二次創作小説(紙ほか)

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ろくきせ恋愛手帖 【亀更新です】
日時: 2021/01/19 18:09
名前: むう (ID: mkn9uRs/)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3a/index.cgi?mode=view&no=18233

 こんばんにちは、むうです!
 東方、鬼滅、花子くんにハマっている中3女子です。
 知ってるよーって方、いつも応援ありがとうございます。
 誰コイツって方、この機に是非名前を覚えて帰ってください。

 この小説は、六人の軌跡のスピンオフです。
 前作は参照のURLや、「完結小説図書館」にて読むことが出来ますよ。

 タイトルにもある通り、この小説はキャラ恋愛関係を始め、
 キャラの過去や裏話をぎゅっと集めた短編集になっています。


 また、話にはイメージ曲をつけているのもあります。
 私のおすすめの曲なので、聴いてもらえたら嬉しいです。

 あなたの推しの話が載るかも?
 楽しんで読んで頂けたらキャラも私も幸いです。
 では、短編集も完結までどうぞよろしくお願いいたします。



 〈作者からのお願い〉

「脱! 台本書き」目指して現在、セリフ量<場面描写の構成を頑張る日々。
 まだまだ普通の文章にはなかなかできず、台本のようになってしまうことがあります。
 ちょっと読みにくいかもしれません。すみません。
 温かい目で見ていただけると幸いです。


 〈注意〉

 ●受験勉強のため不定期更新&更新停止
 ●スマホだと読みにくいかも
 ●ネタバレ入るかも
 ●オリキャラあり
 ●時々東方キャラ登場


 〈ルール〉

 ●拡散〇
 ●中傷行為や荒らし、作品に対してのネット上での暴言×
 ●キャラの貸し出し〇(その場合コメント)
 ●また、ネット上での自作発言×
 ●リクエストなどはコメントにて


 上を読んで、OKな方はゆっくりしていってね!



 ▼むうの雑談掲示板もあるヨ。

「スレタイなんて知らないよ」

「【地縛少年花子くん】好きな人語ろ!」

 良かったらチェックしてみてね。

 
 ▼占いツクールでも執筆してるよ。

 よかったら『紅羽むう』で検索してみてね。
 評価してくれると嬉しいです。

 
  ーーーーーーーーーーーーーー

 【目次】♪→イメージ曲


 ◆◇企画コーナー◇◆

 キャラに○○してみる>>09>>53>>55>>78
 むうのおススメ本紹介>>13
 英語で鬼滅・花子くん!>>27

 
 ◆◇むうの執筆裏話◆◇

 第1回「むうのリスタート」>>36
 第2回「遅くなりましたが受賞の言葉」>>34
 第3回「お知らせ! 必読お願い!」>>38
 第4回「むうと柱とカオ僕と」>>40
 第5回「花子くん考察と2話までの裏話」>>46
 第6回「第1回☆謝罪フェスティバル!!」>>58

 ◆◇オリキャラ設定集◇◆

 瀬戸山亜門>>31
 七不思議8番>>43
 

 ◆◇本編◇◆

 一気読み>>01-

☆1.トモダチ☆(by睦彦)

 ♪from Y to Y/初音ミク

 登場キャラクター紹介>>01
 時系列の図>>10
 Prologue>>02
 第1話「初めて会った日のこと」>>03-05
 第2話「嫌い。」>>06-08
 第3話「合同任務」>>11-12 >>14
 第4話「本当の気持ち」>>15-16
 第5話「早すぎる別れ」>>17

★2.踊り場の花子★(by花子隊)

♪春を告げる/Yama

 Prologue>>18
 第壱の怪「となりの怪異くん」>>19-21
 第弐の怪「……嘘でしょ!?」>>22-24
 第参の怪「黒札と白札」>>25-26
 第肆の怪「花子VS花子」>>28>>29>>32
 第伍の怪「月原八雲」>>35>>37>>39>>41-42


 ☆3.快晴☆(by有為)

 ♪快晴/orangestar

 登場キャラクター紹介>>80
 第1話「忌子」>>81>>82
 第2話「生きる意味」>>83>>84>>85
 第3話「懐古」>>86-89
 第4話「夜月家と宵宮家」>>90>>91>>92>>93>>94
 第5話「ずっと一緒にいる」
 
 

 
 
 
 
 
 

 
 
 

 
 2020.8.21 スレ立て、執筆開始
 2020.8.30 第1話執筆開始
 2020.9.01 第1話完結
 2020.9.02 第2話執筆開始
 2020.9.22 第2話完結
 2020.10.23 キメツ学園執筆開始
 2020.11.09 受験勉強のため更新停止予定。
 

 

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Re: ろくきせ恋愛手帖 【亀更新です】 ( No.90 )
日時: 2021/01/12 18:08
名前: むう (ID: mkn9uRs/)


 鎹烏の言付け! アア―――――ッ
 この第4話と第5話は、ろくきせの第5章と第6章の間に起こってます!
 そして、ろくきせ閲覧数8300突破!
 ( ゚Д゚)え…(゜-゜)え……(゜_゜>)嘘……だろ

 ****
 
 【それからさらに一週間後】

 〈炭治郎side〉

 有為ちゃんの過去にどういうことがあったのか、善逸と睦彦くんが話してくれた。
 忌子だなんて罵られてもなお、自分の目標のために努力を続ける彼女を素直に尊敬する。
 
 有為ちゃんは初めて会った時より、表情が明るくなった。
 いきなり同年代の人と会って、多分動揺してたんだろうな。
 それでもまだ、すぐには喋り方や性格は変われないみたいで。


