二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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【二次創作】泡沫【短編集】(リクエスト募集)
日時: 2013/04/28 20:26
名前: 雲雀 (ID: Ma3wYmlW)

 ご訪問ありがとうございます。
初めまして、雲雀といいます。
ここでは作者の嗜好を中心に、二次小説を書かせていただきます。

 同人や乙女ゲームに免疫のない方および苦手な方はご遠慮ください。
また年齢制限があるようなものはカキコのルール上、認められていないので書きません。
18歳未満の方も安心して読んでください。作者自身も18歳未満です。というか、そもそも書けません。

 作者の文章能力は他の人と比較して著しく欠落しています。
作品のイメージが損なわれる場合も御座いますので、そのあたりのことは自分で判断してくだい。
たまに創作物やオトメイト作品以外の物も書いたりします。

 以上のことをご理解の上でご覧ください。楽しんでいただければ、幸いです。


■取り扱い

【オトメイト】

◇緋色の欠片 ◆薄桜鬼 ◇夏空のモノローグ ◆ワンドオブフォーチュン ◇二世の契り
◆翡翠の雫 ◇蒼黒の楔 ◆ヒイロノカケラ ◇神なる君と ◆AMNESIA 
◇猛獣使いと王子様 ◆華鬼 ◇DIABOLIK LOVERS -ディアボリックラヴァーズ-

【ジャンプ】

◇家庭教師ヒットマンREBОRN! ◆D.Gray-man ◇黒子のバスケ
◆magico ◇テガミバチ ◆めだかボックス

【Gファンタジー】

◇君と僕。 ◆Pandora Hearts ◇黒執事 
◆デュラララ!! ◇キューティクル探偵因幡  

【LaLa】

◇夏目友人帳 ◆ヴァンパイア騎士 ◇狼陛下の花嫁
◆おいらんガール ◇サクラの秘事

【その他】

◇ボーカロイド ◆靴下にゃんこ ◇Sentimental Circus 
◆FINAL FANTASY ◇THE LAST STORY ◆イナズマイレブン 
◇カゲロウプロジェクト ◆終焉ノ栞プロジェクト ◇創作物


■お客様

◇マッカナポスト ◆亜瑠都様 ◇ツン萌え ◆蟻様 ◇亜鶴様 ◆カノン様 ◇素海龍様 ◆苗字様


■いちまんきかく

 10000hit Thanks >>208

◇素海龍様 家庭教師ヒットマンリボーン/ヴァリアー 【くるくるまわる/ヴァリアー】 >>211
◆苗字様 夏目友人帳

 参照が10000を超えたので、そのお礼です。
 忘れ去られているとは思いますが、かならず書きます。


■更新履歴

<緋色の欠片>

【その声に。/祐一×珠紀】 >>1 
【二人の彼】 >>34  【触れた指先/祐一×珠紀】 >>73
【記憶に残る花はあまりにも鮮やかで/真弘×珠紀】 >>81(一部) >>82(二部)
【想うことが罪だとしても/ゲントウカ×玉依姫】 >>146   【記憶の果て/祐一×珠紀】 >>158

【守りたい人/慎司×珠紀】

ACT1【分かたれた結末を想う。】 >>180
ACT2【独白】 >>181
ACT3【夕暮れに消える。】 >>187
ACT4【愛してるに耳を塞ぐ。】 >>201
ACT5【木漏れ日の記憶。】 >>203

<蒼黒の楔>

【花火】 >>13  【傍に、と消える声/拓磨×珠紀】 >>46  【花ノ香ノ/拓磨の頁】 >>70
【刹那ノ蒼/祐一の頁】 >>71  【羽休メノ刻/真弘の頁】 >>79  【褪メユク残香/卓の頁】 >>90
【春ノ呼声/慎司の頁】 >>102  【灰色ノ空/遼の頁】 >>153

