二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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  ドラゴンクエストⅨ_永遠の記憶を、空に捧ぐ。【移転完了】
日時: 2013/04/04 01:11
名前: Chess ◆1OlDeM14xY (ID: b43c/R/8)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=24342

※ (紙ほか)での更新は終了いたしました。
  (映像)で、『  永遠の記憶を、空に捧ぐ。__ドラゴンクエストⅨ』として更新を続けておりますので
  上記参照よりお越しくださいませ。




【 目次 】      >>512
【 重要なお知らせ 】 >>707




 漆千音です。元Chessです。祝・改名一周年((詳しくは >>496



 これは『ドラゴンクエストⅨ 星空の守り人』の小説バージョンです。
バージョンですが現在おりじなるわーるど全開です。
ゲーム内で腑に落ちなかった点を自分なりに修正しているうちにややこしくなって
結果ゲーム以上に腑に落ちない点が出てきているかもしれず——小説書きの才能ください←

 過去に間違えて「まもりぶと」って書いちゃって「守り太」とかに変換された守られたくねぇ的な
考えをしたのは後世まで残してやろう。((黙


裏話      >>574
裏話そのに   >>601




【 ヒストリー 】

  2010
8/30 更新開始
9/30 参照100突破に喜ぶ
11/15 十露盤さん(当時MILKターボさん)、初コメありがとうございます((←
11/16 参照200突破に万歳する
12/7 参照300突破にガッツポーズする
12/13 ようやく返信100突破に浮かれる
12/14 『  ドラゴンクエスト_Original_ 漆黒の姫騎士』更新開始

  2011
1/23 パソコン変更、一時的にトリップ変更
1/27 参照600突破に調子に乗る
3/24 参照1000突破に踊る
3/25 返信300突破・サイドストーリー【 聖騎士 】
5/23 トリップを元に戻す
5/25 調子に乗って『小説図書館』に登録する
12/8 改名 chess→漆千音

 2012
2/10 返信500突破・サイドストーリー【 夢 】
8/11 teximaさん初コメありがとうです((←
8/30 小説大会2012夏・二次小説銀賞・サイドストーリー【 記憶 】
9/26 フレアさん初コメありがとうなのです((←
9/29 参照10000突破に転がって喜びを表現する
9/30 呪文一覧編集
10/1 目次編集。これで字数を500くらい減らしたぜ
    サイドストーリー【 僧侶 】
    時間についての説明をアップ >>639
10/7 スペース&ドットが再び全角で表示されるようになったぜ!! いえい←
10/8 サブサブタイトル変更。字数制限の影響でサブタイトルは省きましたorz
10/30 >>3 メイン登場人物に編集しました。ネタバレはなし。
   &過去の自分の超絶関係ない話を削除。返信数にずれが生じていますがあしからず。
11/4 >>676 『未世界』の説明を掲載。
11/7 四人の超綿密設定掲載。初3000字越え。
12/8 漆千音&十露盤さんのお父上HPB。改名してから一周年。
   「・・・」→「…」に変更。未だ時々間違える。
12/9 レヴェリーさん初コメありがたや((←
12/16 重要なお知らせ掲載。詳しくは >>707 へ。

 2013
1/14 移転開始ー。ようやく編集終わった。
1/24 >>727 ⅩⅤ章登場人物紹介チェルスのみ編集。
1/25 >>590 ようやくサイストⅢの編集。マイレナの代わりにアーヴェイを関わらせてみた。
4/3  (映像)への移転終了! 今後の更新はあちらになります。(お知らせ参照)




 今までありがとうございました!
 今後もよろしくお願いいたします。

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Re:   ドラゴンクエストⅨ 星空の守り人 ( No.538 )
日時: 2012/08/15 19:51
名前: 漆千音 ◆1OlDeM14xY (ID: bkovp2sD)

 マイレナの表情がようやく、当初のものとなる。
『ごめ。話戻すか。・・・んとね・・・とりあえず、落ち着いて聞きなよ。
・・・マルヴィナが天使界から落ちた時、嫌な波動が襲ってきたっしょ』
 マイレナは一度ふっと天を仰ぐと、そのまま唇をほぼ動かさずに、早口に言った。

