二次創作小説(紙ほか)

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ろくきせ恋愛手帖【短編集】
日時: 2020/10/25 16:58
名前: むう (ID: 9Yth0wr6)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3a/index.cgi?mode=view&no=18233

 こんばんにちは、むうです!
 東方、鬼滅、花子くんにハマっている中3女子です。
 知ってるよーって方、いつも応援ありがとうございます。
 誰コイツって方、この機に是非名前を覚えて帰ってください。

 この小説は、六人の軌跡のスピンオフです。
 前作は参照のURLや、「完結小説図書館」にて読むことが出来ますよ。

 タイトルにもある通り、この小説はキャラ恋愛関係を始め、
 キャラの過去や裏話をぎゅっと集めた短編集になっています。


 また、話にはイメージ曲をつけているのもあります。
 私のおすすめの曲なので、聴いてもらえたら嬉しいです。

 あなたの推しの話が載るかも?
 楽しんで読んで頂けたらキャラも私も幸いです。
 では、短編集も完結までどうぞよろしくお願いいたします。



 〈作者からのお願い〉

「脱! 台本書き」目指して現在、セリフ量<場面描写の構成を頑張る日々。
 まだまだ普通の文章にはなかなかできず、台本のようになってしまうことがあります。
 ちょっと読みにくいかもしれません。すみません。
 温かい目で見ていただけると幸いです。


 〈注意〉

 ●受験勉強のため不定期更新
 ●スマホだと読みにくいかも
 ●ネタバレ入るかも
 ●オリキャラあり
 ●時々東方キャラ登場


 〈ルール〉

 ●拡散〇
 ●中傷行為や荒らし、作品に対してのネット上での暴言×
 ●キャラの貸し出し〇(その場合コメント)
 ●また、ネット上での自作発言×
 ●リクエストなどはコメントにて


 上を読んで、OKな方はゆっくりしていってね!



 ▼むうの雑談掲示板もあるヨ。

「スレタイなんて知らないよ」

「【地縛少年花子くん】好きな人語ろ!」

 良かったらチェックしてみてね。

 
 ▼占いツクールでも執筆してるよ。

 よかったら『紅羽むう』で検索してみてね。
 評価してくれると嬉しいです。

 
  ーーーーーーーーーーーーーー

 【目次】♪→イメージ曲


 ◆◇企画コーナー◇◆

 キャラに○○してみる>>09>>53>>55
 むうのおススメ本紹介>>13
 英語で鬼滅・花子くん!>>27

 
 ◆◇むうの執筆裏話◆◇

 第1回「むうのリスタート」>>36
 第2回「遅くなりましたが受賞の言葉」>>34
 第3回「お知らせ! 必読お願い!」>>38
 第4回「むうと柱とカオ僕と」>>40
 第5回「花子くん考察と2話までの裏話」>>46
 第6回「第1回☆謝罪フェスティバル!!」>>58

 ◆◇オリキャラ設定集◇◆

 瀬戸山亜門>>31
 七不思議8番>>43
 

 ◆◇本編◇◆

☆俺の嫌いな人☆(by睦彦)

♪Raining/Cocco

 登場キャラクター紹介>>01
 時系列の図>>10
 Prologue>>02
 第1話「初めて会った日のこと」>>03-05
 第2話「嫌い。」>>06-08
 第3話「合同任務」>>11-12 >>14
 第4話「本当の気持ち」>>15-16
 第5話「早すぎる別れ」>>17

★踊り場の花子★(by花子隊)

♪春を告げる/Yama

 Prologue>>18
 第壱の怪「となりの怪異くん」>>19-21
 第弐の怪「……嘘でしょ!?」>>22-24
 第参の怪「黒札と白札」>>25-26
 第肆の怪「花子VS花子」>>28>>29>>32
 第伍の怪「月原八雲」>>35>>37>>39 >>41-42


 ☆中高一貫・キメツ学園運動会☆

 

 Prologue>>44
 第1話「ワクワクの種目決め!」>>47>>49>>50
 第2話「ドキドキの玉入れ開始!」>>51>>52>>54
 第3話「ハチャメチャの借り物競争!」
その1 借り物競争>>56>>59>>60
その2 ミライ捕獲大作戦>>61>>62>>63
その3 ネガイゴト>>64>>65>>66
 第4話「ハチャメチャの借り物競争! 後編」>>67
 
 
 
 
 
 


 
 2020.8.21 スレ立て、執筆開始
 

 

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Re: ろくきせ恋愛手帖【短編集】 ( No.63 )
日時: 2020/10/19 18:09
名前: むう (ID: 9Yth0wr6)

 むうが鬼滅で一番好きな話は無惨戦!
 花子くんで好きな話はエソラゴトです!
 無惨戦はとにかく熱いし泣けるし、エソラゴトはあまねくんが可愛いし泣けるし……。
 そしてこの話にも、読者があっと驚く何かが……あるの…かな?(やや自信なし)

 ****************************

 〈寧々side〉

 こんにちは! 大正時代はお手のもの、八尋寧々です!
 キメツ学園グラウンドに現れたのは、七不思議1番のミライ。
 有為ちゃんに聞くところによると、ここは霊的磁場が強く、ミライもその霊力に惹かれてかもめ学園からやってきたのではないかとのこと。
 
 というわけで私たちは……。

 輝「さて、汚物はきれいにしとかなくちゃ(剣スチャ)」
 茜「いつもいつも……そろそろこの僕も限界だぞ、ミライ!(時計スチャ)」
 睦彦「せっかくの競技を台無しにするとは許さねえ!」
 かまぼこ花子隊&柱&東方陣「捕まえてやる!」
 もっけ「1番ころす」「ころす」「ほかほかにしてころす」

 ミライ捕獲大作戦を始めることになりました。
 
 具体的には、ミライの相手は頼れる助っ人・七不思議と、私と光くん。
 そして残りは被害を最小限にとどめることに。
 私は前に、一回花子くんたちと一緒にミライを捕まえたことがある。
 今回も、負けないんだからね!