<ヒイロノカケラ>

【あなたしか見えない/怜×沙弥】 >>39

<薄桜鬼>

【永久の軌跡/総司×千鶴】 >>6  【巡りゆく桜の記憶/総司×千鶴】 >>111

<ワンドオブフォーチュン>

【今日の永遠/エスト×ルル】 >>47

<夏空のモノローグ>

【いつかが終わるその日まで/葵&陽&涼太】 >>60  【気づいてしまった。/涼太×葵】 >>68

<神なる君と>

【それはもう過去のこと。/鳴海×咲耶】 >>67

<DIABOLIK LOVERS -ディアボリックラヴァーズ->

【堕ちる瞬間】 >>156

<家庭教師ヒットマンREBОRN!>

【雲雀家四人兄弟/アラウディ&風(大人ver)&雲雀恭弥(10年後)&雲雀恭弥(10年前)】 >>9
【好きを憧れで捩じ伏せる。/ベルフェゴール&フラン】 >>186
【くるくるまわる。/ヴァリアー】 >>211

<黒子のバスケ>

【甘いお菓子には変わらない/黒子&木吉】 >>59

<めだかボックス>

【気まぐれな世界の終わり/善吉&禊】 >>177

<君と僕。>

【その言葉に救われる。/悠太&祐希】 >>57  【17回目のハロウィン/悠太&祐希&要&春】 >>61
【桜日和/浅羽story&塚原story&松岡story】 >>152

<Pandora Hearts>

【終わりに重ねる掌】 >>131

<キューティクル探偵因幡>

【その声をどうか。/圭&遥】 >>27  【はじめまして、と笑う。/圭&遥】 >>213

<蛍火の杜へ>

【いつまでも。/ギン×蛍】 >>147

<ヴァンパイア騎士>

【ただあなたの幸せを。/零×優姫】 >>105  【黒ノ独白/零×優姫】 >>121  【二度と帰れない場所/零×優姫】 >>126
【面影−オモカゲ−/枢×優姫】 >>136  【虚像/枢×優姫】 >>160

<FINAL FANTASY>

【架かる虹の麓へ】 >>124

<カゲロウプロジェクト>

【あの日、いつか。/シンタローとコノハ】 >>199  【この世界に、今。/シンタローとコノハ】 >>200
【それでも、世界。/クロハ】 >>209  【伝えたいことがある。/シンタロー】 >>214
【延命プレリュード/シンタローとコノハ】 >>220【深海シンフォニー/シンタローとクロハ】 >>221
【さよならにキスをする。/シンタローとアヤノ】 >>222  【Please tell me my thought/シンタローとカノ】 >>224

◇しりーず

シンタローとコノハとクロハと遥が兄弟な話。

【朝に見る。】 >>223

<終焉ノ栞プロジェクト>

◇しりーず

【0と1のラブレター/A弥】 >>225  【届くことのないさよならを/C太】 >>226  
【君が0になる前に/A弥】 >>231

<ボーカロイド>

【ロミオとシンデレラ/初音ミク】 >>2  【五月雨恋歌/初音ミク】 >>3  【秋風恋歌/巡音ルカ】 >>5 >>52
【暗い森のサーカス/初音ミク&鏡音リン&鏡音レン】 >>7
【人柱アリス/初音ミク&鏡音リン&鏡音レン&KAITО&MEIKО】 >>8  【月光と黒/KAITО】>>10 
【鬼と娘/KAITО】 >>14  【大和撫子、咲き誇れ/初音ミク】 >>15  【夢の浮橋/巡音ルカ】 >>35
【からくりピエロ/初音ミク】>>45  【Trick and Treat/鏡音リン&鏡音レン】 >>62
【つきうさぎ/初音ミク】 >>63  【夢と葉桜/初音ミク】 >>125  【会いたい−Dear My Friend−/GUMI】 >>139
【右肩の蝶/鏡音リン&鏡音レン】 >>163  【背徳の記憶〜The Lost Memory〜/鏡音レン&KAITO&神威がくぽ】 >>164

