二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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【二次創作】泡沫【短編集】(リクエスト募集)
日時: 2013/04/28 20:26
名前: 雲雀 (ID: Ma3wYmlW)

 ご訪問ありがとうございます。
初めまして、雲雀といいます。
ここでは作者の嗜好を中心に、二次小説を書かせていただきます。

 同人や乙女ゲームに免疫のない方および苦手な方はご遠慮ください。
また年齢制限があるようなものはカキコのルール上、認められていないので書きません。
18歳未満の方も安心して読んでください。作者自身も18歳未満です。というか、そもそも書けません。

 作者の文章能力は他の人と比較して著しく欠落しています。
作品のイメージが損なわれる場合も御座いますので、そのあたりのことは自分で判断してくだい。
たまに創作物やオトメイト作品以外の物も書いたりします。

 以上のことをご理解の上でご覧ください。楽しんでいただければ、幸いです。


■取り扱い

【オトメイト】

◇緋色の欠片 ◆薄桜鬼 ◇夏空のモノローグ ◆ワンドオブフォーチュン ◇二世の契り
◆翡翠の雫 ◇蒼黒の楔 ◆ヒイロノカケラ ◇神なる君と ◆AMNESIA 
◇猛獣使いと王子様 ◆華鬼 ◇DIABOLIK LOVERS -ディアボリックラヴァーズ-

【ジャンプ】

◇家庭教師ヒットマンREBОRN! ◆D.Gray-man ◇黒子のバスケ
◆magico ◇テガミバチ ◆めだかボックス

【Gファンタジー】

◇君と僕。 ◆Pandora Hearts ◇黒執事 
◆デュラララ!! ◇キューティクル探偵因幡  

【LaLa】

◇夏目友人帳 ◆ヴァンパイア騎士 ◇狼陛下の花嫁
◆おいらんガール ◇サクラの秘事

【その他】

◇ボーカロイド ◆靴下にゃんこ ◇Sentimental Circus 
◆FINAL FANTASY ◇THE LAST STORY ◆イナズマイレブン 
◇カゲロウプロジェクト ◆終焉ノ栞プロジェクト ◇創作物


■お客様

◇マッカナポスト ◆亜瑠都様 ◇ツン萌え ◆蟻様 ◇亜鶴様 ◆カノン様 ◇素海龍様 ◆苗字様


■いちまんきかく

 10000hit Thanks >>208

◇素海龍様 家庭教師ヒットマンリボーン/ヴァリアー 【くるくるまわる/ヴァリアー】 >>211
◆苗字様 夏目友人帳

 参照が10000を超えたので、そのお礼です。
 忘れ去られているとは思いますが、かならず書きます。


■更新履歴

<緋色の欠片>

【その声に。/祐一×珠紀】 >>1 
【二人の彼】 >>34  【触れた指先/祐一×珠紀】 >>73
【記憶に残る花はあまりにも鮮やかで/真弘×珠紀】 >>81(一部) >>82(二部)
【想うことが罪だとしても/ゲントウカ×玉依姫】 >>146   【記憶の果て/祐一×珠紀】 >>158

【守りたい人/慎司×珠紀】

ACT1【分かたれた結末を想う。】 >>180
ACT2【独白】 >>181
ACT3【夕暮れに消える。】 >>187
ACT4【愛してるに耳を塞ぐ。】 >>201
ACT5【木漏れ日の記憶。】 >>203

<蒼黒の楔>

【花火】 >>13  【傍に、と消える声/拓磨×珠紀】 >>46  【花ノ香ノ/拓磨の頁】 >>70
【刹那ノ蒼/祐一の頁】 >>71  【羽休メノ刻/真弘の頁】 >>79  【褪メユク残香/卓の頁】 >>90
【春ノ呼声/慎司の頁】 >>102  【灰色ノ空/遼の頁】 >>153

