複雑・ファジー小説

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

断捨離中【短編集】
日時: 2024/02/21 10:09
名前: ヨモツカミ (ID: AZCgnTB7)

〈回答欄満た寿司排水溝〉すじ>>19
♯8 アルミ缶の上にある未完 >>8
♯12 夜這い星へ、 >>12

〈添付レートのような。〉らすじ>>23
♯14 枯れた向日葵を見ろ◆>>14
♯17 七夜月アグレッシブ◆>>17

〈虚ろに淘汰。〉すじ>>27
♯19 狂愛に問うた。 >>21
♯21 幸福に問うた。 >>24

〈曖昧に合間に隨に〉じ>>35
♯22 波間に隨に >>28
♯23 別アングルの人◆>>29

〈たゆたえばナンセンス〉あ>>41
♯27 知らないままで痛い◆>>36
♯28 藍に逝く >>37
♯29 Your埋葬、葬、いつもすぐ側にある。 >>38
♯30 言の葉は硝子越し >>39
♯31 リコリスの呼ぶ方へ >>40

〈拝啓、黒百合へ訴う〉ら>>51
♯32 報われたい >>42
♯33 真昼の月と最期の夏 >>43
♯34 泥のような人でした。 >>44
♯35 夜に落ちた >>47

♯37 銀と朱 >>49
♯38 海の泡になりたい◆>>50

〈ルナティックの硝子細工〉す>>56
♯39 愛で撃ち抜いて >>52

♯41 あたたかな食卓 >>54
♯42 さみしいヨルに >>55

〈ジャックは死んだのだ〉あ>>64
♯43 さすれば救世主 >>57
♯44 ハレとケ >>58
♯45 いとしのデリア >>59
♯46 大根は添えるだけ >>60
♯47 ねえ私のこと、 >>61

〈ロストワンと蛙の子〉じ>>70
♯48 愛のない口付けを >>65
♯49 ケーキの上で >>66
♯50 だって最後までチョコたっぷりだもん◆>>67-68
♯51 暗澹たるや鯨の骸 >>69

〈愛に逝けば追慕と成り〉あ>>79
♯52 鉄パイプの味がする >>71
♯53 リリーオブザヴァリー◇>>72
♯54 海に還す音になる◇>>75
♯55 そこにあなたが見えるのだ。◇>>76

〈朗らかに蟹味噌!〉あ>>87
♯56 お前となら生きられる◇>>82
♯57 朱夏、残響はまだここに◇>>83
♯58 夢オチです。◇>>84
♯59 あいしてるの答え >>85
♯60 さよならアルメリア >>86

〈寄る辺のジゼル〉あ>>90
♯61 熱とイルカの甘味 >>88
♯62 燃えて灰になる◇>>89

Re: 回答欄満た寿司排水溝【短編集】 ( No.8 )
日時: 2018/04/25 20:12
名前: ヨモツカミ (ID: NAPnyItZ)

♯8 アルミ缶の上にある未完


 ジジッと短い蝉の声を聞いた。
 顔だけそっちに向けると、灼熱のアスファルトの上、仰向けにひっくり返って、無様に脚をバタつかせて朽ちようとする蝉の姿を見つける。電柱に張り付いていた、七日目を迎えた奴が落ちたのか。しばらく眺めていると、自分で起き上がることもできずに藻掻き続けて、そのうちぴたりと動きを止める。生きることを終わりにしたらしい。なんとなく、僕にそっくりだと思った。
 目眩がするほどの日差しの下、向日葵みたいに上を向けそうもない僕は、俯きがちに歩を進める。人も車も通らない田舎の道に蝉時雨が降り注いで、その暑さを際立たせている気がする。都会には蝉よりも人の数のほうが多いのだと友人が言っていたのをなんとなく思い出した。暑苦しいのは何方だろう。時折肌を撫でる微風を思うと、此方のほうがマシなのかもしれない。あっちは風の通る隙間も無いくらいに、人でごった返していそうだから。
 額に滲む汗を拭いながら、車一台が通れる程度の橋を渡る。下を緩やかに流れる川の流れに視線を落とした。穏やかな細流の音に耳を傾ければ、多少は暑さが紛れるかもしれないと思ってのことだった。

 それでまさか、堤防に人が突っ立っているとは思わなくて、思わずその人から目が離せなくなった。

 鎖骨の下ぐらいまで伸ばされた黒髪と、紺色のワンピースの女の子。病的に白い肌とほっそりした手足のせいで、とても不健康に見える。真夏の日差しを浴びてもその色を保っている。なんだか幽霊みたいな子だと感じた。着ているワンピースが真っ白だったら、僕はその人を幽霊だと決めつけていたかもしれない。少し長い前髪のせいで顔立ちも暗くみえるのだ。夏の川辺に一人で佇む女、というだけで何処か不気味に感じられる。先日見た心霊特集の番組の影響で、直ぐにそういうものと結びつけたがる自分がいる。
 その子が突然、靴も脱がずに、じゃぶじゃぶと川の水に浸かるのを見て、入水の二文字が脳裏を掠める。驚いた僕は足を止めて彼女の挙動を見守った。けして深い川では無いが、彼女くらいの背丈なら、一番深いところまで行けばへその辺りまで沈んでしまうのではないだろうか。
 彼女は靴が浸水するのを気にする様子もなく、ずんずん深い所へ進む。膝より少し短いワンピースの裾も水を含んで暗い色に変わる。あんまりに迷いの無い足取りに、不安になった僕は思わず口を開いていた。