『・・・あれを放った者と、霊を甦らせている者は、同一人物だよ』



 雷が身体を走ったようだった。目は見開き、足はすくむ。
「・・・・・・・・・・・・ぅ」
 嘘だろ——思わず、言いかけた。もちろんこの状況で嘘をつかれたはずがないということは、分かっている。
だが、そう言いたくなるほどに、衝撃的過ぎたのだ。
 もう、何年前になる? ・・・天使たちの笑顔が、喜びが、ただその一撃で砕かれたあの瞬間。
あれで、どれだけの天使たちが行方不明になったのだろう——

「・・・・・・・・・・・・?」

 ふと、とある疑問が頭をかすめた。
だが、マイレナは、そのまま話を続ける。
『・・・正体は、今は知っちゃいけない。だけど——いつか知ることになる。
ただ、これだけは言っておくよ。・・・そいつは、マルヴィナに、深く関係している』
「なっ!!?」驚いてばかりだ。「わたしに・・・? どういう事なんだ、わたしに関係するって、一体何なんだよ」
『それは』マイレナは一度言葉を切る。
『ウチが言ったら、とんでもないことになる。・・・それは、自分で探り、自分で見つけること。
人から聞いたことは信じられなくなるところがある。でも。自分で見つけたことは、どんなに信じがたくても、
それが真実だってことで、信じなければならないからね』
 マイレナの少し難しい話に、マルヴィナは少なからず驚いた。そして、思う——この人は、本当に賢者なんだと。
『まぁ、まずは天の箱舟に戻りな。果実は、そろったんだからさ』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・。本当に、分かるのか? いつか・・・それは近いのか?」
『わかるよ。遠いか近いかは・・・あんた次第かな』
 そういうなり、マイレナは少し消えかかる。・・・だが、彼女は。完全に消える前に——こういった。


『それに、どうせ戻れないから』——マルヴィナには、聞こえない声で。











 翌朝——
マルヴィナはセントシュタイン城に赴き、リッカと久々に会話した。もしかしたら、もう会えなくなるかもしれない。
だが、長居はかえって、辛さを仰いだ。マルヴィナは耐え切れなくなって、昼前には宿を出た。
「また来てね」——リッカの、何も知らない屈託のない笑顔を、少し寂しそうに受け止めながら。



 そしてその昼——アユルダーマ島、ダーマ神殿西、草花の生い茂る草原の中、
蒼い木の前——        (漆千音: なんで『青息』って出るんだ!!)
「シェナ、いいね。逃がさんぞ」
「・・・・・・・・・・・・・・」
 天使界へ[戻る]ことを、シェナは前回と同様に渋っていた。だが、マルヴィナの必死の説得で、
観念したのかどうにかここに立つまでに持ち込んだのだ。
「・・・で。結局、どーやって呼び戻すんだ?」
 いつかサンディは言っていた——箱舟が今蒼い木の所にないから果実は箱舟の中には入れられない。
じゃあどうやって帰るんだよ!! とセリアスが言ったところ、マルヴィナが「当てがある」と言い出したのだ。
前回まで、そんなことは言わなかったのに。
「で、何でマルヴィナが知っているんだ?」
 キルガの悪気ないぽつりとした意見に、
「あー・・・なんでだろうね? ウン」
 マルヴィナが何とも曖昧に答え、
「いやウンじゃないぞ」
 セリアスが手を上下にひらひら振ってツッコミを入れる。
そうこうしているうちに、マルヴィナは木の前に立ち、その堂々たる幹に手を触れさせる。
 マルヴィナが目を閉じる。途端、葉の蒼が、マルヴィナを包み込む! 
ない風に吹かれて、マルヴィナの髪が踊る。目を見張る三人と、黙ってそれを見るサンディの前で、
マルヴィナは唇を動かさず、厳かに言った——
「・・・神の創りし天空の舟よ。女神の力宿せし聖なる樹木の前に、今姿を現せ——」
 遠くから、甲高い汽笛の音が鳴り響く。キルガが、セリアスが、はっとする。黄金色の曲線を引きながら、
それは次第に姿を現した。
 女神の果実同様、優雅な金色を携えた、天の箱舟、まさにそれであった——・・・。