<ヒイロノカケラ>

【あなたしか見えない/怜×沙弥】 >>39

<薄桜鬼>

【永久の軌跡/総司×千鶴】 >>6  【巡りゆく桜の記憶/総司×千鶴】 >>111

<ワンドオブフォーチュン>

【今日の永遠/エスト×ルル】 >>47

<夏空のモノローグ>

【いつかが終わるその日まで/葵&陽&涼太】 >>60  【気づいてしまった。/涼太×葵】 >>68

<神なる君と>

【それはもう過去のこと。/鳴海×咲耶】 >>67

<DIABOLIK LOVERS -ディアボリックラヴァーズ->

【堕ちる瞬間】 >>156

<家庭教師ヒットマンREBОRN!>

【雲雀家四人兄弟/アラウディ&風(大人ver)&雲雀恭弥(10年後)&雲雀恭弥(10年前)】 >>9
【好きを憧れで捩じ伏せる。/ベルフェゴール&フラン】 >>186
【くるくるまわる。/ヴァリアー】 >>211

<黒子のバスケ>

【甘いお菓子には変わらない/黒子&木吉】 >>59

<めだかボックス>

【気まぐれな世界の終わり/善吉&禊】 >>177

<君と僕。>

【その言葉に救われる。/悠太&祐希】 >>57  【17回目のハロウィン/悠太&祐希&要&春】 >>61
【桜日和/浅羽story&塚原story&松岡story】 >>152

<Pandora Hearts>

【終わりに重ねる掌】 >>131

<キューティクル探偵因幡>

【その声をどうか。/圭&遥】 >>27  【はじめまして、と笑う。/圭&遥】 >>213

<蛍火の杜へ>

【いつまでも。/ギン×蛍】 >>147

<ヴァンパイア騎士>

【ただあなたの幸せを。/零×優姫】 >>105  【黒ノ独白/零×優姫】 >>121  【二度と帰れない場所/零×優姫】 >>126
【面影−オモカゲ−/枢×優姫】 >>136  【虚像/枢×優姫】 >>160

<FINAL FANTASY>

【架かる虹の麓へ】 >>124

<カゲロウプロジェクト>

【あの日、いつか。/シンタローとコノハ】 >>199  【この世界に、今。/シンタローとコノハ】 >>200
【それでも、世界。/クロハ】 >>209  【伝えたいことがある。/シンタロー】 >>214
【延命プレリュード/シンタローとコノハ】 >>220【深海シンフォニー/シンタローとクロハ】 >>221
【さよならにキスをする。/シンタローとアヤノ】 >>222  【Please tell me my thought/シンタローとカノ】 >>224

◇しりーず

シンタローとコノハとクロハと遥が兄弟な話。

【朝に見る。】 >>223

<終焉ノ栞プロジェクト>

◇しりーず

【0と1のラブレター/A弥】 >>225  【届くことのないさよならを/C太】 >>226  
【君が0になる前に/A弥】 >>231

<ボーカロイド>

【ロミオとシンデレラ/初音ミク】 >>2  【五月雨恋歌/初音ミク】 >>3  【秋風恋歌/巡音ルカ】 >>5 >>52
【暗い森のサーカス/初音ミク&鏡音リン&鏡音レン】 >>7
【人柱アリス/初音ミク&鏡音リン&鏡音レン&KAITО&MEIKО】 >>8  【月光と黒/KAITО】>>10 
【鬼と娘/KAITО】 >>14  【大和撫子、咲き誇れ/初音ミク】 >>15  【夢の浮橋/巡音ルカ】 >>35
【からくりピエロ/初音ミク】>>45  【Trick and Treat/鏡音リン&鏡音レン】 >>62
【つきうさぎ/初音ミク】 >>63  【夢と葉桜/初音ミク】 >>125  【会いたい−Dear My Friend−/GUMI】 >>139
【右肩の蝶/鏡音リン&鏡音レン】 >>163  【背徳の記憶〜The Lost Memory〜/鏡音レン&KAITO&神威がくぽ】 >>164

<Sentimental Circus>

【いつかの温もり】 >>50  【幸福論】 >>166

<創作>

【微睡み/Short Story】 >>4  【譬えばそれを。】 >>18  【境界線】 >>38
【さよならの記憶】 >>42  【二度はないから】 >>51  【切ない優しさ】 >>53
【思慕/Short Story】 >>56  【一番星に消える】 >>58
【Disappearance】 >>64  【懺悔と後悔】 >>65  【謝罪と切望】 >>66  【夢物語—ユメモノガタリ—】 >>69
【瞬間センチメンタル】 >>72  【光と闇の狂想曲】 >>78  【螺旋の渇望】 >>80
【思慕の狂想曲—シボノラプソディー—】 >>140  【月下で踊る白うさぎ】 >>142
【鮮やかな黒と無色彩の真紅−Deal of black and crimson−】 >>144
【永遠の物語−Eternal story−】 >>145  【永遠の空白】 >>157  【瞬間/Short Story】 >>162
【薄紫の手紙】 >>171  【color】 >>191  【慟哭】 >>196
【アスタリスク】 >>202

