複雑・ファジー小説

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Heros☆ コスモス
日時: 2013/11/25 20:04
名前: 雅 ◆zeLg4BMHgs (ID: JJibcEj3)

彼女は、自分たちのリーダーだった。
静かで、強くて、大好きなリーダーだった。

自分たちの、正義の味方としての、一年間。



☆キャスト☆

☆旭 愛 あさひ あい
☆宮地 裕侍 みやち ゆうじ
☆木嶋 竜介 きじま りゅうすけ
☆金子 すみれ かねこ すみれ
☆火影 巧 ほかげ たく
☆井水 幸汰 いみず こうた
☆天童 晋弥 てんどう しんや
☆土井 直輝 どい なおき
☆海津 亮人 かいづ あきと
☆冥賀 眞那 みょうが まな
☆石雨 美音 いしさめ みね
☆宍戸 颯天 ししど はやて
☆山田 健人 やまだ けんと

★サタン
★プルートー

Re: Heros☆ コスモス ( No.58 )
日時: 2013/12/31 15:13
名前: 雅 ◆zeLg4BMHgs (ID: JJibcEj3)

階段を上がる。
「おにいちゃーん。」
宏平が呼ぶのが聞こえたけど、無視。

ランドセルを置く。
来年の今はもう使わないんだろうと思うと、大事にしたくなる。

「お兄ちゃん、今日ほのかがさあ………。」
部屋に入ってきて弟が勝手に話し出す。

「“ほのか”って、誰?」
「んー、隣の席でねえ、まあモテるかな。」
まあモテるかな、なんて偉そうにいう話じゃないだろ。

「でさあ、そいつがさあ、今日テストで一人だけ百点だったんだって。」
「へえ、宏平は?」
「えええ、内緒。」

「ふーん、悪かったんだ。」
「悪くないよ、90点。」
「四年生でそれは、悪いんじゃない?」
「うるさいなあ、お兄ちゃんが優秀なんだろ。」

優秀だなんていっても、そこまで目立つようなヤツじゃない。
それなりに優等生のレッテル張られてただけ。


今晋哉はどうしているだろう。

Re: Heros☆ コスモス ( No.59 )
日時: 2013/12/31 15:28
名前: 雅 ◆zeLg4BMHgs (ID: JJibcEj3)

「お兄ちゃん、ねえねえ、今日テスト百点だったよ。一人だけ!」
胸を張る妹を横目に、自分の部屋にはいる。

今は考えることが多すぎる。
中学の事とか、ボールペンの事とか。
シャープなデザインの建物が載ったパンフレットを、握りつぶす。

僕はみんなと同じ学校にいくんだ。


でも、そうなると宮地や旭と同じ学校という意味にもなる。
その名前が出れば、嫌でもボールペンのことを思い出す。

異様な少年、宮地や木嶋がヒーロー………。
SF小説のような感じ。

旭に何度説明を受けても、わからなかった。
でも、何度も目の前で見ている。


もう、意味不明だ。


「晋哉ー、ほのかー、ご飯よー。」

母さんの声がした。
今日こそ、断ろう。

………昨日と同じことを思いながら、部屋を出た。

Re: Heros☆ コスモス ( No.60 )
日時: 2014/01/02 15:16
名前: 雅 ◆zeLg4BMHgs (ID: JJibcEj3)

「小野妹子は遣隋使として中国に送られ………。」

歴史の授業は今年はじめて受けたが、自分は好きだ。
今までの社会科に比べれば、よっぽど楽しい。

この頃6年1組ではメモを回すのが流行っている。

「すみれに回して。」

今日もまたクラスの人気者のところに回ってくる。
配達係の自分としては、うんざりだが。

『マジ今日そろばんとか死ぬわー(T-T) 明日遊ぼー(*^^*)』

丁寧に顔文字までついてる。
放課に話せばいいよね、この話。

「直輝、すみれに回して。」
「またかよ、めんどくせーなー。」

直輝がすみれに「ほらよ、また。」何て言って手紙を渡す。

アイドルとアイドルなんて、絵になる。
まあ、校内のアイドルだけど。


チャイムが鳴る。
「きりーつ、ありがとーございましたー。」
「ありがとーございましたー。」
気の抜けた挨拶と共に一気に教室が声で溢れる。

隣の席の旭はさっさと片付けてどこかへいってしまった。
教科書を閉じて鉛筆を拾い上げると、ふとメモが落ちていることに気づいた。

『今日、図書室に残ってください。天童くんから話があるそうです。 旭』
ほとんど口頭で伝えられる内容だ。
ついに旭もメモを回すようになったのか?

自分は首をひねった。

Re: Heros☆ コスモス ( No.61 )
日時: 2014/01/02 15:39
名前: 雅 ◆zeLg4BMHgs (ID: JJibcEj3)

図書室はガランとしていた。

誰もいない。旭も、晋哉も。


罠か。それとも、どちらかに何かあったか。

「奇遇だな、アース。貴様は何をしに来た?」
「………サタン、それはこちらの台詞だ。」

耳元で急に囁かれたからか、動けない。
しかし、はっきりと聞き取れた。
彼は自分の事をアースと呼んでいるのだ。

サタンは自分の前に立つと、拳銃を構える。

「私は貴様を殺しに来た。あの方からの命令だ。」
「自分を消して、何の得になる?」
「“自分”なんて一人称になるような単語じゃないな。」
「答えろ、何のために自分を消す?」
「そうだな………。」

サタンは微笑しながらいった。


「復讐、だろうな。」


復讐………。

誰もいない。
二人だけの空間はちょっとした広場だが、後は本棚が立っている。

あの時のように、助けてはもらえない。
生きたいなら、逃げるしかない。

Re: Heros☆ コスモス ( No.62 )
日時: 2014/01/02 15:54
名前: 雅 ◆zeLg4BMHgs (ID: JJibcEj3)

逃げたい。
生きたい。


でも、無理そうだ。
後ろに下がっても、サタンが前に出る。
ボールペンは、あいにく筆箱の中。

「さらばだ、アース。一度逃げただけではまた悪魔に捕まると、彼女にも伝えるべきだったな。」


シュッと耳元を横切る。
銃弾が外れたのか考える間もなく、金属が当たる音。
「またジュピターか、お前がリーダーか?」
「ふざけるな、この七人の集団にリーダーもなにもない。」

木嶋だ………。

どうして………?


「まあ、いい。また来るとしよう。」
サタンがフッと消える。



「木嶋、どうして………。」
「晋哉、どういうことか説明しろ。」
「え?」

木嶋の後ろに晋哉がいた。


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