「何してんの」

 橋の上から降ってきた声に驚いて、彼女が弾かれたように顔を上げる。しばらく不思議そうに僕を眺めていたが、そのうち、呟くようにして声を出す。

「捜し物」
「……靴も脱がずに? 服の裾もびっしょびしょじゃん」
「それだけ一生懸命なの。……あなたには関係ないでしょう?」

 柔らかく聞き取りやすい声だった。けれど、人を拒むみたいに、少し棘のある口調。涼しげに微笑んでいるくせに、そこには「関わるな」と書いてあるように見える。
 ジイワジイワと蝉の声が二人の沈黙を埋める。
 此処で僕が引かなかったのは、彼女が綺麗な顔立ちをしていたことも、その頬に大きなガーゼを貼り付けていたことも、多分関係ない。でも好奇心とも違う、何か。
 強いて言えば、揺蕩う碧色の中に浮かぶ彼女から、目が離せなくなったから。

「手伝う。捜し物は何?」

 そう声をかけると、彼女は驚いたように目を見開いていた。呆然とする彼女を余所に、僕は橋を渡り、堤防を降りて、その辺に靴を脱ぎ捨てると川の流れの中に足を沈める。予想以上に冷たい水温に思わず声を上げる。それよりも、水底の小石が足の裏を突き刺す痛みに肩が跳ねた。
 彼女は未だに目を丸くしたまま、僕を眺めていた。橋の上からは分からなかったけれど、近くで見る彼女の指や腕、膝の数ヶ所にはバンソーコーが張り付いていた。

「    」

 細流に負けてしまうほどかぼそい声で彼女が何か言った。それから、どうしてか、少しだけ寂しそうに笑う。その表情は、聴き返そうとした僕の言葉を遮るには十分だった。

「ねえ、捜し物は何」

 彼女は僕の問い掛けに答える代わりに、ありがとうと言った。蝉の声が五月蝿かった。





 川から上がって、二人で近くの公園まで来ていた。無人とはいえ蝉の声が喧しい。僕ら以外に人の姿は無く、無人の滑り台やブランコが寂しげに佇んでいる。輪郭が陽炎で揺らいでいて、蜃気楼みたいだと思った。
 僕は、適当なベンチに腰を下ろして、一息ついた。肌を撫でるぬるい風が気持ち悪い。

「見つからなかったけど、ありがとね。これお礼」

 彼女はいつの間にか近くの自販機で買ったらしい、三つの矢のマークで有名なサイダーを差し出してくる。炭酸は苦手だ、なんて言って断るわけにもいかないから短いお礼と共に受け取る。冷えきった缶の表面は、この熱気に晒されて僕らと同じように汗をかいていた。
 カシュッ、と小気味良い音を立てて空いた缶を一口。口内を満たす冷えた温度が心地良い。そう思いかけた瞬間、容赦なくバチバチと弾ける泡沫の刺激に、思わず吹き出しそうになった。慌てて嚥下して、でも喉を走り抜けていった痛みに噎せ返る。
 彼女も同じものを購入していたらしく、隣で平然とした顔でそれを傾けて口に流しこんでいた。いい飲みっぷりだ。父がビールを同じように呷っていた様子と重なった。口からアルミ缶を離してぷひゃあ! なんて声をあげるところなんかそっくりである。
 ふと視線を下げると、僕の足元に、日向に出てきて干乾びたミミズが転がっていた。うだるような暑さに水分を失っても溶けきることも出来ず、そこに居座り続ける。さっきの蝉もそうだ。ただ、何処にも行けずにそこに取り残されて、仕事熱心な蟻に運ばれていなくなるのを待っている。僕にそっくりだ。何処までも。僕みたいだ。
 隣に腰掛けた彼女が、空になったサイダーの缶をプラプラさせながら、俯いていた僕の顔を覗き込んでいるのに気が付いて、少し驚く。何か言いたげにじっと僕の目を見ていた。僕は何? と首を傾げる。

「アルミ缶の上に……ある蜜柑」
「……はあ?」
「え、ちょっと。そんな顔しないでよ。今の凄く面白くない?」

 アルミ缶の上に蜜柑があるのか。何故。アルミ缶の上に蜜柑が? あるの? しばらく脳内で反芻させてから、ようやくアルミ缶と、ある蜜柑をかけたクソくだらないギャグだと気が付いた。