<そーさく。>

【出鱈目セレクション】 >>204  【感情制御。】 >>207  【この思いが届くなら。】 >>210


■もう戻れないあの日々を、どうか。

01/あなたの傍にいられるだけで幸せ 【この思いが届くなら。】 >>210
02/口づけだけで満たされる想い 【二度と帰れない場所/零×優姫】 >>126
03/幸せになろうね 【記憶に残る花はあまりにも鮮やかで/真弘×珠紀】 >>81(一部) >>82(二部)
04/どうかあなただけはそのままで 【ただあなたの幸せを。/零×優姫】 >>105
05/あなたと過ごした日々 【いつまでも。/ギン×蛍】 >>147
06/触れ合った指先のぬくもり 【気づいてしまった。/涼太×葵】 >>68
07/追憶 【それはもう過去のこと。/鳴海×咲耶】 >>67
08/傍にいて 【その言葉に救われる。/悠太&祐希】 >>57
09/大切すぎて 【触れた指先/祐一×珠紀】 >>73
10/ずっと傍にいたから 【譬えばそれを。】 >>18

■求めたものが、あまりにも儚い存在だと知る願い

01/この瞬間が 【瞬間/Short Story】 >>162
02/今だけは 【二度はないから】 >>51
03/人というぬくもりに 【感情制御。】 >>207
04/君に会えるなら 【伝えたいことがある。】 >>214
05/静かに眠る夜 【いつかの温もり】 >>50
06/心地いい君と 【深海シンフォニー】 >>221
07/ごめんね 【謝罪と切望】 >>66
08/触れていたぬくもりが
09/痛みを抉る 【切ない優しさ】 >>53
10/もしも願いが叶うなら

■君におくる。

01/君が好きでくるしい。 >>215
02/君が嫌いすぎてわらえる。 >>216
03/君が幸せならそれでいい。 >>217
04/君が許せなくてつらい。 >>218
05/君がいてくれてうれしい。 >>219

 自分で勝手につくりました。
 途中からお話の中にいれるのを忘れてたので、まとめて書いておきました。興味があればどうそ。 

 もう戻れないあの日々を、どうか。 >>212

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Re: 【二次創作】泡沫【短編集】 ( No.153 )
日時: 2012/04/16 18:19
名前: 雲雀 (ID: Rk/dP/2H)
参照: ■蒼黒の楔 緋色の欠片3 明日への扉 PSP 発売決定記念

【灰色ノ空/遼の頁】



「なんだかんだ言っても、遼って結局やってくれるんだよね」



くすくすと笑いながら、遼の日記に目を通す。
照れ隠しなのか、冒頭の文には交換日記に対する不満が書かれていた。
私に頼まれたから仕方なく、ということもしっかりと書かれている。
こういうこと書く自分も子供っぽくない?
交換日記を【ガキくさい】と評した彼への批評を加えつつ、続き続きと珠紀は文字を目で追った。



「だから私はものじゃないって……」



なんの牽制のつもりなのか、遼はいつも珠紀を「俺のモノ」と言う。
そのあからさまな好意に気づかない珠紀の鈍感さ加減にもうんざりなのだが、それも彼女の魅力なのだろう。
きっと淋しがり屋なんだな、と勝手に納得し、もっとみんなと過ごす時間を増やしてあげようと心の中で決めた。
そして次の文章を頭に入れた瞬間、珠紀は自信の口をポカンと開けたままになった。


【飯食って、寝る】


素晴らしい生活サイクルですねとしか言いようのない彼の日常。
でも驚いたのはその先でもある。


【たまに受験勉強とかであいつらと集まる時もある】


みんなに対する不満は一切なく、遼がこの言葉を書いた。
そのことが嬉しくて、珠紀はついつい微笑んだ。
不器用な彼。
いつも不満を言いつつも、結局はやってくれる。
結論的に言えば、いい人なんだと思う。



「ケテルさんにもちゃんとまわしてくれたみたいだし……大学に行っても、大丈夫そうだな」



こみあげてくる嬉しさを抑えつつ、
これから始まる新しい生活に、珠紀は胸を弾ませた。









■後書き

交換日記の方は久しぶりの更新になります。
長らくお待たせしてしまって、申し訳ありません。

Re: 【二次創作】泡沫【短編集】 ( No.154 )
日時: 2012/04/18 14:19
名前: 亜鶴 (ID: Nco2fuPq)

こんにちは。。。
今日は学校が四時間で終わったので...早く帰って来られました(笑)
今回はなるべく早く返信する亜鶴でございます。
いえいえ、雲雀さんは謝らなくてもいいです!
きっとお忙しいのでしょう!


