し、思考をストップさせた。自分が一瞬思ったことを口に出してはいけないのが分かってしまったから。どうせ推測通りだったら、瞳子自身が答えた方がいい。頭の隅にそう焼き付けておいた。
・
・
建物の中に入れば、キャラバンも入れる高さの天井があった。ただ広い銀色の廊下や、またどっしりとしているドアが続いているだけで宇宙人らしき者は一人もいなかった。窓から下を見れば、超巨大なデパートのように形態だ。
しばらくキャラバンを進ませれば、一階の広間に着いた。ココが一番怪しい場所である。
鬼「監督。此処は一体、何のための施設ですか?」
瞳「吉良財閥の兵器研究施設よ・・・・・私の父、吉良 星次郎が吉良財閥の総帥なの」
瞳子の口から思いがけない言葉が発せられる。全員が唖然とする中、暁は一人、納得できた。
これほどの基地を建設するなら、莫大な費用が掛かる。ただの金持ちではとても建設できない。しかし、財閥なら話は別。この基地の建設にTV中継を独占したり、総理大臣の居場所を特定して裏で闇組織を雇えば、誘拐も可能だろう。
暁「では、どうして監督の父さんはサッカーを兵器の道具にしたのですか?」
瞳「すべては、エイリア石から始まったの」
【エイリア石】その石の存在が今回のエイリア学園騒動が起こった。たった一つの石で日本を・・・・世界を巻き込む出来事が起きるのだろうか。
なら、なぜサッカーを使って世界を侵略しようと企んでいるのか。それがよく分からない。
次の疑問を問いかけようとしたとき、正面のドアがゆっくりと開く。まるで、こちらを招くように。
ここまで来たら後戻りはできない。しかし、ドアの大きさはキャラバンでは入ることが出来なさそうだ。しかたなく、歩きで先に進んだ。
・
・
その頃、何処かは分からない。ただ見えるのは日本家屋を意識したある和室の廊下にカコーン・・・と竹筒が支持台から発生する音が部屋中に響いた。
濃い緑色の栗頭に顎まである耳たぶ、額には黒子(ほくろ)の人物が茶を啜って(すすって)いる。少し離れたところに青白く目の下にはクマ。かなり長身で灰色のスーツを着た男が正座をして茶を啜っている人物に頭を下げていた。
「雷門イレブンが侵入しました。只今、例の部屋まで誘導していますが。どうされますか?」
「そのまま誘導してください。彼らがココに来たということは、瞳子も私の意図がようやく理解できたからでしょう・・・・・・まずは、アレを送り込んで実力を拝見しますか」
「では、直ちに」
男は立ち上がり、部屋を出ていった。もう一人は目を少しだけ開けて。薄い笑いを浮かべて。ただ、上を見上げ呟いた。
「いよいよ・・・・・あの計画が実行する時が来ましたね」
・
・
少し広い廊下に集団で歩いているので少々、窮屈(きゅうくつ)になる。どんな罠が仕掛けられているのか分からない状況だと離れて歩くのは危険だ。歩いている廊下はかなり入り組んでいてもはや迷路に近い。
今は一本道に伸びている廊下のど真ん中にいる。
颯「なぁ、アレはなんだ? ヒトみたいだけど、ヒトじゃなさそう」
土「どっちだよ」
突然、颯音が立ち止り、指であるものを指した。視線で指した方向を追うと。人のような形をしたものが七体ほど、二本の足で立っている。
「ような」というのは、明らかに首が人間では回転できないであろう角度で回っていて、動作がカタイ。何よりも怪しいのは腕の部分にサッカーボールを挟んで持っていることだ。
見張りだったら、ボールなんて持つ必要はない。なら、結論は一つ
暁「侵入者を見張るものじゃなくて、見つけ次第に排除するロボットだな。一本道だから、急がば回れって言う策は使えない。どうする?」
円「正面突破に決まっているだろ!」
暁「同感だな。突っ込むか」
鬼「お、おい!」
鬼道がそれを阻止しようとしたが遅かった。
