社会問題小説・評論板
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- 死にたがりの私
- 日時: 2012/09/02 11:19
- 名前: 桜 (ID: j5WpSu7v)
初めまして、の方が多いと思います。
桜です。
この小説を読もうとしている方への注意です↓
・誤字脱字が多いです。
・文才ないです。
・更新遅いです。
・登場人物紹介はありません。
・登場人物の口調がよく変わります。
・季節ないです。
・起承転結ないです。
・完結するか分かりません。
・小6(現在中1)が書いた駄作です。
いけるっ、という方はそのまま下へ。
無理な方は小説一覧へ戻って下さい。
それと、荒らし、中傷などはやめてください。
アドバイス等は大歓迎です。
- Re: 死にたがりの私 ( No.38 )
- 日時: 2012/09/01 20:08
- 名前: 桜 (ID: j5WpSu7v)
私の体は、いつまで経っても下に落ちなかった。
当たり前。
私は手を離さなかったから。
いや、離せなかった。
もしかしたら、誰かが止めてくれるんじゃないかって。
そんな、信じられないような事を願って。
「……勇気のない私……」
そう、私には勇気はなかった。
誰かが止めてくれる人がいるかも、と思って飛ばなかったのもあるけど、1番の飛ばなかった理由は、怖かったから。
裏サイトの私を痛めつけるコメントを見て、勇気を出したつもりだった。
でも、無理なの?
私には無理なの?
手を離すだけなのに。
そんな簡単な事も無理なの?
楽園より、地獄を望むの?
この手を、離せば……。
ここから飛べば……。
私は、苦しみから解放される。
だから、飛ぶの。
今までの苦しみを思い出す。
水をかけられ、ライターであぶられ、見せ物にされ。
この世界に私の居場所何かないの。
私は、いらない存在なの。
何をしても変わらない、無意味な存在なの。
だから、死なせて。
死にたがりの私と、生きたがりの私。
2人の私。
ねぇ、死んだら生まれ変われるんだよ?
また新しい人生が始まるんだよ?
だから、お願い。
死なせてよ……。
私は空から視線を外し、自分の手を見る。
柵を強く掴み、落ちない様にしている手。
恐怖で震えている手。
体は、正直ね。
私は、本当は死にたくない。
だけど、私にそれしか道はない。
私には、死ぬという選択肢しかない。
だから、迷ってもしょうがない。
さぁ、飛び立とうよ。
未来に向かって、輝きながら。
苦しみを、快楽に。
「私の苦しみは、これで終わる……」
もう、笑いは止まり、涙だけ流れる。
下へ、涙が落ちて行く。
下へ下へ、見えなくなるまで私は涙を見続けた。
涙は、光輝くことなく消えて行った。
……私みたいに。
光り輝くことなく消える私。
それが私の望んだ事なのだから。
苦しみと輝きを天秤にかけたらどちらに傾くのかな?
……もう、分かってる。
苦しみにしか傾かない。
輝いてどうする?
苦しみを隠して輝くの?
そんなの、私には無理。
弱虫の私には。
生きる事さえ出来ないのだから。
何も考えなくていいんだよ?
ただ、この手を離すだけで。
私は、柵からゆっくりと手を離した。
私は、涙を流しながら落ちて行く。
とても遅く感じた。
落ちるのが。死に近づくのが。
あぁ、これで私は救われるのね?
これで、良かったの。
私の選択は合ってたの。
これでやっと苦しみから解放される……。
- Re: 死にたがりの私 ( No.39 )
- 日時: 2012/09/01 20:09
- 名前: 桜 (ID: j5WpSu7v)
—4章—
私は、目を覚ました。
白い天井。
薬のにおいが充満している空気。
ここは、病院だ。
私は死ねなかったんだ。
嬉しさと哀しさが、私の中で混じり合う。
「お父様、お母様、目を覚ましましたよ!」
看護師の甲高い声が私の耳へ届く。
ドタドタと、足音が聞こえる。
私の視界に、父と母の顔が入ってきた。
「穂乃実、心配したんだぞ……」
「目を覚ましてくれて、良かった……」
父と母が、涙を流しながら言う。
両親の涙が、私の頬に落ちてきた。
温かい、両親の涙。
愛を感じない、両親の心。
————————————————————その涙は、本物?
それは、心配しているふりじゃないの?
心の底から思っている?
『私が助かって良かった』と。
きっと、嘘だよね。
私なんか、どうでもいいと思ってるよね?
私の自殺で泣いたりしないよね?
心から喜ぶよね。
これでガラクタがいなくなった、てね。
その涙の意味は何?
私を心配しているふりをしている理由は何?
私を心配してどうするの?
心配して、またもと通りの生活?
愛のない生活?
嘘で出来た生活?
私は、信じられなかった。
何もかもが、信じられなかった。
両親も、姉も、クラスメイトも、全てが。
全てが、騙されている私を嘲笑っているような気がして。
- Re: 死にたがりの私 ( No.40 )
- 日時: 2012/09/01 20:10
- 名前: 桜 (ID: j5WpSu7v)
「……ごめんなさい」
私は涙を流しながら、かすれた声で言った。
偽りの涙。
皆が偽りで私と接するなら、私も偽りで接する。
「もう、しないよ……」
嘘だけど。
私は、心の中で言った。
しないかは、分からない。
だって自分が分からないから。
生きたいけれど、死にたいから。
両親は、私の嘘を信じてくれたみたい。
「もうしないでくれ。親を哀しませないでくれ……」
「穂乃実は私達の希望なのよ……」
両親が嘘を吐く。
どうでもいい言葉。
何故嘘を吐き続ける?