貯金!!偉いですね。
私、最近はすぐお金を使ってしまうので…
全然貯まりません(´ヘ`;)とほほ・・

そんなことはありませんよ!
雲雀さん、話作るのお上手なので、絵は見たことないですが…美術部ということなので、きっとお上手なのでしょう^^
私の絵や小説は腐ってますよ。そして、私自身も———!
有難うございます(*^ワ^*)
ほんとう…雲雀さん、優しい!!


ですねー
灰になって、どこかに消えればいいのに…(笑)
お仲間だ!!ですね。
よかった、仲間がいました!!
お兄さん…凄い!!尊敬しちゃいます。。。
私にも兄がいるんですけどね、兄は私と違って、英語できる人なんですよね…。そんな兄を見ているとイラっときます(笑)



いえいえ、終わりません♪
私の場合…訂正ないと安心できません^^


私も同じ事思ってます。
アニメを馬鹿にするな!ですよね。
そうですね。頑張って、制作している方方に失礼ですね。
最近…「緋色の欠片絵終わったな…」なんていうコメをよく見かけるのですが、制作の方々に失礼だ!!と思いました。
変だって文句言ってたって…じゃあ皆が満足できるようなアニメを貴方は作れるのかって聞きたいぐらいイライラしてます。
アニメ作りって大変なのに、何も分かってない人たちがいます。
すみません、調子にのりました…><

はい、慎司くんは可愛すぎです。
そういえば、三話出てきましたね。
私、しんじ…可愛いー!って叫んでいました。

こんなことではありませんよ。
むしろ聞けて、嬉しいです。
雲雀さんが教えてくれたのなら、私も教えるべきですね。
私も中古で———確か…
拓磨→真弘先輩→祐一先輩→慎司くん→遼→大蛇さんの順番だったと思います。

よかった!私だけ…馬鹿騒ぎしてたら…って思っていました。
これで安心。。。



交換日記のお話読ませて頂きました。
とても良かったです。
次のお話も楽しみに待っています。



では、そろそろ失礼させて頂きます。
長くなり、大変申し訳ありませんでした。。。


Re: 【二次創作】泡沫【短編集】 ( No.155 )
日時: 2012/04/18 22:18
名前: 雲雀 (ID: Rk/dP/2H)

亜鶴様

こんばんは、雲雀です。
学校、お疲れ様でした。
四時間……それは羨ましい。
僕の学校はもう既に五時間、六時間体制です(´・ω・`)
忙しいなんてことはありません。
滅茶苦茶暇人なのにサボってるんです←
亜鶴様の方こそ、お忙しいなか来ていただき、誠にありがとうございます<(_ _)>

亜鶴様の制作したゲームを手に入れる為に、貯金します(´∀`*)
……大丈夫です。
あと一年すれば、バイトが出来る年齢になりますから。
そうすれば、きっと貯まりますよ^^
あと一年、耐えましょう!←

いやいやいやいや、どれも僕に当てはまりません。
全て亜鶴様のことです。
お話を書くのも、絵を描くのもお上手で……もう、諸々僕に才能を分けていただきたい←
腐敗しているのは僕なのでご安心を←
優しくないですよ。
亜鶴様が優しいんです。

同じことを考えてくれている方がいて嬉しいです(*´∀`*)
この件に関しては本気で兄のことを尊敬しています。
あー……兄弟が出来ると「なんでお前は出来ないんだ」みたいなことを親に言われてむかつきますよね。
「知るか」と言いたくなります(笑)