「は? くだらな……マジくだらないな。アホじゃないの、くっだらな! なんだよ今の、あはは、バカみたい」

 彼女のことなんかよく知らないが、そんなことを言う子だとは思わなかった。くだらなさに呆れたけれど、でも、変な笑いがこみ上げてくる。小波のように後から後から押し寄せてきて、楽しくなってしまう。

「やっと笑った。あなた、ずっと暗い顔してたから。良かった」

 彼女も笑っていた。向日葵みたいに。そんな顔もできたのか、と目を見張る。長い前髪のせいで、もっと暗い子だと思い込んでいた。違う。他の要因もあったと思う。失礼極まりない理由で僕と同じような暗い子だと思い込みたかったんだ。そんな自分の存在に気がついて、こっそり心の中でごめんねを言う。

「さて。私はそろそろ帰るよ。遅くなると怒られちゃう」

 ベンチから立ち上がった彼女が遠くを見つめながら言う。その方向に、彼女の帰るべき場所があるのだろうか。
 サイダーの空缶を片手に彼女は僕の方を振り返って、笑いかける。

「少年、下ばっか向いてちゃ駄目だよ。バイバイ、またね」

 蝶々みたいに手を振って、遠ざかる彼女の背中をぼんやりと眺めた。そういえば名前を聞きそびれた。でも、またねと言ってくれたのだから、また会えるだろうか。会いたいわけでもないけどそんなことを考えた。

 一人残された僕の手元に収まるサイダーの缶を、どうしようかと見つめる。一口飲んだ程度では中身の量は殆ど変動しない。自力で処理する事もできなくて。お前もまるで僕のようだね、とサイダーに話しかけてみる。シュワシュワと弾ける泡沫の音は返事と言えるだろうか。
 とりあえず目に付いたのは、干乾びたミミズだった。コイツは多分もう、此処で力尽きて何処にも行けやしない。上から缶を傾けて中身を零してやると、そいつはピクリとも動かなくて、透明な液体がパチパチと弾けながら砂と混じり合っていく。半分くらいかけたけど、やる気もなさそうに爆ぜる液体の中に浸っているだけのミミズを見るのが忍びなくなって、やめてしまう。
 試しに缶の中身に口を付けてみた。さっきみたいに噎せるのが嫌で、ほんの少しだけ。それだけでも口内でバチバチと爆ぜる痛みに顔を顰める。彼女はこれを余裕そうに飲み干していた。彼女のサイダーにだけ炭酸が入ってなかったのだろうかと疑うほどだった。
 残りはどうしようかと考えて、僕はベンチから離れる。
 缶を地面に置いた。少し勢いをつけるために、右脚を引く。振り被る。一蹴。
 
 サイダーをぶちまけながら、快晴の下をアルミ缶が舞う。日の光に反射して、少しだけ綺麗だと思った。降り注ぐ甘い水滴が冷たくベタつくけど、気にならない。
 カラン、と無機質な音を立て、未だに中身を吐き出しながら地面を転がる。液体は泡を立てながら砂と混じり合っていく。
 アルミ缶の上にあるのは、突き抜けるような青色と、そこを白色の絵の具で塗りつぶしたみたいなコントラスト。僕らの気持ちなんか知らないで、勝手に晴れ渡った空を睨みつけた。
 灼熱の日差しが僕を焼き焦がす。蜜柑なんて何処にもない。やっぱりくだらないなと笑った。アルミ缶の中身はまだ残っている。


***
捜し物なんて、多分ずっと見つからない。それでも探したかったんだと思う。見つけたかったんだと思う。過ぎ去った何かが、まだそこにあるような気がしたから。

書きながら思ったのは、夏って寂しい感じがするなっていうこと。でも、綺麗だよね。

***
三ツ矢サイダーシスコーン事件についてはマジ申し訳なかったです! 純粋な優しさで私を信じてくれたあなたの気持ちを弄んだ事がホントに悔やまれる! 土下座っっ!
それから、私の文章を好きだと言ってくれてありがとう。
私なりにあなたをイメージしつつ私らしく書いたつもりだったけど、いや、割と私が書きたいものを書いただけの文になった気がします。細部については恥ずかしいので語らないでおきますが。
私は自分の文章に魅力があるとは思えなかったけど、でもあなたの「好き」で私は前を向けたから、私の文章があなたの日常に色を与えていたらいいなと思います。
最近忙しそうだけど、無理しすぎて体を壊さないでね。書けて楽しかった、リクエストしてくれてありがとう!