 霊夢「この人たち(七不思議)が来ると、いつもカオスね」
 しのぶ「賑やかなのは嫌いじゃないですよ~。とっとと片を付けましょう(ニッコリ)」
 炭治郎「よし皆、準備はいいか?」

 炭治郎くんがそう言うと同時に、少し離れた位置に立っていた花子くんが、ゆっくりと睦彦くんに近づいた。
 驚いた彼の耳元で、少し苦しそうな顔をした花子くんが呟く。

 花子「刻羽。瀬戸山があの子(ミライ)に触られないようにして。絶対」
 睦彦「んな、改めて言われなくても……。なんかあんのかよ」
 
 その言葉に、花子くんは虚を突かれたように一瞬固まった。
 それもつかの間、いつものようにニヤリと目を細めて、

 花子「……別に? ってことで、頼んだよ」
 睦彦「まあ、別にいいけどよ」

 その様子を、横で意味ありげにつかさくんが見つめていた。


 ・・・・・・・・・・・・


 ミライ「(カチコチカチコチカチコチ)くすすっ。やっぱりじかんをすすめるのは、たのしいな」
 光「やい、また出やがったな! 往生しやがれ!(雷霆状らいていじょうを振り下ろして)」
 ミライ「………(光に手を伸ばし)」

 危ない光くん!
 この子に触られたら、光くんがおじいちゃんになっちゃう!
 思わず目をつぶったのと同時に、ガシャッと硬い何かが地面に触れる音がした。
 

 ミライ「? だあれ?」
 ミツバ「こ、こらー悪霊! この僕が倒してあげるよっ!」
 光・寧「ミツバ!(ミツバくん!)」

 さっきの音は、ミツバくんが首に巻いているマフラーについている骨?のようなものの音。
 七不思議三番の彼は、その骨を自由自在に操ることが出来るらしい。

 ………って、私ったらなんてもったいないことを……。
 光くんは祓い屋なのもあり、他の人に比べるとミライが時間を進めにくい。
 それでこの前、なにがどうなったのか分からないけど、すっごくイケメンになったの!

 寧々「(時間、進めてもらえばよかった………じゃない!!)」
 光「助かったぜミツバ! おいチビ! オレたちが相手だ! かかってこい!」
 ミライ「くすすっ」

 ミライはくすくす笑いながら、光の速さで移動し、あっという間に視界から消える。
 そしてパッと姿を現したかと思えばまた消え、また現れてはまた消える。
 とってもすばしっこいの。


 ミライ「(カチコチカチコチ)」


 グラグラッッッ ガッシャンッッッ

 あ、倉庫にミライが触っちゃった!
 運動会で使う備品がしまってある倉庫が、一気に風化して、扉が真っ二つに折れる。
 その衝撃で中に入っていたボールを入れる籠やらコーンやらが、中から飛び出した。

 睦彦「うおッ!? 光の呼吸・壱ノ型 爆光一閃ばっこういっせん!!(ブンッ)」
 カナヲ「花の呼吸・弐ノ型 御影梅みかげうめ!!(ブンッ)」

 ガラガラッッ

 睦彦「ふぅ………」
 義勇「いや、まだだ!」

 ミライ「(カチコチカチコチ)」
 善逸「な、うわ、また来たっ」
 つかさ「…………しょうがないなぁ」


 呆れたようにつかさくんが肩をすくめ、頭上から降ってくる備品を視界に留める。
 倉庫の割れた切っ先の鋭い窓ガラスの破片が、彼めがけてパラパラと振ってくる。

 ミツバ「つかさくん危ない!!」
 つかさ「あまね、サクラ!!」

 桜「黒杖代、お願い(ブンッ)」
 花子「蹴散らせ白杖代!!」

 つかさくんが鋭く叫ぶのと同時に、七峰先輩が黒杖代を、花子くんが白杖代を投げる。
 人魂は風を巻き起こしながらつかさくんの周りを旋回し、ピカッッと眩い閃光を発した。
 

 夏彦「おお、さすがお嬢。ナイスタイミングぅ」
 花子「………ミライがいないっ!?」

 一同がバッと振り返り、グランドを見回す。
 ミライが時間を進めたことにより、コーナーにはガラスの破片や破損した部品の一部などが転がっている。
 いない、ミライがどこにも……。

 まさか、逃げた!?
 そう思ったときだった。


 ミライ「あれ、あなたのじかん、すすめずらぁい」
 一同「!!?」

 聞き覚えのある声が聞こえ、声のした方を振り返る。
 グラウンドの前方、壇上の上。
 自分に降りかかるガラスの破片を避けようと剣を構えた瀬戸山くんに、ミライがぴったりと貼りついていた。