亜鶴様はもっと自分に自信をもっても大丈夫です。
僕は邪気を払うためにちょっと滝に打たれてきます←

やった、お仲間だ!←
アニメ滅べと言った人に対して、寧ろお前が滅べと言いたry
そうですね……制作の方々はお忙しいながらも、ファンの為に頑張っている訳ですからね。
きっと大変な労力だと思います。
たとえ気に入らない部位があったとしても、その頑張り全てを否定するのは、さすがにどうかと思いますね。
大丈夫です。
それだけ亜鶴様が緋色の欠片のことが好きで、優しいお方だということですよ^^

あの可愛さは反則です。
エプロン姿の慎司くんに「どうしたらこの子を弟にもらえるかな……」と本気で考えたくらいです←
誰だって叫ぶはず(´∀`*)

ちゃんとみんなの順番を覚えているだなんて……しかもほとんど登場人物の順番通り。
欲望に負けて祐一先輩に突っ走った自分が恥ずかしい。
もう一度やってきます。

緋色の欠片が好きならきっとみんな騒ぐはず。
慎司くん……これから活躍するといいな。

こんな小説を読んでいただき、ありがとうございます。
良かったなんて……僕の小説には勿体ないお言葉です。
次の話も頑張らせていただきます。

長文でのコメント、ありがとうございました。
すごく嬉しかったです。
またのご来訪、心よりお待ちしております。

Re: 【二次創作】泡沫【短編集】 ( No.156 )
日時: 2012/04/18 23:30
名前: 雲雀 (ID: Rk/dP/2H)
参照: http://www.otomate.jp/dialover/

■この小説は「DIABOLIK LOVERS -ディアボリックラヴァーズ-」のラジオで聴いた台詞をもとに書かれています。
主人公の表記は一切ありません。
相手の方はカナトと表記させていただきます。
完全に作者の想像なので、作品のイメージを崩されたくない方はお控えください。






【堕ちる瞬間】



今日、彼氏と別れた。
と言っても、一方的に振られただけなのだけれど。
私のどこが駄目だったのかな、とか。
考えたところで、今更遅いから。
今はただ、数ヶ月前の記憶を思い出して、溢れてくる涙を拭うことで必死だった。



不意に、部屋のドアが乱暴に開けられる。
こんな開け方をする奴は、一人しかいない。
なんでこんな時に、と思いつつ、泣いているところを見られたくないという思いから、ベッドの中に潜り込んだままでいた。



「はぁ……」



長いため息。
一発で慰めにきたのではないと分かった。
いっそ来なくて良かったのに。
今は出来るだけ一人でいたい。
かけている布団を、更に深く被った。



「おばさんに様子見てこいって言われたから、見に来たけど……振られたんだってな、だっさ」



相変わらず、悪態だらけの言葉。
彼氏が出来てしばらく会ってなかったけど、全く変わっていないようだ。
慰めの「な」の字もない。
おばさんということは、お母さんが頼んだのか。
せめて自分で来てくれればいいのに。
カナトが来るより、そっちの方が数倍良かった。



「お前には、魅力って言うのがないんだよ。昔から。しかも、魅力のみの字もな」



そんなことを言われる筋合いはない。
そう言い返したかったけれど、嗚咽を堪えるのに必死で、言葉が出てこない。
この捻くれた幼馴染が悪態をつけばつくほど、優しかった彼の言葉を思い出して、切ないほどに胸が痛い。
また、涙が溢れた。



「挙句に女子力もないから、女として最低だし、振られるのも当然だよ」



ああ、そうか。
と、心のどこかで納得する。
それじゃあ、彼が嫌いになるのも仕方がない。
もう少し、女らしくすれば良かったかな。と、自嘲めいた笑みがこぼれる。
喧嘩ばかりしていた幼馴染の言葉が自然と受け入れられるなんて、余程弱っているらしい。



「自業自得……」



かすかに、笑う声が聴こえた。
でも、今はそんなことどうでもよかった。
もう一度だけでいいから、彼に会いたい。
そんな私の心を知ってか知らずか、カナトが近づいてくる気配がする。
腕にかかる重圧。



