複雑・ファジー小説
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- kissから始まる恋♪
- 日時: 2013/09/22 02:13
- 名前: SAYAKA (ID: tDLDmNtV)
前書き
下手ですけど頑張ってやります。
感想などのコメントもお待ちしてます。
途中で裏が、入ってくるかもしれないので、
苦手な方は読まない方が良いです。
- Re: kissから始まる恋♪ ( No.52 )
- 日時: 2014/08/11 18:51
- 名前: SAYAKA (ID: 2r74csLN)
忠告ありがとうございます!
すみません、返事を失念していました!
Bjさん
コメントありがとうございました!
とてもやる気が出るような応援すごく嬉しかったです!
今後とも応援よろしくお願い致します。
返事が遅れてしまい誠に申し訳ありませんでした!
- Re: kissから始まる恋♪ ( No.53 )
- 日時: 2014/08/11 21:41
- 名前: SAYAKA (ID: 2r74csLN)
12#恋に落ちた後の話(怜視点)☆過去編
あの日から
俺は香波を良く気にするようになっていた。
いつ見ても……
なんつーか。
……良い。
素朴な可愛さってのか?
歩みてぇにケバい化粧してねぇし
キツイ香水の匂いもしねぇ。
すれ違ったときにする匂いは
なんか……
分かんねーけど女の匂い。
休み時間は大体1人。
幼馴染はクラスの連中と仲良く喋ってるからな。
香波はそこに入ろうとしなかった。
ただひたすらに白兎の小説を読んでる。
これは余談だが
俺が白兎の小説を読み始めたのは
香波といつか話せたときの
ネタにしたかったからだ。
不純な動機で読み始めた小説に
今じゃすっかりハマった。
白兎の出した小説は全部揃ってる。
これが中学までの話。
高校は特に行きたい所もなかったから
香波に合わせて入った。
今思えばストーカーだな(笑)
高校1年は見事に香波と森海と同じクラス。
それだけじゃねぇ
何故か急に森海と香波は仲が悪くなった。
今でこそみないが
しょっちゅうケンカしてた。
森海の前でしか笑わなかった香波が
森海の前でも笑わなくなったから
高校1年の間は作り物の笑顔しか
見ることはなかった。
まあ、笑わなくても良い女だとは
今も当時も思ってるけどな。
高校2年も同じクラス。
森海も含めてな。
ある日の席替え。
香波が俺の真後ろに来た。
これにはかなり困った。
問題は関係だ。
友達でもねぇのに嬉しいわけねぇだろ?
当時の俺は遠くから香波を眺めるしかできなかった
それが真後ろに来てみろ
みれねぇよ。
真ん前の男がずっと自分を見てたら気づくだろ
普通に。
でも、その放課後奇跡が起きたんだ
- Re: kissから始まる恋♪ ( No.54 )
- 日時: 2014/08/12 20:46
- 名前: SAYAKA (ID: 2r74csLN)
放課後の図書室。
図書委員の俺は誰もいない図書室で
その前日に買ったばかりの小説を読んでた。
扉の開く音がしたから本を伏せて
仕事の用意をする。
まあ、ハンコとパソコンの立ち上げだな。
誰が来たのかと思えば、それは香波だった。
手には本を持ってたから
すぐに返しに来たんだなとわかった。
無言でカードと本を渡してきたから
こっちも無言で返却処理をしてやる。
手続きを終わらせたそのすぐ後、
俺は伏せてあった小説を読む……
"フリ"をした。
なんの為?
決まってんだろ。
気を引くためだよ。
俺は知ってたんだ。
この前日、香波はこの本……
白兎先生の最新刊を買えなかった。
なんで知ってるかって?
見かけたからだよ。
行ってる本屋は同じ本屋だ。
んで、俺が買った後に入っていって、
売り切れたことにショックを受けて
すごい顔で出てきたのも見た。
ちらりと正面を見ると
こちらの思惑通り
香波はじっと本を見ていた。
にやけてしまいそうなのを堪えて
無表情を作った。
香波は俺と目が合うと
はっと意識を本から離して
俺に謝ってから本を戻しに行ったんだ。
そのあとは白兎に絡めて話をした。
わりと打ち解けるのは早かった。
共通の趣味があるのは良い事なんだな
と、改めて思った。
話し始めてすぐに香波は俺に笑顔を見せた。
久し振りに見る天然の笑顔がまさか自分に
向けられるとは思っていなくて
正直、かなり驚いた。
それと同時にすげぇ嬉しかった。
俺に心を開いてくれてるような
気がしたからだ。
それから
俺と話してると楽しいだの
メガネ外してた方がかっこいいだの
色々と思わせぶりな発言をした後
本を貸してくれと頼んできた。
もちろん貸してやると返した。
すると、香波は言ったんだ。
"大好き"
って。
そのときに胸にきた感覚は今でも覚えてる。
それから下の名前で呼ばせた後に
変な空気になって
なんかの勢いがついて
キスをした。
今、冷静に考えるとありえねぇな。
友達になったばっかでキスとか。
でも、結果的にして良かったとは
香波も俺も思ってる。
だって、あの時してなきゃ
今、付き合ってねぇかもだろ?