 有為「もう今度という今度は許しません! これ作るの大変なんですからね!」
 伊之助「…………はい……すみません……」
 有為「謝ってもどうせあなたはまた割るんですから! ボクもう信用できませんよ!」


 花子「……早朝早々どうしたの? 何か知ってるヤシロ?」
 寧々「有為ちゃんの杖の先っぽの水晶玉みたいなやつを、伊之助くんがまた割っちゃったみたい」
 花子「ああ、それで宵宮の雷が落ちてるわけね」


 炭治郎「伊之助はアオイさんだけでも充分懲りてるのに、その上口調がキツい有為ちゃんだと…」
 かまぼこ隊一同「ああ……(同情の眼差し)」


 と、奥の部屋で説教されてた伊之助が、ガックリ肩を落として部屋に戻ってきた。
 数分前のテンションと今とで、差がありすぎる。


 伊之助「トコトコトコ(ガックリ)」

 善逸「悪いのはお前だからな。これで割るの十回目だろ。ちょっとは反省しようよ嫌われるよ」
 禰豆子「フンフン」
 善逸「ほらね、禰豆子ちゃんもそう言ってるじゃんか」

 伊之助「……ダマレ……(ズ――――ン)」
 炭治郎「伊之助、ちょっと落ち着け! 気を確かにしろ! たかが怒られたくらいで!」
 花子「竈門もちょっと落ち着こうネ」


 伊之助「うるせーよ、弱い奴に言われると心折れるんだよ!」
 善逸「あっらかわいそう! 伊之助女の子と話したことないんだろ! 遅れてるはずだわ!」
 伊之助「ハァァァ―ン? 俺は人間の雌踏んだこともあるもんね!」
 善逸「それは最低だよ!」


 確かにそれは最低だな。
 あと人間の女の子を「人間の雌」と言っちゃダメだ。


 睦彦「お前らも一回落ち着けよ……。声がうるせえんだよ頭がキンキンする…(耳をふさいで)」
 光「大丈夫か? 以外と繊細なんだな睦彦(ボソッ)」
 睦彦「なんだと? 言っとくけどお前より俺が年上だからな! チビじゃねぇから!!」


 炭治郎「身長のことは誰も言ってないぞ?」
 睦彦「あーあー、……いいよどうせ俺はチビだよ」
 一同「拗ねた……」


 ※ちなみに睦彦の身長は158㎝



 仁乃「そうだ、皆一回庭へ出ない? リフレッシュしようよ。任務もないしさ」
 花子「まぁ、身体を動かすってんなら同意するよ。最近白杖代使ってないから訛っちゃってさァ」
 禰豆子「ムー?」

 寧々「私はオッケーよ! 有為ちゃんちのお庭って、綺麗な花もいっぱいあるし」
 光「先輩が行くならオレもいくっス!」
 もっけ「われらもいく」「われら、あめばたけつくる」「やむなしやむなし」

 炭治郎「よし、それじゃあ伊之助と睦彦くんを元気づけよう!」
 一同「オー―――――ッ!」


 そんなこんなで俺たちは、ストレス解消のため、伊之助たちと一緒に庭に出ることになった。
 しかしそこでは、意外な人物が待ち構えていたのだ。



 ・・・・・・・・・・・・・


 みんなと一緒に庭を出てすぐ、俺たちの目の前に知らない人物が立ちはだかった。

 空色の着物に黒色の袴を着ていて、長い髪は後ろで一つにまとめてある。
 歳は俺と同じ位か、あっちが少し上っぽい。
 有為ちゃんの知り合いだろうか?

 
 ??「よう。この家に用があってきた。馬鹿な忌子はいるか?」
 炭治郎「有為ちゃんのことですか? 貴方は?」


 最初の挨拶で、一同の表情が一気に警戒色に染まった。
 有為ちゃんを忌子と呼ぶと言うことは、コイツは他の陰陽師の人だろうか?


 ??「俺? 俺は夜月やつきカオル。陰陽師の御三家のトップの家の次男だ」
 一同「夜月家……!」


 確か御三家は、宵宮家・夜月家・如月家の三つ。
 有為ちゃんのお兄さんの死後、宵宮家の代わりに夜月家が陰陽師のトップになったって話だ。

 
 寧々「そ、そのあなたが、有為ちゃんに何の用なんですか……?」
 カオル「そんなの決まってるだろ。忌子をこっちで引き取って処分するんだよ」


 つまりコイツは、有為ちゃんを殺そうとしてるのか!?
 その行動が間違っていると、なぜ思わない!??