「手間かけさせんな。面倒くせぇ……」



囁くような、声。
ぶっきらぼうなのに、今までにないくらい、優しい声音。
胸が高鳴る。



顔を隠していた布団を強引に引き剥がされ、カナトと目が合う。
彼は少し苛立っているようだった。



「あんな奴と付き合うから、こんな風になるんだよ」



赤く腫れた瞼を見てか、頬に流れる涙を見てか。
そんなことを呟く。
そして、



「最初から、俺のものになっとけば良かったんだ」



艶やかな笑みを浮かべる口元。
その意味に気付くまで、あと数秒。









■後書き

何がしたかったんだろう。
梶さんの声が素敵すぎて、気づいたら書いてました。御免なさい。

Re: 【二次創作】泡沫【短編集】 ( No.157 )
日時: 2012/04/23 20:11
名前: 雲雀 (ID: Rk/dP/2H)

【永遠の空白】



遠すぎるこの距離を埋める言葉が見つからない。
遠ざかっていくあなたの背中に縋り付くことで、この罪がさらに深くなると知っていたから。
追いつけなくなった想いから目を逸らして、自らに罰を与えた。
きっと永遠に叶うことのない、嘘と罪の逃避行。






「だって、」






あなたが泣いていたから。






「サーガはあの人に恋をした」



決して愛してはいけないあの人に。
決して望んではいけないあの人に。
主が愛したあの人に。



「けれど、サーガがあの人を愛したことを主は咎めなかった……」



あなたの笑っている顔が好きだから。
そう、彼女は微笑んだ。



「あの人は……サーガを選んだ」



それでも、彼女は笑っていた。
サーガは嘘を重ねた。
そして、叶うはずだった想いを手放した。
彼女は……泣いていた。



「どうして、と」



大切な人を、泣かせてしまった。
大切な人を、傷つけてしまった。
自分が心をもったばかりに。
自分が彼を想ったばかりに。
大切な、人を、傷つけた。



「サーガは嘘という名の自分に、罰を与えた」



愛した人と、永遠に結ばれることはない。
たとえどれほどの時が経とうとも、たとえ何度生まれ変わっても、叶うことはない。
贖罪など存在しない、愚かな罰と知っていながら、
自分の足に鎖を繋いだ。



「サーガは誓った」



未来永劫、あなただけを守ると。
もう、誰も愛さないと。



「そして輪廻転生を繰り返し、サーガは再びあの人と出逢う」



目が合った瞬間に、恋に落ちた。
けれど、叶わないと知っていたから。



「さよなら」



何度も何度も、嘘を重ねて。
深く深く、罪を刻んで。
遠く遠く、遠い面影を探して。



          「 好きだった 」



それはきっと、あなたの言葉。
あの人は、泣いていた。
掴んでいた私の手が、静かにほどけていくのを見て、
透明な、涙を流していた。



私は大切な人を二人も傷つけた。
その過ちは、もう取り戻せない。



「サーガは微笑んだ」



泣かないで、と。
あなたが悲しむ必要はないのだから、と。



「そしてサーガは、あの人から自分の記憶を奪った」



どうかこの血が絶える日まで、

 紡ぐことのできなかった二人の明日を、

自ら壊した儚い夢を、

 真実を告げられなかったあの人と、
 
共に在ることの出来なかったあの人に、

 あたたかな夢として、

降り注ぐように、と。



嘘を重ねて、罪を刻んで、罰に委ねる。
裁くのは、自分。
裁かれるのは、自分。



だって、あなたが泣いていたから。



愛ゆえに、罪を重ねる物語。






少女の上で人形がぽてり、と倒れた。
右目は包帯で隠されていて、左目は眼帯で覆われている。
首には紺色のスカーフを巻いていて、裾からのぞくのはヒラヒラとした真っ白なレース。
灰色の毛をした、狼の人形。



「サーガはね……もう二度と大切な人を悲しませないために、このお話を語り継ぐの」



呪われたおとぎ話として、
忌み嫌われる神話として、



「語り継がれて幾星霜……」



絶えることなく語られるのは、心からあの人が消えないからでしょう。
何度でも罪を重ねるのは、伸ばした手に溶けてゆく雪が、いつかの明日と重なるからでしょう。



「だからこの子は【SAGA】……伝承、なの」



滑稽でしょう?



「愛ゆえに……」






愛ゆえに、人は罪を犯す。
愛ゆえに、人は涙を流す。
愛ゆえに、人は誰かを傷つける。
愛ゆえに、人は罰を受け続ける。






「それなら……」






もとから愛などなければ良かったのに。









■後書き

この小説で「ギルティ」「ディール」「ロンド」「サーガ」の物語は完結です。
今回使ったのは「サーガ」で、「伝承」という意味です。


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