Re:   ドラゴンクエストⅨ 星空の守り人 ( No.539 )
日時: 2012/08/22 21:40
名前: 漆千音 ◆1OlDeM14xY (ID: bkovp2sD)

「あ、あの、“黒羽”様」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 ルィシアはもう、答えない。ただ、立ち去ろうとしていたかの学院を、もう一度見る。
そして、目を細める。気のせいか。・・・気のせいだろう。
・・・だが、それならば、なぜこんなことを思った?

 ・・・確かに、ふと感じた。懐かしい気配、幼き頃に失った感覚。

 歳の離れた、姉の気配が。

 自分とは違って、短髪を好んでいた。
 僧侶を志して、ある有名な僧侶団に入っていた。
 たったひとり、仲間を作り、ともに戦っていた。
 その名はいつしか有名になり、旅人なら誰もが知る称号を手にした。
 そして、最後には、賢者となった——その名は、マイレナ。


 だが——
ルィシアはふっと自嘲気味に笑った。
だからなんだと言う。もう、関係ない。
・・・そもそも、それは、[三百年前]の話。もう、ここにいるはずがないではないか。

 ルィシアは自分自身に目を落とし——そして、そのまま、学院を後にする。










 黒珈琲の髪を、青紫色の天鵞絨の外套の頭布ですっぽり覆ったその娘—以前、マルヴィナたちが、
カラコタ橋のキャプテン・メダルのテント前で会った女性だ—は、そっと溜め息をついた。
結局、ここへ戻ってきてしまった。森の奥に隠された泉、初めてあの人を見つけた、この場所に。
行ける範囲は、もう行きつくしてしまったように思えた。それでも、あの人は、一向に見つからない。
(・・・戻りたい)
 娘は、思った。
(戻りたい。・・・けれど、置いてきてしまった。・・・どうして、隠してしまったの。
・・・戻りたい。もう一度、わたしに夢を見させて——・・・)
 娘は、泉に足をおろした。
波紋は、もう広がらない。







「さてマルちゃん。もう一回聞こうか」
「だから分かんないって! てかマルちゃん言うな! 変態か!」
「何故それで変態になる!? 基準を述べよ!」
「セリアスが言うからだ!」
「それだけ!!?」
「マルヴィナ」
 果実を二個持ったマルヴィナと果実を二個持ったセリアスが単純かつくだらない議論をしていたときに、
果実を二個持ったキルガが珍しくその話に割り込んだ。
彼が人の話の間を割るということは、相当重要な話があるという事であり、またこの時にヘタに無視すると
あとから恐ろしいことになるのは、長い付き合いの二人は既に知っていた。・・・恐ろしいの中身はあえて伏せるが。
 ともかく、そのまま彼らはあっさり、若干作り笑いを浮かべんばかりの表情で、キルガに話の主導権を譲る。
「マルヴィナは、あの木のことを・・・“女神の力宿せし聖なる樹木”と言った。・・・あの時・・・
前回、天使界に戻った時、聞こえたあの“声”が、木に力を宿しただろ。・・・ってことは」
「女神だった、ってこと?」訊いたのは果実を一個持ったシェナだ。何のことか知らないながらも、そう尋ねた。
 キルガは頷く。
「・・・予想だけれどね。でも、そうだとすると・・・波動は天使界を襲ったが、女神さまは無事だということになる。
・・・望みはありそうだ」
「キルガの予想は大体当たるからな! マルヴィナよりはましだ」
 先ほどのお返しのように、セリアスはあっさりと言う。
「ちょっと待てそれどーいう意味だ?」
「だってマルヴィナが百発百中当たるのはヤーな予感だろがっ。別に求めてないことをパンパかパンパか当ておって、
占い師かアンタはっ」
「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」
 マルヴィナばかりでなく、キルガやシェナにまで黙りこくられて、セリアスは「ふぇ?」と問い返す。
「ちょま、何で最近俺がしゃべると毎回シラケる?」
「・・・・今、反論材料をそろえていてな・・・文章を組立て中だ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「なぁセリアス。——この話題、止めにしないか?」
「・・・そうしましょう」
 ダメだこりゃ、と呆れたのは運転中サンディ。
「・・・えと、ところでさ。・・・さっきから思っていたんだけれど」
 果実を二個持ったマルヴィナが、言った。
「・・・なんでわたしら、果実もったまま話しているんだろ?」
「え、や、なんとなく」
「降ろしていい雰囲気じゃなかった」
「・・・三両目に置いておくか。天使界まで遠いし、重いし」
 果実を七つ集めたことで、心なしか一つ一つが重くなったような気がした。
マルヴィナは最大で四つ、自分のフードの中に入れていたことがあったが、今そんな行動をすると
間違いなくマルヴィナは首を絞められるか、そのまま後ろに倒れるかのどちらかになる。
けれど試しに、七つ持ってみるとどれくらいの重さになるのかなんとなく知りたくて、
マルヴィナは自分が持っていくと言い出した。手伝おうか、とも言われたが、考え事をしたいんだと言うと、
そのなんとなく思いつめた様子を感じ取った彼らは黙ってマルヴィナひとりに任せてくれた。ただし、
まずいと思ったら遠慮なく呼べよ、という言葉は忘れずにマルヴィナへ送ったけれども。