 カオル「それよか、お前たちはなんだ? あの忌子とどういう関係だ?」


 カオルさんは首を回すと、上から俺たちを順番に睨んだ。
 ぞんざいな態度で権力を示す様子が、癪に障る。


 炭治郎「いちいち有為ちゃんを忌子と言うのはやめろ! 俺たちは彼女の友達だ!」
 一同「(コクリ)」
 カオル「へぇ、友達? アイツの? こりゃ驚いた」


 けたけたと腹を抱えて笑い出す彼は、明らかに宵宮家を、そして忌子をバカにしている。
 俺は心の底から怒りに燃え、考える前に身体が動いていた。



 ダダダダダッ
 ブンッッ


 善逸「炭治郎!?」
 伊之助「何やってんだお前!?」


 カオル「……何のつもりだお前(炭治郎が振るった刀を避けて)」
 炭治郎「お前が何をしに来たかは知らないが、ここから先は行かせない!!」
 カオル「……勘違いしているようだから言っておくがな」


 カオル「陰陽師には、女は生まれたら即処分する掟があるんだよ。
     それを宵宮家はあっさりと破りやがったんだ!
     陰陽師において掟がどのようなものか、お前には分かってんのか!?」


 炭治郎「分からない! 俺は陰陽師ではない、普通の家系だからだ!
     でも、掟が一番大事で人の命はいくらでも踏みにじっていいって、それは違うだろう!」

 

 この人の元に有為ちゃんを預けてはいけない。
 俺は彼女の言っていた「忌子」がどういうものかは知らないが、予想することは出来る。
 一人称や口調まで変えなければ自分を護れなかった仲間を、夜月家に預けてなるものか!



 炭治郎「俺は、自分の行動を間違ってるとは思わない!! 間違ってるのは、お前だ!!」





 ネクスト→かまぼこ花子隊VS夜月家次男・カオル。次回もお楽しみに。




 


 

 


 
 

 

Re: ろくきせ恋愛手帖 【亀更新です】 ( No.91 )
日時: 2021/01/13 20:46
名前: むう (ID: mkn9uRs/)


 自分の感受性くらい自分で守れ
 ばかものよって言う詩があるけどさ(茨木のり子さんのやつ)
 自分の感受性さえ守れなくなった時は
 取りあえず美味しいものでも食べよう。怪我した後のルパン三世並みに。

 ****


 【カオルVSかまぼこ花子隊】


 〈善逸side〉


 おいおいおいおい、ちょっと待てよ炭治郎!
 そりゃ怒る気持ちもあるけどさ、お前が今振ったの何か教えてあげようか?
 真剣だよ真剣! 木刀じゃなくて真剣!!


 善逸「おいぃぃぃぃ……捕まるってぇ……やばいってぇ……」


 当たったら死ぬよマジで!
 ホント嘘でも何でもなく死ぬからさ、ねぇ他の皆も殺気出してんじゃねえ!
 みんなもう、花子とか白杖代セットしてるけど一回落ち着こ!?


 カオル「夜月家次男の俺にいい度胸じゃねえか! このっ」
 善逸「ぁぁぁぁぁぁめっちゃ怒ってんじゃん、言っただろうがこの馬鹿ぁぁぁぁ」


 寧々「もーあったまきた! 炭治郎くん、早くこの人をぎゃふんと言わせて!」
 善逸「ちょ、寧々ちゃん!?」
 寧々「私、自分の友達の悪口いうやつは許せないの!」
 光「分かりました先輩! このオレに任せて下さい!」


 あー俺の居場所ないわ!
 そりゃ俺もさ、言いたいことは山ほどあるのよ。
 でもこんな家の真ん前で戦う方がおかしくない!? 話し合おうよ!!
 
 善逸「ああ、あの、コホンコホン。仲良くお話でもしたいんですけど…(揉み手)」
 カオル「は? プッ なに、お前も戦う気かよ。そんなひょろっひょろのもやしなのに!」
 善逸「……………コイツ、一遍死なせてやる……」


 前言撤回。
 だーれがもやしっこだ、一遍言ってみろコラァァァァ!(←善逸の心の声)


 善逸「雷の呼吸・壱ノ型 霹靂一閃!(ブンッッ)」
 カオル「おっと。(避ける)俺に勝負を挑もうなんて、百万年早いんだよ! オラ!(ガツッ)」
 善逸「う゛っ(数メートル先まで蹴飛ばされる)」


 伊之助「紋逸―――――――!」
 善逸「ゴホッ ゲホゲホッ」


 なんだ、さっきの攻撃。
 普通のキックなのに、蹴られたところから血が噴き出して止まらない。
 何をしたコイツ……っ。

 カオル「痛い目逢いたくねえなら忌子を渡しな。そうすれば命だけは助けてやる」
 光「うーわ、悪役が言うセリフBEST5っすよそれ……」
 カオル「さて、もやしの次はどいつだ?」


 花子「………よくも我妻を……。蹴散らせ白杖代っ(ブンッッ)」
 カオル「『術式発動:輪界心異りんかいしんい』!!」


 白杖代を投げつけた直後、カオルはそう呟きパチンと指を鳴らす。
 するとなぜか、不意に花子の体制がぐらりとふらつき、受け身も取れないまま地面に転がった。


 ドサッッッ


 仁乃「は、花子くん!」
 炭治郎「大丈夫か!? 立てるか?」
 伊之助「おい、しっかりしろ!」


 花子「(ふらりと立ち上がって)」
 寧々「良かった、怪我はないみた……」
 花子「コ……コロス……!(寧々に襲い掛かる)」


 睦彦「っ!! 光の呼吸・陸ノ型 闇黒狂乱あんこくきょうらん!(花子の攻撃をなぎ払う)」
 花子「……コロ……コロス……」
 睦彦「おい花子! しっかりしろ! 目の前に居るのは八尋だぞ!」
 花子「………邪魔ヲ……スルナ!(ブンッッ)」



 ~睦彦、善逸と同じく数メートル先にぶっ飛ばされ~


 仁乃「むっくん!!」
 睦彦「う゛っ」


 なぜだ?
 なんで急に、花子がこんなことになったのか俺は分からず口をあんぐりと開ける。
 
 そう言えば、花子がおかしくなったのはカオルが呪文のような言葉を呟いてからだよな。
 何か関係があるのか……?