Re: 回答欄満た寿司排水溝【短編集】 ( No.12 )
日時: 2018/06/23 11:57
名前: ヨモツカミ (ID: NAPnyItZ)

♯12 夜這星へ、

 目が覚めれば、当たり前のように柔らかいベッドの上にいて、今まで私が揺蕩っていた世界は夢と呼んで、否定される。それが少しだけ、寂しいような気がする。
 違う。私は。

 手を伸ばしてみると、白いだけの天井が遠くにあって、なにも掴めなくて、骨ばった白い私の手の甲が視界で、幽霊みたいに揺れる。なんにも収まらない掌は、虚しく空を掻いて、夢の続きに焦がれるのだった。
 窓から零れる光で、朝が来てしまったのだと理解して、私は溜息をついた。もう少しだけ、眠っていたかった。それは、代わり映えのない日常に別れを告げて、あの空の中で会った誰かと、永遠に語らいたいから。現実を否定して、あの空で、溺れてしまいたかった。そうすれば、私は名前も知らない誰かと、ずっと一緒ににいることを、許してもらえる気がしたから。
 誰の許可を得て、あの空での時間を選ぼうとしたのだろう。

「辛いなぁ」

 零した言葉を拾って、私に返してくれる人なんていないのに。言葉はひとりでに落ちて、雨粒のように床に染み込んで、消える。ろ過できない感情は、埃になって床の上に溜まっていく。埃まみれのフローリングには、私の感情が降り積もって、行き場を無くしている。
 身体を起こすのも億劫なので、私は目を閉じて、瞼の裏の夜空を見上げる。星一つない、途方も無い闇が広がって、酷く不安になるけれど、直ぐに微睡みが私を連れ去ってくれるのも、知っているから。

「迎えに来たよ」

 あなたが来る。気が付いたら、空を埋め尽くすビルの明かりと、地上に広がる星空に挟まれたあなたが、そこに立っていた。
 男なのか女なのかも分からない、中性的な顔立ちのヒト。その声すらも中性的で、だけど私はそのヒトを彼女と呼ぶ。
 彼女がゆったりとした足取りで私に近づいて来て、一歩を踏み出すごとに、星空が波紋を立ててぶれた。私はそれを黙って見守る。

「本当にいいの?」

 彼女は少しだけ寂しそうに微笑みながら、私に問う。だから、私は首肯する。理由の説明もいらないだろう。
 彼女は物心付いたときから毎晩この空で私の前に現れて、私の話を聞いてくれていた。今日はこんな事があった。それをどう思った。こうすれば良かったんじゃないか。でも私にはそれが出来なかった。今度同じことがあっても私は同じ選択をするのだろう──。ぽつりぽつりと私が話すと、彼女は決まって「大丈夫」と言って笑った。「次は上手く行く」「君ならそれが出来る」そう言って笑う。根拠も無い、煌めく言葉。私も大丈夫だと思おうとした。でも、駄目だった。駄目だったよ。私は駄目なんだ。泥に足を取られて、転び続けるみたいに。前に、進めない。
 駄目だったよ。「大丈夫」駄目だったよ。「大丈夫」駄目だったよ。「大丈夫」消えたいの。「…………」

 私はゆっくり膝を付いて、地面に手を伸ばした。星空に手を浸すと、水のように冷たい感触が伝わってくる。それを両手で掬い取って、口を付ける。冷たくて甘い。渇いた身体に染み渡って、少しずつ、私を私でない物で満たしてくれている。
 私は、私の中を夜空で満たしたいのだ。星屑を飲み干して。全部全部。私はあの光の粒に。溶けて、消えて。無くなりたい。儚い光のように、居なくなりたいのだ。
 もう一度、地面に両手を伸ばした。その腕を、彼女が柔らかく掴んで、制止する。彼女はやっぱり寂しそうに微笑んでいた。

「やめなよ」
「止めないで。消えたいの」

 彼女は静かに首を振る。いつも肯定してくれていた彼女が、初めて私の行動を否定している。私のこと、全部分かってくれていると思っていたのに。私は彼女に、裏切られたような気がした。
 私の顔を覗き込んで、彼女は優しい声で言う。

「そんなことじゃ、消えられないよ。だって、君の感情はろ過しきれないから。感情の残渣は底の方に溜まっていくばっかりで、何処にも行けないんだよ。泥濘になって、君の感情はずっと底に溜まってる」
「感情を消し去るには?」
「消えやしないよ。身体を星屑で満たしたって、君は君のままだし、その泥濘は薄まったりしない」

 一層悲しくなって、私は深く息を吸い込んだ。やっぱり、泥が邪魔をする。この重たい泥濘が、足を掴んで離さない。
 唇を噛み締めてないと、余計な言葉を吐き出してしまいそうだった。そんな私の様子を優しく見つめて、彼女はだからね、と言葉を紡ぐ。

「生きなよ。いつか、その残渣を愛せる日が来る」
「来ないよ。今まで邪魔で邪魔で仕方なかったもの。誰かを羨んだり、妬んだり、恨んだり、嫌ったり、好きになったり、腹を立てたり、期待したり、失望したり。もう、疲れたの」

