複雑・ファジー小説
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- kissから始まる恋♪
- 日時: 2013/09/22 02:13
- 名前: SAYAKA (ID: tDLDmNtV)
前書き
下手ですけど頑張ってやります。
感想などのコメントもお待ちしてます。
途中で裏が、入ってくるかもしれないので、
苦手な方は読まない方が良いです。
- Re: kissから始まる恋♪ ( No.37 )
- 日時: 2014/08/11 18:39
- 名前: SAYAKA (ID: 2r74csLN)
待ちに待った放課後。
教室の扉の前で香波が白坂と喋ってる。
「ごめんね、怜。
終わったら、すぐ行くから校門の所で待ってて。」
俺が昔見てた笑顔だ。
普通の女の子の笑顔。
可愛いなあ。
俺に向けてくれたら良いのにな。
「おう…………。」
素っ気ない返事を返す白坂。
そして、そのまま教室から離れて行った。
教室に入ってきた香波の顔はムスとしている。
その顔のまま箒を手に取り、何も言わずに掃除を始めた。
俺は香波が白坂と話してる間にはもう雑巾がけを始めてた。
窓を拭きながら考える。
どのタイミングで襲ってやろうか。
「香波。」
名前を呼ぶと、
「何……? 」
やはり、不機嫌そうな声が返ってくる。
「お前、今日空いてる?」
答えは知ってる。
空いてないだろ?
白坂と二人で昼休み、予定決めてたもんな。
ちゃんと、聞いてたぜ。
「今日は、怜と約束してる。」
窓ガラス越しに香波を見ると、
若干頬を赤らめているのが分かる。
イラついた。
「そんなに、白坂が好きか?」
声を絞り出した。
答えは知ってるのに、聞くのが怖かった。
分かりきってる答えなのに、怖かったんだ。
香波の顔がボッと一気に赤くなった。
「そ、そんなわけ…………。」
頼む、ないって言えよ。
いつもみたいに、
"あんたには関係ない"
でも良いから。
素直になるな。
俺の前では意地はってろ。
今、素直になるなよ。
「あ、あるけど…………///////」
ああ、お前って、本当に……………………
バカなオンナ
ーーーかちゃんーーー
教室の鍵を落とす。
香波はその音に反応してこちらを見る。
ああ、やっと自分の意思で俺を見たのか。
俺が何かちょっかいかけないと見てくれなかった。
やっと、見てくれた。
「な…………に、してるの…………?」
俺の様子が違うのが伝わってしまったのか、
香波が警戒してるのか、怯えてるように見える。
やばい、ゾクゾクする。
雑巾は握ってた手の力を抜いて、床に落とした。
そして、怯えてる香波の方へ
ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり
足を一歩ずつ進める。
「や、だ……怖い…………!
こないで!」
拒絶のセリフ。
怖い?
ああ、確かに怯えてるな。
震えてる足を一歩ずつ後ろに下げてる。
がくっ
香波の足がバランスを崩した。
恐らく、恐怖から足にうまく力が入らなかったんだろ。
尻餅をついた香波は手を使って後ろに下がる。
だんだん、壁に近づいていく。
そのうち、とん、と壁が香波の背中に当たる。
もう、逃げられないよな?
可愛い可愛い、俺の香波。
香波の足を挟み込むようにして、膝をつく。
彼女の身体はビクっと跳ね上がる。
その反応があまりにも可愛くて、たまらなかった。
キスをしようと顔を近づけると、
香波がぐっと俺の肩を押し返した。
その指先はかたかたと情けなく震えてる。
いつも、悪態ばっかの可愛くない女。
何かと言えば強気なセリフで意地っ張りの
全然可愛くない女。
顔はいつでも可愛いけどな。
でも、そんな女が俺に怯えてる。
たまらなく興奮する。
思わず、ふっと笑みがこぼれてしまう。
香波の右手を掴んでその手に指先にキスをした。
舐めてみたり、咥えたり、甘噛みしたりして
香波の指と反応で遊ぶ。
俺の唾液と香波の指先が出す音が教室に響く。
「けいっ!いやっ!気持ち、わる、い!
…………もう、やめて……?」
気持ち悪い?
ピタリと動きが止まってしまう。
いや?気持ち悪い?
何それ、香波は俺のだろ?