ロボットに向かって二人同時に走り出す。気合で乗り切ろうとするのはいいのだが、ロボットが反応し。低いノイズが掛かったような声を発する。目の部分は赤く、チカチカと点滅し、ターゲットを絞り込んで警告を出す。
『侵入者あり!侵入者あり!排除、排除、排除!!』
足を振り上げ、そのまま同時に強烈なシュートの嵐が二人に向かう。
円堂はギリギリまでボールを引き付けて四つパンチングする。残りの三つは暁がロボットのリズムを読み取って無駄な動きなしで軽々と避けた。
円「すごいな。暁!」
暁「所詮、作られた機械だ。リズムのパターンが見え見えなんだよ。お前も前より動体視力が良くなったみたいだな」
褒められて思わず照れ笑いする円堂。だが、避けるだけではロボットは壊せない。後ろにいるマネージャー達の事を考えれば、カメラがあると思われる顔の部分を狙うのがいい。そうすればきっと機能が止まって倒せる。
暁は目を大きく開けて、じっと狙いを定め始めた。
『排除!排除!排除!!』
暁「排除は勘弁だ。邪魔だぞ」
一体のロボットが打ったシュートを寸前で避け、空中にボールが体の横に浮く。そして、そのまま強烈なボレーキックをくらわせる。狙い通りにいき、縦一列になっているロボット全体の顔に当たる。
すると、まるで糸が切れた操り人形のようにひざ(正確にはひざと言うべきところ)から引力に従って地面に倒れた。
円「よし!これで先に行けるな」
颯「あ ————— !! もう、倒したの!? 混ざって一緒に倒したかったのに!!!」
暁「あのな・・・・・遊園地のアトラクションじゃないから。はしゃぐなよ」
ため息をつきながら、颯音に鋭いツッコミを入れる。
しかし、ロボットがいたともなると、この奥には、重要な部屋がある。あるいは、エイリア学園の本当の黒幕・・・・・吉良 星次郎が待っているからいたのかもしれない。
エイリア学園の真実は吉良 星次郎に直接聞きこむしかない。だが、必ずジェネシスと対決する運命が待ち受けている。
暁は自分の心臓の音が大きくなるのを感じ取れた。
- Re: 【イナイレ】〜俺のサッカー〜『第七章・明かされる記憶』 ( No.322 )
- 日時: 2012/03/11 20:39
- 名前: まい (ID: a2VLYb41)
〜第20話〜「すべての真実」
※ちょっとアニメと違う部分アリ。あと星二郎さんが黒いです。会話文長くてすいません※
しばらく長い廊下を歩いていくと一番奥の部屋があった。自動ドアが開き、全員が一気に入れた。中はドーム状になっていて壁や床、天井が同じ青色の光が付いていた。まるで、来客を迎えるようだ。
次の瞬間、天井の方に50〜60代くらいの男の声が聞こえた。すぐに見上げれば、宙に浮いている人物・・・・・吉良 星二郎がいた。どうやら、立体映像で映し出されているようだ。
星『日本国首脳陣の皆様、おまたせしました。只今より我が国が強大な国家として世界に君臨するためのプレゼンテーションを始めさせていただきます・・・・・
さて、今日は謎に包まれたエイリア学園の衝撃の真実をお話しいたしましょう』
急に出された一番知りたい疑問だ。全員が星二郎の言葉に耳を傾けた。星二郎はゆっくりと微笑みを浮かべて呟くように話し始めた。
『自らを星のヒトと名乗る彼らでありますが、その正体は・・・・実は宇宙人ではないのです』
雷に打たれたような衝撃が走る真実を突き付けられて驚きを隠せない雷門イレブン。ほとんどの人は見開いてその場で固まってしまう。暁は瞳を閉じて星二郎の話に集中した。
星『すべては10年前に落ちた隕石から始まったのです。富士山麓に落下した隕石。そこから人間の身体能力を最大限に引き出す物質が発見されました。その名は、エイリア石です。
我々はこの素晴らしい物質を有効利用するために研究を重ねました。そして、ついにエイリア石を使い、人間の力を飛躍的に強化させることに成功しました。