 
 魔理沙「亜門!!」
 花子「瀬戸山!!」


 カチコチカチコチと時計の秒針が回る音と共に、瀬戸山くんの体が後ろに傾いた。
「亜門!!」と慌てて睦彦くんは彼の元へ駆け寄り、その身体を抱きとめる。

 ミライ「なんでこのこ、じかんすすまないの?」
 花子「……………」
 ミライ「ねぇ、ななばん様、もしかしてこのこ」





 ミライ「―――――――寿命がもうないの?」




 しいんと、みんなの間に冷たい風が吹いていった。
 一同はそろって歯を食いしばり、睦彦くんの腕の中の瀬戸山くんに視線を留める。
 ただ一人、睦彦くんは不安と絶望で何もわからない様子で、花子くんに向かって声を荒げた。


 睦彦「どういうことだ花子!! お前、何を知って―――」
 つかさ「あーあ。………ここで時間切れか」

 シリアスな展開のさなか、この場にふさわしくない、のんびりとした口調でつかさくんが呟く。
 つかさくんは花子くんとそっくりの表情で怪し気に微笑んだ。


 睦彦「お前、………………亜門に何をしやがった」


 ネクスト→つかさの目的とは? 次回もお楽しみに♪
 
 

 

Re: ろくきせ恋愛手帖【短編集】 ( No.64 )
日時: 2020/10/20 19:26
名前: むう (ID: 9Yth0wr6)

 〈仁乃side〉

 つかさ「あーあ。……ここで時間切れか」

 シリアスな展開のさなか、この場にふさわしくない、のんびりとした口調でつかさくんが呟く。
 つかさくんは花子くんとそっくりの表情で怪し気に微笑んだ。

 思わず私は俯いて唇を噛む。
 幸い私の姿は、焦燥感を抱いているむっくんには視界に入らなかったようだ。
 

 睦彦「お前、………………亜門に何をしやがった!!」

 むっくんが今までに見せたことのない、激しい怒りを含ませた表情でつかさくんを睨んだ。
 その勢いに押されることなく、あくまでものんびりとつかさくんは首をかしげる。
 その様子を、残りの面々は一言も発さず、まるで置物のように茫然と眺めていた。

 亜門「…………刻羽、離して」

 むっくんの腕の中で気を失っていた瀬戸山くんが、苦しげにもがいた。
 両手両足をじたばたさせる彼に、放心状態だったむっくんが我に返り、慌てて彼を自由にさせる。
 服に着いた埃を払って、瀬戸山くんは苦笑いを浮かべながら立ち上がった。

 つかさ「俺は怪異さ。何か一つを代償に、呼び出したモノの願いを叶える」
 睦彦「………願い」
 つかさ「あまねが叶えるのは、生きている此岸しがんの願い事」
 花子「………」

 つかさ「俺が叶えるのは、死んだ彼岸ひがんの願い事。あもんは願って、俺は応えた」
 睦彦「死んだ……」
 花子「………分かるでしょ刻羽。もう、その子は死んでるんだ」


 低い低い温度で花子くんがそう言い、わずかに笑って見せる。
 私は両手の握りしめたこぶしにぎゅっと力を入れ、また唇を噛む。


 睦彦「………え、な、なんで、……」
 つかさ「あもんはもう死んじゃったんだよねー。だから俺に願った。あもんの願いはこうだ」




 つかさ「――――『もう一度刻羽に会いたい』『一緒に運動会を楽しみたい』」




 つかさ「『きっとこれが最後だから』」





 
 つかさくんの口ぶりからは、死という恐怖が感じられない。
 ひたすら純粋に、楽しそうに、無邪気に言葉をつむいでいく。
 その様子はこの状況に似つかわしくなくて、返ってそれが逆に、彼の存在を浮き上がらせていた。


 睦彦「な、なあ亜門、嘘だよな? お、お前がもう死んでるとか、だって、なぁ!?」
 亜門「嘘だと思う?」

 にっこりと、そう、瀬戸山くんはにっこりと笑った。
 その純の笑顔の裏には、憎しみとか、怒りとか、そういうものは一切なくて。
 瀬戸山くんが、むっくんにそっと手を伸ばす。

 その手をむっくんは掴もうとして、彼の指に自分の手を絡めた………だけど。
 スイッとむっくんの手は宙を切り、何も掴まなかった。



 睦彦「…………え」
 亜門「……………分かった?」


 瀬戸山くんはまたにっこりと笑った。
 透けたその身体の奥には、秋の晴れやかな空が映り込んでいた。
 


 つかさ「あもんの願いの代償は、『刻羽の、亜門の死に関する記憶』」
 睦彦「………は?」
 つかさ「俺はその記憶を、グシャ―ッってつぶした! だから刻羽は知らなくて済んだでしょ?」


 簡単なことだ。
 この世に未練を残し、幽霊となりさまよっていた瀬戸山くん。
 行く場所がない、このまま消えてしまう運命だった。
 そんなとき、キメツ学園で運動会があること、そしてそこにむっくんがいることを知った。

 会いたいと、強く願った。
 むっくんや私たちに、花子くんや七不思議が見えているのは、光くんや有為ちゃんと言った霊力がある人がすぐそばにいるからだ。
 じゃあ、むっくん一人だったら?