 
 カオル「ふふふ、やっぱりこの力は利くね」
 花子「カオル様。ツギハ如何シマショウ」
 カオル「うーんそうだな。じゃ、この感じで残りもやっといて~俺は屋敷見てみるから」
 花子「了解シマシタ」


 カオルがくるりと踵を返して、宵宮家の屋敷に入ろうとする。
 そんな彼の腕を、仁乃ちゃんが咄嗟に掴み、手元へ引き寄せた。


 仁乃「逃げんなバカ垂れ。うちの連れをどうしてくれた。言えよコラ」
 カオル「………」



 炭治郎「? 今の、仁乃ちゃん……か? 何か口調が……」
 伊之助「やべぇアイツ、やべぇぜ……空気がビリビリする」
 睦彦「(フラッと起き上がって)久々に来たか」

 光「き、来たって何が?」
 睦彦「胡桃沢は怒ると口調が乱暴になる。今は、『素の状態』。そうなると手が付けられない」



 カオル「女の子とは仲良くしたいんだけど。キミけっこう可愛いし。手、放してくれる?」
 仁乃「ふざけんなバカ。うちの連れをどうしたって聞いてんだよ」 
 カオル「ああ、あの妖怪? 俺の術で洗脳したよ。しばらくは俺の監視……うおッ」


 
 仁乃「(手首をつかむ力を強める)………ふざけんなよ、なんでそんなヘラヘラして言える」
 カオル「ちょ、ちょっと君さ、……程度分かってる? 嫌なんだよね底辺の人間ってのは」
 仁乃「………底辺は、お前だ!! 血鬼術・爆黒炎!!」




 ****
 


 〈一方その頃 家の中〉


 有為「そろそろおやつの時間だ。……皆さんどこへ行ったんでしょうか……」
 もっけ「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁ(慌てて中へ)」


 有為「確か貴方達は……。もっけ?」
 もっけ「われら、いまやばい」「われらをたすけろ」「きんきゅうじたい」


 有為「緊急事態って?」
 もっけ「いえのまえに、やつきけきた」
 もっけ「ななばんたちとたたかって ななばん せんのうされた」
 もっけ「ういをころそうとしてる」


 有為「夜月家がボクを殺そうと家に来てるんですか!?」
 もっけ「われら、みんなにしんでほしくない」
 もっけ「でも やつきけ つよい」
 もっけ「みんなやられるかもしれない」「なんとかしろ」「うい たすけろ」


 有為「ヤバい、夜月家の術を食らったら皆さんが……ッすぐに行きます!」
 もっけ「でも そといくと ういやられる」「ころされるかもしれない」「どうする」
 有為「そんなの、自分で何とかするしかないです。大丈夫です、自分の問題ですから」


 そう言い切った有為ちゃんの両手足は、震えていた。
 それでも、部屋に置かれてあった錫杖を掴み、足袋を履いて靴を履き、外へ慌てて出る。
 その姿が、もっけたちにとって、とても勇敢に思えた。


 もっけ「われらも ういをたすける」「がったいしてつよくなる」「もんすたーもっけ」
 もっけ「くろもっけも がったいする」「わるいにんげんころす」「ねっさつほうきゅう」


 かくして、有為&もっけからなる「かまぼこ花子隊・救出部」が結成されたのだった。


 


 


 

Re: ろくきせ恋愛手帖 【亀更新です】 ( No.92 )
日時: 2021/01/14 19:01
名前: むう (ID: mkn9uRs/)

 【執筆コソコソ噂話】
 最近は仁乃睦色を控えめにしてぎぬしの(後に出そうかと思っている)や花寧々を強める。
 ついでに有為の存在感も強める。ぜんねずもやりたい。
 有為ちゃん誰かとくっつけてみるかって考えてたり(一応候補は無一郎とミツバ?)
 しっかしこれがまた難しいんだぁ……


 ****

 
 〈花子side〉

 さっきからずっと頭がガンガンいっている。
 遠くでヤシロやみんなの声が聞こえたと思ったら、今度はすぐ近くで響く、
 平衡感覚がおかしくなる。かといって口を開こうと思えば、セリフも操作される。

 どうしよう……このままじゃダメなのに体が動かない。
 早く宵宮を助けなきゃと思ってるのに、さっきから体が言うコトを聞かない。



 花子「コロ……コロス!(ブンッッ)」
 伊之助「獣の呼吸・弐ノ牙 切り裂き(なぎ払う)!! ウォィしっかりしろ!!」


 炭治郎「ダメだ伊之助! 花子くんは夜月家の術で洗脳されてるんだ」
 伊之助「チックショウ…アイツ絶対許さねえ!」
 炭治郎「善逸、立てるか! 寧々ちゃんの護衛を頼む!」

 善逸「ぇぇぇぇぇぇ!? んもぉ分かったよぉ……」
 光「大丈夫だ炭治郎! 先輩はオレが見てる! 炭治郎たちは構わず攻撃しろ」
 炭治郎「……できればそうしたいんだけど、光くんの武器、封印されてるだろ?(憐みの視線)」


 ※光くんの錫杖は花子くんが「封」という札を貼ったので攻撃力がない。


 光「花子ぉおおおおおおおおおお!!」
 寧々「こ、光くん、私は大丈夫だから仁乃ちゃんを助けてあげて!」
 光「え、でも、」
 寧々「あの人に洗脳されたらおしまいよ。かといって有為ちゃんに助けも呼べないし……」



 ヤシロごめん!
 本当なら俺が守ってあげれるのに。
 どうやったらこの状態から抜け出せる?