Re:   ドラゴンクエストⅨ 星空の守り人 ( No.540 )
日時: 2012/08/16 00:02
名前: 漆千音 ◆1OlDeM14xY (ID: bkovp2sD)

 一両目に残された三人は、それぞれ席に座り、思い思いの行動をし始めた。
キルガは棚にあった歴史書を読み、セリアスは簡単な筋力トレーニングを始めた。
シェナは、運転するサンディのご機嫌な鼻歌を聞きながら、
ひとり、先ほどのマルヴィナ以上に思いつめた表情で考え込んでいた。
(・・・ばか。なんで、ついてきたの)
 自分自身に、嫌気がさしながら。
(・・・どうする気なの。今更、言うの? そんなこと、できるはずがない)
 シェナは自分が、小さく震えていることに気が付かなかった。
(・・・これから、どうしよう・・・もし、いられなくなったら・・・どうすれば、いいんだろう・・・っ)
 心のどこかで。彼女は、このまま箱舟が、どこにも着かなければ良いのに、そう考えていた——・・・。








 果実のあまりの重さにあっちらこっちらよろけつつも、マルヴィナは三両目の扉の前に立った。
開けようとして——止まる。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 そして、黙り込んだ。・・・考え込むことが、多すぎて。

 第一に、“蒼穹嚆矢”チェルス、記憶の先祖。自分を創り上げたもの。
自分は、創造神グランゼニスが生み出したものではない——
 では、そのチェルスというのは何者なのか? 天使を一人創り上げるだけの力を持つ——その、チェルスという者は。

 第二に、マイレナ。暗闇でよくは見えなかった、だが、彼女は、どことなくルィシアに似ていた。
邪心のない、ルィシア。どこか、共通するものがあった。・・・まさか、子孫?

 第三に——昨夜、マイレナとの会話の途中に感じた疑問。
 地上に落ちた、天使たち。随分長いこと旅をして、おそらく世界の大半はすでに回ったであろう。
だが——天使の姿を、誰一人として見なかったのである。
天使界に戻った時、天使の姿は見えた。だから、見えなくなったわけではない。本当に、見なかったのだ。
落ちたのはマルヴィナ、キルガ、セリアスだけではない。他、地上へ、いなくなった天使たちを探しに
師匠たち——イザヤールや、ローシャや、テリガンといった上級天使たちも
天使界を離れて地上に降り立っているはずなのだ。・・・何故、誰にも会わなかった?