キスの後は一緒に帰った。
もちろん俺は仕事を終わらせてからな。
途中から逆方向の道を香波に合わせて歩いた。
もちろん、送ってやりたかったのもあるが
下心もある。
つか、香波に対しての優しさには
ほとんど下心あんじゃね?
多分な。
送ったりすんのは
俺がただ香波と少しでも一緒にいたいだけ
森海に襲われたとき助けんのは下心とか
ない……はずだ。
本貸したりすんのは
その本の内容とかの感想で
少しでも話せたらとか考えるし
あと、香波が良く言う
「してって言ったらキスしてくれるの好き」
これは、なんつーか、
俺もしたいからしてるだけだ。
あとは
「嫌だって言ったら絶対に我慢してくれるの
怜の優しい所だと思う」
これに至っては常識だろ。
誰が好きな女の嫌がる事してまで
自分の欲求晴らすんだよ。
まあ、そんな男も世間にはいるだろうが
俺はそんな事はしねぇし、したくもねぇな。
好きな女傷付けてまで
なんかしたいとは思わねぇ。
そりゃあ、触りたいとか考えるけどな。
つか、香波といるときはずっと考えてんな。
香波といないときも考えてるな。
香波の事考えてるときは常にそれだな。
………………………。
……やべぇ。
下心とかの前に……
……俺キモい。
普通に嫌だろ。
常に触りたいとか考えてる彼氏とか。
まあ、香波が常に俺に触りたいとか
考えてくれてたら嬉しいけどな?
そんな事実が発覚した日には
俺やべぇな。
嬉しすぎて頭おかしくなるな。
と、まぁこんな事ばっかり考えてる俺だ。
でも香波はこう言うんだろ?
『相手が何を考えてるかなんて
どうせ考えたって分からない
思うだけならただでしょ?
いっぱい想像して良いからね?
私とやらしいことするのとか
想像しても良いから、ちゃんと私を好きでいて』
なんで分かるのか?
決まってんだろ?
俺のベッドの上で吐いた寝言だからだ。
- Re: kissから始まる恋♪ ( No.55 )
- 日時: 2014/08/21 23:07
- 名前: SAYAKA (ID: 2r74csLN)
13#近いから気づかない(景視点)
今日は香波と白坂が学校を休んでる。
2人とも発熱らしい。
でも、俺は知ってる。
発熱は表向きの理由で本当の理由が別にあることを。
俺が怖いんだろ?
香波。
……今、お前は白坂の家なんだろ?
俺が怖くて家に帰れないから
白坂の家で一泊したんだろ?
お前には白坂しか頼れる奴いないもんな。
これはただの勘だけど
香波はもう白坂と付き合ったんだと思う。
あいつら、好きあってるもんな。
その両想いの2人が一晩一緒にいて
何も進展がないのはありえない。
分かってる。
こうなったのは、俺のせいだ。
俺がバカなことばっかしてるせい。
仕方ねぇじゃん。
好きなんだ……
誰にも渡したくなかった。
それしか考えられなかったんだ。
愛されたかった
愛し合えたらって思ってた。
前に白坂が言ってた事は当たりだな。
愛されたいとは思ってても
俺は好かれる為の努力はしてなかったんだ。
「…!!
………い!!
景!!」
クラスメートの仲島に声をかけられ意識を
ハッとさせる。
「お、おう!
どうかしたか?」
いつも通りに笑う。
「それはこっちのセリフ。
どうかしたの?ぼーっとしてさ。」
真顔で問いながらも
俺の弁当をつまんでくる。
「ん、考え事」
さりげなく、自分の弁当を仲島から遠ざける。
「ふーん?」
なんかの含みを持たせた返しの後
仲島は購買で買ってきたパンをかじった。
「お前さー。
幼馴染ちゃんになんかしたの?」
この問いかけにドキリとしたのは
自分に後ろめたい気持ちがあるからなんだろう。
後悔もしてる。
香波への罪悪感はずっと昨日から
心にまとわりついたまま離れない。
「別に?なんもしてねーよ」
嘘をついた後に気付く。
こいつは…
仲島には嘘をつけないことに。
「なんもしてないのに仲が悪くなるのかー
へー怖いなー。
えー妖怪の仕業かなぁー?
急にケンカするようになった後は
急に喋らなくなるとか……
怖い妖怪だなー。
…………いや話さないんじゃなくて
話せなくなったように見えるけどな」
相変わらず鋭いんだよな。
人間関係の事は。
「……高校に入った瞬間香波が俺に対して
ケンカ腰?になった理由はマジで分かんない。
最近、話せなくなったのは……
……俺が悪い」
こうゆう言い方をすれば
仲島は大体察してくれるから
深くは聞いてこない。
マジで良い奴だと思う。
「……俺さー、知ってるつか
なんか…分かる」
遠い目をする仲島。
「分かるって何が?」
「幼馴染ちゃんが……
急にお前に対して攻撃的になった理由」
「マジで?」
幼馴染で、誰よりも香波の事を
分かってる"つもり"の俺が唯一と言って良いほど
無いに等しい香波についての分からないモノ
それが仲島なんかに分かるのか?