私は総理大臣・・・・・財前 宗助にこのエイリア石の力を使って強い選手を作る計画を提案しました。それがハイソルジャー計画です。
ハイソルジャーが人類の歴史を創造するのです。しかし、事も有ろうに財前総理はこの夢のような計画を拒絶しました・・・・・・』
それは、日本を制圧して国を変えようとしている恐ろしい内容の話だ。
総理を誘拐する前に交渉でもしたようだが、こんな内容の計画を総理が承知するはずないのに気が付いていないであろうか。星二郎には常識が通じないのだろうか。しばしの沈黙が続いた。
星『そこで、ハイソルジャーの素晴らしさをサッカー好きな総理に分かりやすい方法で示したんですよ。エイリア学園という使者を送り込んで』
確かに総理はサッカーが大好きだ。だが、力を見せつけるためだけにサッカーを利用したという。そう捕らえれば、じわりと怒りが込み上げて自然と拳を力強く握る。颯音は下唇をかんで声を震わせる。
颯「つまり、エイリア石で強化した人間がエイリア学園の正体で、今回の騒動は計画の一部に過ぎなかったということかよ・・・・・・なんのために、そんなくだらないことを!?」
星『くだらない事ではありません。言ったでしょう。————— 我が国が強大な国家として世界に君臨するためと。そのための道具も必要なのです』
【道具】
その言葉を聞いた瞬間に暁は思い切り奥歯を噛みしめた。その様子に気が付いた颯音は背中に冷や汗を掻いたのを覚えた。なぜかと言うと、今の暁はおそらく、怒っている・・・・・いや、怒り狂っているだろう。顔が言葉で表現できない程にまで怖いのである。
星二郎が映し出されていた立体映像は消えて、向かい側の自動ドアが開かれる。部屋全体に目を開けられないくらいの強烈な白い光が差し込んでくる。その光の正体は太陽だった。ドアには青白くて細長い男性が軽く頭を下げながら立っていた。
男性は光の方へ歩いていく。どこかへ案内するようだ。全員、小走りで男性の後について行った。
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連れてこられたのは日本風の庭に、寺のように大きい家だった。男性が中に入ってしばらくすれば、星二郎が出てきた。
星二郎を見るや否や暁は前にいた円堂を押し退けて、星二郎へ一直線。両手で胸倉を掴んで自分の方へ引き寄せた。普段の暁なら絶対に起こさない行動に全員が肩をはねた。
暁「今すぐハイソルジャー計画を中止しろ!!」
土「お、落ち着けよ!」
発した声も荒々しく、完全に人格が変わっているようだった。慌てて近くにいた土門と颯音が暁を星二郎から引きはがす。暴力でもふるったら危険だ。
それを回避するため、二人係で両手を自分の腕に組ませる。振り払おうとする力が強く、少しでも力をゆるめたら確実に振りほどかれる。
暁「離せ! こいつを殴らせろ!!」
颯「少しは冷静になってくれ! この人は確かにすべての黒幕だ!! だけど、兄貴が殴って治まる問題じゃないことぐらい分かっているだろ!」
暁「気付かないのか!? 俺達もこいつらの計画の一部に取り入れられていた事に!!」
言われた瞬間に力が抜けて固定されていた腕も自由になる。暁も感情を少しでも抑えるため、深呼吸をする。特に瞳子は驚愕の表情で暁を見つめ始めた。星二郎は掴まれていた胸倉部分辺りの服の形を整えた。
瞳「そ、それって一体どういうことなの?」
星「気が付きましたか・・・・・では、最初になぜ一番弱いジェネミストームを送り込んだのかお分かりいただけましたか?」
細く目を開いて星二郎が口角を上げる。暁は全員の様子を見まわしてから、一歩前に出て、そっぽを向きながら申し訳なさそうに口を開いた。