 第四に——シェナだ。
何故彼女は、天使界へ行くことを拒んでいるのだろう。
自分を、[昔翼を失い地上に落ちた元天使]と称す彼女の噂を、マルヴィナたちは聞いたことがない。
天使たちによって、隠されているのか? おそらく同い年の彼女を、マルヴィナたちは知らなかっただけなのか?

 そして、第五に——女神の果実。
七つ集めきった。これで、天使たちは神の国へ戻ることができる。それを昨日は喜んだ。
だが、ふと思い出した——カルバドの草原で思ったこと。
・・・翼も光輪もない自分たちは、果たしてどうなるのかと。
それに、地上に、ガナンや、謎の者—“未世界”から霊を蘇らせられる者—を残して、
このまま行ってしまっていいのだろうか。

 ・・・すっきりしなかった。分からないことが、多すぎた。早く戻りたい、戻って、皆の喜ぶ顔が見たいと考えつつも、
どこかで、このまま天使界へ行ってしまっていいのだろうかというもやもやとした思いが渦巻いていた。





 そんなことを考えていたからか。マルヴィナは、気が付かなかった。
自分の後ろで、淡い光の渦が生じていることに。
それでも、しばらくして振り返ったのは、懐かしい声が聞こえた気がしたから。
真っ直ぐ自分に、「久しいな、マルヴィナ」と言われたからだ。
しびれかけた腕を気にせず、マルヴィナは勢いよく振り返り、そこに立っていた姿を見て——
マルヴィナは、その瞬間、思考を停止させた。


 なぜなら、その人は。












「・・・・・・・・・・え・・・っ・・・・・・・・・・・・イザヤール、さまっ・・・・・!?」
























 それは、何年振りかにあった、自分の師匠だったのだ。

















            【 ⅩⅠ 予感 】  ——完。     

Re:   ドラゴンクエストⅨ 星空の守り人 ( No.541 )
日時: 2012/08/16 00:40
名前: 漆千音 ◆1OlDeM14xY (ID: bkovp2sD)

      【 星空の守り人 補助説明部屋  ⅩⅠ 】


マルヴィナ(以下マ)「オイちょっと待てこのコーナー打ち切りになったんじゃなかったのか!?」
キルガ(以下キ)「なっていないよ、前回はただの休みだ」
セリアス(以下セ)「結局どっかで書くかもとか言っておきながら書いてねーしな」
シェナ(以下シ)「まずそんなスペースもないしね。多分一生書かないんじゃないかしら?」
マ「適当すぎる」
キ「まぁ、作者だからな」
漆千音(以下漆)「どーいう意味?」
セ「なんか来た——!!」
シ「・・・もうツッコむ気も失せたわ」





マ「さて。・・・なんかまたややこしいことになっているが」
漆「いやぁ今回のマイレナの話は割とシンプルっしょ?」
キ「それは今までのがややこしすぎたからじゃないのか?」
漆「んー、まだまだ設定でてくるよ」
シ「あのねぇ。その前になんでこんなややこしい設定とか作ったのよ?」
セ「それで俺らがみょーなコーナーに駆り出されてんだしな・・・」
漆「んー、それなんだけれど。最初このゲームやっていたとき、『あーなんかこことここ妙だなー、
  これどうやって小説にしようかなー』、って考えているうちに、あぁじゃあ一つ世界作っちまって
  そこではこういう事もこういう事もありにしちゃえばいいじゃん、って思ったのが始まりで」
マ「ちょっとまて。こーゆーだのあーゆーだの多すぎて何のこと話しているのかが分からん!」
漆「だってネタバレだもん」
キ「ここに来てくださっている人皆この話知っているんだろ?」
漆「それでもネタバレはネタバレだ」
セ「こだわるな。なんか格好良いぞ作者」
シ「セリアスが騙されかけています。どなたか殴って気絶させなさい」
漆「一番効き目があるのはシェナチョップだと思います」
シ「・・・ターゲット変更。作者を黙らせなさい。えい」
漆「ほぎゃーーー」
マ「自分でやった!!」
キ「・・・作者生きているか?」
漆「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
セ「えーと、『返事がない。ただの屍のようだ。』」
漆「何故その有名な言葉をお前が知っている!!?」
シ「『生き返った。ただの作者のようだ。』」