 あ、もう、そんなこと考えてるうちに竈門ひっかいちゃった……。
 止まって、俺の体、止まって!!


〈仁乃side〉

 カオル「『術式発動:封呪縛放ふうじゅばくほう』(パチンと指を鳴らして)」
 仁乃「……ッ(やばい、なんか胸の中がモヤモヤして)……」
 
 カオル「術の強さだと、どんな状況にも対応できるほど術が豊富な宵宮家が優勢だ。けど、」
 仁乃「う゛……(やばい吐きそう……)」
 カオル「夜月家は使う術が少ない分、一つ一つの術の効力がでかいんだよね。どう?」
 仁乃「……ゴチャゴチャ言ってないで、早く洗脳を解呪しやがれ、この………ッ」


 猛烈に煮えくり返る腹の奥の本音。
 それを思いっきりこいつにぶつけたいのに、重い倦怠感のせいで体がふらつく。
 喉の奥がゴロゴロして、視界が狭くなる。


 それにコイツには、爆黒炎がきかない。
 さっきも炎を投げたら、また新たな術で炎の軌道を変えられた。
 自分に向かって迫ってくる炎を前に、さっきからずっと私は手ぶら。

 

 カオル「君は厄介だね。洗脳しようにも君だけは出来なかったし、この術の効き目も薄い」
 仁乃「こんなときだけは、こんな体で良かったって……思うよ」
 カオル「ふうん。でももう限界みたいだね。『濃霧』が心を蝕んでる。じきに死ぬよ、君」


 濃霧って何か、そう尋ねる元気は既になかった。
 分かったよ、私の知ってる世界はとっても狭いってこと。
 有為ちゃんがいい人なんてほんの一握りだって言ってたけど、全くその通りだ。


 世界中どこにいようがいまいが、どうしようもない人は沢山いる。
 そんな人に文句を言うよりかは、自分を信じてくれる人と楽しい話をした方が何倍もマシだ。


 世界って言うのはこんなもんだよ。
 私が運が良かった。それだけのことなんだ。
 違う世界があって、もしかしたらそこでは皆悪い人なのかもしれない。
 自分がその世界に入り込む可能性もあったんだよ。

 でも私は違った。
 優しい人を探すことが出来た。信用してくれる人を最後まで信じることが出来た。
 一緒にいたい人と一緒にいる生活を送れた。
 それだけのことなんだ。

 仁乃「(………ヤバいもう力が出ない……)ドサッッ」
 光「仁乃ちゃん!! おい先輩を頼むっ(ダッと駆けだして)」
 カオル「ほら、言った通り」


 光「おいテメエ、いい加減にしろよ!! 人を簡単に傷つけて!!」
 カオル「俺だってしたかねえよこんなこと!!」


 急にカオルが声を荒げ、光くんの胸倉をつかんだ。
 さっきまでの雰囲気とは打って変わり、彼は泣きたいような怒りたいような複雑な表情で。
 服を掴まれた光くんはびっくりして、目をしばたかせた。


 カオル「したかねえよ、俺だって人殺しは嫌だ! かといって逆らったら俺の首が飛ぶ!」
 伊之助「……逆らうって誰にだよ」
 カオル「上にだよ! 昔からそうだ、掟は間違ってるって、忌子を解放しようって言ったら……」


 カオル「そう言った人みんな、自分の親父の手にかけられて、それで」
 炭治郎「………そ、それでお前は、自分の命を守るために有為ちゃんを……ッ」
 カオル「じゃあどうしろってんだよ! お前は仲間のためにも俺は死ねって、そういうのか!?」


 違うよ。そんなこと炭治郎さんは言ったんじゃないよ。
 でも、カオルさんの気持ちも、分からない訳じゃない。

 誰だって死ぬのは怖い。当たり前のことだ。
 死にたくないから、命令には逆らえない。
 炭治郎さんはそんなしきたりを作った人が、とっても嫌いなんだよ。








 有為「――もういいです」




 その声は、絶望に負けそうになっていた私たちの頭に、凛と響いた。
 




 寧々「有為ちゃん!?」
 善逸「馬鹿、有為ちゃん一回家に入ろう! 入っ……って力強いな!!」
 

 炭治郎「有為ちゃん、気持ちはわかるけどここにいたら、どちらにしよ君は……」
 有為「大丈夫です。……何とかしますから」


 何とかするって、どうやって?
 花子くんも光くんも私も、もう戦えない。
 それにカオルさんに従っても従わなくても、あなたは死んじゃうんだよ。


 有為ちゃん、やめてよ。
 私、もう誰も失いたくないよ。
 


 有為「大丈夫です。今から、全部終わらせますから」
 カオル「終わらせる? 何を終わらせるって言うんだよ。お前に何ができるって言うんだ?」



 できますよ、と有為ちゃんは言った。
 そのために準備してきたんですから、と。


    
 有為「…………消すんですよ、『忌子の存在』を」
 カオル「……は?」
 有為「『記憶操作術』で、陰陽師のみんなの根っこにある、忌々しい忌子の概念を抹消する」


 ……できるの? そんなこと。
 でも私は、有為ちゃんが夜遅くまで祓魔術の練習をしてたことを知っている。
 いつも、私たちだけでは手の回らない雑事に追われて、どんなに辛い時でも決して諦めなかった。


 有為「だから、協力してください! 夜月家!!」







 ネクスト→第4話クライマックス。次回もお楽しみに!

