複雑・ファジー小説
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- Heros☆ コスモス
- 日時: 2013/11/25 20:04
- 名前: 雅 ◆zeLg4BMHgs (ID: JJibcEj3)
彼女は、自分たちのリーダーだった。
静かで、強くて、大好きなリーダーだった。
自分たちの、正義の味方としての、一年間。
☆キャスト☆
☆旭 愛 あさひ あい
☆宮地 裕侍 みやち ゆうじ
☆木嶋 竜介 きじま りゅうすけ
☆金子 すみれ かねこ すみれ
☆火影 巧 ほかげ たく
☆井水 幸汰 いみず こうた
☆天童 晋弥 てんどう しんや
☆土井 直輝 どい なおき
☆海津 亮人 かいづ あきと
☆冥賀 眞那 みょうが まな
☆石雨 美音 いしさめ みね
☆宍戸 颯天 ししど はやて
☆山田 健人 やまだ けんと
★サタン
★プルートー
- Re: Heros☆ コスモス ( No.33 )
- 日時: 2013/12/09 18:21
- 名前: 雅 ◆zeLg4BMHgs (ID: JJibcEj3)
「うーん………。」
一人、頭を抱える。
ここに来る前に貰ったクマのぬいぐるみがこっちを見て微笑んでいる。
「晋くんが、まさか………。」
嘘だと思っても、真実は変わらない。
引き出しから、4本のボールペンを取り出す。
白、灰色、紫、黒………。
その色が、誰を示すのか。私には、検討もつかない。
ただ、私にはやるべきことがある。
それは、自分のためなのか、誰かのためなのか、無意味なことなのか。
解らない。けど、やるしかない。
「愛ちゃーん、ご飯よー。」
「ちゃん付け」が何を示しているかぐらい、知ってる。
涙をこらえて、台所へ向かった。
- Re: Heros☆ コスモス ( No.34 )
- 日時: 2013/12/11 05:28
- 名前: 雅 ◆zeLg4BMHgs (ID: JJibcEj3)
次の日の修学旅行の話し合いは、相当ギクシャクしたものになった。
関係のない亮人や冥賀、その場に立ち会っていないすみれは普通な顔をしているが………。
天童が明らかによそよそしい上、
旭の異常さとか、半端ない。
昨日まで的確に指示を出していた旭が、急に「え? あ、はい。」しか言わなくなった。
「ねえ、副班長。二日目の計画は?」
「え? あ、はい。」
向こうですみれと旭がやり取りになっていないやり取りをしていると、亮人がやって来た。
「旭って、昨日なんかあったのか?」
「………。」
「木嶋?」
「えっ、いや、わかんない。ゴメン………。」
「そうか、なら良い。宮地は?」
そう言うと亮人はさっと宮地の方へ言った。
でも、何で俺に聞いたんだろう。
明らかに宮地の方が詳しいのに、旭のこと。
まさか、昨日三人でいるところを見たとか………。
- Re: Heros☆ コスモス ( No.35 )
- 日時: 2013/12/11 18:18
- 名前: 雅 ◆zeLg4BMHgs (ID: JJibcEj3)
嫌だなあ。
アタシは修学旅行のしおりを見ていた。
13ページの自由行動の班のページだよ。
「6-1-1海津亮人 木嶋竜介 天童晋哉 宮地裕侍 旭愛 金子すみれ 冥賀眞那」
「6-1-3井水航汰 土井直輝 火影巧 石雨美音 千堂夏織 桃井茉鈴」
何で離れたんだろう。私たちは運命の赤い糸で結ばれてるのに。
恨めしそうに土井直輝と金子すみれの名を交互に見る。
赤い糸と言えば、宮地と旭だ。
見事に席も修学旅行の班もぴったんこ。
まあ、寝る部屋はさすがに別だけど。
19ページでチェックする。
なになに、アタシは131で、直輝は132。隣だ。
131は、アタシと愛ちゃん、眞那ちゃん、美音ちゃん、香織ちゃん、それにマリリン(桃井茉鈴)。
132は、直輝、あっきー、木嶋、晋哉、裕侍、航汰、たっくんのヒーローズ集合メンバーだ。
枕投げとかないよね。去年はズボン脱がし大会があったから要注意。
あと、泊まる宿のご飯の量、要注意。中学校行ったゆっこちゃんの話だと、おいしくないんだよね。美音ちゃんに分けてあげようかな。
そう言えば、会議はいいのかな。
全部愛ちゃんに任せたから、何とかなるよね。
班長のあっきーが裕侍と話してる。珍しい、何かあったのかな。
晋哉は何で掃除用具箱を開けたり閉めたりしてるのかな?
何かソワソワしてるし。
木嶋は晋哉を見ている。
やっぱり気になるよね、何やってるんだろう。
あーあ、直輝と同じ班だったらどれだけ幸せなのだろう。
- Re: Heros☆ コスモス ( No.36 )
- 日時: 2013/12/14 14:13
- 名前: 雅 ◆zeLg4BMHgs (ID: JJibcEj3)
5月1日。
ついに来てしまった。
「亮人、歩いていける?」
母さんが心配そうに言う。
「大丈夫、学校までだし。」
大きな荷物を持って、ゆっくり家を出る。
ついに修学旅行当日だ。いろいろ早かった。
重い荷物が責任を表してる気がする。
ふと目をやると、愛が重そうに揺れながら歩いているのが見える。
田んぼに落ちそうで危ない。
「おはよう、愛。荷物持とうか?」
後ろから声をかけると
「ああ、おはよう、海津くん………。」
と素っ気なく答えた。
「旭、荷物持とうか?」
後ろから木嶋が来た。
微妙に睨んでるのは気のせいか?
「ああ、木嶋くん。ありがとう、私は大丈夫。」
旭の態度が全然違うことにも驚く。
知らぬ間に急接近しているではないか。
旭は木嶋と宮地ならどっちがいいんだろう。
と、一台の車が止まる。
窓から一人の女の人が顔を出した。
「あら、愛ちゃん。大変そうじゃない。車に乗っていかない?」
「母さん、いいよ。僕だって歩いていくから。」
そう聞こえると車の向こうから男子が走ってきた。
さて、天童を加えた四人は、荷物を揺らしながら歩いている。
と言っても行動はバラバラで、
旭と木嶋は二人でボソボソと話しているし、
天童は一人離れたところで独り言をいいながら歩いているし。
こんな感じでまとまった班にすることができるのだろうか。
- Re: Heros☆ コスモス ( No.37 )
- 日時: 2013/12/14 14:34
- 名前: 雅 ◆zeLg4BMHgs (ID: JJibcEj3)
このクラスでまだ1ヶ月もたたないのに、もう修学旅行。
おかしいだろ、この小学校。
朝から海津を睨み付けてしまったが、旭と歩けたからラッキーだ。
そうだ、金子。
「ねえ、すみれ。そうえば朝聞いたんだけど………。」
同じ内容を井水と火影にも伝える。
簡単に、こんな話だ。
旭は俺らに渡したボールペンの他に四本ボールペンを持っていた。
白、灰色、紫。そして黒。
旭が出さなかった理由は、何となく今持ち主に渡るべきではないと思ったから。
しかし、この間二本がなくなっていることに気づいた。
那のでその二本を探してほしい。
確か、そんな話だ。
無くなった色は、紫と黒。
旭は、修学旅行のあいだは何も起こらないから大丈夫、何て言っていた。
普段攻撃を仕掛けてくる敵は、この辺りの人物のはずだと言う。
バスはもうすぐ出る。俺らは奈良・京都へ旅立った。
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