社会問題小説・評論板
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- 死にたがりの私
- 日時: 2012/09/02 11:19
- 名前: 桜 (ID: j5WpSu7v)
初めまして、の方が多いと思います。
桜です。
この小説を読もうとしている方への注意です↓
・誤字脱字が多いです。
・文才ないです。
・更新遅いです。
・登場人物紹介はありません。
・登場人物の口調がよく変わります。
・季節ないです。
・起承転結ないです。
・完結するか分かりません。
・小6(現在中1)が書いた駄作です。
いけるっ、という方はそのまま下へ。
無理な方は小説一覧へ戻って下さい。
それと、荒らし、中傷などはやめてください。
アドバイス等は大歓迎です。
- Re: 死にたがりの私 ( No.53 )
- 日時: 2012/09/01 20:19
- 名前: 桜 (ID: j5WpSu7v)
私は、トイレには行かず、屋上へ行った。
屋上のドアを、ゆっくりと開いた。
古いのか、耳障りな音がした。
先の屋上に来ていた人が、その音で私の方へ振り向いた。
先に屋上に来ていた人、坂本春菜。
私は屋上のドアを閉じ、春菜に近づく。
春菜は、私が怖いかのように。
昔の私のように。
ただ、怯えているだけだった。
「……ここに居たんだ」
私は、感情をこめずに言った。
その言葉を聞いた春菜は、突然私に土下座をしてきた。
「ごめんなさい、ごめんなさい!!」
何回も、何回も謝りながら。
涙を流しながら。
「ごめんなさい!許して!私が悪いの!ごめんなさい!」
額を床に打ち付け、血を流しながら言った。
『許して』と。
私に、春菜をいじめる権利などないのに。
だから、許すも何も、ないのにね?
私は春菜から視線を外し、屋上のフェンスごしから下を覗いた。
「ここは、落ち着くね」
静かに、呟いた。
誰に向けてでもなく、ただ、呟いた。
「死に近い場所だからかな?」
私は、春菜に微笑んだ。
嘘ではない、真実の微笑み。
「ねぇ、春菜。死にたい?」
春菜は、涙を流しながら、小さく言った。
「死にたい。こんな苦しみの世界なんか嫌。早く、解放されたい。この生き地獄から」
昔の私と一緒。
生き地獄からの脱出する術は1つ、死ぬ事。
そう信じていた。
「なら、死ねばいい。死にたいんなら、死ねばいい。私は止めないよ?」
春菜は、驚いたような顔を私へ向けた。
「何、その顔は?止めてくれるとでも思ったの?」
春菜は、驚いた顔を、今度は哀しげな顔にした。
「それに、同情なんか望んでないでしょう?欲しいの?カタチだけの同情が?」
春菜は、何も言わない。
ただ、苦しそうに俯くだけ。
「『頑張って。これを乗り越えれば光はあるよ』なんて、綺麗事を言われて、どう?耐えられる?」
春菜は、両手で耳を押さえ、顔を横に振りながら、叫んだ。
「やめて!そんな事言わないで!私を苦しめないで!」
「それが現実でしょう?」
私は、春菜を苦しめる。
春菜は、蹲り、声を上げて泣いた。
今までの苦しみをさらけ出して。
私は、静かに屋上を出た。
春菜、苦しかったよね?
辛かったよね?
けれど、春菜に現実を見てもらえたかな?
死ぬ勇気がないという現実が。
- Re: 死にたがりの私 ( No.54 )
- 日時: 2012/09/01 20:22
- 名前: 桜 (ID: j5WpSu7v)
—5章—
私が転校してから、約1ヶ月が経った。
何も変わっていない。
皆、春菜をいじめている。
私も一緒に。
罪悪感があると言うけれど、それはもしかしたら、嘘かもしれない。
罪悪感があると言う事で、自分は悪くないのだと。
自分は正しいのだと。
そう、思い込んで。
私のクラスには、亜美の様にリーダー的な存在の子はいない。
皆、仲が良い。
……春菜を除いて。
だから標的が変わらない。
ずっと、春菜のままでいる。
私は、ホッとしてしまった。
自分の番は、こないのだと。
前、私は春菜に、変な事を言ってしまった。
『死にたいんなら、死ねばいい』と。
私は、春菜は本気で死にたいと思っていないと分かっていた。
だって、自分が体験したから。
自分自身の様に、春菜の心が良く分かる。
けれど、私は春菜を救いたかったわけじゃない。
あの言葉の意味は、
『死にたいんなら、死ねばいい』=『死ぬな』
春菜に生きていてもらい、私が標的にならないように。
ずっと、春菜が標的でいてくれるように。
そんな事を思って言った。
私は、春菜を救うような、綺麗な人間じゃない。
どす黒く汚れた人間。
生きていてはいけない人間。
私には、生きる権利などないのに、私は生きている。
死にたいと口では言うけれど、死ねないから。
春菜と一緒。
怖くて死ねない。
私の言葉通り、春菜は生きてくれた。
今も、私の為に生きてくれている。
今は放課後で、いつも通り体育館裏でいじめ。
今日はバスケットボールを春菜に当てている。
「はい、穂乃実の番だよ♪」
蓮華が、ボールを私に渡してきた。
私は、思いっきり春菜に投げた。
私のボールは、春菜の顔に当たり、春菜の鼻から血が出てきた。
それでも、皆は止まらなかった。
何回も何回も春菜にボールが当たる。
痛みで歪んだ春菜の顔。
私はその顔を見て、
『ごめんなさい』
と言いそうになった。
私は、偽善者だ。
- Re: 死にたがりの私 ( No.55 )
- 日時: 2012/02/08 21:23
- 名前: 桜 (ID: .CNDwTgw)
私は、『ごめんなさい』『ごめんなさい』と何回も頭の中で繰り返しながらボールを春菜に当てる。
謝れば、許されるような気がして。
そんな事あるわけないのに。
ただ、許してほしくて。
人に憎まれるのが怖くて。
独りになるのが怖くて。
だから春菜をいじめる。
これは春菜をいじめる理由になってるかな?