 そう言って、私は再び星屑を両手で掬い上げると、口を付けた。冷たくて甘かったはずなのに、どうして今は、塩辛いのだろう。知ってる味だ。此れは涙の味。
 気が付いたら、私の両手は空っぽで。上手く掬え無かったのだろうか。両目からはポロポロと、透明の星屑が溢れてしまう。折角飲みこんだのに。光を放ちながら零れて、地上の星空に還っていってしまう。私の中から、星屑が消えてゆく。私は、ただの私になる。
 違うか。私は最初からただの私だ。何も変わりはしない。変われはしないのだ。溜まった泥の中に沈んで。何処にも行けないのだ。
 夜空。暗闇の中に、ポツポツと光が浮かんでいて、その全てに名前があって、その光の並びにすら名前があって。私も知っている、あれは大犬座。あれはオリオン座。それから、あれは子犬座。その中で一等輝くのは、シリウス、ベテルギウス、プロキオン。冬の大三角形。それを飲み干して、私の中身を満たしたい。変わりたかったのだ。光り輝く何かに。
 彼女は私の目元に指を伸ばして、涙を拭ってくれた。まだ微笑んでいたけど、それは暖かくて優しい笑みだった。

「大丈夫」

 聞き飽きた言葉が、彼女の口から溢れる。もう聞きたくなかった。耳を塞ぎたかった。
 なのに、紡がれる。煌めく言葉。

「大丈夫。きっと辛いことばかりじゃないよ。少なくとも、僕は君を愛してる」

 思わず私は顔を上げて、彼女を凝視した。やっぱり笑っていた。なんで彼女はいつも、そんなに笑うのだろう。どうして、そんなに笑えるのだろう。

「君もいつか、愛を知るよ。辛いことばかりじゃないよ。苦しいことばかりじゃない。悲しいことばかりじゃない。暖かくて、幸福に包まれてる。君は誰かを愛せるよ」
「……綺麗事だ。あなたはいつも、恒星みたいな言葉を吐くだけだ」

 私が欲しい言葉を的確に投げかけてくれる、だけ。だから、その言葉はあの一等星よりも眩く瞬くけど、所詮は空で燃え尽きる屑と何も変わりないのだ。塵を引きながら、朽ちてゆく。夜這星の輝きに近しい、儚くて空虚な光。
 彼女はふふ、と笑ってからそうかもね、と私の言葉を受け止める。否定、できないのだ。否定して欲しかった。今日の彼女は、こんなに側にいるのに、遠いところにいる。

「笑ってよ」

 彼女はそう言いながら、私の頬に手を伸ばしてきた。暖かい掌が頬を包みこむ。

「ヒトは幸せだから笑うんじゃなくて、幸せになるために笑うんだよ」

 彼女は笑う。だから真似して私も口角を上げてみるけれど、きっと、とてもぎこちない。それを彼女はおかしそうに見つめて、でも、馬鹿にするような目じゃなくて、凄く優しい眼差し。

「あなたはなんのために笑うの」
「僕はきっと、怖いから笑うんだよ」

 そうやって、寂しそうに言った。燃え尽きそうな声だった。最後の光を放ちながら、消えゆくの待つだけの。
 ああ、時間か。

「おはよう。きっと、素敵な一日が始まるよ」

 彼女なりのさよならを聞き届けると、世界はぼやけてゆく。
 最後に見えるのは、闇の中に散りばめられた、数多の光。宝石箱みたいだって、いつも思っていた。夜空が、ドロドロと溶けて、私と綯交ぜになって。

 目を開けると、やっぱりあの夜空は夢だったということになってしまう。何度目かも分からない彼女との別れに胸を痛めながら、結局は上体を起こした。
 半開きのカーテンを引くと、優しくない朝の陽射しが私の目を焼く。太陽は嫌いだ。いつも人の気も知らずに、平等に照らしてくるから。見たくないものも、よく見えるから。そのくせ、見たいものは、隠してしまうから。
 昼間でも、星はそこにあるはずなのに、どこにも見えやしない。澄んだ青の中、輪郭の曖昧な水蒸気の塊が空を揺蕩っている。星を隠す太陽なんて、嫌いだった。
 彼女を。夜空を隠す朝は、嫌いだった。

 星を食べる夢は、凶夢だと聞いたから。星を食べれば、消えられると思って。身体を光の粒で満たせば、星になれると思って。私は星屑を飲み下したのに、結局涙として逃してしまった。彼女が、それを許さなかった。彼女は私に生きろと言った。愛してると言った。私も、誰かを愛せると言った。
 私は、彼女の愛したものを、愛してみたい。
 私は、私を愛せるだろうか。
 自分の人差し指を使って、口の両端を、軽く持ち上げてみる。窓に映った私の、不格好な笑顔。彼女の笑顔とは程遠いけど、少しだけ近いかもしれない、なんて思う。私の中に、彼女は溶け込んでいるだろうか。そうだったら、いい。
 私は今日も、息をする。