<Sentimental Circus>

【いつかの温もり】 >>50  【幸福論】 >>166

<創作>

【微睡み/Short Story】 >>4  【譬えばそれを。】 >>18  【境界線】 >>38
【さよならの記憶】 >>42  【二度はないから】 >>51  【切ない優しさ】 >>53
【思慕/Short Story】 >>56  【一番星に消える】 >>58
【Disappearance】 >>64  【懺悔と後悔】 >>65  【謝罪と切望】 >>66  【夢物語—ユメモノガタリ—】 >>69
【瞬間センチメンタル】 >>72  【光と闇の狂想曲】 >>78  【螺旋の渇望】 >>80
【思慕の狂想曲—シボノラプソディー—】 >>140  【月下で踊る白うさぎ】 >>142
【鮮やかな黒と無色彩の真紅−Deal of black and crimson−】 >>144
【永遠の物語−Eternal story−】 >>145  【永遠の空白】 >>157  【瞬間/Short Story】 >>162
【薄紫の手紙】 >>171  【color】 >>191  【慟哭】 >>196
【アスタリスク】 >>202

<そーさく。>

【出鱈目セレクション】 >>204  【感情制御。】 >>207  【この思いが届くなら。】 >>210


■もう戻れないあの日々を、どうか。

01/あなたの傍にいられるだけで幸せ 【この思いが届くなら。】 >>210
02/口づけだけで満たされる想い 【二度と帰れない場所/零×優姫】 >>126
03/幸せになろうね 【記憶に残る花はあまりにも鮮やかで/真弘×珠紀】 >>81(一部) >>82(二部)
04/どうかあなただけはそのままで 【ただあなたの幸せを。/零×優姫】 >>105
05/あなたと過ごした日々 【いつまでも。/ギン×蛍】 >>147
06/触れ合った指先のぬくもり 【気づいてしまった。/涼太×葵】 >>68
07/追憶 【それはもう過去のこと。/鳴海×咲耶】 >>67
08/傍にいて 【その言葉に救われる。/悠太&祐希】 >>57
09/大切すぎて 【触れた指先/祐一×珠紀】 >>73
10/ずっと傍にいたから 【譬えばそれを。】 >>18

■求めたものが、あまりにも儚い存在だと知る願い

01/この瞬間が 【瞬間/Short Story】 >>162
02/今だけは 【二度はないから】 >>51
03/人というぬくもりに 【感情制御。】 >>207
04/君に会えるなら 【伝えたいことがある。】 >>214
05/静かに眠る夜 【いつかの温もり】 >>50
06/心地いい君と 【深海シンフォニー】 >>221
07/ごめんね 【謝罪と切望】 >>66
08/触れていたぬくもりが
09/痛みを抉る 【切ない優しさ】 >>53
10/もしも願いが叶うなら

■君におくる。

01/君が好きでくるしい。 >>215
02/君が嫌いすぎてわらえる。 >>216
03/君が幸せならそれでいい。 >>217
04/君が許せなくてつらい。 >>218
05/君がいてくれてうれしい。 >>219

 自分で勝手につくりました。
 途中からお話の中にいれるのを忘れてたので、まとめて書いておきました。興味があればどうそ。 

 もう戻れないあの日々を、どうか。 >>212

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Re: 【二次創作】泡沫【短編集】 ( No.58 )
日時: 2011/11/02 18:43
名前: 雲雀 (ID: 7aD9kMEJ)

【一番星に消える】



今私達が見ている星の光は、何年も前のものなのだと、理科の授業で初めて知った。
もしかしたら、数年前のものかもしれない。
もしかしたら、数十年前のものかもしれない。
もしかしたら、それ以上前のものなのかもしれない。

星が辿ってきた光の記憶、手を伸ばしても届かない星との距離。
まるで戻れない過去と、その過去に手を伸ばしているようで、酷く胸が締め付けられた。



           (星が綴る光の軌跡)
         (色褪せていく届かない過去)