なんで、そんな事言ってんだろ。
ああ、そっか
ちゃんと、躾してなかったな。
所有印もつけとかねーと。
白坂が変なちょっかいかけれねぇように。
香波のシャツの襟を掴んで、左右に引き裂く。
「やっあぁ!!!」
うるさいな。
俺は香波の口にハンカチを詰める。
むぐっと変な声を出して、それを咥えた香波は
泣きそうな目をしてた。
そんな目に気づかないフリをして、
白い綺麗な首筋に吸い付いた。
「んっ!」
喘ぎに似た声が聞こえてきた。
ドンドンと押し返そうとしてくるが、
所詮は女なのか、非力だ。
「あいしてる……。」
聞こえないくらい小さい声で呟いてから
香波の胸元にも印をつける。
その時だった。
香波が教室の鍵を窓から投げた。
後ろに向けて投げたくせにやたらコントロールが
良くて、見事に窓の外に出た。
きっと、外に居る誰かを呼ぶためだろう。
もし、下に誰かいたなら届けに来るハズだ。
落としてしまったのと勘違いして。
ああ、時間がないな。
来られたら、引き剥がされる。
きっとチャンスはもう来ない。
次からは警戒されてるからな。
早めに……………………
殺さないと。
- Re: kissから始まる恋♪ ( No.38 )
- 日時: 2014/07/04 20:26
- 名前: SAYAKA (ID: 2r74csLN)
香波視点
教室で急に景の様子がおかしくなった。
瞳の色がいつもと違って怖い。
そして、今
教室で襲われてる。
窓から鍵を投げたから、運が良ければ誰か来てくれる。
それを信じて待つしかなかった。
でも……………………
ーーーグッーーー
景は私の首を絞めた。
苦しい。
痛い。
何?ここまで嫌われてた?
私が…………景を嫌ってたから?
違うよ。
嫌ってたんじゃない。
嫉妬してたの。
景が前に言ってたとおりなの。
でもね?
友達の多い景にだけど、
景が羨ましかったんじゃなくて、
景の周りにいる友達が羨ましかった。
仲良しの幼馴染を取られる気がしたの。
寂しかったの。
おかしいでしょ?恋人でもないのに独占欲。
景の事、ガキとかいっぱい言ったけど、
本当の子供は私。
でも、今は死にたくないの。
私は教室の壁をバンバンと叩いて大きな音を出す。
なんで?って?
無駄な抵抗って?
ちがうわよ。
だって、廊下の足音が聴こえたの。
良く知ってる。
覚えちゃった足音。
大好きな大好きな、怜の足音。
ほら、走り始めた。
「香波っ!!」
ほら、来てくれた。
怜。
教室のドアを蹴倒して、私を助けに来てくれた。
怜は景を私から引き剥がして、一発殴る。
景が黒板に背中をぶつける。
「かはっ!かはっ…………!」
私は口のハンカチを取る。
ああ、苦しかった。
殺されるところだったわ。
怖かった。
ほら、足が震えて立とうにも立てないもの。
指先まで震えて、情けないわね。
「大丈夫か!?」
怜が私の傍に来てくれる。
「聞くまでもないでしょう」
大丈夫な訳ないじゃない。
これでも、一応は女なのよ?
手足の震えが止まらない。
「だよな。
大丈夫だったら、ここまで震えてねぇよな」
怜の大きな手が私の手を握ってくれる。
少しずつ震えが止まる。
ああ、なんで?
こんなに安心出来るの?
「もう少しで…………終われたのに」
景がぼそりと口にする。
怜はそんな景をキッと睨む。
「なんのつもりでこんな事した」
背中で私を隠しながら、声で怒りを露わにする。
もしかしたら、とても怖い顔をしてるのかもしれない。
でも、私が見えてるものは安心する大きな背中だけ。
「なんのつもり?
ははっ!!はははははははっ!!」
気が狂ったみたいに笑い出す景。
「殺そうと思ったんだよ。
殺すつもりだった」
怜を避けて、景が私を覗き込む。
怜はそれを阻む。
「殺すつもり?幼馴染をか?
そこまで、この女の事嫌ってたのか?」
「まさか。
その逆だ。
好きだから、殺そうと思ったんだよ。
ムカついたんだよ。
照れながらお前の事話す香波に。
俺には笑顔なんか向けてこねぇクセに
最近仲良くなった程度のお前には向けてるのとか」
狂気染みた笑顔で語る景を覗いてたら、目が合ってしまった。
「手に入らないなら、
俺の事好きにならないなら、
この手で殺そうって思った。
無理やり抱いて、心ごとめちゃくちゃにして、
全部、終わらせてやろうと思ってたんだよ」
ああ
そうか
景をこんなにしたのは
私か。
「香波の事愛してるから。
それくらいの権限あるだろ?