両親は、それから何か言っていたけど、私は聞き流しといた。
そして、両親は家に帰った。
私のもとから離れて行った。
それから何日後かは分からないけど、私は自分の間違いに気づいた。
別に、自殺したことが間違いだったわけじゃないよ?
ただ、飛び降りた場所が間違いだっただけで。
柔らかい草が生えた地面。
そこに落ちていたら、少しは重傷になってたかもね。
でも、私が落ちたのは背の低い木。
それも何本も並んでいるところに。
何て運が悪いんだろうって思う。
まぁ、あそこを選んだ自分が悪いんだけど。
分かっていたんだ、死ねないって。
あそこじゃ駄目だって。
でも、あそこを選んだ。
それは、怖かったから。
死にたくなかったから。
私は、生きたいのか死にたいのか。
はっきりしてほしいな。
……自分の事だけど。
それから数週間後、亜美達が私の病室を訪ねてきた。
私は、亜美達に笑顔を向けた。
もちろん、偽りの。
亜美達の顔は、恐怖で歪んだ。
何故そんなにも怖がるの?
「何の用?」
私は笑みを浮かべたまま、言った。
亜美は、土下座をした。
「ごめんなさい!!!!」
そう言って、何回も何回も。
涙を流しながら。
私は分かっていた。
この涙は、私への謝罪ではない。
自分が少年院に行くかもしれない、恐怖の涙。
亜美の取り巻き達も、次々と土下座をする。
『ごめんなさい』『ごめんなさい』『ごめんなさい』
聞き飽きる程、何回も繰り返す。
私は、笑みを崩さなかった。
そして、私は静かにこう言った。
「今までの事は、許してあげる」
嘘だけど。
亜美達が顔をあげる。
恐怖はなかった。
自分達は助かったのだと、安堵した顔だった。
私の事は気にしない、愚かな人達。
自分が良ければ、誰が傷ついてもかまわない人達。
亜美達は病室を出て行った。
私まで聞こえるような、大声で喋りながら。
私の今までの苦しみを知らないような、明るい声で。
私の心を傷つけた。
- Re: 死にたがりの私 ( No.41 )
- 日時: 2012/09/01 20:11
- 名前: 桜 (ID: j5WpSu7v)
それから数週間後。
私は退院し、学校へ行く事になった。
門が見えてくると、皆の声が聞こえてくる。
私の事を話している。
『あの子だよね?飛び降りた子』
『いじめで飛び降りたりするんだね』
『あの子が』『あの子が』『あの子が』
私は座り込み、耳をふさいだ。
皆の視線が、もっと私へ集まる。
『飛び降り』『あの子が』『いじめ』
やめて、やめて、やめて……。
私の事を話さないで。
私は教室へ走った。
皆の話声から逃れるように。
教室のドアを開けた。
笑い声が聞こえる。
悪口が聞こえる。
蹴る音が聞こえる。
皆が笑っていた。
亜美を取り囲んで。
「穂乃実、おはよぉ♪」
亜美を蹴っていたクラスメイトが、私に微笑む。
この人は亜美の親友じゃなかったっけ?
「……何これ」
私は小さく呟いた。
「生贄交代♪今まで威張っていて、ウザかったんだよねぇ」
「穂乃実も一緒にやろうよ」
「スッとするよ♪」
亜美へ視線を向ける。
私の視線でビクッとする亜美。
前の私の様に、惨め。
- Re: 死にたがりの私 ( No.42 )
- 日時: 2012/09/01 20:12
- 名前: 桜 (ID: j5WpSu7v)
「穂乃実もやろうよ♪」
皆が私を亜美に近づける。
亜美は目の前。
「穂乃実も蹴ってよ。今までいじめられて憎いでしょ?」
貴方も同じ、全てが憎い。
私をこの世に産んだ、母さえも。
私はそう思ったが、口にはしなかった。
「憎いよ。これは、自業自得だね?」
私は、亜美に微笑んだ。
偽りの微笑み。
そして私は、亜美を蹴った。
思いっきり、亜美の腹を。
亜美が痛みで蹲る。
他の子達が一斉に蹴る。
笑い声が教室に響く。
私もただひたすら蹴り続けた。
「や、やめて……」
小さな、前の亜美のような力強さはなく。
涙を流しながら、私に懇願してきた。
『助けて』と。
「許してくれたんでしょ……?あの病院で言ったよね……?」
私は笑みを浮かべたまま、亜美に顔を近づけた。
「じゃあ、貴方を助けてあげる」
「……え?」
亜美の顔に、希望が見えた気がした。
「嘘だけどね」
亜美の顔が凍りついた。
私は亜美の顎を蹴り、笑った。
「私が貴方を許す訳ないでしょ?ましてや、助けろだって?頭大丈夫?あんなのに騙されるなんてゴミ以下ね」
私は亜美から離れ、自分の席に座った。
私の席の周りに、病院に謝りに来た子達が集まってきた。
「……私達は許してくれる?」
「お願い、許して……」
『許して』を繰り返す。
私は微笑み、頷く。
「許してあげる。亜美だけは許さないけどね?」
私の席に集まってきた子達は、安堵した様子でまた亜美をいじめ始めた。
私は、分かった気がした。
いじめられている人を助けない理由を。
自分自身が大切だから。
他人より、自分の方が大事。
それは、誰にでもある考え。
そう、私にもある。
生贄交代。
亜美をいじめれば、私はいじめられない。
これが私の光?
私が飛び降りたから、こうなった。
なら、良かったんだ。
私の選択は合っていた。
私が助かれば、それでいい。
例え、誰かが犠牲になっても。
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