「教えて欲しいか?」
最後の一口のパンを口に放り込んで
ニッコリと笑う仲島。
腹黒さが滲み出てるけどな。
「まあ……教えて……欲しいけど」
「あれー?人に何か頼みたい時ってぇー
どうするんだっけ?
あれ?そんな態度とってて良いのかな?」
首を横に大きく傾げて黒い笑みを浮かべる。
訂正
良い奴ではあるが性格は最悪だ。
「お、教えてください……。」
「お願いしますは?」
ニコニコとは笑ってるがやはり
腹黒さは滲み出てる。
「お願い……します…!」
キレそうになるのを堪えて。
頼み込む。
すると、仲島は満足したのか
急に真面目な顔をして口を開いた。
- Re: kissから始まる恋♪ ( No.56 )
- 日時: 2015/02/03 03:32
- 名前: SAYAKA (ID: sq.MYJuj)
「俺が思うに
幼馴染みちゃんがお前に攻撃的になったのは
お前がちゃんと幼馴染みちゃんを見なかったからだと思う」
仲島の言ってる事の意味が分からない。
俺はちゃんと見てた。
好きだから、見てたんだ。
ずっと……
目なんか離したことねぇよ。
「……お前、今
"自分はちゃんと見てた"
って思ってねぇ?」
察しが良すぎて
エスパーかと思った。
なんで、んなぴったり当てるんだよ。
「だって、見てたし」
ふてくされた子供のように言う。
「あのなー、お前が見てたのは幼馴染みちゃんの表面だろ?
俺が見てないっつったのは
幼馴染みちゃんの本心とか本音とかその辺の話」
「なんだよ。
香波が俺に嘘ついてたってか?」
「違う違う。
そうじゃなくてな、
んーなんつーんだ?
ケンカしたか?中学んとき」
眉間にしわを寄せて考えながら俺に問う。
当然したことがないので首を横に振る。
「ほら、それそれ。
そうゆうことだって」
仲島がパンを袋から取り出して
かじりつく。
「は……?意味分からねぇ。
どうゆう意味だよ」
「ケンカってさ、
お互いの意見とか本音がぶつかって起きるじゃん?
人間なんか十人十色、
100%の意見の合致はあり得ないよな?」
「結論を言えよ。
回りくどいのはもう良い」
せっかちだなー、と笑って
仲島はパンを飲み込んだ。
「最終的に言いたいのは
幼馴染みちゃんはお前に対して
言ってない本音が結構ある。
それを溜め込み過ぎた。
そして、大好きって感情が裏返った」
言ってない本音……?
考えたことなかった。
香波の口にしない本音なんて。
だって、分かってるつもりだったんだ。
香波のことは全部知ってるつもりだった。
「……中学3年の秋だったか?
幼馴染みちゃんの笑顔が
お前の前でも変に取り繕ってたの。
気付いてたろ?
アレ、どう思ってた?」
新しいパンを食べ始める仲島。
どんだけ食うんだろう。
「……家の事情もあったし。
色々、疲れてんだろうなって……。」
確か、丁度香波の両親がアメリカに行くことが
決まった時期でオマケに受験勉強もあった。
多少、無理はしてるんだろうなとは思ってた。
でも、本気で無理そうな時は
頼ってもらえると思ってた。
「ふーん」
何かを含ませた応答。
ムカつくな。
「……なんだよ。
じゃあ、聞くけどお前にはどう見えてたんだよ」
どうせ分かんねーだろーけど。
「んー俺ぇ?
俺には……言いたい事があって
それを言うのを堪えてるように見えた」
さっきと言ってる事は同じだ。
「あのなー、あの頃のあいつは
俺になんでも話して……ーー
「あー違う」
俺の言葉を遮る。
「そうゆうのじゃなくてさ
こーなんてゆうの?
自分の素直な気持ち?
そんな感じ」
あーもう訳分かんねぇ。
「仮にそれだとして、
なんで香波は俺に言わなかったんだろうな」
「言えなかったんだろ」
呆れたようなため息を吐く。
「え?言えなかった?
なんでだよ」
「……お前しかいなかったからじゃね?」
「……は?それってどうゆう……ーー
「あとは自分で考えな。
俺が全部言ったらお前の為になんねぇだろ」
勝手に遮って
勝手に席を立った。
……分かんねぇよ。
俺しかいなかったなら
尚更俺に本音ぶつければ良いじゃん。
全部……受け止めてやったのに……。
俺がもっとちゃんと見てたら……
違う未来があったのか?
香波を自分の手で傷付けずに済んだのだろうか?
後悔しても今更遅い
謝ったって許してもらえるとは思えない。
近づいてすらもらえないだろ。
でも……ーーー
諦めきれないんだ……。
香波。
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