そうしても良いくらい酷いことされてきてるんだ」
そうだね。
高校1年生から冷たい態度とった事とか。
ウザいとか生ゴミとか傷つくような事言ったりとか。
「ごめ…………なさい!」
なんか、泣いちゃう。
ごめんね、泣きたいのは景だよね。
だって、もし私が景の立場なら
きっと、たくさん傷ついて悲しくて辛くておかしくなる。
現に景はおかしくなってる。
景をこんなにしたのは、紛れもなく私。
「バカじゃねぇの。
好かれたかったなら、好かれるだけの努力しろよ。
その努力もしねぇで愛される事しか考えてなかったんだろ。
そんな男に女を好きになる資格も
殺す権利も抱く権利もねぇよ。
一人で頭冷やしてろ」
景に言ってから、怜は私を抱きかかえる。
きっと、歩けないのと
景への罪悪感で私がこの場を動けないのを悟ったんだ。
ああ、あったかい背中。
大好き。
- Re: kissから始まる恋♪ ( No.39 )
- 日時: 2014/07/05 13:56
- 名前: さいゆか (ID: /5HKG0DI)
香波 かわいぃ♡
怜 かっこいぃ♡ 萌〜♡笑
続き待ってま〜す!笑←
- Re: kissから始まる恋♪ ( No.40 )
- 日時: 2014/07/06 23:40
- 名前: SAYAKA (ID: 2r74csLN)
7#怜との時間
1ヶ月後。
私と景は一言も言葉を交わさなくなった。
いや、交わせなくなった。
前みたいに喧嘩することもなくなった。
理由は私が景に怯えてしまうから。
それから、景が話しかけてこないから。
私と怜は前より良く話すようになった。
理由は怜がたくさん話しかけてくれるから。
きっと、私が景の事思い出さないように
気を遣ってくれてるのかもしれない。
怜は優しいから、きっとそう。
水曜日の放課後。
今日は怜が図書委員の当番。
怜は水曜日と金曜日の放課後が当番なの。
だから、毎週水曜日と金曜日は図書室に通いつめる。
誰もいない時とかこないときは怜と会話。
誰かいるときは、私は黙って本を読んでる。
5時になったら、校門で怜を待つ。
他の日は怜と一緒に教室を出て。
一緒に帰ってる。
それが日常になってる。
今日はめずらしく誰も来てない。
私は嬉しかったりするの。
だって、怜と喋れるもの。
好きな人と喋れるのは嬉しい。
好きな人?
like?love?
どっちなんだろう。
恋愛経験の乏しい私にはわからない。
キスはするけど付き合ってはない。
ドキドキしたりもするけど、
それは、きっと男の子相手だからかもしれない。
今まで友達とか景しかいなかった。
だから、この感情がlikeなのかloveなのかの
区別の付け方がわからないの。
キスか。
なんで、怜は私にキスするのかな?
そして、私はなんでそれを許すんだろ。
ただ、男女のそうゆう行為に興味があるだけ?
発情期?
ああ、わからない。
恋って、愛ってなんなの?
「おい、聞いてんのか?」
すっかり考え込んでた私は怜の声を聞いてハッとする。
「え?
あ、ごめんなさい」
私が謝ると、怜はため息を吐いた。
呆れられたみたい。
どうしよう、話す意欲なくしちゃったかな?
私から話題振ってみる?
でも、何話せば良いの?
友達と話す内容ってどんなの?
どうやって何を話せば良いの?
「れ、怜って私に色々くれるよね!!」
テンパりのあまり、訳の分からないことを口走ってしまった。
「は?」
呆れた目で聞き返された。
当然の反応だと思う。
「えと、あのね?
私がなくしてた、感情とか気持ちとか、
怜が全部くれたなぁって。」
ああ、何言ってんだろ。
「別になくしてた訳じゃねーだろ。
ただ、そう感じる出来事がなかっただけだろ。
笑顔とかだって、自分が楽しいとか思わねぇと出ないだろ?
まあ、恋とか愛とかは知らねぇけどな?」
怜は言葉に含みを持たせる言い方をして私の手を握る。
「え、な、何?」
あ、ドキドキしてる。
なんでだろ?変な雰囲気だから?