初めて君と出会ったのは、今から十二年前の冬。
色素の薄い茶色の髪で、雪のように儚く笑う子だった。

冷えてしまった私の手を温めようと、必死に手を握っていてくれた。
あの頃はまだ幼稚園だったから、私よりも背が低かったかな。

「大丈夫?」

零れそうなほど大きな瞳で、私の顔を覗き込んできた君。
口下手な私は、曖昧に笑うのが精いっぱいだった。


初めて恋を知ったのは、今から四年前の秋。
図書室の窓際で木枯らしに吹かれている君の横顔に恋をした。

開かれた本の表紙はパラパラと風に攫われていって、栞が挟んであるページに次々と重なっていった。
私の存在に気付くと、あの頃と変わらない儚げな笑顔で、

「もうすぐ冬だね」

と言って笑った。
その時初めて、一定のリズムを刻む心臓の音が崩れた。


最後に君の手を離したのは、今から三年前の冬。
初雪が降った日の夜のことだった。

隣同士の家の窓から、

「彼女ができたんだ」

と、照れくさそうに笑った君の笑顔。
その時初めて、心に痛みを感じた。

口下手だから、やっぱり上手いことなんて言えないけれど。
せめて、君の幸せを祈れるように。

「おめでとう」

と言って、小指を差し出した。
君は不思議そうな顔をして、「何?」と聞いていた。

「彼女と絶対に幸せになるって約束」

慣れない笑顔を浮かべると、君も笑ってくれた。
それが、君に触れた最後の日。



君と出会ったその日から、君と別れたその日まで、恋人なんて甘い関係になったことはないけれど、
きっとその間、私の心にはいつも君がいた。

星の光が辿る時間に比べれば、私が彼を想っていた時間なんてとても短い。
でもね、想いの深さなら、負けない自信があるよ。

もし今私の目の前で瞬いた星の光が十二年前のものならば、もう一度、私をあの日へ返してください。
もう一度、あの窓で君と約束した日へ返してください。



——————————今度はきっと、好きだと伝えるから。



星が辿ってきた時間に思いを馳せても、通り過ぎてしまった過去には戻れない。
辿りつけるのは、運命と必然と、想いだけが交錯し合った未来。

星に手を伸ばしても、地球から届くなんてまずあり得ない。
過去に手を伸ばすことと酷似していると思った。

でもどうしてだろう。
星に手を伸ばすことよりも、
君との優しい記憶に触れることが、今の私にとって一番辛い。



もしあの星が瞬いた瞬間に戻れたなら、今を少しでも変えられたかな。



(星への距離と戻れない過去、)
(伸ばした指先は、空虚を煽るだけ)






          (一番星に消える、儚い望み)









■後書き

ハロウィン企画のこと考えてたら中々更新出来ませんでした。
昨日、星を見てて思いついた小説です。

Re: 【二次創作】泡沫【短編集】 ( No.59 )
日時: 2011/10/31 22:23
名前: 雲雀 (ID: 7aD9kMEJ)
参照: ■2011年 10月31日 ハロウィン企画

【甘いお菓子には変わらない/黒子&木吉】



「なぁ、黒子」

神妙な面持ちで、木吉が黒子に声をかけた。
広い体育館でよくこの影の薄い少年を見つけたなと褒めるべきなのかもしれないが、今は部員全員、練習に集中していて、そんなことには気付かない。

「どうしたんですか?木吉先輩」

黒子は別段表情を崩すこともなく、いつと同じ無表情で木吉の方を振り返った。
木吉はいつもなら考えられないほど真剣な顔をしていて、いまいち何を考えているのか分からない。
そしてゆっくりと口を開いた。



「“ Trick or Treat ”ってどういう意味だ?」



           (馬鹿の話は聞くだけ無駄)
         (天才は何言ってるのか分からない)



