複雑・ファジー小説

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Heros☆ コスモス
日時: 2013/11/25 20:04
名前: 雅 ◆zeLg4BMHgs (ID: JJibcEj3)

彼女は、自分たちのリーダーだった。
静かで、強くて、大好きなリーダーだった。

自分たちの、正義の味方としての、一年間。



☆キャスト☆

☆旭 愛 あさひ あい
☆宮地 裕侍 みやち ゆうじ
☆木嶋 竜介 きじま りゅうすけ
☆金子 すみれ かねこ すみれ
☆火影 巧 ほかげ たく
☆井水 幸汰 いみず こうた
☆天童 晋弥 てんどう しんや
☆土井 直輝 どい なおき
☆海津 亮人 かいづ あきと
☆冥賀 眞那 みょうが まな
☆石雨 美音 いしさめ みね
☆宍戸 颯天 ししど はやて
☆山田 健人 やまだ けんと

★サタン
★プルートー

Re: Heros☆ コスモス ( No.53 )
日時: 2013/12/25 19:47
名前: 雅 ◆zeLg4BMHgs (ID: JJibcEj3)

サタン、と名乗る少年が去ってから、かなりの時間が過ぎた。

動けなかった。

サタンが去るときに後を追うこともできた。
変身して脅す程度のことでもできたかもしれない。

でも、動くことができないまま、時間は過ぎた。


「……………よかった………。」


旭の一言で金縛りは解けた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「天童は、敵じゃないんだね………。」
火影の言うことは、正しい。その通りだと思う。

でも、
「じゃあ、晋哉くんって………何者?」
と言うすみれの一言にも、同意。

「やっぱり、敵………。」
「そんなんじゃない!」
井水の言葉は見事に旭に遮られた。


そのとき、ポツリと天童が言った。
「ゴメン、ほんの出来心だったんだ………。」

Re: Heros☆ コスモス ( No.54 )
日時: 2013/12/26 17:55
名前: 雅 ◆zeLg4BMHgs (ID: JJibcEj3)

「天童……。」
「晋哉……。」
「天童くん……。」

空気が不穏なものになる。
彼、晋哉は曖昧に否定する。

「ち、違うよ……その……。」

自分には、今まで気になるところを上げていくしかない。

例えば、
・なぜ彼は自分が殺されそうになったときに起きていたのか
とか。

他には、周りにいた人とか、彼と仲がいい人とか、よく事件の現場にいた人とか。

どうがんばっても、事件前に彼が気づくような異変や事件当時現場にいた人は思い当たらない。

そこでふとあることに気づいた。


「そういえば、旭はどうやって真っ直ぐに事件現場に向かえたんだろう?」

Re: Heros☆ コスモス ( No.55 )
日時: 2013/12/30 17:00
名前: 雅 ◆zeLg4BMHgs (ID: JJibcEj3)

どんなときでも、敵が来れば必ず旭がいた。
一番はじめの中庭にも、教室で晋哉に会った校庭でも。


それが確実になり遂げられる条件は、自分が挙げられる範囲で三つ。

一つ目は、敵が旭を狙っているとき。

二つ目は、あらかじめ旭が知っているとき。

三つ目は、三つ目は………。


「お、おい、宮地?」


木嶋の声が聞こえた気がした。

景色が後ろに流れていく。

左の方が光る。


「宮地!!」


後ろに引かれる。


通過していく車。赤く光る信号。横断歩道。

どうやら自分は車に轢かれるところだったらしい。

Re: Heros☆ コスモス ( No.56 )
日時: 2013/12/30 17:51
名前: 雅 ◆zeLg4BMHgs (ID: JJibcEj3)

「帰ろう、もう遅いよ。」
旭はそう言うと荷物を背負ってフラフラしながら歩いていく。

「宮地、帰ろう。」
俺が声をかけても、「うん………。」とか言って、動かない。

やっと歩き出した。
と言ってもジグザグと進んでいる。
夢遊病者のようにゆらゆらとあるいていく。
目線はずっとアスファルトに向いていて、いつ誰にぶつかってもおかしくない。


「お、おい、宮地?」

その声も虚しく届かず、心ここに在らずといった顔で進む。
まもなく、横断歩道。

フラりと宮地は赤信号の横断歩道に出る。

何かが脳裏をよぎった。

泣く少年。赤い………。



「宮地!!」

Re: Heros☆ コスモス ( No.57 )
日時: 2013/12/30 18:17
名前: 雅 ◆zeLg4BMHgs (ID: JJibcEj3)

鍵を開ける。
暗くて冷たい空気に覆われる。
「ただいま。」
俺の声が黒い空気にかき消される。

鞄から洗濯物を取りだし、洗濯機に突っ込む。
棚からカップ麺を探しだし、お湯を沸かす。

机の上に「仕事で遅くなります。」のメモ。
兄貴はすでにカップ麺を食べ終えたのか、部屋にこもっている。

二階から流れる機械の声。
激しい旋律は、いつも聞こえるものと同じ。

六時を指す時計。秒針がゆっくりと回る。
ヤカンが高い声でなく。

ふと目に入った写真には、まだ幼い俺と兄貴、母さんに、父さん。
「………………。」


現在、俺・木嶋竜介に、父はいない。


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