 


 

Re: ろくきせ恋愛手帖 【亀更新です】 ( No.93 )
日時: 2021/01/17 18:14
名前: むう (ID: mkn9uRs/)

 こんばんは、むうです。
 あと残すところ受験まで一週間とちょっとになりました。
 気分はDown気味なんですが、頑張ってHighにしようと思います。
 皆さんも勉強や部活頑張ってください。応援しています。

 ****


 〈有為side〉


 なるほど、夜月家はただ単に自分を排除しに来たわけではないのか。
 それも、上からの重圧、逆らえば自らの死を選ばなければならないということだ。
 全く持って、ばかばかしい。よくもそんなことをいけしゃあしゃあと。


 少し前の自分なら、夜月家の手によって自分が殺されてもいいとそう思っていた。
 自分の存在意義なんてなくて、自分が生かされている理由も知らずに。

 でも今ならわかる。
 自分が生かされたのは、みんなが優しいから。
 自分が認められたのは、みんなの心がキレイだから。


 その優しさをただ貰っているだけじゃ、ボクは何も変わらない。
 自分を忌子たらしめていたその概念ごと、破壊してやる。

 できるのかって? そんなことは分からない。
 だがお兄ちゃんやご先祖さまは、宵宮家の伝統を作るためにわざわざ術の記述まで残してくれた。
 ボクがその文書を読んでいなければ、きっとこんなことを考えようともしなかった。



『失くしたものは大きいけど、しっかり生きて行かなきゃ瀬戸山くんが怒っちゃうからね。
 だから一緒に頑張ろう。
 大丈夫、有為ちゃんは出来る子だから。
 ちゃんと、力持ってるから』


 そう言ってくれた仁乃さん―炭治郎くんたちや花子くんたちの期待にこたえたい。
 鬼に食べられてしまったお兄ちゃんのためにも、今ここで『わたし』がしっかりやらなきゃ。
 きっと、ボクは一生、前へ進めない。


 だから。
 


 有為「協力してください! 夜月家!!」
 カオル「……………断る」



 炭治郎「なっ!!」
 伊之助「なんでだよ、さっさと何とかしやがれ!!」

 花子「ウ゛……ウ゛ウ゛………(寧々に捕まえられて暴れる)」
 寧々「花子くん、しっかり!! もうちょっとの辛抱だから!!」


 仁乃「う………ごめん体が動かない……。だれか肩貸して……」
 睦彦「ほら、手出せ。全くお前は、こういうところは変わんないなぁ」
 仁乃「(起き上がって)ん……ありがとうむっくん」



 有為「なんでですか? 貴方も陰陽師のしきたりには反対なのでしょう?」
 カオル「………忌子と協力なんて、出来るわけねえだろ!!」



 その言葉を聞いた途端、自分の中で押さえ込んでいた感情が一気に爆発し、加速した。
 人生14年間で生まれて初めて、ボクの身体は感情に任せて動き出した。

 何が起こったのかわからなかった。
 気が付けば自分は、カオルさんを押し倒して、彼の羽織の胸倉をつかんでいた。


 苦しそうに息をする彼に、やっと自分が何をしたのか分かり慌てて手を放す。
 感情に左右されるなんて、馬鹿がすることだ。冷静にならなきゃ。
 でもなかなか頭は冷えなくて、肩で息をするのがやっとで。



 カオル「………う………」
 有為「ふぅ……ふぅ………ふぅ…………」


 花子「……ヨ……イミヤ……」
 寧々「! 花子くん!」
 花子「(ドサッッ)はっ。何が起こった!? あれ、俺今まで何して……」
 寧々「花子くぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅん!!(ギュ――――――ッ)」
 花子「え、ちょ、ヤシロ!? 苦しい、苦しい!!」


 カオルさんの動揺で、花子くんにかかってた洗脳術が解けたのだろう。
 それと同時に仁乃さんにかかっていたものも効果を失ったようだ。
 だが、数分間術に身体を乗っ取られていた二人の顔色は悪い。


 有為「…………わたしが……忌子だからって、そういう言葉はもう聞き飽きた……!」
 カオル「……は、離せコラっ」
 有為「もういい。もういい……っ。もう辛いのも苦しいのもしんどいのも嫌だ!!」


 どうせ分かんない。
 どうせ同情なんてしてもらえないんだ。
 少しは話し合えるかと思ったけど、やっぱり難しいよね。


 何十年も続いてきたきまりが間違ってるだなんて、普通誰も思わないから。
 やっぱり、しょうがないよね。


 前向きになっていた心が一気に暗く閉ざされ、やっつけ仕事で全てを終わらせようと考える。
 ああ、わたしは馬鹿だ。
 少し嫌なことがあったくらいで考えるのをやめてしまう。
 このうえなくネガティブで、やっぱり弱い。