暁「エイリア学園と戦い抜き、鍛えられてきた俺達がいずれ、ジェネシスにとって最高の対戦相手になるから・・・・・ジェネミストームから送ってきた。
初めに一番強いジェネシスと対戦しても力の差は天と地だ。それに、最強チームの強さを総理に十分アピール出来ないからだろ。あくまでもこれは、さっきの話を聞いて推理した結果だ。合っているか?」
星「100点満点の解答ですね。ここまで理解できていたとは正直、驚きました」
わざとらしく一人で軽く拍手を送る。その態度もムカついたのか暁は大きな舌打ちをする。瞳子は視線を下に落として今まで自分がやってきたことを回想する。
帝国学園では佐久間や源田を助けようとしなかった。染岡が怪我をしていたことは知っていたのにすぐに病院へ行かせなかった。「勝つことが自分の使命」と言い訳をして吹雪の過去をずっと黙っていたせいで、吹雪に無茶をさせてしまった。
すべてはエイリア学園を止めるために、チームを強くするために必要と考えて行動したのだ。だが、星二郎の手の平で踊らされていたと思えば、何もかも無駄に感じてしまうのだ。
瞳「そんな・・・・・私はお父さんを止めるために、このハイソルジャー計画を止めるために、戦ってきたのに・・・・・・私がしてきたことはすべて、エイリア学園のためだったの? 雷門イレブンを利用してしまったのかもしれない・・・・・私には監督の資格なんて」
円「違う!! 監督は俺達の監督だ!」
両手で拳を作って力強く叫んだ。瞳子は顔を上げる。円堂の真っ直ぐな目は光り輝く太陽のように優しく感じ取れた。息を整えて円堂は熱く語る。
円「監督は俺達が強くなる作戦を考えてくれた! 次につながる負け方を教えてくれた! 俺達の挑戦を見守ってくれた! だから、ここまで来れたんだ!!・・・・・・俺達は瞳子監督が必要なんです。最後まで俺達と一緒に戦ってください!」
颯「そうです! 瞳子監督がいてくれたから、俺も強くなったし・・・・感謝していますよ」
吹「監督。僕も監督に感謝しています」
瞳「・・・・・円堂君、みんな」
すべてを和解した雷門イレブン。ここまで来たのは瞳子監督のおかげだったのは事実だ。自然と瞳子も笑顔がこぼれた。その様子を見た星二郎は妬むように呟く。
星「瞳子も随分良い子達と出会ったのですね」
暁「おい、大仏。俺が言いたいこと聞いてもらっていいか?」
星「出来るだけ手短にお願いします」
低い声で威嚇(いかく)するように発すると。今にも爆発しそうな想いを抑え込んで、出来るだけ平然を装って言葉を並べていった。
暁「別にエイリア石って言う石の研究をしたとか、サッカーを侵略する道具にするとか、日本を制圧するとか、そこら辺は全く怒ってないんですよ。
でも、どんな理由があろうが。自分の勝手だけで動いてどれだけ周りの人間を巻き込んでいるのか気付いていない・・・・・仲間や友達と家族を!! 【計画の一部】や【道具】呼ばわりする大バカ野郎は絶対に許さねぇ!!!」
だんだん声も大きくなり怒りをあらわにする表情になっていく。星二郎は威圧感に押されて一瞬だけ金縛りにかかったかのように動かなくなった。動かなくなったことを自覚すれば顔を歪ませる。
星「では、その想いを試合で証明してください。どうせ、ジェネシスが勝ちますけどね」
暁「試合は結果だけでは判断できませんよ。なら、試合をごゆっくりと見物してください」
星「もちろん、そのつもりですよ」
少し笑みを浮かべた星二郎は男性と一緒に背を向けてその場を立ち去っていく。暁はその背中を細やかな目で見つめていた。襖(ふすま)を閉めて、星二郎は研崎に耳打ちする。
星「研崎、ジェネシスへ暁 直也を潰すように指示してください」
研「・・・・・はい」
—————————— 研崎は深く礼をして、星二郎から離れて行った
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