複雑・ファジー小説

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kissから始まる恋♪
日時: 2013/09/22 02:13
名前: SAYAKA (ID: tDLDmNtV)

前書き
下手ですけど頑張ってやります。

感想などのコメントもお待ちしてます。


途中で裏が、入ってくるかもしれないので、
苦手な方は読まない方が良いです。

Re: kissから始まる恋♪ ( No.27 )
日時: 2014/01/19 20:21
名前: SAYAKA (ID: BYRZvQv9)

次に私が目を覚ましたのはどうやら保健室。

視界は真っ白の天井だけを映してる。
シーツが柔らかくて気持ちいい。
でも、右手は熱くて痛い。

首を動かして右手に目を向けると、
怜が私の手を握って、祈るように目を瞑って
俯いてた。

「怜。
手………痛い。」
私が声を出すと、怜はハッと顔を上げた。
「大丈夫か!?
どこかおかしい所ねぇか!?」
私を心配して取り乱す怜。
私の顔を覗き込んでくる。
「大丈夫…。
少しダルい…くらいかな。
私、階段から…?」
何があったのか、あんまり分からない。

「ああ。
階段から落ちたんだ。
悪い…ちゃんと守ってやれなかった。」
握ったままの右手に力が入る。
痛い。
「どうして?
怜は…悪くない…よ?」
私がちゃんと寝なかったからだし。
私が勝手に階段から落ちたんだもん。
怜は関係ない。
「落ちかけてるお前を
助けようとしたんだ、でも…。」
ああ、怜は守ってくれようとしてくれたんだ。
優しいんだよね。
怜は意外と。

「ありがとう。
私、大丈夫だから、安心して…?」

声出しにくい。

…薬臭い…。

「水、飲みたい。」

喉渇いた。
声が掠れるくらいカラカラだった。

「水、だな?
分かった、買ってくる。」
怜が立ち上がる。
私がその手を掴む。
「どうした?」
怜が私を見下ろす。
「寂しい…。」
何言ってんだろ、私。
別に今更独りぼっちなんて慣れてるのに。
「お前…喉渇いてんだろ?
声も掠れてんじゃねぇか。」
心配そうな声。
私を心配してくれてるの?
不謹慎かな?
それが嬉しいなんて。
「怜が居なくなるくらいなら、
飲み物なんて要らない。」
そう言うと、怜が溜め息をついて、
鞄をあさって、ペットボトルを出した。
「俺のだ。」
そう言って、私に差し出す。
「俺の飲み掛けだ。
それでも良いならやるよ。」
「良いよ。
キスだってしてるんだし。
今更間接キスくらい………。」
不思議と平気とは言えなかった。
平気なはずなのに、言えなかった。
「ま、それもそうだな。」
怜の言葉と同時に私はペットボトルを
受け取った。
そのままキャップを外して、
少し躊躇ってから、口をつける。
ゴクゴクと喉を鳴らして飲む。
渇いてる喉を早く潤したい一心だ。
「ふはっ。」
少し酸素が足りなくなってた。

空になったペットボトルを怜に渡そうと
手を伸ばす。
その手首を怜に掴まれる。

ビックリしてペットボトルを離してしまう。
ペットボトルが床に落ちる。
その音が静かな保健室に響く。

「な、何?」
喉が潤って、ビックリして眠気も飛んだからか
普段通りの声が出た。
「お前は……。」
「……?」
お前は…何?
そこで止められると分からない。
「何?どうしたの?」
「やっぱ、良い。」
えっ?
やっぱ良いって…私、気になるじゃん!?
「あ、起きたんですね。」
保険委員の女の子が入って来た。
「先生には私から報告しますので、
帰って頂いて結構ですよ。」
「はい、ありがとうございます。」
お礼を言ってベッドから降りた。
「お前の鞄は森海がもって帰ってた。」
怜が鞄を持って言う。

げっ!あいつ…!
やだよ、取りに顔を合わせなきゃじゃん。


「何やってんだよ。
帰るぞ。」
「怜、一緒に帰ってくれるの?」
「んだよ…嫌か?」
頭を少し掻く。
「ううん?嬉しい!」

こうして、怜と私は一緒に帰ることになった。

Re: kissから始まる恋♪ ( No.28 )
日時: 2014/03/10 20:22
名前: SAYAKA (ID: BYRZvQv9)

帰り道。
二人並んで歩く。


ひょこひょこと左足を引きずって歩いてる彼。

怪我してるのかな?