自分を守るために春菜を犠牲にしているだけじゃないのかな?
そして、その春菜に本物かどうか分からない罪悪感を持ちながら。
私は、何故春菜をいじめるの?
もしかしたら、助けられるかもしれないのに。
そんな事は無理だと最初から思い込んで。
助けを求めたら、誰かが助けてくれる。
そんな甘い希望を持てなくて。
人を、信じられなくて。
誰も私の事なんか分からないと決めつけて。
でも、少しだけ賭けてみようかな?
少しだけ、助けを求めてみようかな?
甘い期待を抱いてみようかな?
——————————————————神様は、そんな私を許してくれますか?
私は、家へ帰り、自分の部屋に閉じこもった。
そして、自分専用のパソコンで手紙を作った。
助けを求める手紙。
担任に向けての手紙。
先生とかは信じられないけれど、もしかしたら。
もしかしたら、助けてくれるかもって。
春菜を。
そして私を。
私はパソコンの文をコピーし、封筒に入れた。
手書きで書かなかったのは、筆跡でばれてしまうかもと思ったから。
もしばれたら、自分がいじめられそうだから。
やっぱり、自分が大切。
ごめんなさい、春菜。
今まで苦しめて。
でも、もしかしたら助けてくれるかもしれない。
私は、忘れないように手紙を鞄に入れた。
私はパソコンを閉じている時、ふと思った。
これは、他人から見たら、ただのお節介?
私は、良い子ぶっている偽善者?
春菜は、これを望んでいる?
私は、その考えを頭から追い払い、ベッドに横になった。
これで何かが変わるかな?
- Re: 死にたがりの私 ( No.56 )
- 日時: 2012/02/13 22:29
- 名前: 桜 (ID: .CNDwTgw)
私は、いつもより少し早く目を覚ました。
制服に着替え、鞄を開ける。
中には、昨日と同じ場所に封筒があった。
宛名もない、無地の封筒が。
私は、いつもより早く家を出た。
学校には、人はあまりいなかった。
それを狙ったのだから、当たり前。
私は、辺りを見回し、誰も見ていない事を確認してから教員用の靴箱へ向かった。
靴箱が沢山並ぶ中から担任の靴箱を見つけ、震える手で封筒を入れた。
誰も見ていませんように。
そう、願いながら。
私は入れ終わると、急いで靴箱から離れた。
卑怯な手口だけれど、これで春菜が救われたら万々歳?
でも、勇気を持ってこっそりではなく堂々とした方が良かったかな?
けれど、ばれたら怖い。
前の様にまた苦しめられたら?
いじめられたら、私はどうすればいいの?
——————————————————————————————死ねばいい。
そんな声が聞こえた気がした。
『死』は、私への希望の光。
いつでも解放されるんだよ、というメッセージ。
だから、私は生きられる。
人生に逃げ道があるから。
私は、そんな事を考えながら教室へ入った。
教室には、数人のクラスメイトがいた。
私は、いつものように明るく挨拶をした。
逃げ道があると思うと、少し恐怖がなくなった。
- Re: 死にたがりの私 ( No.57 )
- 日時: 2012/03/02 16:35
- 名前: 桜 (ID: .CNDwTgw)
何分か経つと、蓮華達が教室に入ってきた。
「穂乃実、おはよ」
蓮華は私にそう言い、春菜の机に近づくと、机を思いっきり蹴飛ばした。
蓮華は春菜の机を見下ろしながら笑った。
「フフッ、ストレス解消♪」
私は、春菜の机を見ているだけだった。
直せない。
直したら私が標的になってしまう
皆がいつものように、黒板に春菜の悪口を書き込む。
蓮華は黒板に大きく『春菜死ね』と書いた。
ありきたりな悪口が黒板を埋める。
『死ね』という言葉が並ぶ。
ありきたりだけど、苦しめる言葉。
私はこの世に存在していいの?と疑ってしまう言葉。
でも、本当に春菜の死を望んでるの?
春菜が死んだら、皆はどうなるの?
いじめがばれたら、皆はどうするの?
いじめは犯罪だよ?
例えこの手で殺していないとしても、私達がした事で春菜が死んだら?
私達は犯罪者になるよ?
それなのに、何故春菜の死を望むの?
私は、皆が黒板に春菜の悪口を書きこむのを、ただ黙って見ていた。
傍観者でも、いじめの加害者。
そんな事知っている。
いじめにかかわっている人は、皆加害者。
でも、助けた人に裏切られたら?
自分で自分の首を絞めて、馬鹿じゃないの?
だから助けない。
だから標的が変わらない事を祈る。
例え、自分を苦しめても。
春菜が来た。
倒れた机を見て、哀しそうな顔をする。
そして、机を無言で直す。
机を直している春菜に、蓮華がゴミをかける。
春菜は、ただ耐えている。
春菜の目が、黒板に向く。
春菜はゆっくりと、黒板の字を消す。
私は、それをただ眺めているだけだった。
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