それとも…………。
ーーーガラッーーー
図書室の扉が開く音がした。
その音はその雰囲気を綺麗に壊した。
怜の舌打ちが聞こえた気がした。
「本返しに来ましたー。」
入ってきたのは2年C組の和水歩さんだった。
2年の間ではビッチで有名。
「あれ?怜じゃん。
図書委員だっけ?」
?
和水さん
怜の知りあいなのかな?
「相変わらず、タイミングの悪い女だな。
俺が図書委員じゃなんか悪いのか?
お前の方こそ本なんか読むのかよ」
怜は和水さんが持ってた本を乱暴に掻っ攫って
返却処理をしていた。
「タイミング?何?
図書室でなんかやらしいことしようとしてたの?」
『なっ!?』
とんでもない事を言い出す破廉恥女が1人と
真っ赤になって噎せる男女が一組。
「学校でヤるなら、こんなバレやすい所より
人気のないA棟の社会資料室がオススメ!」
ぐっと親指を得意気に突き立てる。
「バッカ!!
ヤる訳ねーだろ!
付き合ってもねぇのに、んなこと出来るか!!」
真っ赤になって反論する怜。
付き合ってなくてもキスはするクセに。
「いや、付き合ってなくても、
別に良いと思うわよ?あたしはしてるしぃ〜」
色気を含んだ声でなんか言ってる。
「お前と俺たちを一緒にするな!
本返し終わったんだから、とっとと帰れ!」
「やーん、怜ちー冷たい!」
「誰が怜ちーだ!!
お前の相手出来る程暇じゃねーんだよ!!
帰れバカ女!!」
「幼馴染の可愛い女の子に向かって、
バカ女とか言う?ふつう!!
酷い男ね!!」
幼馴染なんだ。
あ、やばい景の事思い出しちゃった。
景が私に向けてた感情。
それを踏み躙るような事をしてた私。
ああ、頭が痛い。
怖い。
忘れたい。
「手続きは終わった!!
さっさと帰って寝てろ、バカ女!!」
怜が扉を指差す。
「はいはい。
どーも、お邪魔しましたぁ」
和水さんは面倒そうに帰っていった。
「やっと、邪魔者がいなくなったな」
そう言った怜は私の手を掴んだ。
「え?」
訳が分からなくて声が出てしまう。
邪魔者がいなくなったな?
それで?
何が始まるの……………………?
- Re: kissから始まる恋♪ ( No.41 )
- 日時: 2014/07/07 00:09
- 名前: SAYAKA (ID: 2r74csLN)
「なあ、香波?」
怜の声がいつもより低い。
いや、低いと言うより色っぽい?
「は、はい」
また、思わず敬語になる。
ああ、ドキドキしてる。
心臓の存在が急に意識出来る。
「俺の事、好きか?」
この質問に一瞬きょとんとしてしまうも、
すぐに意味を理解して、私は顔を赤くする。
「ふぇぇ!?」
普段は出さないような声。
いつもより、少し高い。
「どうなんだよ」
早く答えろと急かしてくる。
怜の真剣な瞳に表情にドキドキしてる。
もう、これは動悸って呼んでも良いと思う。
苦しいくらいの動悸に目眩がしてくる。
クラクラする。
「早く答えろよ。
じゃねぇとキスすんぞ」
真顔で脅しをかけてきた。
「こ、恋とかかどうかは分かんないけど、
私は、怜のこと……す、き……だよ?」
そう言った直後、視界が真っ暗になる。
怜の手が私の視界を覆ったからだ。
「れ、怜?」
困惑のあまり、彼の名前を呼ぶ。
「悪りぃ……。
今は、見ないでくれ………………。」
怜がそう言うから、私は黙って目を閉じた。
どうして見ないで欲しいのかは、
私にはわからなかったけれど、私は見ない事にした。
否、彼がそう言った時の声色が見せてくれなかった。
「キス、して良いか?」
さっき脅しで使った行為をねだってくる。
目を隠されたまま頷くと、
彼の手が、私の後頭部と腰に回って来た。
私は一瞬目を開けたけど、すぐに閉じた。
そして、唇が重なる。
角度を変えて
何度も何度も優しい触れるだけの
優しいだけの
キスが繰り返される。
この行為はいやですか?
いいえ、とても気持ちよくて大好きです。
怜のことは好きですか?
よくわかりません。
ーーーがらっーーー
また、扉が開いた。
私たちは弾かれたように身体を離した。
今度は……………………
誰……………………?
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