『刻羽! ……ごめん、色々と迷惑かけて! 僕は――』


 霊感のないむっくんに、瀬戸山くんの声は届かなかった。
 目の前を駆けていく、楽しそうなむっくんの笑い声を聞いたとき、瀬戸山くんは強く願った。
 

 刻羽に会いたい。
 現世から消えてしまうその前に、しっかりとお別れを言いたい。
 せめて、一緒に最後に運動会を楽しめることが出来れば……。


 ―――君の願いを叶えてあげるね!



 つかさ『じゃあ、叶えよっか』
 亜門『だ、だれだ!?』
 つかさ『俺はつかさ! 君が心から望むなら、俺は願いを叶える。刻羽に合わせてあげるよ!』
 亜門『………ほ、ほんと? できるの?』
 つかさ『うん、できるよ』



 その結果が……まさか、こんな残酷な代償の上で、成り立っているだなんて……。
 瀬戸山くんの死に関する記憶を失ったむっくんは、隣の席へ座る瀬戸山くんを疑うことなく、今までずっと、生きているってそう思い込んで……。


 睦彦「………て、テメエ何をっ! そ、そんなことっ……」
 つかさ「じゃあ、こんなことしないほうが良かった?」


 その質問は、あまりにも残酷で、怒鳴ろうと口を開きかけた私は結局、何も言い出せなかった。
 むっくんもまた、開きかけた口をとっさにつぐみ、ただ両手の拳を震わせる。


 つかさ「ねえ刻羽。俺だけじゃないんだよ、あもんに協力したの」
 睦彦「………は?」
 つかさ「ここにいる全員、俺とあもんの協力者! すっごいでしょ!」

 むっくんは思わず目を見開いた。
 何か言いかけたけど、それは言葉にならず、胸の中に蓄積されて行く。
 ギリッと歯ぎしりをする音が響き、険しい顔をしたむっくんが、チラリと私を見た。

 そこからは、一瞬のことだった。
 むっくんの姿が消えたと思ったら、彼は私の目と鼻の先に現れて、私の手首を力任せに掴む。
 痛いくらいにしめつけられ、私は声にならない悲鳴を上げた。


 仁乃「む、むっくん………!?」
 睦彦「……なんでなんだ、胡桃沢!! なんで、お前がこんな………っ」
 仁乃「………っ。じゃあ、どうすれば良かったの!?」

 思わず声を荒げた私を見て、むっくんが驚いて手を放す。
 あのとき、私はむっくんと瀬戸山くんを陰から見守ってた。
 二人ならきっとうまくやっていけるって、そう信じていた。だけど。


 仁乃「むっくんは瀬戸山くんともう一生会えないかもしれない!! このままお別れするの!?」
 亜門「………」
 仁乃「花子くんだって、私も、みんなも、むっくんのためを思って、必死に……!!」


 仁乃「確かに、つかさくんが奪った代償はおっきいけど、でも……瀬戸山くんの気持ちも……」
 亜門「やめてよ!!」


 突如、話に割って入った瀬戸山くんの叫び声。
 苦し気に上下する彼の背中。今にも泣き出しそうに、歪んだ表情で瀬戸山くんは叫んだ。


 伊之助「お前……どうし」
 亜門「無理に同情しないでよ!! 僕の気持ちなんか、分からないくせに!!」

 その言葉に、一同の心の導火線に、火がついた。
 一同は揃って怒りを押し殺した表情で、瀬戸山くんを睨んだ。

 実弥「おいテメエ、何を言いやがる!」
 亜門「もうすぐ死にますって、余命宣告されたこと、お前らはあんのかよっ」

 一瞬だけ、寧々ちゃんの瞳がふっと曇った。
 そんな寧々ちゃんの手を、光くんと花子くんがそっと握る。

 亜門「いつ死ぬかって指折り数えたことは? それでも精一杯作り笑いしたことは?」
 寧々「…………」
 亜門「いいじゃんか、少しくらい夢を見たって!」

 感情があふれ出す。


 亜門「もうすぐ死ぬかもしれない奴の運命はもしかしたら変えられるかもしれない。だけど」
 花子「……………」
 亜門「―――もう死んだ人間が、運命なんて変えられるわけないだろ」

 いつだったか、有為ちゃんが言ってた。
『一度死んだ人間は、生き帰らない。それが自然の摂理せつり。破ってはいけない決まりです』

 
 亜門「―――ーだから、少しくらい、夢を見せてくれてもいいじゃんか………」


 心の底から絞り出した、瀬戸山くんの本音。
 昔の同期の少年の、心の痛み。
 失ったものは戻らない。分かっているはずなのに、なぜか人間は、それでも希望を追い求める。

 そんな彼に、私はまた、何も言えなかった。
 
 


 


 

 

Re: ろくきせ恋愛手帖【短編集】 ( No.65 )
日時: 2020/10/23 19:29
名前: むう (ID: 9Yth0wr6)

 閲覧数1000だぁぁぁぁ!
 ミリオンズOFだぁぁぁぁぁ(←ちがう)

 ****************************

 〈光side〉

 ずっと前に花子が言ったように、死んでしまった奴の運命を変えることはできない。
 でも、霊が見えたり、それに干渉する力が与えられたのは。
 そのどうにもならない部分をどうにかするためだって、オレは今でも思っている。