怜が気になって仕方ない。

「足、怪我してるの?」
怜の左足を見ながら訊いてみた。
「ん?ああ。
大丈夫だ、大したことねぇよ。」
素っ気なく返事が返ってきた。
「でも、痛いんでしょ?」
引きずって歩いてるってことは、そうゆうこと。
「別に。」
さっきより素っ気なく返事が返ってくる。
「怜、家どこだっけ?」
「あ?俺のか?」
「そう。」
「三丁目にあるボロアパート。」
…………三丁目?

「真逆じゃない!何やってるの!?
足痛いのにわざわざ遠回りして、どうするの!
てか、え?前一緒に帰った時もこんな逆方向に?
何考えてるのよ!」
驚きのあまり足を止めて大きな声を出す。
「うるさい!黙れ!」
鋭く睨まれた。
私は肩をビクリと揺らして、怜を見上げる。
「……送らせろ。」
少しばつの悪い顔をして、ぼそりと言った怜は
軽く舌打ちしてから、歩き出した。

その後を慌てて追う。
「別に、足痛いなら無理しなくても良いよ?
一人でも帰れるし。」
ほぼ毎日一人で帰ってるし。
「俺が送るつったら、送るんだよ!
良いから、黙って送られとけ!!」
「は、はい!」
反射的にした返事は敬語。

それから、無言で歩く。

気まずい。
何か話したい。

ちらりと怜の顔に目を向ける。

背……高いなぁ…。
180くらい?
かっこいいなぁ……。

私の視線に気付いたのか、怜が私を見る。
「ん?なんだよ。
どうかしたのか?」
目が合って、恥ずかしくなって思わず俯く。
「べ、別ににゃんでも!」
慌てたせいで、少し噛んだ。

…顔、熱い…////

「そうか、なら良い。」

何?この変な動悸。
何で、目が合っただけで、こんな……。
好き、なの?
怜の事…?
私が……?
そんなに仲良くないし、少し前までは
話した事すらなかったのに?

「おい。」
急に話しかけられてドキリとする。
「は、はい!」
そして、敬語になる。
「…お前、俺と……。」
怜の真剣な瞳。
その瞳が映してるのは私。
ドキドキする。

俺と…?なに?

「やっぱり、良い。」
また、か。
何で、途中で止めちゃうの?
気になるじゃない。
やり返す?
やり返しちゃえ……。

Re: kissから始まる恋♪ ( No.29 )
日時: 2014/04/06 20:05
名前: SAYAKA (ID: 2r74csLN)

「ねぇ……。」
少し控えめに怜の袖を引く。
「ん?」
怜が私を見下ろす。
ードキッー

また…動悸……?
嬉しいような
苦しいような…
変な感覚。

「な、やっぱり、なんでもないっ……////」

仕返しに成功した。
でも、自分に余裕はない。

反応を伺おうと怜に目を向けた

その瞬間。

ーチュー

急にキス。

ぼとっ
音を立てて、怜の鞄が怜の手から落ちる。
その鞄を持っていた手は私の後頭部に添えられてる。

怜の舌が私の歯をなぞった。
私は自分から、小さく口を開く。
そこから、侵入してきた舌は、
私の舌を捕まえる。

絡まる舌から始まるのは?

苦しくなる息。

私の髪が彼の右手に絡まる。

抜けてく力。

左手が私の腰に回ってくる。


頭の中まで乱れて、何も考えられない。
意識も遠くなってく。

「ん…んんっ……!ふ……!んん……んっ!!」
舌、唾液が厭らしく、音を発てる。

膝がガクガクする。

も、ダメ……!

思った刹那。
唇が離れる。
それと同時に私の身体の力が抜けきる。

「っと……。」
倒れかけた私の身体を怜が抱き止める。

私は涙でぼやける瞳を怜に向けた。
「〜〜〜〜っ!!」
怜は私から目を逸らした。

Re: kissから始まる恋♪ ( No.30 )
日時: 2014/04/11 20:44
名前: SAYAKA (ID: 2r74csLN)

「ほ、ほら、家ここだろ?
さっさと入れ!///////」
怜の声が動揺してる声だった。
なんで動揺してるのかは分からないけど。

「え……?」
あ、本当だ。
この塀、私の家の塀だ。

そんな事より、私には重要な事がある。
「な……んで?き、す、したの……?」
キスの快楽と酸欠の余韻で声が震える。
「なんでって………
したかったからだよ。
嫌だったなら、謝ってやる。」

「嫌…では、なかった……//////」

したかったから……?
それは…私と?
それとも、ただキスって行為がしたかったの?