 有為「…………やっぱり、わたしを連れて行……」
 炭治郎「諦めるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」




 不意に耳に飛び込んできた、炭治郎くんの怒鳴り声にはっとして振り向く。
 いつも穏やかな笑顔を崩すことなく接してくれた炭治郎くんは、表情をこわばらせて叫んでいた。



 炭治郎「あとちょっとだ! もう少しだ!! 絶対に、諦めちゃダメだ!!」


 その声に押されて、他のみんなも立ち上がり、声を張り上げる。
 大丈夫だと、絶対にやれると、こんなわたしを持ち上げてくれる。
 


 善逸「そ、そうだよ、頑張れ有為ちゃん! 早くこんなの終わらせておやつ食べよう!!」
 伊之助「腹が減ったんだよ、早くしやがれ!!」
 仁乃「大丈夫……頑張って……」
 睦彦「寝とけ胡桃沢…って、どうせ聴かねえしなぁ……つうことで頼むわ宵宮!!」


 花子「宵宮ごめん、俺やられてたみたいで!! 今度はサポート頑張るから!!」
 寧々「行くわよ光くん! 有為ちゃーんファイトぉぉおおおおおお!!」
 光「オ―――――――――――!!」


 もっけ「ういふぁいと」「おまえはできるこ」「かわいい」「アメやる」



 皆が背中を押してくれるなら、こんなところで後ろめたい気持ちになってちゃダメだ。
 ボクは起き上がると、カオルさんの手首をつかんで起き上がらせる。
 いきなり上へ乗っかってきたボクの行動に、まだあんぐりと口を開けている彼に、言う。


 有為「貴方にしか頼めないんです! 頼みます、協力してください!!」
 カオル「なんで……なんで怒らねぇんだお前。俺は夜月家の人間だぞ。……なんで……」
 有為「あいにく、階級とか位とかに、重きを置いていないんで!! どうでもいいです!」


 ボクの言葉に、なぜかカオルさんは肩を震わせて俯く。
 なぜかは分からない。
 みなさんなら考えることもできるのかもしれないが、ボクは人の気持ちに鈍感だ。



 カオル「……分かったよ。…………あの、さっきのことは」
 有為「『忘れて下さい』とでも言うつもりですか? 断固却下しますよ。一生忘れません」

 
 故意であっても、ボクの仲間を傷つけたこと。
 これは絶対に許される事ではないはずだ。



 カオル「……お前みたいなやつ、俺いっちばん好きかも(ボソッ)」
 有為「それはどうも」


 ボクはそれを皮肉と受け取ったが、本当にそれは皮肉だったのか。
 もしかしたら、彼が自分を初めて一人の人間だと見てくれた上での言葉だったかもしれない。
 

 だがしかし、それがどんな意図だったとしても、あとでボクは彼を数発殴ってたけど。




 ※あ。構成ミスったぁぁぁぁ。次回に続きます、お楽しみに―!

 



 
 


 

 

Re: ろくきせ恋愛手帖 【亀更新です】 ( No.94 )
日時: 2021/01/19 18:08
名前: むう (ID: mkn9uRs/)


 ♪そりゃ色々あっただろう今もあるだろう
  でも笑いながら生きていく
  それが人世だって(くぅぅ~いい曲だ!)

 ********


 〈光side〉

 カオルって奴に宵宮が乗っかかったとき、とっさに仲介しようとしたんだけど。
 いつの間にか二人の間で勝手に話が進んでて、オレの出る幕は(多分)ない。
(そしてそれは炭治郎や仁乃ちゃんたちも一緒なんだけど。)

 できることと言えば、術に乗っ取られたことで弱っている花子をおぶること。
 そして、そんなコイツを襲おうと殺気立ってる勿怪をなだめることだ。


 もっけ「やめろ」「みみをひっぱるな」「このこの」
 光「うるせー! そうでもしねぇと暴れるだろうが!!」
 花子「う……少年~……」

 
 そんなオレにお構いなく、向こうで宵宮とカオルは話を進めている。
 泣いたり叫んだり怒ったり、かと思えばけろりとしたりと、忙しい子だ。
 まぁ人情味がない人間はつまんねえけどな。


 有為「ボクが『記憶操作術』を使い、カオルさんは『洗脳術』を使うことで時間を短縮できます」
 カオル「はぁ。つまり、俺が人の意識を乗っ取ったあとにお前が記憶を奪うと」
 有為「ええ。記憶操作術は広範囲の効果が期待できますので」


 カオル「ってことは俺の記憶も消えるのか?」
 善逸「嘘!? 嫌よ俺、有為ちゃんの過去やっと聞けたのに!!」
 禰豆子「ムー!!」


 記憶を消す……ねぇ。
 善逸が嫌なように、オレも自分の仲間に記憶を消されたくはない。
 みんなで全部共有しようって決めたのに、その約束ごと破られそうで。


 光「おい宵宮!! 消さねえよな!? 嫌だぜオレ、このまま終わるのは!!」
 有為「…………」


 宵宮は黙り込み、そう叫んだオレをまじまじと眺めた。
 何か言いたそうに口を開きかけたが、どう伝えればいいか迷っているようで咄嗟に口を閉じる。
 そうやって、酸欠の金魚みたいにしばらく口をパクパクさせてたが、