「…………」
「…………」

二人の間に僅かな沈黙が流れた。
黒子はほんの少し考える仕草をしてから、

「とある翻訳サイトだと、“ お菓子をねだりながら近所を回ること ”って出ますよ」
「お菓子をねだる……?そんなことをしても許される日だったのか!今日は!」

なんだー。と木吉が照れくさそうに頬をポリポリとかく。
今の会話に恥じるべきことがどこにあったのか黒子にはいまいち理解できなかったので、沈黙を守ることにした。

「実はさっき日向にも同じこと聞いたんだけどな、アメリカにでも行って来いってバッシュ投げつけられちまって」
「ああ、それで顔に靴の跡がついてたんですね」

木吉の顔に刻まれた靴の跡(暴力の跡)を黒子は見つめた。
とうの本人はその跡を気にするでもなく、放置していた。

「よし、分かった。じゃあ日向にでもお菓子ねだってくるか!」
「それはやめておいた方が……」

“ いいんじゃないですか ”と黒子が言い終わる前に、目の前の少年はキャプテンの元へと行ってしまった。
軽くため息をついてから、まぁあの人なら大丈夫だろうと普段の練習に戻った。



(“ Trick or Treat ”って、)
(“ お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ ”って意味なんですけどね)



次の瞬間、誠凛高校バスケ部には靴の跡が三つほど出来た少年がいたそうな。



(なんかまたバッシュ投げられたわー、)
(お菓子もらえなかったら悪戯しないとですよ、先輩)









■後書き

黒子と木吉の組み合わせならいけるかと思って、何故かこのようなことに。
黒子のバスケ、アニメ化おめでとうございます。

Re: 【二次創作】泡沫【短編集】 ( No.60 )
日時: 2011/10/31 22:22
名前: 雲雀 (ID: 7aD9kMEJ)
参照: ■2011年 10月31日 ハロウィン企画

【いつかが終わるその日まで/葵&陽&涼太】



「篠原くん!と、Trick or Treat!」

は?と涼太が顔を上げれば、魔女に扮した葵の姿が目に入った。
控えめな彼女なら絶対に着そうにない服装。
彼の中で思い当たる人物が一人しかいなかったので、そいつのことを思いっきり睨んだ。

「先輩なら魔女でも愛せます!いや、寧ろ結婚しましょう!」

もうそのようなことを何回繰り返してきたんだこいつは、とうんざりした顔で涼太がため息を吐く。
いい加減振られ過ぎて骨と一緒に心でも折れればいいのにと内心で思いつつ、彼は二人の次の言葉を待つことにした。
いや、実際は悪態をついていた。

「とうとう脳細胞が全滅したか……可哀想に」
「おい!今完璧俺の方見て言っただろ!」

このー。と、陽が涼太の頭をグシャグシャと撫でまわす。
それに対抗して、涼太も陽の髪の毛を引っ張る。
いつまでたっても決着のつかない二人の関係。
仲がいいのか悪いのか分からない二人の様子を見て、葵はクスリと笑みを零した。


その瞬間をバッチリ目撃してしまった二人は、頬を朱に染めた。


「せ、先輩!何笑ってるんですか!笑うくらいならこの馬鹿を止めてください!というか、こんな馬鹿のいうこと聞かないでください!」
「え?へ、変かな?少し派手だけど、個人的には可愛くて気に入ってるんだけど……」
「女性なら慎みをもってください!」
「その姿で微笑むとまさに魔性の如き美しさ……!やはり女神はこの世に実在したんだ……!」
「黙れバカハル」

素直な褒め言葉と、可愛い照れ隠し。
ある意味お菓子と悪戯みたいだと葵は思う。

「あ、そうだ。今日はね、皆にお菓子つくってきたんだ。二人にもあげるね。Happy Halloween!」






今日も土岐島高校科学部にとって、素敵な一日でありますように。



(篠原は猫耳なー、)
(……カガハル、吸血鬼なのに首ににんにくかけて、死にたいの?)