 でも……。
 今回の事件でオレを悩ませるのは、誰を責めたらいいか分からないことだ。
 三葉みつばの時は、明らかにアイツ(つかさ)が悪い。
 それは事実で、オレはアイツを一生許さねえ。

 でも今回の件は?
 亜門は刻羽に会いたいという純粋な思いのままに、アイツを呼び出し。
 アイツは「あもんの願いを叶えたい」という思いのままに睦彦の記憶を消し。
 そしてオレを含め、後の面々も、二人に協力したいという思いで作戦を呑んでいる。

 確かに、睦彦の『亜門の死に関する記憶』を奪ったって聞いたとき、本当なら今すぐにアイツに怒鳴り返したいところだった。
 何しやがったんだって、雷霆状を突きつけて、このまま消滅させてやっても良かったんだ。


 でも……。
 
 つかさ『ってわけでェ、みんなにキョーリョクしてほしいんだよねー!』
 一同『………は?』
 
 つかさ『サクラと夏彦とあまねと胡桃沢にはOKもらってるから、あとの人OKか教えて』
 光『……は、花子!? お、お前なんで……。いつもなら絶対こんなことしねーくせに……』


 花子は言った。
 刻羽と会うことで、瀬戸山が未練を晴らし成仏できるならいいんじゃないかって。
 刻羽の記憶が無くなっても、あとからまたつぎ足せばいいって。
 そんな願いすら叶えられないなら、あの子は永遠に天国へは行けやしないって。
 

 筋は通ってるし、花子が間違ったことを言っているわけじゃない。
 でもなんだろう、さっきから胸にしがみついているこの感情は。
 そしてそれはきっと、オレなんかより睦彦のほうが大きいはずだ。


 睦彦「………………」
 魔理沙「ごめんな睦彦。私も、霊夢たちも、皆協力した。でも、これでいいだろ?」
 無一郎「………そう、これが最善の方法」
 善逸「失望させたなら謝るよ。俺の頭ならいくらでも下げる!! でも分かってくれるだろ!?」

 
 睦彦は何も言わない。亜門も。
 ただ、俯いて肩を震わせるだけだった。
 睦彦だって、亜門に会えて嬉しくないわけではないだろう。

 でも、亜門が死んでいること、そして自分の記憶が操作されていたことのショックが大きくて。
 仁乃ちゃんやオレたちが協力したことも、喜んでないわけではない。
 オレたちの気持ちも、多分痛いほど分かっているんだろう。
 でも、それでも。


 
 「―――――――っざけんな!!」



 突如、このしいんとした空気を揺るがすような怒号が響き渡る。
 一同は驚いて、声を上げた者へと視線を移した。
 叫んだのは、睦彦ではない。亜門でもない。

 拳を震わせて、涙をこぼしながらつかさを睨んでいるのは、なんと宵宮だった。
 宵宮はつかつかと歩き出すと、つかさの胸倉をグッと掴んだ。

 つかさ「っ!? 宵宮……」
 有為「ふざけんな、お前は、なんてことを………っ!」

 有為「睦彦くんが、どういう気持ちで過去の話をボクにしたのか、貴方は想像できる!?」
 つかさ「よ、よいみや、苦し……」
 有為「人が死ぬってどういうことか、ちゃんと分かってるの!? 理解してるの??」


 その言葉を機に、つかさの態度が激変した。
 彼の周りを黒杖代が旋回し、風は渦を巻く。
 低い低い声で、つかさはポツリと呟く。


 つかさ「知ってるよ、………死ぬってどういうことか」
 有為「―――――-っ」
 つかさ「………分からないのは宵宮のほう。あもんは俺に願ったんだ。それでいいじゃん」
 

 良くねえよ。なにも良くねえよ!!
 誰が望んで、こんな結末を喜べるんだよ。
 そう怒鳴りたいのに、さっきの亜門の悲痛な叫びが、口に出しかけた言葉をまたしまい込ませた。


『もう死んだ奴が、運命なんて変えられるわけないだろ』

 そう言った亜門の表情は、何もかも諦めたように暗くて。
 それでも必死に笑おうとする様子がとっても痛々しくて。
 

 そんな顔しないでほしい。笑ってほしい。生きててほしい。
 そう誰よりも強く願ってるのは、その願いが一番強いのはオレじゃない。


 睦彦「………ホント、好き勝手してくれるよなぁ」
 カナヲ「睦彦?」

 呆れたように睦彦が言い、肩をすくめた。
 今の今まであんなにショックを受けていたはずなのに、どうして急に態度が変わったんだろう?
 もしかして睦彦は、もう全部、諦めてしまったってのか?

 花子「………刻羽。……ごめん。こんなことするつもりじゃ、……なかったんだ」
 睦彦「……そっか」
 花子「よ、4番に頼んで、絵空事の世界に連れ込んだりとか、か、考えたんだけど、ヤシロが反対したから……」
 睦彦「そっか」


 絵空事。七不思議が4番のシジマメイが作る、虚構の絵の世界。
 オレは前に柱やかまぼこ隊、東方陣たちと一緒に、2回目のエソラゴトの世界に行った。
 胡桃沢が、鬼化したときだ。(詳しくはろくきせ最終章をcheck!)