漆「えと、話を戻しまして。で、その世界——まぁ、“未世界”だな。これを作った時、なんかこれだけじゃ
  あと後の展開のためだけに作ったみたいでつまらなかったから、マルヴィナたちを関わらせてみたんだわ。
  そしたらなんか設定ややこしくなっちゃって。てへぺろ」
セ「てへぺろじゃねぇ!!」
キ「・・・今、[たち]って言ったか?」
漆「げっ」
シ「え、何? マルヴィナだけじゃないの?」
マ「へっ?」
漆「・・・てへぺろ」
セ「ちょっと黙れ」
漆「どやっ」
セ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
シ「『壊れた。ただの作者のようだ。』」
マ「シェナそれ気に入ったね?」
シ「うん」
キ「これ以上は聞き出せそうにないな。・・・次行こう」




シ「さてさてぇ、キルガに新たな敵登場☆」
キ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何故その話になった」
セ「ちょっと待てモザイオ? ・・・とりあえずそれは阻止するぞ」
マ「?」
シ「結局剣が強い人にときめいちゃったのは反対側だったのねぇ・・・ふふ」
マ「何? モザイオって槍も強かったのか?」
キ・セ・シ「「「は?」」」
マ「え、だって新たな敵なんだろ?」
シ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん。まぁ、そう思っていなさいな」
マ「?」
キ「・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ」
セ「いつからそんなにピュアになった、キルガ」








マ「・・・今日はこんなものかな?」
キ「多分・・・なぁセリアス、そこにあるメモ、念のために見てくれないか」
セ「ん? これ? ・・・えーと・・・? 『記念、中編Ⅰ終了! この後本来ⅩⅠの5.にする予定だったのを
  断章に変更して、それを挟んで遂に中編Ⅱへ突入します! 皆様ありがとう! by作者』」
シ「・・・自分で言えばいいのに」
マ「そういうやつだ。・・・断章・・・何が起こるんだろ。・・・何でかなぁ・・・
  なんか、嫌な予感がするんだよな」
セ「おい、箱舟乗ってる時くらいいやーな予感は休んでくれぇ」
マ「と言われても。・・・まぁ、今回はこれで終わりです」











漆「はいおつかれー。・・・って、なんか今回あんたらあんまり働いていないよね?」
マ「作者自分で喋らせたからな」
漆「・・・・・。あ」
キ「多分今回説明の殆どを任せたと」
漆「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・しまった((汗」
マ「というわけでこのコーナーは次回から——」
漆「終わりません今後ともごひーきに☆」
シ「『話している。ただの作者のようだ。』」
セ「シェナ、それもういい・・・」







              続きますよ。どや。

Re:   ドラゴンクエストⅨ 星空の守り人 ( No.542 )
日時: 2012/08/16 16:58
名前: 漆千音 ◆1OlDeM14xY (ID: bkovp2sD)