***
お題箱より「溶けかけの夜空」ありがとうございました!
イキリ物書きみたいな文章だなって思うけど、書いてて楽しかったからいいか、と思うことにしました。
流れ星のこと、夜這星って言うそうです。

Re: 添付レートのような。【短編集】 ( No.14 )
日時: 2018/07/31 19:40
名前: ヨモツカミ (ID: NAPnyItZ)


#14 枯れた向日葵を見ろ

 名前も知らないのに、好きを募らせていた。
 勘違いしないでほしい。これは、少女漫画にありがちなレモン味の恋愛感情とは似ても似つかない。味の種類で言えば、あの日二人で飲んだサイダーを思い浮かべるけど、そんな爽やかなものとは程遠い。今、口の中に広がる血の味には、よく似ているかもしれないけれど。

 二回目の邂逅を果たしたときは、夏の終わりを告げるヒグラシ達が、夕暮れの涼しさを演出していた。殺意に満ちた太陽に唸っていた日々は過ぎ去り、アブラゼミの代わりにトンボが緋色を引き連れて目の前を流れてゆく。
 堤防から見下ろす川の水は茜に染まり、もうとっくに門限を過ぎていることを思い出させる。鴉の鳴き声が私を叱っているみたいに聞こえた。帰らなくちゃ。怒られてしまうから。
 立ち上がろうとした私の腕を、隣に腰掛けてい彼がやんわりと掴む。彼を見れば、迷子の子供みたいに不安そうな双眸が、私を見上げていた。

「あ、ごめん。もう、帰るの?」
「……ううん。帰らない」

 私は曖昧に笑って、もう一度座り直した。帰ったらどうせ怒られるのだから、いつ帰ったって変わらないだろう。殺人を犯した人間も、一人殺したらもう一人殺すのも二人殺すのも変わらない、という思考に陥るらしい。私の思考は殺人犯レベルか、と自嘲した。
 引き止めた彼は、隣で申し訳なさそうに視線を落としている。前会ったときもそうだった。空から逃げるみたいに、下ばかり向いている。暗いやつだな、と内心笑っていた。

「そういえば、前はお互いに名前すら教えなかったね」

 彼がそんなことを言うけれど、そうだねと答えた私も、話を振った彼さえも名乗ることはない。自分の名前が嫌いな私は口を噤んで笑ってみせるだけ。それを見た彼が困ったように眉を顰めていた。相手の出方を待つみたいな沈黙がしばらく続いたけれど、折れたのは彼の方で。

「僕はY」

 また、二人して黙って見つめ合う。それでも静寂が訪れないのは、ヒグラシが鳴き続けているから。私達の周りには蝉ばっかりだ。

「そんな、容疑者みたいな名前なの?」
「違う。嫌いなんだ、名前」
「そう。私と同じだね」

 嫌いだからって、まともに名乗ろうとしない。卑怯な少年だ。私は彼とは違うからちゃんと言う。

「歌方 海月。歌に方向の方に、クラゲって書いて、みつく」
「綺麗な名前だね」
「だから嫌いなんだよ。私には似合わない」

 僕はそうは思わないけどね。と、彼が独り言みたいに言ったのを、聞こえなかったふりをした。嬉しさと、それをかき消すほどの嫌悪感が同時に湧き上がったのを、隠すのに必死だった。でもきっと、凄く変な顔をしてしまったと思う。幸い顔を上げない彼には、見えなかっただろうけれど。

「それに、消えちゃいそうな名前してるもの」

 水面に揺れる泡沫のように、声が震えた。お母さんは私に消えてほしかったのかな。そんな思考に陥るくらいに、儚い響き。だからこの名前が嫌いだった。

「羨ましい」

 ぽつりと零された彼の言葉に寒気がした。まだ十分暑い季節なのに。
 空から逃げる彼は、やっぱり顔を伏せたまま。黒い髪の下に隠した表情は窺えない。

「消えたいって、思ってるの?」
「……君には、わからないよ」

 顔は見えないけれど、笑っているように聞こえた。何処か自虐的に、殆ど自分を嘲笑するような笑いだったのだろうけど。

「そんなことない」

 否定する私に対して、彼は首を振る。

「僕なんか、干乾びたミミズみたいなもんだし。君は太陽にそっくりだ。君と僕は絶対に違う」
「あは、私が太陽ならYくんを殺すのは私だもんね」

 本当にじめじめとしたミミズみたいな、陰鬱な少年だ。泥濘に足を取られたまま、何処にも行けないで、置いてかれてしまうのだろう。

「君になら、殺されたい」
「なにそれ気持ち悪い」

 私が笑ってそういうと、彼は泣きそうな顔をした。そんな顔が愛おしくて、私の笑顔がより歪になる。
 暗くて気持ち悪くてジメジメしていて、茸の苗床みたいな彼のことが、私は好きだった。彼といると、心が満たされていくから。
 彼を蔑むことが、疎むことが、私の心に優越感をもたらす。だから好き。大好き。
 知らぬ間に口内の皮膚を噛んでいたようで、血の味が口の中に広がっていた。苦いようなしょっぱいような、よくわからない、錆鉄の味。この大好きは、何処か血の味に似ている。