 花子がエソラゴトの世界に睦彦を連れ込まなかったのは、きっと……。
 ちらりと、横に立っている先輩の表情を伺う。
 ま、そういうわけだよな。

 
 睦彦「……しっかし、そっちが俺抜きでコソコソやってたんなら話がはえぇな」
 亜門「刻羽、何を――」


 亜門が戸惑いの表情を見せる。
 そんな彼に、睦彦は安心しろとニカッと愛嬌のある笑顔を見せた。
 そして袴の隠しから、『あるもの』を取り出し、またニカッとほほ笑む。

 
 睦彦「じゃ~~ん!」


 睦彦がオレたちに掲げて見せたもの、それは。
 一冊の本だった。
 黒い装丁の表紙。背表紙に『瀬戸山亜門』と書かれた、分厚い一冊の本だった。

 

Re: ろくきせ恋愛手帖【短編集】 ( No.66 )
日時: 2020/10/24 20:33
名前: むう (ID: 9Yth0wr6)

 今日は、クラス各チームに分かれて創作ダンスを披露する、リズムダンス大会がありました!
 疲れたぁぁ……。今日は休んで明日勉強しよ。
 みなさん、一週間お疲れ様でした―。
 癒しのご提供でーす(癒し?)
 ****************************

 〈亜門side〉

 刻羽が掲げて見せたもの、それは一冊の本だった。
 背表紙にはなぜか、僕の名前が書かれたり、それを除けば真っ黒な表紙。
 その本は、確か……。

 寧々「16時の書庫の本!? ど、どうして睦彦くんが持ってるのっ?」
 蜜璃「16時の書庫……って、なんだったかしら?」
 桜「あら、知らないんですか。では、ここらへんで行くわよ。せーのっ」


 ☆教えて 土籠 16時の書庫とは?☆

 16時の書庫っつーのは、かもめ学園が五番目、俺が管理する書庫のことだ。
 その名の通り、16時になると現れるその書庫には、学園にいる人物の記録が書かれた本がある。
 白い本は生きてる奴。黒い本が死んでる奴。
 過去も現在も未来も、学園でそいつが何をしたか、これからなにをするか。
 まァその本には全部乗ってるっつーわけだな。


 そうだ、これはあの、口が耳まで裂けてて、やたらとドSな蜘蛛野郎の本だ。
(『土籠先生だ』)
 それをなぜ刻羽が持ってんだ? しかもなんで僕の本を……。
 さてはあの野郎、刻羽にいらないことを吹き込みやがったな。この蜘蛛野郎め!
(『土籠先生だ』)


 ルーミア「なんだその本? 土籠の本だよなー?」
 パチュリー「ええ、そうね。彼の本をなぜ貴方が持っているの?」


 それは僕も聞きたい。
 どうやってその本を手に入れたのか、教えてほしいし、それに……。
 もしその本に、僕の恥ずかしい思い出とか乗ってたらっ!!

 その暁には今すぐ刻羽の手から本を奪い取り、可燃ごみに入れて捨ててやるっ!
(土籠『やめろ!!』)


 亜門「刻羽、なななな、なんでそれをッ」
 睦彦「つかさたちが裏で協力してたように、俺もある人と協力してたっつーこと」

 刻羽は実にあっけからんといい、ある人物を指で指し示す。
 向けた人差し指の先にいたのは、先ほどから眼鏡の奥の瞳を細めている、土籠。
 そして、腕を組みながら話し合いを見守っていた、七不思議が8番。


 つかさ「………ふーん。イガイだね。5番はあまねの言うコトなんでも聞きそうだけどな」
 土籠「………は?」
 輝「まあ、先生は七番のことが大好きですからね。僕も意外でしたけど(ニコッ)」

 つかさと源(兄)の言葉を聞き、蜘蛛野郎は一瞬凍った。
 ギョッとした顔つきで二人の顔を順番に眺め、

 土籠「だれが七番サマを好きだって?」
 花子「エッ違うの!?」
 土籠「お前はちょっと黙ってろ!」

 ふぅーっと蜘蛛野郎はキセルを吹き、チラッと横目で花子を見ると、もう一度溜め息をついた。
 

 土籠「確かに俺はコイツ(つかさ)に協力してるが、全てを許しちゃいない。そこの8番もだ」
 八雲「ええ。死を乗り越えていかなければ、何も変わらない」

 土籠「死に関する記憶を消す、ねェ……。コイツに協力している限り、反することはできない。そもそも俺は、瀬戸山の未来も刻羽の未来も知っている。口出しするだけ無駄だ。……だからあるヒントを与えるだけにした」

 ヒント?
 一同が首を傾げるのと同時に、刻羽が16時の書庫の本をペラペラとめくりながら言葉を紡ぐ。
 誰かに聞かせるためでもなく、自分のために言っているようだった。
 独り言、それと同じ感じだったけど、独り言とは違う言葉の一つ一つの重みがあった。


 睦彦「なんでこの本が黒いのか、なんで未来に関する記述がないのか、早く分かればよかった…」
 亜門「………そういうことか」


 僕はもう死んでいる。
 人が一度死んだら未来はもうない。
 どんなに足掻こうが、世界の仕組みにあらがろうが、結局灰になってハイサヨナラだ。
 過去に叶えられなかったことはもう叶えられない。
 それが死者に与えられた決まり。