■後書き

涼太は猫耳つけて、陽は吸血鬼なのに首ににんにくつけてるのかな、とか勝手に想像してました。
他の部員も出したかったんですけど、時間がなくて出来ませんでした。

Re: 【二次創作】泡沫【短編集】 ( No.61 )
日時: 2011/12/05 19:37
名前: 雲雀 (ID: 7aD9kMEJ)
参照: ■2011年 10月31日 ハロウィン企画

【17回目のハロウィン/悠太&祐希&要&春】



「ハロウィンってさ、はっきり言って脅迫だよね」
「ね、お菓子くれなきゃ悪戯するなんてね」
「おい、そこの夢のない双子」



(子供の人数が大人の人数を大幅に上回ったりしたら、)
(子供内での抗争とか、取引とか、普通に起きる世の中になっちゃうのかな)



いつもと特に変わらない屋上での昼食中、不意に悠太と祐希が切りだした話題。
実際は彼らが言うほど夢のないイベントではないが、ハロウィンのせいで起きてしまった事件もあるので、完全に否定は出来ない。

「ハロウィンですか……僕、小さい頃は毎年お父さんとお母さんにお菓子もらってましたよ」

ほんわかとした空気を纏いながら、春がにこにこと笑う。
この場にあのフワフワした羊のような女の子がいたならば、完璧に顔を真っ赤にしていただろう。
しかしそんな空気にも容赦なく釘が突き刺さる。

「ああ、さっきの脅迫使って?」
「春みたいな子が言っても脅迫にはならないんだよ。要とかが言うと別だけど」
「なんで俺だけ駄目なんだよ!」
「え……やるつもりだったの?」
「十七にもなって?うわ、理解に苦しむわー」
「こんの双子……!」






子供の時はきっとすぐ過ぎてしまうから、
今くらい、我儘な子供でいさせてください。






「あ、そうだ。悠太、Trick or Treat」

ハロウィンの話などとうに忘れた家の自室で、唐突に祐希が口を開いた。
その言葉に脳の動きを一瞬停止させた悠太は、軽くため息をついた。

「どうして意表をつきたがるのかな、祐希くんは」
「脅迫なんだから、意表をついてこそでしょ」
「お兄ちゃん相手に脅迫してないでください。要にでも言えばよかったのに、意外とちゃんとお菓子の用意してたかもよ?来るはずもない訪問を待って」
「ちょっと待って、想像したら笑えてきたんだけど……」

と言いつつ全然笑っていない弟の顔を見つめながら、悠太はこのまま別の方向に話流れてくれないかなー。とこっそり願っていた。
しかし、そんな期待も虚しく。

「悠太、お菓子頂戴」
「今持ってないけど」
「じゃあ悪戯してもいいの?」
「じゃあ祐希にもTrick or Treat」
「クッキーでいい?」
「どうしてそんなに準備いいのかな、祐希くんは」



そう問えば、双子の弟は軽く笑う。



(悠太に悪戯をする為です、)
(何気酷いね、その理由)









■後書き

祐希がいったい悠太にどんな悪戯をしたのか、それは皆様のご想像にお任せ致します。
あのメンバーなら、ハロウィンじゃなくてもお祭り騒ぎですけどね。

Re: 【二次創作】泡沫【短編集】 ( No.62 )
日時: 2011/10/31 23:28
名前: 雲雀 (ID: 7aD9kMEJ)
参照: ■2011年 10月31日 ハロウィン企画

【Trick and Treat/鏡音リン&鏡音レン】



      「 さぁ、楽しいパーティーの始まりだ! 」



深い深い霧の中、妖艶に響く声。
道に迷った少女は、甘い誘惑に惹かれ、毒に手を伸ばす。

「おいで、おいで、」

もっと森の奥深くまで!

「早く、早く、」

急ぎ足で出来るだけ近くに!