***
第6回 せせらぎに添へて、にて、名義を変えて掲載していたもの。すのーふれーくと名乗ってましたが、本当はコーンフレークと名乗る予定でした。
Yくんは彼女を太陽だと言ったけれど、下を見て安心する彼女は、そんなに高いところにはいない。きっと、向日葵と見間違えている。顔を上げないから見えないだろうけど。

Re: 添付レートのような。【短編集】 ( No.17 )
日時: 2018/09/15 12:35
名前: ヨモツカミ (ID: V8df6PvY)

♯17 七夜月アグレッシブ

 笹の葉から垂れ下がる細長い紙面を見て、私は思う。あなたの願いが、叶わなければいいのにと。
 図書館の入り口に飾られた笹の木と、その側に置かれた机の上の短冊や鉛筆、紐。誰でも自由に願いごとを書いて飾ってね、ということなのだろう。
 七夕なんて子供みたいだね。そうやって笑いながらも、彼女は淡い桃色の紙面に更々と文字を書いてゆく。その嬉々とした横顔と白と婚のコントラストが眩しいセーラー服を見ていると、妙な既視感に襲われた。それでやっと思い出す。去年も二人でこうして短冊に願いをしたためたんだっけ、と。
 彼女は一足先に願い事を書き上げると、紙の上部に空いた穴に紐を通して、笹の葉に括り付けた。

「……よく、こんなこと書いたね」
「ちょっ、やだー見ないでよー」

 友人ははにかむように笑いながら、慌てて掌を紙面に被せて、内容を隠す。でも、そんなの今更遅い。彼女のお願いを見てしまった私は、酷く複雑な心境に陥っていた。友達の願いを素直に応援してあげられないなんて、最低なやつだと思う。思うだけだ。私は彼女の望みを、全力で否定したかった。
 そんな私の気持ちなんか露知らず、友人は窓の外に視線をやる。図書館内は空調がよく効いていて、少し肌寒いくらいだが、硝子を挟んだ向こう側に出た途端、灼熱の直射日光と熱気が私達の肌を焼くのだろう。雲一つない突き抜けるような青が忌々しい。

「織姫と彦星。今年こそは会えるといいねー。去年は曇っちゃったからさあ。だから私のお願い叶わなかったんだよ」
「私は去年のお願いは叶ったよ。自力で叶えてやった。結局、他力本願じゃ駄目ってことでしょ」

 素っ気なく私がそう言うと、彼女は少し頬を膨らませる。その様子で去年の夏、一緒に行った海で捕まえた河豚を思い出した。今年の夏は行かないかもしれないな、なんて考えた。

「今年は叶うといいね」

 心にもない言葉を口にしてみて、自分でも驚くほど乾いた声が空気を震わせた。

「あんたが叶えてよ」

 友人の言葉にドク、と心臓が跳ねる。空調の聞いた室内なのに、背中に冷たい汗が滲むのが分かった。

「なんてね。他力本願じゃ駄目なんだもんね。私、今年は頑張ってみる」

 向日葵のようにパッと笑う。彼女の底抜けに明るい笑顔が、胸を抉るようだった。なんでそんな風に笑えるの。私はあなたのその笑顔を見ると、苦しくなってしまうのに。

 彼女は私の手に握られた白紙の短冊を覗き込んで、まだ書けてないの、と苦笑する。それから、先に行ってるよ、と言って、私に背中を向けた。そうだ、私達は図書館に七夕の短冊なんか書きに来たのではない。自習室を借りて、課題を終わらせようとしていたのだった。
 遠退く背中を見つめていると、胸がざわついた。何も書いてない短冊が、私の手の中でクシャクシャになる。

「ねえ、やめなよ」

 気が付いたら、私はその背中に声を掛けていた。彼女は足を止める。振り向きはしない。
 友人の後ろ姿を見つめて、私は覚悟を決めていた。だからもう一度、はっきりした声で言う。

「やめなよ」

 今度は友人は振り向いた。いぶかしむ様な顔が私を見ていた。

「やめなって。なんでそんなこと言うのよ」
「……こういうこと」

 クシャクシャに折れ曲がった紙面に、更々と願いを綴り、紐を通して、友人の短冊の隣に括りつける。それから、彼女の短冊を鷲掴みにして、引き千切った。

「え!? なにしてんの!?」
「貴様の願いなんぞ叶えさせてたまるかあああ!」

 目を剥く友人の目の前で『アグレッシ部の部長になれますように』の文字を引き裂いてやった。ビリビリと細かく裂いて、バラバラになった紙を丸めて、床に叩きつけ、勝ち誇ったように踏み付ける。
 私が笹の葉に括り付けた『アグレッシ部の部長は私じゃ!!!!』という短冊が、やけに誇らしく見えた。