 睦彦「記憶に干渉されてるせいかな。何度読んでも、内容が全く頭に入ってこなかった。さっき読んで理解したはずの内容も、全部忘れてしまう。おかげで俺は亜門に何があったのか、結局知ることは出来なかった。………知ってるハズなのに」


 でもさ。
 

 睦彦「でもさ。俺と亜門を会わせてくれたこと、すっげー嬉しかった!」



 そう言って刻羽は笑った。
 すげー明るい、おひさまみたいな笑顔だった。
 真夏のひまわりのような、そんな笑顔が彼にはよく似合う。


 なんでそんなに喜べるんだよ。
 だって、僕は、僕たちは、お前の記憶を奪ったあげく、お前の気持ちも聞かずに話を進めて。
 本当は、怒ってるんじゃないのかよ。
 なんでそんなに、なんでいつもお前は―――。


 亜門「な、なんで」
 睦彦「確かに、ちょっとショックもあるけど。それでも………」


 もったいつけるようにそこで一旦言葉を切り、刻羽はニヤニヤとこっちを見た。
 なんだよ、とこっちも口をとがらしてやると、そのニヤニヤはニタニタに変わって。


 睦彦「お前がそんなに俺のことが好きだったなんてな!」
 亜門「……………ち、違っ」
 睦彦「初対面で俺のこと殴ったくせに、結局そーいうことだろ。このツンデレ馬鹿が」

 誰だ、コイツに要らない知恵を入れやがったのは。
 思わず周囲を見渡し、僕はある人物を視界にとどめる。
 そいつは刻羽と同じくニタニタしながら、僕たち二人のやりとりを見物していた。

 やっぱりてめーか、花子!!
 刻羽をからかうだけでは飽き足らず、果ては僕や胡桃沢さんまでする気だな。
 

 亜門「う、う、うっせーな!! チビに言われたくねえよこの、チビチビチビチビ!!」
 睦彦「チッ……チビじゃねーよ、だいたい158のやつが157㎝をチビっていうのは違う!!」
 亜門「と、と、とにかくお前のことはっ!!」


『お前がそんなに俺のことが好きだったなんてな!』


 悪いかよ。文句でもあんのかよ。
 いいだろ、好きになったって。
 僕はお前に出会い頭に暴力を振るったし、本音は言わないし、感じ悪かった。
 でも、何でそんなことをしちゃったのかって考えたら、全ては一つの感情からだった。


 嫉妬。
 刻羽みたいになりたい。刻羽みたいに強くなりたい。
 なんで僕だけ、なんでお前だけ。
 そう言う感情に、自分が勝手に支配されてただけだ。

 
 睦彦「俺のことは?」
 亜門「お、……お前のことはっ………嫌いじゃない!!」
 睦彦「俺も、お前のことが好きだ」


 本当にずるいよな、お前って言う人間は。
 照れることなく素直に好きって言えるんだから。
 そっちだってあんなに僕のことを嫌ってたくせに。


 
 睦彦「運命なんて変えられるわけない、だっけ? じゃあ大丈夫だ!」
 亜門「何がだよ」
 睦彦「なにせ、俺らは【奇跡起こしの達人】だからな!」


 まず、胡桃沢やお前と出会ったのがはじまり。
 そのあとにかまぼこ隊に会って、花子達に会って、宵宮の家に行ったこと。
 一緒に鬼を倒して、東方キャラに会ったこと。
 一緒に笑い、恋し、泣き、ケンカし、また笑ったこと。


 睦彦「だから、大丈夫だ!」
 亜門「……………ありがと」


 なにが大丈夫だ。
 何を根拠に、そんなことが言えるんだ。
 でも、根拠のない言葉こそ、一番勇気を貰えるって分かっているから。
 
 四年前、最後に交わした『また明日』という言葉。
 刻羽がお見舞いに来る前に、ちょうど余命宣告をされた。
 そんな僕にかけてくれた、『また明日』という言葉がどれだけ嬉しかったか。

 だから僕は、にっこりと笑い返した。
 

 亜門「ぜってーに負けないからな! 色対抗リレー!」
 

 


 

 

Re: ろくきせ恋愛手帖【短編集】 ( No.67 )
日時: 2020/10/25 16:56
名前: むう (ID: 9Yth0wr6)

 ということで借り物競争に戻りたいと思います。
 ちなみに走順はコチラ。
 只今は、睦彦VSミツバのとこです。

【紅組メンバー】


 炭治郎(禰豆子) 輝 善逸 ミツバ しのぶ(計5{6}名)


 走順:しのぶ→ミツバ→炭治郎&禰豆子→善逸→輝

【白組メンバー】
  睦彦 つかさ 霊夢 フラン 美鈴(計5名)


 走順:霊夢→睦彦→美鈴→つかさ→フラン


 ****************************


 〈花子side〉

 ミライ騒動が一段落して、俺たちは再び競技を進めることになった。
 もちろん、この運動会が終われば瀬戸山はこの世を去る。
 運動会の間だけという、制限時間付きの楽しみ。