 有為「………分かりました」



 とあくまでも渋々と言った様子で、肩をすくめて見せた。
 いつもはズバズバと行くけど、本性は物凄く繊細な彼女のことだ。
 仲間に心配をかけまいと、本当は記憶を消したがってたのかもしれない。



 炭治郎「ありがとう有為ちゃん。大好きだよ!」
 寧々「私も大好き! 有為ちゃんの料理、すっごく美味しいもの。また作ってね!」
 仁乃「……わ、わたし………も好き……(ぜーぜー)」
 睦彦「だから寝とけって……(仁乃おんぶ中)」


 炭治郎のストレートな発言に押されたのか、あとの面々も揃って叫ぶ。
 伊之助も「俺も!」と言おうとしたが、直後恥ずかしくなりそっぽを向いてしまった。


 みんなの「好き」コールに、宵宮は顔を真っ赤にしたあとに俯いて、小さな小さな声で呟く。
 きっと環境が環境だけに、言われ慣れてないんだろうな。
 
 
 有為「!? ………わ、わたしも……大好きです……」
 カオル「おい、いつまでイチャイチャしてんだよ。やるんだろ? 早くしねえと全員乗っ取るぞ」
 一同「それだけはご勘弁をぉ!!(秒殺)」

 
 さっき知ったことだが、コイツの洗脳術を解かないといずれ脳がやられて死に至るらしい。
 仁乃ちゃんがかかった術も同じく、解呪しなければ人間の命を奪うものだ。
 夜月家……恐るべし。


 有為「(杖を構えて)では、行きますよ。ミスる覚悟はありますか?」
 カオル「ミスる前提なのお前!?? フラグ立てんなよ!!」
 有為「だって……『初心者でもわかる』転移術も失敗でしたし……」


 あれ、初心者でもわかる超初歩的の術だったんだ……。
 でも今となると、失敗したことでオレたちは大正時代に来れたんだから、怪我の功名だけどな。


 睦彦「おぉいやめろ!! 卵焼きを作れなかった俺が居たたまれないだろうが!!」
 光「教えるって言ったのに聞かねえから……(ボソッ)」


 睦彦、お前はそもそもレシピを完全無視してんだよ。
 レシピなしに作って成功するのは、料理研究家とかそういうプロだけの話で。
 初心者がレシピなしでぶっつけ本番ってのは、それはオレもフォローできねえよ……。


 カオル「ああもう黙れお前ら!!」
 一同「はいッ。すみません!!」


 あんだけ痛めつけられたせいか、カオルの発言には逆らえない流れが出来てる。


 カオル「ってことでやるぞ宵宮!! 『術式発動:極・輪界心異りんかいしんい』!」
 有為「祓魔術・終ノ目 『記憶操作』!!」



 グラグラッッ


 二人がそう唱えた瞬間、一瞬だけ地面が揺れたような気がした。
 術の反動だろうか。
 オレには何も見えないが、きっと今宵宮とカオルの術が広がっているんだろう。


 これでもう、宵宮を―そしてそのほかの忌子を苦しめて来た概念はなくなる。
 彼らに、新しい世界が広がるのか。
 
 小さい頃から体で感じて来た概念だ。
 急になくなったことで、直ぐに全部が良くなったりはしないだろうけど。
 この出来事が、多分陰陽師という世界に生きている人の心の救いになったら。



 それに越したことはないよな、宵宮。



 オレはお前を凄いと思うよ。
 たかが一歳年が違うだけ、生まれた時代や環境が違うだけなのにさ。

 精神年齢もお前の方がずっと高くて。
 色々な辛い事を経験したからだと思うけど、ゼンッゼンお前が笑わないから。
 だから今日からは、お前の笑顔が見れるのかなって思うと、良かったなって。


 

 ****




 有為「お、わ…………った…………(ドサッッ)」
 伊之助「おい、しっかりしろォ! 立て!」
 有為「術の……反動……で数日は……起き上がれないから………」
 伊之助「チッ。しょうがねえ、オラ、負ぶってやるから!」


 宵宮は、術の反動で動けなくなってしまった。
 それほどまでに『記憶操作』と言う術は、扱いが難しかったんだろう。
 お疲れ様、有為ちゃん。



 カオル「っ、ってことで俺はここで! もう一生この家には来ねえから!(ダダダダ)」
 炭治郎「あ、あの、初対面なのに剣振ってしまい申し訳なかったです!!」
 善逸「ほんとそれね!! 仁乃ちゃんも怒るとやべぇけどお前も同じだと思うよ、俺」
 炭治郎「ほんっと、申しわけなかったです!!」


 
 カオル「……あの、その、……なんだ。俺も四人もケガさせたし、まぁ別に、いいけどよ」
 炭治郎「本当ですか!! じゃあさようなら! とっととお帰り下さい!!」
 善逸「だからホントそういうとこだよ炭治郎!!!」


 こうして、長い長い忌子の苦悩は終わり。
 この日をきっかけに、彼らの新しい世界が広がる(のかもしれない)。


 とりあえずは、仁乃ちゃんや宵宮を介抱しないとな。
 先輩、裏に井戸ありましたよね。水汲んできて湿布作りましょう。

 オラみんな、急げ急げ! 宵宮家の管理する奴が倒れたんだぞ!
 なら仲間のオレらが、しっかりやんねえとな!!
 
 


 


 
 

 


 


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