誰でも良かったの?
私が良いの?

「ほら、とっとと家帰れ。」
怜がしっかりと私を立たせてくれる。
けど、私の膝はまだガクガクしてる。
「力、入んない……!」
頑張って、力を入れようとするんだけど、
上手く入らない。
「ったく、しゃーねーな。」
優しい彼は私をおぶってくれる。
「鍵は?」
鼓膜を擽る低い、甘い声。
酔ってしまいそうになる。

ポケットの中に入ってた鍵を怜に渡す。
その鍵を使って、怜が私の家の扉を開く。
そのまま、中に入って、玄関の段の所に私を座らせて、
私の靴を脱がしてくれる。

「暗いな。
誰も居ねぇのか?」
「両親はアメリカに転勤した。
私は家の管理とか任されたから一人暮らしなの。」

寂しい………

言葉にすると寂しい気持ちになるのは何故だろうか。

「ん、そうか。
俺も一人暮らしなんだけどよ、
その…なんだ?色々大変だってのは良く分かる
だから、
…………………………力になってやる。
頼れよ。」
ードキッ!ー

可笑しい文脈から漂うのは、
怜の不器用な優しさ。

「……///
じゃあな!!」
照れくさくなったのか、怜は帰ろうと踵を返す。

目の前から去ろうとする怜の手を掴む。
「ん?どうした?」
「ご飯、食べてかない?
足痛いのに、いっぱい歩いたでしょ?
ちょっと………休んでいきなよ。
…………………私も寂しいからいてほしいし///」

断られたらどうしよう。
変に思われてないかな?
少し、怖い。

『…………』
しばらく、無言で見詰め合った。
沈黙が長くなればなるほど、口を開きたくなる。
でも、開けない。

「まぁ、腹も減ったし。
良いぜ、一緒に食ってやる。
そのかわり、半端な物作んなよ。」
そう言った怜は靴を脱いだ。
「うん!///」
返事をしてから、怜をリビングに案内する。

Re: kissから始まる恋♪ ( No.31 )
日時: 2014/04/28 20:42
名前: SAYAKA (ID: 2r74csLN)

リビング。

「適当に座って。」
エプロンを探しながら、言う。
「おう。」
返事をした怜はいつも私が座ってる椅子に腰かけた。

「何か食べたい物ある?」
ようやく見つけたエプロンを着けながら問うと
怜少し考え込んでから、顔を真っ赤にした。

ーボッッ!!ー

え?なんで赤くなったの!?

私は彼の頭の中で起こっていた出来事を全く知らない。
きっと彼は知って欲しくないんだろうけどね。

「どうしたの!?」
「い、いや…別になんでもねぇよ。」
少し赤みの残る表情で作り笑いを見せてくる。
きっと、これは踏み込んじゃいけないんだと思う。
ただの勘だけどね。

「そう。
なら、良いけど。
で?何か食べたい物ある?」
もう一度同じ事を繰り返した。
「食える物ならなんでも良い。」
素っ気なく返してきた。
さっきの赤面がなかった事になってるような気がする。
まあ、良いけど。
「何が食べれないの?」
「バーカ、好き嫌いの話じゃねーよ。
不味い物じゃねぇなら、なんでも食う。」
誰がバカだ!!!
もし、これが景なら殺してる!
ボコボコにしてるわ!
「不味い物なんて作りません!
少なくとも私は自分の料理を不味いとか思った事ないもん。
美味しいとかも思った事ないけどね(笑)」
一人暮らしを始めてからそこそこ経ってる。
それなりに家事は慣れてるつもり。
「そうか。
なら、一緒に作るか?
美味いって思わせてやるぜ?」
自信満々に口元を吊り上げる。
どこから湧いてきた自信なのかは不明。
…………え?
ちょっと待って?
一緒?ご飯作るの?


なにそれ、嬉しい。
「一緒に作ろう!
美味しいって思ってみたい!」
誰かとご飯作ったりするのはある意味夢だった。
本当はお母さんと、なんだけど、良いや。
怜との方がなんとなく嬉しい気がするから。



それから、二人でご飯を作って、
二人で食べて、話して笑って二時間過ごした。
明日、遊ぶ約束をしてから怜は家に帰った。




このときの私は知らない。
景に見られてたなんて。

そして、そのせいで
あんな事になるなんて。


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