        【 断章Ⅱ 】




 ——空へ昇る天の箱舟。
 静かな空気の中に張りつめた、緊迫感。

 マルヴィナは——いきなり現れた、懐かしい師匠に、・・・絶句、していた。
懐かしさに喜びはしない。会いたかったと涙しない。ただ、硬直し、時を止めていた。

「・・・しばらく見ないうちに、変わったようだな。どこか、大人びた」
「・・・イザヤールさまは、お変わりなく」
 久しぶりなのに、久しぶりに会えた大切な師匠なのに。・・・何故か、人見知りを覚える。
話す言葉を、いちいち選んでしまう。何故。彼に物事を学んできた年月は、
会えなくなってからの年月よりはるかに長いはずなのに。——違う。時の問題じゃない。
嬉しくないわけじゃない。会いたくなかったわけじゃない。むしろ、望んでいたのに。じゃあ、何で——・・・。
「・・・世界に散らばった果実を集めていたのはお前だったな、マルヴィナよ」
 マルヴィナは驚いて、肯定した。
・・・自分に翼と光輪がないことについては、何も言わないのか。それは気づかってのことなのか、それとも——
「・・・それなら、果実は私が天使界に届けよう。渡してくれないか」
 遂にマルヴィナの肩が、ぎくり、とした。・・・普段なら。三年前なら—(あぁ、もうそろそろ三年なのか!)—、
ためらいなく差し出していただろう。・・・けれど、今日は。どこかで、彼を警戒していた。
何故か。何故か、彼が——マルヴィナには、恐ろしく見えたのだ。
 だが——マルヴィナは天使だ。天使であり、彼の弟子なのだ。これだけは忘れない。天使界の理_ことわり_。
 天使は、上位の者に、逆らってはいけない。
渡せと言われた時点で——マルヴィナに拒否権はないのだ。

 ・・・マルヴィナは、女神の果実を持つ腕に力を込めた。あんなに重かったはずなのに、不思議ともうその重みを感じない。
腕が痺れたから? ・・・それとも、・・・・・・・・・・。
頭を垂れるというよりは、顔を伏せて、マルヴィナはひざまずき、果実を差し出した。
七つの輝きに、彼は、心なしか表情を緩めたが、その顔を見ていないマルヴィナは気づかない。
「・・・さすがだな。見習いを終えたばかりのお前だったら、想像もつかなかった——」
 果実を受け取るために。腕を、少し上げる——
「——————————これで」









 刹那、マルヴィナの背筋を、凄まじいほどの邪悪な気配が走った。
目をいっぱいに見開き、唇を震わせる。ひゅっと、喉が鳴った。

 “ ——ご苦労だったなイザヤールよ—— ”

 耳元で囁かれたような、雷のように低く、けたたましい声、
厳かなようであって笑っているような口調が怖気を呼び起こす。

 “ ——約束通り、果実を我が帝国へ届けるがよい—— ”

 はっ・・・と、彼は答えた。その手が果実に触れた——その手前、マルヴィナは咄嗟に手を引いた。
はずみで、果実がどさどさっ、と床に落ち、箱舟の金色と混ざり合って変わりなく輝いた。
 だが、マルヴィナは。
「・・・・・・・・ぅ・・・嘘っ・・・・・・・ま、さかっ・・・・・・・!」
 見る見るうちに蒼白となってゆくマルヴィナの顔色を見て、彼は、イザヤールは・・・感情の読み取れない白い目で、
そのまま果実に目を落とした。
マルヴィナは、この三百足らず生きてきた中で、かつてないほどに自分が震えていることに気が付いた。
逆らってしまったこと? 違う、それよりも。今流れ込んできた、『帝国』の名は———!!
「ま・・・まさか、冗談、です、よね・・・・・?」
 後退り、固まった表情は、恐怖でかえって唇の端を持ちあがらせている。何言っているんですか、
そんな感じで笑い飛ばす顔を作りたくても、恐怖感が数倍も勝って、こんな表情しかできない。
・・・マルヴィナのかすかな希望を砕くように、彼は、冷徹に言い放つ——

「私に逆らう気か、マルヴィナ」

 と。



 マルヴィナの表情が歪む、何もできない。下がり続けた足が、遂に三両目への扉にかかった。
・・・それでも、もうどこも動かせなかった。どんなことがあっても、どんな理由があっても、
マルヴィナには、イザヤールに剣を向けることはできなかった。・・・たとえ、相手に向けられていようとも。






 容赦は、なかった。

 無防備も同然のマルヴィナは、彼の剣の前に、ゆっくりと頽れる。
傷は一つしかなかった、だが、その痛みは全身を駆け巡り、マルヴィナの動きをすべて封じ込めてしまう。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 イザヤールは何かを言いかけ——だが、結局口をつぐんだ。
果実が彼の手に移る、マルヴィナはただそれを見ることしかできない、
それでも、それでも、身体の底からあふれる感情、抑えられない思いが喉をとおり、そして———







「うっ・・・・・・ああああああああああああああああああッ!!!」








 そして、限りの、悲痛と、苦悶の叫びをあげる——・・・・・。


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