「ちょっ、吉川! あんたなにしてんよ!」

 慌てた様子で掴みかかってくる友人の手を払い除けて、鼻を鳴らす。

「私も部長の座狙ってんだよ!」
「えっ、なんでよ、あんたクラス委員長と生徒会長と文化祭実行委員長掛け持ちしまくってるじゃん! 忙しくて手回らないでしょ!?」
「ええい喧しい、私は内申上げ上げパーリィ狙ってんだよ! お前は副部長でもやっとけっての!」

 欲に塗れた意地汚い私にとって、友情なんてものは関係ない。部長の座を狙うのなら、友人は邪魔者でしか無かった。
 ぽかんとしていた彼女が、急に真面目な顔をして、肩にかけていたスクールバッグを床に降ろすと、肩を回しながら言う。

「……そんなに言うなら、どちらが部長の座に相応しいか、ここで決着を付けようじゃないの」
「臨むところだ。何処からでもかかって来なさい、竹下ァ!」

 私達は殴りあった。司書さんの制止する声も耳に入らないほど全力で。
 彼女の右ストレートをいなし、自分の拳を叩き込み、隙を付いて繰り出された足払いをもろに受けて地面に伏し──たようにみせかけ、彼女の鼻を殴りつける。しかし、その動きは読まれていたのか、少ない動きで私の拳をかわした彼女の目潰しが迫ってくる。が、私は眼鏡だ。少しの衝撃と共に、レンズに指紋が付いてしまったが、私のお目々は無傷だった。そして友人は突き指をしたらしく、右手の人差し指を押さえて、その場に蹲った。

「うわー指がー」
「ふふ、愚かな。やはりあなたに部長は任せられそうもないね」

 最近メガネフラワーで買ったばかりの新品の眼鏡に指紋がつけられたのは腹立たしく感じるが、まあ、拭けば済む話である。
 指紋の付いたままの眼鏡ではよく見えないため、眼鏡を取り外す。瞬間、私は瞠目した。
 さっきまで蹲っていたはずの彼女がいない。

「掛かったわね吉川!」
「なっ……! まさか、突き指したあなたを見て勝ちを確信した私が余裕そうに指紋の付いた眼鏡を取り外す一瞬の隙を付いて背後に回り込みぶん殴るという戦法か!」
「めっちゃ説明口調ね吉川! でもその通り!」

 振り返った私の視界には、彼女の繰り出した拳が迫ってくるのがスローモーションのように映った。避けられない。それなら、と私も渾身の力で拳を振りかぶった。

 だが、私が彼女の拳を受けることも、彼女が私の拳を受けることもなかった。代わりに、乱入した司書さんの繰り出した瞬速のアッパーを受けて、私達の勝敗は霧の中へ。
 ……あの司書さん、一体何者だったのだろう。

 その夜、空は曇っていた。今年も織姫と彦星は出会えなかったらしい。
 そして数日後、アグレッシ部の部長任命式が行われた。結局、彼女の願いは叶わなかったし、私の願いも叶わなかった。他の部員が部長も副部長の座も掻っ攫っていったのだ。

 後日、私達は互いの心の傷を癒やすためと、仲直りも兼ねて、今年も一緒に海に行った。


***
吉川と竹下は、図書館出禁になりました。自分でも何書いてるかわかんなかったけど楽しかったからオッケー(>ω<)アグレッシ部か何かは私も知りません。
最初はシリアス系にしようと思ってたので、途中までそんな雰囲気ですが、後半はヤケクソです。

Re: 添付レートのような。【短編集】 ( No.18 )
日時: 2020/05/04 07:35
名前: ヨモツカミ (ID: Whg7i3Yd)

タイトルだけじゃよくわからんって人へ、あらすじのようなものでも書いておこうかと。

〈徒然と欠陥ハート〉
あなたまるで、御人形さんのようね。
そうよ、欠けた心では何もわからないでしょう? だから、取り繕うの。
心臓を喰らえば本物になれる気がしていたのだけれど。

♯1 アリスの夢想録 >>1
独特な雰囲気の文が書きたかったのだろうけど、読み返してみると意味わかんなくてイラッとくる。不思議の国のアリス好きな人でも読んでてイラッときそう。

♯2 ゆめできみをころしたい >>2
殺人未遂ネタ大好きなので、書いていて楽しかったし、今読み返しても好きだと思える。情緒不安定男子高生の話。

♯3 DELETE
♯4 DELETE
この2つは読み返しても全然面白くなかったので消しました。

♯5 未完の隙間を埋めてくれ >>5
自殺願望持ちの女子高生の話。終始暗くて、読むと気が滅入る。読み返してもそんなに面白くないなーって感じがした。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。