複雑・ファジー小説
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- Heros☆ コスモス
- 日時: 2013/11/25 20:04
- 名前: 雅 ◆zeLg4BMHgs (ID: JJibcEj3)
彼女は、自分たちのリーダーだった。
静かで、強くて、大好きなリーダーだった。
自分たちの、正義の味方としての、一年間。
☆キャスト☆
☆旭 愛 あさひ あい
☆宮地 裕侍 みやち ゆうじ
☆木嶋 竜介 きじま りゅうすけ
☆金子 すみれ かねこ すみれ
☆火影 巧 ほかげ たく
☆井水 幸汰 いみず こうた
☆天童 晋弥 てんどう しんや
☆土井 直輝 どい なおき
☆海津 亮人 かいづ あきと
☆冥賀 眞那 みょうが まな
☆石雨 美音 いしさめ みね
☆宍戸 颯天 ししど はやて
☆山田 健人 やまだ けんと
★サタン
★プルートー
- Re: Heros☆ コスモス ( No.48 )
- 日時: 2013/12/22 21:34
- 名前: 雅 ◆zeLg4BMHgs (ID: JJibcEj3)
海津と冥賀の声を背に、ゆっくりと走り出す。
木嶋と旭の声がしないから、向こうはうまく行ったのだろう。
「音羽の滝で、ミックスジュースにしたい。」
だからきっと晋哉は音羽の滝へ向かったはずだ。
「晋哉!」
「え? み、宮地!?」
彼は音羽の滝に向かうまでの途中の道でしゃがみこんでいた。
「晋哉、皆が心配している。帰ろう。」
「宮地………。」
晋哉が何か聞きたそうにに言う。
「………どうかした?」
「いや、宮地って旭と仲がいいからさ………。」
「えっ、旭に何か用事でもある!?」
ついつい、力む。
「い、いや、旭この頃おかしいなって。」
「どこが!」
「うーん、今までは一人でいることが多かったのに、最近宮地とか、木嶋といるから。」
「違う!」
突然、凛とした声が聞こえた。
「晋くんは………。」
旭だ。
晋くんなんて親しげに呼んで、一体晋哉は旭の何なのだろう。
「その………旭とは、昔仲がよかったんだ。」
「!」
「保育所の途中まで、同じクラスだった。
途中で旭が引っ越して離れたけど、小学校入学時に僕も引っ越してここに来たんだ。」
「へぇ………。」
一体、晋哉は何を考えているのだろう。
- Re: Heros☆ コスモス ( No.49 )
- 日時: 2013/12/23 20:40
- 名前: 雅 ◆zeLg4BMHgs (ID: JJibcEj3)
「宮地!どこ行ってたんだ? 木嶋たちも。」
「………わからない。何で。」
「宮地?」
「………。」
ダメだ。
雰囲気的に関わらない方が良さそうだ。
「海津………。」
「何だ?」
「もし自分の友達が悪いことしてたらどうする?」
「え?」
「もし友達が殺………いや、犯罪に近いことしてたらどうする?」
「………木嶋か?」
「いや………違う。」
「………誰であろうと止めるかな、俺なら。」
「………そうか、ありがとう。」
「何かあったのか、宮地?」
「………。」
“犯罪に近いこと”ってどんなことだ?
聞こうと思ったけれど、やめた。
- Re: Heros☆ コスモス ( No.50 )
- 日時: 2013/12/23 18:55
- 名前: 雅 ◆zeLg4BMHgs (ID: JJibcEj3)
「もうすぐ学校に着きますよー!荷物まとめてー!」
先生の明るい声に、車内がザワつき始める。
「はい、解散。家に帰るまでが修学旅行ですよ!」
ちゃくちゃくと帰る支度を進める。
ヒーローメンバーに目配せする。
「showtimeの始まりだ。」
誰かがそう言ったかもしれない。
体育館裏。
俺を合わせて7人の少年少女。
1人を6人が囲むように立っている。
「晋哉、お前は何者だ?」
俺の一言から、修学旅行の本当のイベントが始まる。
俺はこのとき、上の方の気配に全く気がつかなかった。
- Re: Heros☆ コスモス ( No.51 )
- 日時: 2013/12/23 20:19
- 名前: 雅 ◆zeLg4BMHgs (ID: JJibcEj3)
全く状況がつかめないのか、キョロキョロする晋哉。
不安で満ちている顔で、晋哉を見つめる旭。
晋哉に一番近い場所で、彼を睨み付けている二人組。宮地と木嶋。
あまりこの状況が好ましくなく、遠い場所で晋哉を見ているすみれ。
空気が読めていない、井水と火影。
以上7人。
いや、私を入れると8人。
木嶋が切り出す。
「晋哉、早速本題に行こう。」
「ええ?」
「なぜ、宮地を殺した?」
「えっ、何が?」
「なぜ、宮地を殺そうとした!?」
「………。」
「誰かの指図か?」
宮地も聞くが、晋哉の答えはひとつ、
「わからない。けど、僕じゃない。」
「わからないわけないだろう。指図したのは誰だ?」
「知らない………。」
「じゃあ誰が………。」
「そこまでにしたら?」
- Re: Heros☆ コスモス ( No.52 )
- 日時: 2013/12/23 20:38
- 名前: 雅 ◆zeLg4BMHgs (ID: JJibcEj3)
「そこまでにしたら?」
木の上からひらりと降りてくる少年。
「アイツだ………。」
「お目にかかれて光栄です、皆様。これで全員かな?」
スタスタと歩いてくる少年。
シルクハットに、仮面。
木嶋が言う通り、あいつに間違いない。
ビュッと空気を切る音。
「おっと、危ない。今日は土でできてないんだよね。」
旭が刀で少年の心臓めがけてついたのを、彼は白い手袋をはめた手で受けている。
「今日はほんの挨拶に来たんだ。邪魔しないで欲しい。」
「っ………。」
旭は刀を受けられた姿勢のまま動かない。いや、動けないようだ。
「君たちがヒーローだね? ああ、一人違うようだが。」
パッと少年は刀から手を離す。
「我が名はサタン。以後お見知りおきを。」
少年は深々と礼をした。
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