 桜『それでは、気を取り直して借り物競争リスタートです』
 夏彦『紅組のミツバVS白組の睦彦。どうぞお楽しみにー!』

 睦彦「行くぞ胡桃沢! 転ぶなよ」
 仁乃「う、うん。任せて!」

 ミツバ「よ、よし行くよ、宵宮さん!」
 有為「はいっ」

 本当にこんなことで良かったんだろうか。
 刻羽は嬉しかったって言ったけど、それは本当の気持ちなのかな。
 もしかして、俺たちを安心させるために、そういう嘘をついたなら……。

 
 寧々「花子くん、……どうしたの?」
 花子「あ、ああいや、なんでもない」
 寧々「睦彦くんのことなら、大丈夫よ。それに、私たちが暗い顔してちゃ、ダメじゃない」
 
 なんでヤシロは俺の気持ちが分かるんだろう。
 不思議だな……。
 でも、そうだよね。一番悲しいのに、精一杯笑っているのは俺じゃなくて刻羽たちだもん。
 俺がこんな顔しちゃ、いけない。

 
 花子「うん、ありがとうヤシロ(思わず寧々の手を掴んで)」
 寧々「……は、花子くん?」
 茜「…………………なんで七番様がアオちゃんの手なんか掴んでいるんですか」


 ………ん?
 恐る恐る視線を下に向けると、ヤシロの手を掴んだはずの指は、アオイちゃんの手の中にあった。
 あからさまに嫌そうな顔で、Gでも見るみたいに俺を睨む1番。

 葵「え、えっと……」
 花子「アオイちゃん………俺、本当は君のことが……」
 茜「フーッ フーッ アアァァァァァァァァァァ!!(花子に金属バットを向けて)」
 花子「え゛」

 何もってんのこの人。
 そ、そ、それ……金属バッド、何で持ってんのさッ!!

 そして、背中からも冷たい視線を感じる。
 ゆっくりと振り向くと、俺の視線と彼の視線がパチッとぶつかる。
 そいつは腰に下げた剣の鞘から、退魔用の剣を取り出すと、刃先を俺の喉元に当てた。

 輝「はい動かない」
 光「輝兄! ちょ、ちょ、ちょっと待ってくれよ!」
 輝「僕の言ったことは正しかっただろ」


 花子「お、俺はただ、ちょっとからかっただけで……わうッ」
 茜「七番様ァァァァァァァァァァァァ!!(# ゚Д゚)」
 花子「…………しょ、少年……(両手を上げて)」

 茜「あああ、あんなに可愛いアオちゃんの手を掴んで、その挙句………許さないッッ」
 花子「お、落ち着いて話し合おう……ヒェッ」

 1番が俺に向かって金属バッドを振りかざす。
 それと、少年のお兄ちゃんが霊刀を抜くのがほぼ同時だった。
 冷や汗がダラダラと流れ、視線だけ横にずらすと、少年が俺を庇うように手を広げている。

 花子「しょ、しょうねん………!」
 光「だだだ、大丈夫だ花子! オレがなんとかするからな……ッ」
 輝・茜「光(後輩)、どきなさい(どいてくれるかな?)ニコッ」

 花子「ギャ―――――――――――――――――――ッッッ!!!」
 炭治郎「お、お、落ち着いて話し合いましょう!」
 しのぶ「仲良くしましょう。ね、冨岡さん」
 義勇「コクコクコク」


 もっけ「くっくっく」
 もっけ「ななふしぎ、よわってる」
 もっけ「我ら、このときをまっていた」

 もっけ「ななふしぎ、ころすぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!(ズドドドドドドドド)」
 花子「わぅわぅあぅあぅ―――――――――ッッ!」

 八雲「柚木くん来世で会いましょ!」
 花子「8番!!? つ、つかさ助けてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

 必死の叫びも、遠くのテントで放送に集中しているつかさには全く届いていない。
 じりじりと、1番と源会長の悪の手が伸びる。
 ヤシロと少年が必死に庇ってくれるけど、ヤバい死にそう………。


 遠くで、ピストルの発砲音が聞こえ、黄色い歓声が聞こえた気がするけど、余裕がない俺には聞こえていないのと同じ。
 あ、刻羽も3番も、今は走らなくていいからこっちを見てよ………。


 1番の金属バッドと源会長の霊刀が眼前に迫る。
 やばいやばいやばいやばいっ。


 花子「白杖だ―――」
 輝「杖代は呼ばせないよ」

 ど、どうしようどうしようどうしようっ。
 一回、この人の攻撃食らったことあるけど、マジで痛いんだよっ。
 それに、ヤシロや少年を守りながら包丁で戦うのはかなりキツイ。

 茜「覚悟!!」
 

 1番のバッドが俺の脳天に当た……………らなかった。
 え? と、思わず、固くぶっていた目を開いた。
 1番の金属バッドを両手でつかみ、鈍器が俺の脳天を打ち砕くのを防いでくれたのは。


 中学校指定の長袖体操服に、同じく体操服の短パン。
 やたらと背が引くく、黒い眼鏡を付けている女の子。
 

 花子「お、遅いよ…………むう」
 むう「みんなお待たせっ! ろくきせ作者のむう、ただいま参上!」


 むうってば、いつもいつも俺らを虐める癖に、物語の進行がおかしくなる時に限って現れる。
 ……自分で書いたくせに……。
 おっと、これを言っちゃうのはどうやらダメみたいだ。
 ということでここからは、むうに代わって話を語ってもらおう。

 
 

 

 


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