「おいで、おいで、」



      “ さぁ、愉しい遊戯を始めよう! ”



少女の瞳には、毒なんて映らない
 甘い甘いお菓子と、楽しいパーティー
ただ、それだけ、少女の瞳には、ただ、それだけが映る
 甘い甘いお菓子の裏に隠された、苦い苦い罠
楽しいパーティーの光に反射した、血に染まる代償
 だってほら、楽しい時間が早く終わるのなら、
辛い時間だって、その時間と一緒でしょ?
 分からない?なら感じればいい
ほら、この手をとって!



シナモンスティックは魔法のステッキ。
ほら、ひとふりするだけでシロップが増える。
ふふ、幸せそうな顔。
甘いものが好きなのね、じゃあ苦いものはどうなのかしら?

苦ささえ忘れて、甘い夢の中。
天蓋に護られて、眠りに堕ちる。



(甘い夢に騙されて、守られてるなんて錯覚して、)
(深い眠りに堕ちるなんて馬鹿みたい、夜はこれからなのに!)



幻想の催眠に溺れたままでいい。
だってほら、目隠しを外しちゃ面白くないでしょ?
甘い夢の中なら、手の甲に刺さったナイフも、飴に塗られた毒も、何もかも甘いお菓子なんだから!



足元にご注意、その手は僕が引くから。
ほら、ちゃんと踊りなさい?
その可愛い素足に棘が突き刺さるよ?



      “ その身を今すぐに委ねなさい、さぁ! ”



いつからか疑念の刃が見え隠れする。
私が今いるのはどこ?
甘い甘い夢の中?それとも苦い苦い現実?
愛されているのは誰?私?あなた?それとも君?



愛という免罪符などは存在しないと、
 (罪に溺れた愛が許される日は来ないと、)
愛に触れた指先に突き刺さる硝子の破片、
 (毒が塗られたナイフじゃないなら、)
いったいこの世の誰が、
 (私に愛を教えたあなた以外に、)
罪を消し去ってくれると言うの?
 (私の息の音を止めると言うの?)



目隠しの隙間から覗き見たランタンが、
映し出した影に思わず、身の毛がよだった。



      「 ああ、ここにも甘い夢はないのね 」



少女の瞳に映る影。
失望と恐怖に染まる唇。



おやおや悪い子、もうお目覚めですか?
(折角あなたが望んだ甘い夢だったのに、)
目隠しが解けたなら、盲目にしようか?
(だってほら、残酷で滑稽なこの世界を見たくないでしょ?)



      「ほらほら笑いなさい、可愛いお顔で」



さっき見えた影はどこに行ったの?
毛皮をまた被って、芝居に戻る。
道化師って大変だね?それともご主人様の人形?



      「……ねぇ、ちょうだい?」



どうしたの?そんな目で、身体を震わせて、
 あたたかいミルクでもてなしてほしいの?
さぁ中にお入り、ここはとても温かい。
 見返りはポケットの中身でいいから。
甘いお菓子?いえいえ、そんな。
 僕達はいくらでも甘いものが出せるから。
ほら、Trick or Treat!
 昔あなたが、僕達から奪っていったものでしょう?
今度はただ、あなたに返してもらうだけよ?



ちょうだい、早く早く。
ねぇほら、今すぐに。

二者択一の原則をかなぐり捨て、
だって選ぶ権利は子供のものでしょ?迷ってる暇なんかないわ。
まやかしでもてなして、甘い蜜を吸って、
毒ってね、甘くて苦いのよ?大人はすぐにそのことを忘れちゃうから。



      「ちょうだい、よこせ、ほら、今すぐに」
      (ちょうだい、ほら、今すぐに、よこせ)



          “ ちょうだい ”






(甘い夢の先には、後悔なんてない、)
(ただ、悲しい物語の最後が待っているだけ)



          「 Trick or Treat! 」
          (終焉の世界へようこそ!)








■後書き

ハロウィン企画最後の小説です。
今非常に眠いので、文章がかなり酷いと思われます。


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